2009年4月18日に公開された『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズ第17作目『クレヨンしんちゃん オタケベ! カスカベ野生王国』
キャッチコピーは「解き放て、おバカ本能!」
概要
環境保全をテーマにした作品…に見えるが、それよりも環境保護団体に対する風刺の方が主旨に思えるような内容。
主題歌「やんちゃ道」(作詞・作曲:中村中/編曲:鈴木豪)はジェロが担当、シリーズ初の演歌になった。幼い男児の成長を見守る母親の心情を歌った歌詞であり、しんのすけとみさえに焦点を当てた本作にも合致したテーマ性が特徴。
当主題歌はインスト版が作中で度々BGMとして用いられている。
原作者臼井儀人の生前最後の映画作品になった。
あらすじ
野原一家が住む町に、新しい町長として四膳守が就任。それ以来、町内ではエコ活動が盛んになる。
ある日、しんのすけは謎のドリンクを拾う。それを知らずに飲んだみさえとひろし。
ところが、ドリンクを飲んだその日から二人は徐々に動物のような仕草をとり出すようになり、ひろしはニワトリ、みさえは豹に変身してしまった。
さらにブンベツと名乗る男が率いる謎の集団が現れ、その場にいたかすかべ防衛隊とひろし達を捕える。かすかべ防衛隊の面々は何とか逃げ出すも、ひろしとみさえはブンベツたちに連れ去られてしまった。
そんな中、しんのすけとかすかべ防衛隊の面々は謎の集団を追って現れた「ビクトリア」と名乗る女性と出会い、彼女から四膳の正体を知らされる。
なんと彼の正体は「人間動物化計画」を企む過激エコ組織『SKBE(スケッベ)』(”Save Keeping Beautiful Earth”の略)のリーダーだったのだ。そしてしんのすけが拾った謎のドリンクは四膳が開発した、飲むと動物に変身してしまう『人間動物化ドリンク』だった。
しんのすけは家族を人間の姿に戻せるのか?そして、四膳の野望を食い止める事ができるのか!?
登場人物
変身した動物
『SKEB』が開発した栄養ドリンク『人間動物化ドリンク』を飲んで変身した動物を列挙する。
このドリンクは飲んだ人間を動物(劇中を参照するに、脊椎動物が殆ど)に変身させる効果を持っているが、表れる時間には個人差がある。
しんのすけが持ち帰ったものを飲んだ野原夫妻は動物を思わせる言動(火を恐れるなど)を取ったかと思えば、徐々に獣人化が進み、最終的には体の一部に人間だった頃の面影を残す以外は完全に動物の姿となってしまった。
精神もそれに引きずられ、野原夫妻は人間時代の記憶を失ってしまうが、しんのすけの活躍で元に戻っている。
人間に戻るにはそれ専用のドリンクが必要となる。
物語の終盤になると完成版のドリンクが街中にばら撒かれ、街中の人々が動物となってしまった…が、野原夫妻とは違って人間時代の意識は保持したままであった。
動物化した際のデメリットは上述のとおりだが、人間の知能を保持あるいは取り戻しさえできれば、動物の能力を上手く活かして戦えるというメリットもある。
失敗作のドリンクを飲んでも動物の能力は問題なく発揮でき、風間くんはペンギンの優れた遊泳力、ひまわりはホッキョクグマの頑強さとパワーを活かすなどして活躍している。
また、マサオくんが発するコウモリの超音波砲やボーちゃんがピッキングに使ったオオセンザンコウの舌(丸まって体当たりというアルマジロ寄りの能力も披露)など本物の動物よりもスペックが盛られているケースもある。
ひろしのように動物の能力をあまり活かせていないケースもあるのでやはり個人のセンスに委ねられる所もあるのだろう(ニワトリは本来、蹴りが強力な動物である)。
なお、四膳が飲むのは「人類動物化ドリンクDX」と呼ばれる強化版で合成獣に変身している。もしかしたら、飲んだ人間によってはドラゴンやグリフォンといった幻獣に変身できていた…のかもしれない(作中では一本しか登場していないので効果の個人差は不明である)。
当時のパンフレットによると変身した動物はそれぞれのキャラが1番好きな動物とのこと。
野原一家
かすかべ防衛隊
(※ただし失敗作のドリンクを飲んだため身体の半分が動物化、着ぐるみを着たような見た目になっている。それぞれの特徴を活かした。)
- 風間トオル:コウテイペンギン…風間ママも同様。
- 桜田ネネ:アナウサギ
- 佐藤マサオ:エジプトルーセットオオコウモリ…フルーツを食べる種類であり、実際に劇中でもフルーツを食べようとしている。
- ボーちゃん:オオセンザンコウ
その他
- 四膳守:神獣リオンデス(体はライオン、牛の角、蛇の尻尾、荒鷲の翼の神獣)
- ジェロ(※本人役):クロヒョウ
- 埼玉紅さそり隊:ミユビナマケモノ
- となりのおばさん:カバ
- 高倉文太:羊
- 吉永みどり:犬
- まつざか梅:キツネ
- 上尾ますみ:ハムスター
余談
ジュール・ヴェルヌのネタもあったほか、冒頭では母をたずねて三千里のパロディが繰り広げられるなど、パロディシーンも多い。
関連タグ
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