概要
異世界から現れた犯罪者集団。様々な世界の裏社会を牛耳り、その縄張りを広げてきた。
アルセーヌ・ルパンが集めた秘宝「ルパンコレクション」を手中に収めており、ボス・ドグラニオはギャングラーの構成員達にルパンコレクションを山分けしている。
パトレンジャーとルパンレンジャーの双方の敵となる存在。特にルパンレンジャーの三人はギャングラーに親しい人を奪われた因縁がある。
彼らが行う犯罪は多岐に渡り、第1話からギャンブルで負けた客に臓器密売を行わせていたり凍結させた一般人を粉砕するなどというリアルすぎる描写も出てきた(おまけにギャングラーの食糧は暴れ回った世界の人間であることが第7話で発覚している)。
作中では既に少数が活動しており、世間一般にもその存在は認知されていたが、ドグラニオが999歳の誕生日を迎えたのを機に、人間社会を制圧した者へ自身の地位を譲ると発言。それに構成員達は色めき立ち、行動が活発化する事になる。
構成員であるギャングラー怪人の主目的が「後継者争い」に集約される為、ドグラニオも部下である彼等に対しては一切作戦の命令や指示を出さない不干渉のスタンスを取っており、組織全体の風土は完全な放任主義(但し、余り度が過ぎると制裁の憂き目に遭う)。
尚、後継者争いは完全な実力主義であり、過去の経歴は一切不問。その為、例え贋作を作って売り捌くだけのつまらない輩だろうが引きこもりだろうが人間界の征服さえできてしまえば後継者として首領の座に就ける様だ。また兄弟や徒党を組んだ者同士など人間界を制圧できれば複数人でも後継者になれる模様。
それぞれの怪人には体の何処かに金庫が備え付けられ、その中にルパンコレクションを収納している模様。コレクションの効果が発動する時は金庫が緑色に光る。
当初は一般怪人の金庫は銀色、幹部の金庫は金色となっている事だけしかわからなかったが、#20ではしっかりとした分類がある事が判明しており、種類は以下の通り。
- 「ステイタス・ダブル」…銀色金庫を2つ持つ特殊なギャングラー怪人。ザルダンなどが該当。
- 「ステイタス・トリプル」…銀色金庫を3つ持つギャングラー怪人。リルスが該当。
- 「ステイタス・クアドラブル」…銀色金庫を4つ持つギャングラー怪人。実験体が該当。
- 「ステイタス・クインティプル」…銀色金庫を5つ持つギャングラー怪人。ステイタス・クアドラブルの実験体に新たに金庫を追加されてこのクラスになった。
- 「ステイタス・ゴールド」…金色金庫を1つ持つ特殊なギャングラー怪人。ゴーシュとライモンが該当。
- 「ステイタス・ダブルゴールド」…金色金庫を2つ持つレアなギャングラー怪人。デストラとザミーゴが該当。
- 「ステイタス・ゴールド・フィジカル・プロテクト」…絶対に切れない鎖が巻かれている金色金庫を持つ超レアなギャングラー怪人。ドグラニオのみが該当。
「ステイタス・ゴールド」以上の上級怪人は一般怪人と異なり暗証番号が6桁で、ダイヤルファイターに金庫を当てても、エラーが表示されて解錠できず、解錠するにはダイヤルファイターを二つ同時に当てる必要がある。また実験体は金色金庫では無いが、特殊な方法でしか金庫を開けられなかった。
#16ではあるギャングラー怪人の金庫の残骸がトリガーマシンクレーンにへばりついており、国際特別警察機構の分析の結果、この金庫は地球上にはない未知の物質で出来ており、外部は頑丈だが内部は衝撃に脆い作りになっているらしい。
ジム・カーターは、ゴーシュの手で施される『巨大金庫』で金庫から体が再生する事から、金庫がギャングラーの核ではないかと言う見解を述べている。
ルパンレンジャー側はギャングラーの持つルパンコレクションを奪還するため、パトレンジャー側はギャングラーの凶悪犯罪を止めるため、それぞれの事情でギャングラーの怪人たちと戦っている。
ギャングラーの本拠地は光を覆うほどの雲に覆われた暗闇の世界であり、そこに佇む洋館を根城とし、ドグラニオとその幹部達は普段食堂を兼ねた応接室に屯している。
実はギャングラー達の世界は本当の彼らの世界ではなく、ノエルやコグレ達ルパン家に仕える者達の祖先にあたる異世界人達が暮らしていた世界であり、約千年前にギャングラーが住人達を追いやり制圧した事が#44で判明した。ドグラニオが今年で999歳の誕生日を迎えた点を踏まえると、丁度彼の生誕前後の出来事という事になる。更に今に至るまでドグラニオはボスとして500年間ギャングラーの頂点に君臨し続けていた事から、彼が生まれてから首領の座に就く499歳までは別の誰かがボスとして君臨していたと思われるが詳細は不明。
