「誰も、傷つけさせない……」
「人を傷つける奴は、許さない……!!」
演/CV:堀池直毅
スーツアクター:渡辺淳
データ
- 身長:204.0cm
- 体重:96.0kg
- 特色/力:人間の魂の吸収/複数のパーカーゴーストのような浮遊体への分離攻撃及び使役/ゴースト・オレ魂のオメガドライブのようなキック技/透明化
概要
『仮面ライダージオウ』EP13「ゴーストハンター2018」から登場するアナザーライダーの1人。
妹のミカを庇って警察官・マキムラが事故に遭った後に現場に出現した。
モデルは仮面ライダーゴースト・オレ魂。
正体
ウール「倒したらダメだよ? こいつ、これが動いてないと死んじゃうんだ」
その正体は事故に遭い死亡したマキムラ本人であった。彼は描写された中では初めてタイムジャッカーとの契約を拒否するも、死亡後にウールにアナザーウォッチを埋め込まれ、強制的にアナザーゴーストへと変身させられてしまった。
撃破してアナザーウォッチが停止してしまうと再びマキムラが死亡してしまう為、迂闊に倒す事ができない状態に陥っている。
生前の警察官としての正義感が行動原理のようだが、ライダーの力によってその正義感が歪められており、他人の説得も聞かず暴走してしまっている。元々優しい性格だった人物が死後、その心が歪んで見境なく人を襲うようになっていくその様はまさに悪霊のようである。
しかし最期に自分が救おうとしたミカの記憶は残っているようで、彼女の姿を見た時だけは僅かに反応していた。
望んで力を手に入れたわけではなく、その力に飲まれて暴れていた点ではアナザービルドと近いものがある(アナザービルドは変身者の目的が事故の回避であり、力その物を望んでいたわけではなかった)。
初の死者が変身するアナザーライダーであり、初の契約や当人の意思を完全に無視して誕生したアナザーライダーでもある。
容姿
他のアナザーライダーと同様に口や鼻が追加されていたりと、ゴーストをより凶悪に歪めたような印象を見せる。
本家では丸みを帯びていた眼はダークゴーストのように歪んでおり、憤怒の表情にも見え、その眼の中にはよく見ると、縦長にした本家ゴーストのライダーズクレストのような瞳があるのも確認できる。
顔の輪郭には本家ゴーストの「オレ」魂に対し「他人」の顔を縫い付けているような縫い目が見られる。オレンジ色に黒の眼や口の造形はハロウィンのジャック・オー・ランタンの様に見えるかもしれない。
頭にフードを被っている点も本家と同じだが、こちらは頭部のウィスプホーンが黒く、後頭部からは白髪が生えており本編でのダークゴースト変身者を彷彿とさせる。後に抜き取った魂を取り込んでパワーアップし、本家同様にフードが脱げた状態となった。
骨のモチーフが見られたオレ魂に対し、(パーカー以外の)素体部分は老衰死した死体や死蝋のような皺だらけの外見をしており、全身にツギハギに縫い合わせた意匠がある。
むき出しになった両手足には赤と緑の血管のようなモールドがあり、指は爪が壊死したように黒ずんでおり「死体」を強くイメージしたものとなっている。
一方で大きな眼が覗くパーカー部には不死の存在たるアンデッドを想起させる「黒+鋲」という組み合わせが施されている。
前述の顔の縫い目と相まってさながらパーカーゴーストが死体に寄生しているようにも見える。
GHOSTの名前や2015の年号は"0","O"がゴーストの顔や目の形状にアレンジされてパーカーの背面に刻まれている。
腰に装着しているベルトはゴーストドライバーを歪めた形状をしている。どちらかと言えばその形状は原典で西園寺主税が所持していたプロトドライバーに近い。
能力
人間の魂を吸い取り胸の紋章に吸収する能力を持つ。抜き取った魂からパーカーを生み出して自身をパワーアップさせる事が可能。
眼魔コマンドに似た怪人(テレビ朝日公式サイトの表記)を呼び出して使役できる。
幽霊のように姿を消す事ができ、どこからともなく出現したり戦闘時の回避や撤退に使用する。
オリジナルのゴーストが使っていた浮遊や壁抜けなどは使用していないが、第14話ではパーカーゴーストを召喚する能力を披露している。
黒く歪んだ紋章を発生させオメガドライブに酷似したライダーキックを放つことも可能で、ディケイドゴーストと共にダブルライダーキックも繰り出している。
後にとある経緯で再登場した際には、身体を黒いパーカーゴースト型に分裂させて拘束から逃れる能力も披露している。
誕生による改変
- 眼魔の存在の消滅。
