演:戸谷公人
「この世界のお宝を独り占めにはさせないよ。士」
概要
「仮面ライダージオウ」EP29・30から登場(厳密にはEP28のラストシーンで顔見せしている)。
ディケイドライバーを新調した士=ディケイドと同様、その手にはディケイド本編時とは少し異なるシアン色のディエンドライバーが握られている。
これまでと違い、髪が金髪になっているのも特徴的。
また、彼がジオウに初登場したEP29・30は『仮面ライダー剣』関連のエピソードであった。
彼とブレイドは何かと関わりがあり、
- 海東大樹がディケイド本編で初登場したのがブレイドの世界※
- 自身の出身世界であるディエンドの世界は仮面ライダー剣劇場版の世界のリ・イマジネーションワールド
- チノマナコディエンド変身態がカメンライドしたライダーがブレイド
- チノマナコディエンド変身態を倒したのは烈火大斬刀とブレイドブレードの合体技
等々、彼が本格登場する回がブレイド編であるのも実はかなり真っ当だったりする。
※ディケイド第10話の「ファイズ学園の怪盗」と言うサブタイトルもありファイズの世界が初登場だと勘違いされがちだが、ファイズの世界はディエンドの初登場。海東自身はその前のブレイドの世界で、顔見せとして変身前の姿で登場している
その狙いはやはり「お宝」で、公式からは「ソウゴ達が持つライドウォッチをターゲットとしている」とアナウンスされていた。
活躍
- EP29『ブレイド・ジョーカー!?2019』
クジゴジ堂でソウゴ達に得意の料理を振る舞い(この際の朝食はディケイド第10話で作ったメニューとよく似ている)、彼等が油断していた隙にライドウォッチを盗み出す事に成功。後を追いかけて来たソウゴとゲイツが変身できない為、彼等の代わりに黒ウォズが変身した仮面ライダーウォズと対決し、フューチャーリングキカイによっていくつかのライドウォッチを奪い返されるも、カメンライドで召喚した仮面ライダーナイト・仮面ライダーバロン(※)がウォズを足止めしている隙にインビジブルでその場から逃走する。
今回、彼がライドウォッチを盗んだのは白ウォズに依頼された件も関係しているようで、彼に盗んで来たジオウライドウォッチⅡとゲイツリバイブライドウォッチを手渡したが、肝心のミライドウォッチは盗んでこなかった為、その事で糾弾する白ウォズに「君が必要な物があるなら、君自身で調達したまえ」と一蹴した。
その後、白ウォズがノートに「黒ウォズ、仮面ライダーディエンドと再び戦った」と書き込んだ事で再び黒ウォズと対峙し、今度は仮面ライダーアクセル・仮面ライダーバースを召喚。3人がかりでフューチャーリングシノビを圧倒する。
しかし黒ウォズが考えた作戦とその意図に気付いたゲイツの策略により、隙を突いたウォズにゲイツライドウォッチを取り返され、参戦した仮面ライダーゲイツと仮面ライダーウォズの同時必殺技でアクセルとバースを撃破される。
※なお、バロン召喚時に「バロンを召喚したら逆に襲われるのではないか?」と視聴者から心配されていたが、劇中では特にそのような描写はなかった。(あちらは完全再現してしまったのが理由であるので、モモタロスや南光太郎、イクサやサイガのように変身者の特徴を再現しなかったためとも言える。もしくは、これら変身者の性格が再現されたライダーもディエンド側に付いて戦っていたので性格が再現されようが反逆することはないのだろう。)
- EP30『2019:トリニティはじめました!』
ウォズとゲイツを同時に相手取り、ゲイツから何者なのか問われた際は「通りすがりの仮面ライダー、彼を追いかける者……とだけ言っておこうかな」と告げ、ディエンドブラストで2人が怯んだ隙に姿を消す。
そしてアナザーブレイドの事件が解決した後、タイムパラドックスで消滅した白ウォズが遺していった未来ノートをお宝として回収し、ソウゴとゲイツの前に再び登場。(ライドウォッチに執着していない様子から、本当の狙いは最初からこのノートであった模様)
2人に「祝電」として、オーロラカーテンを通じて2068年の未来にいるオーマジオウと対話をさせたのだった。
- EP42『2019:ミッシング・ワールド』
改変された2019年でも変わらずお宝を探し求めており、加古川飛流/アナザージオウⅡが持つ時間改変の力に目をつけ、飛流の城に現れてアナザージオウⅡウォッチを強奪。襲い来るアナザーエグゼイドとアナザーゴーストは自身が召喚したブレイブとスペクターに倒させ、その隙に逃走しようとしたが、スウォルツに時間を止められアナザージオウⅡウォッチを取り返される。その後、彼を利用しようと考えたスウォルツから「お宝が欲しいなら良い物をやる」と告げられ、タイムジャッカーと同じ時間を止める力を(無理矢理)与えられた。
その後はジオウⅡとアナザージオウⅡが戦っている場面に現れ、早速その力を使ってジオウⅡ達の時間を停止し、ジオウⅡが使おうとしていたグランドジオウライドウォッチを強奪。その際に「こんなに楽にお宝が手に入るのは初めてだよ」と時間停止の力を気に入った様子を見せ、すぐにその場を撤退する。
何故タイムジャッカーと同じ力を持っているのかをオーラから問い詰められた際は、スウォルツから貰った力だと答え、彼女のスウォルツに対する不信感をより強める事となった。
