※タグとしては鉄人兵団が使われる事も多い。
地球を狙う鉄人兵団来襲!ドラたちと巨大ロボット軍団の一大決戦がはじまる!
『のび太と鉄人兵団』とは 大長編及び映画ドラえもんシリーズの7作目である。
1986年3月15日に公開された。
あらすじ
ある日、ドラえもんとのび太は北極で偶然ロボットの一部を発見してしまう。それを組み立ててみると巨大なロボットが完成した。
「逆世界入りこみオイル」と「おざしきつりぼり」を利用して作った誰もいない鏡の世界「鏡面世界」の中でドラえもんとのび太は、しずかを誘いロボットを乗り回して遊んでいたが、ロボットに強力な兵器が搭載されていたことを知り、ドラえもん達3人の間で絶対にこのことを口外しないと約束し、ロボットをおざしきつりぼりで作った鏡面世界の中に置き去りにしていく。
それからしばらくして、のび太は自分の目の前に現れたロボットの持ち主と名乗る謎の少女リルルに鏡面世界の秘密を打ち明け、おざしきつりぼりごとロボットを返してしまう。
やがて、彼女の正体と恐るべき目的を知ったドラえもん達は、地球人総奴隷化を企むロボット兵の軍団「鉄人兵団」との恐るべき戦いに巻き込まれていく・・・・・・。
レギュラーキャラクター
ドラえもん
主人公。ひみつ道具を駆使して鉄人兵団と戦う。
のび太
ジュドを見つける。ドラえもん達と共に鉄人兵団と戦う。
秘密を本隊にバラそうとする彼女を撃とうとするも撃てなかったのが彼女を実質的な離反をさせるきっかけとなる。
しずか
最初は兵団のことは伏せられていたが逆世界入り込みオイルを自宅の風呂で使われていたため事態に気づきリルルを助ける。
ジャイアン
ドラえもん達と共に鉄人兵団と戦う。政府などに警告しても聞こうとすらしなかったドラえもん達の兵団の話をスネ夫と共にすぐ信じてくれた。更に兵団の到着の連絡で一行が動じた際「狼狽るな!!兵団が来るのは分かってたことじゃないか」と喝を入れて冷静さを取り戻させた。
スネ夫
ドラえもん達やミクロスと共に鉄人兵団と戦う。
ゲストキャラクター
リルル
CV:山本百合子(1986年版)/ 沢城みゆき(2011年版)
鉄人兵団が地球に送り込んだ少女型ロボット。
当初は兵団の命に忠実に動いていたが、傷を負ったところを人間であるしずかに助けられたことをきっかけに、自分達の行いに迷いを抱くようになる。
ザンダクロス / ジュド
リルルと共に地球に送り込まれた工作用ロボット。
本来の名前はジュドというのだが、事情をしらないドラえもん達が改造してザンダクロスと名付けた。
頭脳はボーリングのボールのような形をしており、寡黙なリルルの相棒だとは思えないほど異様に口が悪い。
デザイン担当のたかやはテレビアニメ『機動戦士Ζガンダム』の百式をモデルにした。
ピッポ
CV:小林由美子(2011年版)
AIまで改造してはかわいそうというのび太の意見によりジュドの頭脳が、おはなしボックスによって話せるようになった。内部構造がひよこのような姿になり、半分に割れた筐体を帽子のように被っている。
人格はいじっていないため当初は、原作のように横暴で、侵略者にふさわしい振る舞いだったが、ドラえもん達と交流の中で、これまでの行いを見直してゆく。最終決戦ではザンダクロスに搭乗し、命を賭して鉄人兵団の大型母艦を足止めした。
ミクロス
CV:三ツ矢雄二(1986年版)
のび太がロボットを欲しがる原因になった、スネ夫所有の自立・2足歩行式ロボット。
初期はラジコン操作だったが、それにしても2足歩行・高い運動性・背中に装備されたプロペラによる飛行など、とても20世紀のオモチャとは思えない性能。
後にドラえもんによって人工知能搭載型に改造された。
スネ夫同様ビッグマウスの割りに臆病だが、なかなか憎めない一面がある。
原作版及び1986年版では鉄人兵団問題解決の重大なヒントをしずかに与える物語上のキーマンだったのだが、2011年のリメイクではシナリオ改作の都合上、改造もされず、ちょい役として出演するのみとなった。
ロボット隊長
cv:田中康郎
鉄人兵団の隊長。司令官。
ロボット兵士
鉄人兵団のロボットの兵士。
博士
3万年前メカトピアを創造した神とされる存在。人間の科学者だったが争いや支配しようとしたりされたりを繰り返す人間に嫌気がさし無人の星で新たな世界を作ろうとアムとイムを作り出し「天国のような世界を作りなさい」と語ったが頭脳に競争本能を組み込んだ結果アムとイムの子孫は下記の通りの歴史を辿ってしまう。未来からしずか達がその歴史を伝えにきて天国というには程遠い世界と感じ頭脳の改造を決意。他者を思いやれる心を組み込もうと考える、途中で体の限界に達し続けられなくなるがリルルが続きを引き受け弱肉強食が生じない世界にする以上鉄人兵器は消えて自分もこの世にいなかったことになるのを承知で彼女は本当の天国を作れるのを喜びを感じ成し遂げた。