- 天空寺タケルが、念動力らしき超能力を身につけている(霊視と同じゴーストライドウォッチの効果の可能性もある)
- タケルが一度死亡しているかは定かではないが、月村アカリ作の霊魂可視化薬「不知火」が存在し、タケルが「霊魂状態の時は他人から見えない」「空腹を感じない」という現象を知っていることからして、何らかの理由で「一度死んで蘇る」を経験している模様。
活躍
- EP13『ゴーストハンター2018』
2015年、交番勤務の警察官だったマキムラは、弁当を届けに来たミカの頭上に鉄骨が落下する瞬間を目撃。ミカを助けようとした瞬間に時が止まり、現れたウールに妹の命と引換に契約を迫られる。
だがその態度に信用ならぬものを感じたマキムラは「ミカは自分で助ける」と契約を拒否。再び時間が動き出し、マキムラはミカを突き飛ばし助けたが、代わりに自身が鉄骨の下敷きになってしまった。
その直後にウールは再び時間を止め、「自分が死んだら意味ないじゃないか」と呆れながらも、絶命したマキムラにアナザーウォッチを埋め込み、強制的にアナザーゴーストとして蘇生させてしまった。
時間が止まっていた間のやり取りを知らないミカからすれば、自分を助けてくれた兄の姿が消えて謎の怪人が現れたようにしか見えなかったわけで、それ以来ミカは『姿を消した兄』をずっと捜し続けていた……。
その後のアナザーゴーストは、タイムジャッカーから与えられた未来の新聞記事の情報を元に、未来で事故を起こす事になる人々の魂を奪って惨事を未然に防いて回っていた(ツクヨミ曰く「未来の情報を教えるのはルール違反」とのことだが、新たな王を誕生させ未来を変えようとする彼らにはもはや関係ないことなのだろう)。
ミカから依頼を受けたタケル達もアナザーゴーストの事件を追っていたが、謎の仮面ライダーに妨害されて取り逃がしてしまう。
一夜明けて、公園にて自転車で暴走していた青年の魂を抜き取っていた所をソウゴに目撃されジオウと交戦、透明化して退却する。変身解除したソウゴはタケル達から怪人の仲間の「仮面ライダー」と疑われ、大天空寺に連行される羽目になってしまった。
その後は有毒ガスの死亡事故が起きるはずだった研究所に現れ、研究員を襲っているところをゲイツに発見され交戦。ゴーストライドウォッチを装填した「ゴーストザックリカッティング」で撃破されミカ達に正体が露見してしまうが、ウールがアナザーウォッチを再度埋め込んだことで復活、逃走する。
次の事故(予定)現場に向かうと、ウールのアドバイスで抜き取った魂を解放、力として取り込むと無差別に人を襲いはじめた。
駆けつけたジオウ達と戦闘する中でジオウが説得を試みるが、ウールが「そいつは最凶最悪の魔王になる男。たくさんの命を奪う、つまりは君の敵だ」と横槍を入れ、説得は失敗。
ジオウ・ゲイツとの2vs1の状況に徐々に劣勢になり、さらにジオウはゴーストアーマーを装着。しかしジオウは必殺技の寸前「そいつを倒したら死ぬ」というウールの言葉に動揺し、そこに現れたディケイドアギトがゲイツを撃破。
続けてディケイド響鬼との共闘でジオウも変身解除に追い込み、ソウゴの魂を分離・吸収しようとするが、タケルの妨害によって吸収に失敗。
今度はタケルの魂を抜き取ろうとするがディケイド響鬼に撤退を促され、ウールと共にその場は退いた。
- EP14『Go!Go!ゴースト2015』
2015年にて、ソウゴを救う為に時空を超えてきたゲイツと対決。ゴーストアーマーになったゲイツに圧倒されるが、そこに加勢したディケイド龍騎がディケイドゴーストに変身し、アーマー・ディケイド・アナザーの3人の「ゴースト」による乱戦の末、ゲイツを撃破する。
(この時、ゲイツの所持していたゴーストライドウォッチがディケイドゴーストによってブランクウォッチに戻されてしまった)
一方、幽霊状態のソウゴはアナザーゴースト誕生時の出来事を変えるため、タケルと共にタイムマジーンで2015年のアナザーゴースト誕生時の時間に飛んでいた。タケルはミカの頭上から落ちてきた鉄骨を法力で吹き飛ばして事故を阻止、これにより死んだマキムラによるアナザーゴーストの誕生を防ぐことに成功した。
しかし、それを良しとしないウールがアナザーゴーストウォッチから眼魔コマンドを召喚。
駆けつけた深海マコトの呼びかけに記憶と力を取り戻したタケルはゴーストに変身、マコトの変身したスペクターと共に戦うも、時間を止めたウールが生きているマキムラにアナザーウォッチを埋め込んだことで結局アナザーゴーストが誕生。