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
ウールがスウォルツを問い詰めている場面に現れたオーラが「海東がタイムジャッカーの時間を止める力を使ったこと」および「その力をスウォルツからもらったと本人に聞いたこと」をスウォルツに述べるのをソファーに腰掛けながら見物し、「あれ?それって言っちゃまずいことだった?」と、茶目っ気たっぷりに誤魔化す。その後ウールは力を奪われて気絶したオーラを連れて逃亡。
スウォルツから2人を始末するよう命令され、これを快諾。
その後は追っ手のアナザーライダー達から逃げた2人の潜伏している隠れ家に現れるが、彼自身は2人を始末するつもりはなく、「僕はお宝が手に入ればそれでいい。だからって誰かの言いなりになるのは気に食わない」と相変わらず人に指図されるのを嫌っている様子を見せ、ソウゴから盗んだばかりのグランドジオウライドウォッチをオーラに投げ渡す。しかし「スウォルツに変に勘繰られるのも勘弁」という理由から、付近にいたアナザーファイズとアナザーWに2人の居場所をバラしてから立ち去っていく。
それからしばらくして、アナザーライダー達と戦っていたディケイドの前にディエンドに変身した状態で現れ、背後から不意打ちの銃撃を浴びせる。
「会えて嬉しいよ士。君の相手はこの僕だ」
お互い変身アイテムがアップデートされているのもあってか両者は互角に立ち回るも、ライドブッカー・ソードモードの一撃を受けて圧倒される……が、ディケイドが勝利を確信した瞬間を狙って時間停止の力を使用。スウォルツが士からディケイドの力を奪う手助けをした。
そしてアナザージオウⅡが倒されて改変された世界が元に戻った後、倒れ伏す飛流が掴もうとしたアナザージオウⅡウォッチを先に拾い上げ、それをスウォルツからの褒美として貰い受ける。そしてソウゴ達を一瞥して「またね」と再び会うことを想起させる言葉を告げてから立ち去るのだった。ディケイドの力を奪われて気絶した士を置いたまま……。
- EP47『2019:きえるウォッチ』
「やあ、士。一回死んだんだ。せめてナマコは食べられるようになったかい?」
別の時間軸の2058年、ツクヨミを抹殺しようと試みる若き日のスウォルツを妨害するという形でオーロラカーテンから登場。
ツクヨミを庇って死んだ士の意図を聞き出す、という名目で(渋る素振りを見せながら)アナザージオウⅡウォッチを起動させ、時間を巻き戻す。上記のセリフは、海東が意識を取り戻した士に対して発した言葉である。
その直後、アナザーウォッチ起動の「副作用」により、苦しみながらアナザージオウⅡに(強制変身に近い形で)変貌。士に対して明確な殺意を露にする。
アナザージオウⅡ(海東)「最後のお宝をもらうよ。士の命っていうね!」
士「自我までアナザーライダーに呑み込まれたか…」
士は対抗するようにディケイドウォッチの力でネオディケイドに変身。戦闘が始まり、その場にいたソウゴ、ツクヨミらとともに2019年(ジオウの時間軸)に帰還する。
アナザージオウⅡ(海東)「士。ライダーの力は奪われたんじゃなかったのかい?」
ネオディケイド(士)「そんなこともあろうかと、力の半分をウォッチに託しておいたのさ!」
アナザージオウⅡ(海東)「さすが士だ。でも、半分の力じゃ僕には勝てない!」
ネオディケイド(士)「それはどうかな?」
『カメンライド!ジオウ!カメンライダージオウ!』
ソウゴ「何それ…」←ほんとそうだよ。
ジオウにはジオウの力、とネオディケイドはディケイドジオウに変身。グランドジオウも参戦し、海東の形勢は不利になっていく(といっても、加古川アナザージオウⅡはグランドジオウ単体に破れているため、事実上負け確定である)。
最後はグランドジオウの召喚したザンバットソード、バリズンソード、トレーラー砲の三弾攻撃(いじめのレベルだが、オリジナルよりはマシである)によって爆散。爆炎の中から脂汗にまみれた海東が現れ、アナザーウォッチは自壊した。
海東「僕のお宝が…」
過去改変とアナザーライダーの召喚・使役といった、魅力的な能力(特に前者)を秘めたお宝であったため、ウォッチ粉砕にはショックを受けた模様。
ネオディケイド(士)「全く、世話を焼かせる…ほら」(手を差し伸べる)
海東「士。感謝の言葉は口に出したまえ」
余談
門矢士役の井上正大氏が司会進行を務める「銀岩塩チャンネル」の2019年3月30日公開の回では、海東大樹役の戸谷公人氏がゲスト……どころか番組の司会進行を乗っ取る形(※台本通り)で登場し、『ジオウ』にディエンド役として出演した件について「10年間ひたすら士を追っかけている」という設定で演じていたことが明かされている。
従来は主人公であれサブライダーであれなんでも召喚していた彼だが、『ジオウ』客演では2号ライダーしか召喚していない。玩具のネオディエンドライバーに2号ライダーのカードしか付属しない関係なのだろうが、設定上では強化の代わりに召喚に縛りができたのか使っていないだけなのかは不明。
以前はなんだかんだ言いながら士を助けることが多かったが、今のところ完全に敵対している。もしかして、以前騙されたことをまだ根に持っているのだろうか…?