上下関係としては怪人たちはドグラニオ以外の幹部クラス(ゴーシュやサミーゴ等)などはタメ口や呼び捨てで接しており、そこまで上下関係はない。
ただデストラの舎弟などの怪人は彼に対しては「さん」付けで接している。
幹部が次々と倒され、ボスのドグラニオも自ら組織運営を事実上放棄したため組織の形としては#50の時点でほぼ崩壊したが、構成員が全滅した訳ではなくドグラニオの逮捕後も生存した怪人達が散発的に人間界での犯罪を行ってはパトレンジャーに何人か倒されている模様。
構成員
ボス
- ドグラニオ・ヤーブン(CV:宮本充)
ルパンコレクションを強奪したギャングラーのボス。500年もの間ギャングラーを率いてきた。
999歳の誕生日を迎え、人間界を支配することを条件にギャングラーの新たな後継者を見つけ出そうとしている。刀を仕込んだ杖『ギャングラディウス』を常に携帯している。
#49にての金庫の中は無限空間になっており、その中に残りのルパンコレクション全ての力を同時に使用することが可能。更にコレクションの力で自身の肉体を強化している。
幹部
ドグラニオの忠実な配下でボディーガード役。片手に持つハンマー『デストランチャー』を軽々と振るって攻撃する。怪力の持ち主だが、力押し一辺倒ではなく頭もよく切れる。
2つの金庫は#15、18で他のギャングラー怪人に手渡して長らく空であったが、#42で一時的にVSビークルを自身のコレクションとして所持していた。
#41からドグラニオの意志を継ごうと両戦隊を始末しようしたが、#42で戦死した。
- ゴーシュ・ル・メドゥ(CV:竹達彩奈)
ギャングラーの女医にして科学者。金庫は一つだが複数のコレクションを所有しており、その内の1つの注射器のルパンコレクションの力で死んだ構成員を復活させる役目を担うが、両腕に装備された『サブマシン腕』から放つ銃撃を織り交ぜた格闘戦を得意とするなど戦闘力も高い。
何度も実験を行っているがむしろその実験を楽しんでおり、人間のみならず仲間のギャングラー怪人ですら実験に利用する残虐さを持つ。
#48でドグラニオに見限られてしまい、自暴自棄になった所で自らの金庫を実験体に移植し、そのまま死亡した。
氷のソンブレロを被ったギャングラー怪人で情報屋。ギャングラー怪人が人間界に潜伏するために必要な「化けの皮」の販売も行っている。
自身が生成する氷の銃『フリーズコールダー』から放たれる弾丸で人間を氷漬けにして粉砕し、「化けの皮」製造の為に次々と誘拐していた。その中には夜野魁利の兄の夜野勝利、宵町透真の恋人の大平彩、早見初美花の親友の一ノ瀬詩穂も含まれており、ルパンレンジャーの結成のきっかけである3人の仇敵。
金庫は自身の武器を生成するホルスター代わりにしている為にコレクションは持っていなかったが、#47でゴーシュに金庫を腰に移植してもらい、そこにコレクションを収めている。
#50にて快盗たちとの決戦の末に倒され、消滅した人々は化けの皮の材料にされた者以外、当時の状態で帰還した。
- ライモン・ガオルファング(CV:江川央生)
自身が率いる実力者のギャングラーの集団「ライモン軍団」の団長。#23から登場。
コレクションの力でほぼ不死身の肉体を持ち、誰も太刀打ちできない圧倒的なパワーから数々の世界を滅ぼしてきた実力者。
中々決まらないギャングラーの後継者争いにケリをつけるべく、自身が新たなボスになろうと部下を引き連れて現れたが、次々と配下が倒されてしまい、#25で自身も撃破された。
ギャングラー怪人
ドラグニオの後継者になろうと活動するギャングラーの悪党達。与えられたルパンコレクションの力を使い悪事を働いている。
ザミーゴから買った大量失踪事件の被害者から加工した「化けの皮」を被り、人の姿をして潜伏している者もいる。
戦闘員
ギャングラーの戦闘員。幹部やギャングラー怪人や手足となって動く。ゴーシュが実験のために改造を施された個体もおり、不完全だがコレクションの力を使う事が出来る。
戦力
デストラが私兵として保有している巨大擬似生命体。頑丈なボディを持ち、個体によって異なる様々な能力を持つ。
#42でデストラが戦死後も、ゴーシュが改造を施した1体のみ所有していた。
ゴーシュが他のギャングラー怪人から奪った金庫を使って生み出された人造ギャングラー怪人。5つの金庫を備えており、それぞれに収められたコレクションの力もあって高い戦闘力を有する。
#48では黒い個体が登場している。
協力者
VSシリーズ第2弾に登場。あるギャングラー怪人に力を貸す。
余談
