概要
偉大なる航路前半「楽園」のとある島。
麦わらの一味がアラバスタを出港した後に辿り着いた。しかし、その時記録指針が指示したのは「空」であり、ジャヤはあくまで中継地点でしかなかった。
気候は比較的温暖な「春島」で、漢字の「臼」のような形状をしている。その形状から北の入り江はマウスベイと呼ばれ、西には中心となるモックタウン、南東には鬱蒼としたジャングルサウスグレイブが茂っており巨大な昆虫やカタツムリ、更には南しか向けない鳥サウスバードなど様々な生物が生息している。
北東の外れには猿山連合軍最終園長のモンブラン・クリケットがハリボテを貼り付けた古い家に居を構え、海底の財宝を探していたが、ベラミーの襲撃を受けた。この家はかなり古びており、海岸に沿って縦に一刀両断したような半分だけの形である事に加えなぜか階段が無いのに2階がある。
この周辺の海域を猿山連合軍は縄張りにしている。近海では突き上げる海流(ノックアップストリーム)という海底火山の噴火に伴う怪奇現象が見られるため、航行には注意が必要。また、遥か昔から存在し続ける雲積帝雲が漂っており、その雲の下はあまりの大きさと分厚さから昼が夜のように暗くなる。
モックタウン
ジャヤの中心となる街。通称嘲りの町。
治安は最低で毎日強盗や殺人が横行しており、海賊が落とす金で成り立っている。あまりの無法ぶりに、海軍本部からも見捨てられている。ただし、海賊同士の殺し合いは頻繁に起きても、商売してもらう相手がいないと困るため、地元の住民にはほとんど手を出していない模様。
ちなみに、ここを拠点としている海賊の多くが、夢を追いかけるのを諦めている所謂落伍者の巣窟である。
作中から26年前にはロジャー海賊団の船員である光月おでんがおでんの食材を奪いにやって来た事が有る(ロジャー海賊団クルーは一度制止したものの、この街が無法地帯で有る事が分かると船員達もヤケクソ気味に加勢した)。
原作での関わり
主人公モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味が空島の情報を求めて上陸。しかしモックタウンに空島の存在を信じる者はほとんど居らず、それどころか「ひとつなぎの大秘宝」すらないと吐き捨て、今の時代を嘲る無法者が占拠していた。ルフィはゾロと共に海賊ハイエナのベラミーにケンカを売られるも、(目指しているものが全く違う以上相手にするだけ無駄と)決して反撃することなくその場を後にする。だが、その場に居合わせた黒ひげ海賊団の船長マーシャル・D・ティーチはケンカはルフィたちの勝ちであり、空島はあると証言。「人の夢は終わらない」とルフィにエールを送った。
その後別行動をとっていたニコ・ロビンの得た情報により、ルフィたちはモンブラン・クリケットと出会う。クリケットは自身の先祖うそつきノーランドがこのジャヤで発見したが再来したら跡形も無くなっていたという黄金郷を探していた。世間からこの話から嘘つきと扱われて処刑された者とその子孫と罵られ続けた一族である事を気にせず接してくれてかつルフィの「空島へ行きたい」という真っ直ぐな意志を聞いたクリケットは自身がボスを務める猿山連合軍が総出で一味の空島行きを補佐すると約束する。
だが準備の最中にベラミーに襲撃され、クリケットは長年黄金郷を探索する過程で発見した(ノーランドの推測を元に海底に沈没した遺物を探そうと潜水病が慢性的になってしまうほど海へ潜り続けてまで見つけた)黄金を奪われてしまう。先祖への複雑な思いを抱きながらも必死にあるか無いかを突き止めようとしてきた彼らが傷つけられた事にルフィは静かに怒りを募らせ一人でモックタウンに急行。ベラミーを一撃で沈めて黄金を奪還し、クリケットに返還する。そして一味は空島へ向けてジャヤを出航する。
この島での出来事あくまでは空島編の序章であるが、ルフィが後に大事件を起こすマーシャル・D・ティーチと初めて邂逅する場であり、ジャヤは空島編本章でも重要な存在として登場する。またベラミー撃破後には少しだけ世界情勢に切り替わり、海軍本部の元帥センゴクや中将つる、世界政府最高権力者の五老星、王下七武海のドンキホーテ・ドフラミンゴとバーソロミュー・くま、そして「世界最強の男」と評される白ひげ海賊団船長エドワード・ニューゲートが初登場。ルフィの憧れである赤髪のシャンクスや世界一の剣豪ジュラキュール・ミホーク、ポートガス・D・エースやバギーも登場した。
余談
うそつきノーランドの絵本を発見した際、麦わらの一味のコックサンジは「昔読んだことがある」と話し、彼の生まれが東の海ではなく北の海であることが明らかになった。このとき一味のメンバーは誰も追求しなかったが、実はこの発言はとんでもないことを意味しており…。
関連項目
処刑人ロシオ:ここでベラミーにやられて死んだと思われたが、後に生存が確認された。
ドンキホーテ・ドフラミンゴ:マリージョアからの帰り道に寄り道してベラミーに制裁を加えた。
本編の流れ
黄金郷の真相
無事に空島スカイピアにたどり着いた麦わらの一味は何故か空にあるのに島雲ではなく大地でできた神の島「アッパーヤード」を冒険するうちに島の端っこの岸に半分だけ残っていた2階とそこに登る階段が付いている家を発見する。そして一味はクリケットの話を思い出し、あることに気づく。
ジャヤは本来もっと大きな島であり、クリケットの家が奇妙な形状をしていたのは、この家が半分に分かれる位置で島が真っ二つに裂けたからであった。その原因となったのが、400年前(第2部からは402年前)の突き上げる海流である。
当時のジャヤはドクロのような形をしていたのだが、突き上げる海流によりジャヤは東半分上顎に当たる箇所が丸ごと分断され、(ノーランドが最初に訪れた時期に大きな地震があり更にそれによる地割れに飲み込まれた彼は割れ目から這い出ようとして地面を傾けていたので地盤が弱くなっていたと思われる)はるか上空まで大地そのものが吹き飛ばされた。そこに待ち受けていたのが雲の化石「積帝雲」であり、内部に聳え立つ「巨大豆蔓(ジャイアント・ジャック)」にジャヤは突き刺さって固定されてしまった。
空島「スカイピア」の住人たちは行き過ぎた大地信仰からジャヤを天からの自分たちに与えられたプレゼントだと解釈し、先住民族シャンディアとの400年に渡る領土問題が勃発することとなったのである。
そしてそのシャンディアの住まう所こそが、クリケットの先祖モンブラン・ノーランドが発見した黄金郷シャンドラであった。
海底を探し続けても証拠が皆無だったのも当然だったのである。
400年ずっと黄金郷は空を飛んでいたのだから。
シャンドラの話を聞いた国の王達を連れて再来したが既にシャンディアやシャンドラは消えており、島の変貌に混乱するノーランドに財宝目当てに着いてきた王は問答無用に責め立て航海の収穫が無かった腹いせにこれまでの功績まで虚言とでっち上げる。虚言罪により処刑台に立たされるも素晴らしかった都市とそれを守ってきた民達の存在を無かったものにしたくなかったノーランドは黄金郷の存在を否定せずに処刑された。
ルフィは空島を滅ぼそうとする偽りの神・エネルを倒し、大鐘楼を鳴らす。400年ぶりに鳴ったその鐘の音は、猿山連合軍の耳にも確かに届いた。