タケル達は再びライダーの力を失い、ソウゴ達が犠牲となる未来が復活してしまった。
その後は工事現場の作業員達を襲撃中、ウールとオーラの妨害を振り切り2018年からやってきたソウゴ・ゲイツと2015年で対峙した。
複数の眼魔コマンドを召喚し2人に襲い掛かったが、ジオウはゲイツから受け取ったディケイドライドウォッチを使ってディケイドアーマーに変身。眼魔コマンド達がゲイツ・ファイズアーマーに殲滅される中、最後はゴーストの力を持つジオウ・ディケイドアーマーゴーストフォームの「平成ライダーズアルティメットタイムブレーク」を喰らい爆散。アナザーウォッチも砕け散った。
ソウゴとタケルの干渉により、マキムラは生きている状態でアナザーゴーストとなり撃破されたため、その後は普通の人間に戻った。知らぬ内に悲劇の運命を回避したマキムラは、ミカの弁当を前に笑顔を見せるのだった。
- EP25『アナザージオウ2019』
アナザージオウの力を持つ加古川飛流がアナザーゴーストウォッチを使い変身。複数の黒いパーカーゴーストに分裂する能力を使い、仮面ライダーウォズ・フューチャーリングクイズの「不可思議マジック」による拘束から抜け出した。
アナザーゴーストウォッチを加古川が手にしていることから、他のアナザーライダーの変身者と同じくマキムラも既にアナザージオウに襲われた後と思われる。
- EP27『すべてのはじまり2009』
ウールにそそのかされた飛流がマキムラとは別の人間を素体に新たに誕生させる。
- EP28『オレたちのゴール2019』
第27話で生み出した個体が、アナザージオウの率いるアナザーライダー軍団の一員として再び出現。他のアナザーライダー達と共にソウゴやゲイツに襲い掛かるも、ゲイツ・ゴーストアーマーのオメガタイムバーストを喰らいまたしても敗北、変身者は元の姿に戻った。
- EP42『2019:ミッシング・ワールド』
改変された2019年にて、加古川飛流/アナザージオウⅡの配下として登場。背中の年号が2019に変わっている。
劇中ではアナザーエグゼイドと共に飛流達の城で警護をしていたが、そこに海東大樹/仮面ライダーディエンドがアナザージオウⅡウォッチを奪いに現れ、彼が召喚したスペクターに倒された。
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
アナザージオウⅡが率いるアナザーライダー軍団の一員として再び出現。一斉にジオウ達に襲い掛かる。
アナザージオウⅡを筆頭にアナザー龍騎、アナザー響鬼、アナザー電王と共にグランドジオウと戦うも、最後はグランドジオウが繰り出したキングギリギリスラッシュでまたしても撃破された。
余談
- 「一度死んで蘇る」点ではゴースト本編と共通しているが、英雄の眼魂でパワーアップするゴーストに対し、一般人から強奪した魂でパワーアップするのが対称的である。
- 警察官→幽霊という変化は、ゴーストの前作品の主人公が警察官である点から来ているのであろうか。
- また、妹への愛ゆえに己を見失って暴走するあたりは、原典における深海マコトのオマージュとも思える。
- 初の「そのライダーのライドウォッチを使った必殺技で完全撃破に至らなかったアナザーライダー」であり、初の「(ライドウォッチは使用しているが)対応するライダーとは別のライダーのアーマータイムで完全撃破されたアナザーライダー」でもある。
- アナザーゴーストの前に登場したアナザーライダーの変身者はアナザーエグゼイド以降ほろ苦い結末になったり、自業自得だが希望の無い末路になったケースが続いた為、結果的にマキムラは久しぶりに完全に救われた人物となった。
- マキムラの妹であるミカを演じた尾碕真花氏は3ヶ月後の30分後番組にレギュラー出演している。
- このため、マキムラがリュウソウジャーの追加戦士やらリュウソウジャーライドウォッチの出所やらと言われてしまっている。
- また、スペクターとも対峙した為、2020年戦隊ピンクの兄と2019年戦隊ピンクの兄が戦ったとも解釈できる。
関連タグ
仮面ライダーエターナル、仮面ライダーアマゾンシグマ:アナザーゴースト同様、死んだ後に仮面ライダーの力を手にした者達。生前は善人だったが、死んで蘇ってからは目的の為に人の命を奪う事も厭わなくなった点も共通している。
天空寺タケル:現実の仮面ライダーゴースト。
槇村秀幸:妹を残して死んでしまった警察官の「マキムラ」、と聞いて彼を思い出した人もいるかもしれない。折りしも翌年には新作映画の公開が控えていた時期である。