構成員のほとんどに取り付けられている金庫の暗証番号は、ギャングラー怪人のモチーフや能力などの語呂合わせになっている。
ただ、メタロイドの識別番号やシャドー怪人の闇形式と比べると、五十音を数字に当てはめたものを取り入れていたりと単純な語呂合わせではないのが特徴。
中には中の人の名前と誕生日が暗証番号として取りれられている者もいる。
ただ、識別番号の由来の解読が比較的難しかった為か、次作の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』でも久氏がデザインを担当しているドルイドン族とマイナソーに設定されている経験値は、由来の解読がしやすい数字の語呂合わせになっている。
モチーフは「生物」で幹部には武器と恐竜が使用されている。
一般のギャングラー怪人は元々絶滅動物で統一する予定だったが、「例えば、リョコウバトモチーフ怪人はハトモチーフの怪人と大して変わらないのではないか」という考えからボツになった。
モチーフが純粋に生物だけとなる『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の臨獣拳アクガタ以来、11年振りとなるが、その中に恐竜が組み込まれているのは初。
また、デザインを担当された久正人氏の「今までにモチーフとして採用されてない生物(クリオネやアルパカなど)or少ない動物(ペンギンやオオアリクイなど)で怪人を創りたい」という発想から、珍しい動物のモチーフのギャングラーが多く、アクガタよりも生物の幅が広い。
ただし、昆虫自体がモチーフのギャングラー怪人は存在しない(モチーフの一部として取り入れられている者はいる)。
構成員の共通点として、体のどこかに骨の意匠がある。
構成員が必ず1つ以上体に付けている金庫だが、「金庫必ずつける=怪人デザインにB5程の空白が必ず生まれてしまう」ということから、デザインが間延びしないように金庫のディティールや配置位置がかなり工夫されている。
「人間社会に潜伏している」という設定から、戦隊シリーズとしては久々となる、人間態を持つ者が多い組織。
また「義賊」であるルパンレンジャーとの対比からか、ギャングラーの行う犯罪は詐欺・臓器密売・放火強盗・強盗殺人・爆弾テロ・食人・人体実験などショッキングなものが多く、直接的あるいは間接的な死の描写も存在しているなど、行う悪事は歴代の敵組織と互角以上に生々しく凶悪であり、描写から考えても明らかに助かっていない者も多い(過去のアリエナイザーの悪事も凶悪なのが多い。尚、こうした描写は脚本家の香村純子がシナリオを手掛けた前々作『動物戦隊ジュウオウジャー』でも同様になされている)。
特徴的な話し方をする者が多いこともあって、各怪人の個性がこれまでの作品以上に強い傾向があり、どこか人間臭い行動を取る者もよく見受けられる。
また怪人の登場数が従来に戻っている為に印象に残りやすく、前作の宇宙戦隊キュウレンジャーとは対照的である。
スーツの改造の頻度が高く、序盤に登場したギャングラー怪人のスーツのほとんどが別のものに改造されている。ただ、それのおかげで怪人の顔ぶれもグッと増え、視聴者の楽しみが増えた。
これは、制作資金の問題もあって近年の特撮作品では元のスーツから殆ど改造せずに再生怪人としての流用が多かった事に比べれば大きな進歩といえる。
その為、今までの作品によくあった何らかの方法で復活した再生怪人達が戦隊と交戦する場面が『侍戦隊シンケンジャー』以来、一度も無かった。
関連タグ
宇宙暴走族ボーゾック…激走戦隊カーレンジャーに登場する敵組織でこちらも犯罪者の集団繋がり。名前の通り暴走族モチーフ。
ロンダーズファミリー…未来戦隊タイムレンジャーに登場する敵組織でこちらも犯罪者の集団繋がり。
バットバス魔人部隊…星獣戦隊ギンガマンに登場する敵軍団で武器がモチーフの怪人繋がり。
デスガリアン…スタッフ繋がりの非道な組織
オルフェノク…ナマケモノやオクラ、トビウオやツクシなど、ギャングラーと同じくモチーフにされるのが珍しい生物が多く採用されている。
ファンガイア、ロイミュード、スマッシュ…スーツの改造頻度が高いライダー怪人たち。その内のファンガイアは、種類全体の生物自体のモチーフの者がいない点も共通している。
第3勢力…今作のモチーフは「快盗VS警察」なのでギャングラーはこの立場に当たるかもしれない。ただし両戦隊とも最大の敵は当然ギャングラーの方なので、第3勢力はむしろ「それぞれの戦隊にとっての他方の戦隊」と位置付けた方が実際の構図に近い。
宇宙幕府ジャークマター→ギャングラー→ドルイドン族