なお、EP43放送後に戸谷氏は自身のTwitterにて「士と海東の旅はまだまだ続く」「士を救えるのは僕しかいない」など意味深なつぶやきをしており、単にお宝欲しさにディケイドの力を奪うのに協力したわけではないとも思われるが…?
EP47にてアナザージオウⅡに変身した際、自我のコントロールが利かなかったという理由からか、
アナザージオウⅡ特有の能力である過去改変やアナザーライダーの召喚・使役を全く利用しなかった。徒手空拳と剣で戦う姿は、あの笑顔では誰にも負けないライダーと重なるが…。
もし、EP47の海東がいつものずる賢く冷静沈着な海東なら、
という風に、アナザーディケイド顔負けのチートスペックを誇っていたかもしれない。
海東のことだから、過去改変でビッグマシンを召喚くらいはやってのけるだろう。
…まるで世界の終わりだ。
因みに、海東アナザージオウⅡにトドメを刺した3つの武器は、絆を重んじるライダーたちの最強フォーム専用武器と士に対して情を持つ海東とは逆に士と最後まで敵対し続けた仮面ライダーの武器だったりする(トレーラー砲は本来ドライブ・タイプフォーミュラ専用だが、専用武器を持たない最強フォーム・タイプトライドロンの専用武器としても使われていた)。
彼が狙った「お宝」リスト
※仮面ライダージオウ以降における「お宝」を記載。
「仮面ライダージオウ」EP29で彼が(白ウォズの依頼で)狙っていたお宝。ソウゴ達に自身の料理を振る舞い、彼等が油断した隙を突いてライドウォッチを大量に盗み出すも、黒ウォズとの戦いの末、ジオウライドウォッチⅡ・ゲイツライドウォッチ・ゲイツリバイブライドウォッチ以外のウォッチは奪い返される。ただし、この際に「その程度のお宝は返してあげるよ」と発言しており、彼自身はライドウォッチに対する執着はさほどなかった他、上述した通り本来白ウォズに依頼されたはずのミライドウォッチは一切盗んでいなかった。
その後、黒ウォズとゲイツの策略でゲイツウォッチも奪い返されるが、その時点で既にジオウⅡウォッチとゲイツリバイブウォッチは白ウォズの手に渡ってしまっている。
- 白ウォズの未来ノート
「仮面ライダージオウ」EP30で手に入れたお宝。EP29の時点で目を付けていたらしく、EP30終盤で白ウォズがタイムパラドックスで消滅した後に回収していた。最初に盗んだライドウォッチはあっさりと返却していたことから、彼の本当の狙いは最初からこちらであった可能性が高い。
「仮面ライダージオウ」EP42で狙ったお宝。加古川飛流から奪うことには成功したものの、スウォルツの時間停止能力で動きを止められ、取り返される。後にEP43でアナザージオウⅡが倒された後、スウォルツからの褒美として回収していった。
しかし、上記の通りEP47にてグランドジオウに海東が敗れた際に自壊した。
「仮面ライダージオウ」EP42で狙ったお宝。スウォルツから与えられた時間停止能力を使い、グランドジオウに変身しようとしていたジオウⅡから奪った。その後、スウォルツの命令で他の二人のタイムジャッカーに近づいた時に二人に渡している。
その後、EP43で受け取っていたオーラからソウゴの手元に戻った。