概要
『ONEPIECE』の世界に広がる海を生活拠点とする哺乳類動物の総称。大多数は偉大なる航路に生息している。
その多くは上半身が現実世界の陸生動物の姿に近いが、下半身には魚のような鱗やヒレを持っているというフォルムのものが多い。言わば「人魚」ならぬ「獣魚」といったところ。
より巨大で獰猛な種が多い海王類と比較するとまだ小柄な傾向があるが、それでも一般の船舶や軍艦よりも大型な種も多く、総じて危険性が低いとは言い難い。また、牛や兎のように見えて口内には多数の鋭い牙を持った肉食動物だったり、海底1万mの深海でもほとんど問題なく行動できる種も多いなど、ONEPIECE世界の航海においては脅威の一つとして認識されている。また、種や環境によっては陸上にも平然と上がってくるため、特に獰猛な肉食海獣はそれこそ「怪獣」並みの危険度である。
基本的に海に生息するためか、それとも「獣」に共通する特徴と言うべきか、「火」を苦手とする傾向があり、暴れ狂っている中でも眼前に火を突き付けられると怯えて動きを止める場合がある。ただ、水中や海上で海獣に襲撃されるたびに咄嗟に火を起こして撃退を図るのはあまり現実的とは言えないだろう。海賊や海軍の実力者であれば、直接攻撃で捻じ伏せる方が手っ取り速い場合もある。
「ウミネコ」や「シーモンキー」など、現実世界に同じような名前で呼ばれる生物が一部存在するが、こちらの世界の海獣は「(名前の)文字通り」な外見をしているものが多い。
海獣一覧
海牛(カイギュウ)
牛のような頭部を持った海獣。ただし肉食性で、口を開けば人間の半身ほどもある鋭い牙が多数生えている。全長も30mを優に超える危険な動物。
基本的には偉大なる航路に生息する海獣で、作中で初めて登場した偉大なる航路の生物(外界から連れて来られたため、登場したのは東の海編)。アーロン一味の一員として登場したモームはこの種。
アイランドクジラ
通常は西の海に生息する(凪の帯越しに繋がっている偉大なる航路にも回遊してくる)世界最大種のクジラ。
その圧倒的すぎる巨体は、成体ともなれば瞳孔だけでも帆船以上の大きさを持つという途方もない規模。その上群れを作って行動する習性があり、大質量の生物群が一挙に泳ぎ回る事で疑似的な海流を生み出しつつ移動している。その勢いは海王類にも劣らないようで大型の海王類の密集生息海域である凪の帯すらも上述の通り通過し、偉大なる航路を行き来する事が出来る。彼らに害意は無くとも船が巨体に接触すればそれだけで大破、開いた口に呑み込まれれば脱出は絶望的、生じた海流に無理に逆らおうとすればそのまま転覆の危機に瀕するという驚異の塊である。
知能が高く人間の言葉を理解して陽気な音楽を好むため、やり方次第では簡易的なコミュニケーションを図る事も可能。仲良くなれば自分の体に船を乗せて航海を手伝ってくれたり、船から転落したクルーを助けてくれたりする事もある。
ラブーンはこの種のクジラであり、その事実からしてアイランドクジラの寿命は少なくとも50年はくだらない模様。
イルカ
一見ごく普通の可愛らしいイルカに見えるが、実はクジラもビックリの超大型(とは言えアイランドクジラほどではない)。勿論イルカなので海面を飛び跳ねながら船に近付いてくる場合もあり、遭遇次第逃走が推奨される。
海猪
猪のような上半身を持った海獣。
扉絵連載『はっちゃんの海底散歩』で登場。海王類に食われそうになっていたところをはっちゃんに救助され、丸のみにしていたケイミーとパッパグを吐き出した。
海ネコ
サンディ島近海などに生息する、猫のような頭部を持った海獣。耳にピアスのようなリング状の毛が生えている。
比較的大人しい性質。何故か作中に登場する個体はやたらと人間臭いリアクションを見せる。
食べようと思えば食べられるが、アラバスタ王国では神聖な生き物として扱われており、食べる事は禁じられている。
後に扉絵連載『ジンベエの海侠一人旅』で幼体が登場。
クンフージュゴン
サンディ島近海などに生息する、背中に亀のような甲羅を持つ小型のジュゴン。基本的には海に生息するが、作中当時旱魃の影響で島の大河は海水の侵食を受けていたため河口を遡上しており、陸上でもさほど問題なく行動できていた。
一個体は成人男性の半身ほどの大きさだが、ウソップを一方的に叩きのめすほどの腕っぷしを誇るため、舐めていると痛い目に遭う。一方で喧嘩に負けると自分を負かした相手に忠誠を誓い弟子入りする習性があり、倒したら倒したでめんどくさい事態になる場合もある。なお、ジュゴンだが肉を食べられる。
詳細は該当項目参照。
シーモンキー
猿のような上半身が特徴的な海獣。
群れを作り、仲間と共に航海者へ悪戯を仕掛けるのが大好き。しかしその悪戯が大型帆船を簡単に呑み込む規模の大波を巻き起こして船を追いかけるというもので、抵抗できなければそのまま海の藻屑にされてしまう。海中に沈んでいく船を満面の笑顔で浮かべてはしゃぎながら眺める様は人間からすれば恐怖の対象に他ならない。
海ダヌキ
偉大なる航路に生息する、タヌキのような上半身を持つ海獣(アニメでは後脚も備え陸上でも活動可能かつ陸上のウサギ程度の小ささとなっている)。
「化ける」能力を持つという。
海兎(ウミウサギ)
兎のような白い体毛に覆われた上半身と長い耳が特徴の大型海獣。
兎に似ているがラパーンよろしく肉食性で大きく裂けた口には鋭い牙が多数見える。目についた船や潜水艇に躊躇いも無く喰らい付こうとするほど獰猛で、危険度は高い部類。
シャボンディ諸島近海でルフィに退治され、丸呑みしていたケイミーを吐き出した。またかい。
アニメオリジナルストーリーで登場したラパーンの亜種、シーラパーンとは異なる。
海獅子(ウミジシ)
ライオンのような顔や立派な鬣が特徴の大型海獣。
帆船を丸ごと噛み潰せるほどの大きな口と強靭な顎を持つ。
ちなみに海獅子が初登場した際に、同時にキリン、ゾウ、サイ、ゴリラ、シロクマ、アナグマらしき特徴を持つ海獣も確認されている(その後正式名称が判明したのは「海熊」のみ)。
新魚人海賊団に力で調伏されて戦力となっていたが、ルフィたちが新魚人海賊団を壊滅させたことで逃げだしたようで、『ジンベエの海侠一人旅』ではワダツミがいらんことをしたため人間と抗争していたが、ジンベエの執り成しにより元の海底に戻っていった。
海イヌ
犬のような頭部が特徴の比較的小型の海獣。
大人しい性格で、海底で迷った子供の海獣の面倒を見たりするお巡りさん的な存在。
『ジンベエの海侠一人旅』では迷子の迷子の子海ねこちゃんをジンベエと共に案内している。