アムとイム
メカトピア創世時代最初のロボット。博士の言われた通り新たなロボットを作り続けロボットによる世界を作り出したが頭脳に競争本能を組み込まれた結果子孫のロボット達も互いに優れた存在、上の存在になろうという押しのけ合いをするようになっていき貴族階級、労働者階級という人間と同じ支配する者・される者ができてそれに捉われる社会が出来上がってしまう。更に時代が進み労働者制は廃止されたが神に造られた者から誕生した国であることから「ロボットは神の子、宇宙はロボットのためにある」という考えから今度は人間を労働力にしようという考えができるという博士が遠のけた人間と大差ない弱肉強食の社会ができるという歴史に至ってしまった。
余談
この作品での戦闘は、大長編・映画シリーズ初(にして現時点で唯一)の実質的な負け戦と言える。原作者の藤子・F・不二雄も「鉄人兵団は映画ドラえもん史上最強の敵であり、タイムマシンを使う以外の勝利方法を思いつかなかった」と述べている。
終盤の決戦において、ひみつ道具を駆使して決死の抵抗を試みるドラえもん達だったが、絶望的なまでの数の差は覆せず完全に追い詰められてしまった。
仮に倒せたとしても、彼らは地球人捕獲を目的とした謂わば先遣隊に過ぎない。メカトピア本星には何のダメージもなく、それどころか今度は本格的な武力制圧に出る可能性もある。
※鉄人兵団は鏡地球の大都市を容易く壊滅させていたが、「隠れている地球人どもが、恐怖で飛び出してくるまで攻撃を続けろ」と言っているので、彼らにとっては威嚇程度の攻撃なのかもしれない。
リルルの決死の行動で過去改変が起こったことで鉄人兵団は消滅したものの、リルルの行動が少しでも遅れていたら、(大爆発の中心にいても身体が原型を留めていたり、深海底や太陽の至近距離にいても平然としている)ドラえもんはともかく、のび太達3人は皆殺しになっていてもおかしくなかった。
後の作品における戦闘でもドラえもん達が敵に追い詰められた事は少なくないが、いずれも状況の好転後はきっちり逆襲しており、逆転勝ちと言った方が正しいものばかりであり、逆襲もままならないままかろうじて九死に一生を得たのはこの作品の戦いのみである。
尤も、これはドラえもんが「空気砲」や「ショックガン」等の基本的な武器・防具のみを使用して鉄人兵団に応戦した結果である為、ファンの間ではドラえもんが容赦無く「ジャンボ・ガン」や「熱線銃」、「原子核破壊砲」等の強力な破壊兵器を使用したり、スネ夫が持つロボットアニメのロボットの模型を「ビッグライト」で大きくする、「プラモ化カメラ」等で用意した現代兵器の実寸模型などを前作のように改造し、「ロボッター」や「無生物さいみんメガホン」等を使用して無人兵器にする、前作の戦車の残り2両を出撃させる、「タンマウォッチ」や「狂時機(マッドウォッチ)」等の時間操作系ひみつ道具、「ソノウソホント」や「ウソ800」及び「しあわせトランプ」等の全知全能系ひみつ道具を使用・併用したり、極端な話、「どこでもドア」を使用してメカトピアに「地球破壊爆弾」を投げ込む等すれば、鉄人兵団相手に苦戦することなく完全勝利出来たのではないかと指摘されることも少なくない。しかし、子供向けの作品でそのような指摘は無粋と言うものだろう。
登場するひみつ道具
登場順に記載している。
逆世界入りこみオイル
おざしきつりぼり
かるがる手袋
サイコントローラー
糸なし糸電話
金属探知チョーク
メカ救急箱
コンピューター睡眠薬(※この名称は1986年版で設定されたものであり、原作版及び2011年版における正式名称は不明)
瞬間接着銃
たずね人ステッキ
即席落とし穴
壁紙シェルター
主題歌
レーベルは全てコロムビアレコード。
- オープニングテーマ「ドラえもんのうた」
作詞 - 楠部工 / 作曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 大杉久美子
- エンディングテーマ「わたしが不思議」
作詞 - 武田鉄矢 / 作曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 大杉久美子
- 挿入歌「ポケットの中に」
作詞 - 武田鉄矢 / 作曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 大山のぶ代
関連イラスト
別名・表記ゆれ
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ネタバレ注意
作品のラストで、リルルにそっくりな少女がのび太の横を飛んでいく。