同音同語についてはスズキを参照。
スズキ株式会社
企業スローガンの「小さなクルマ、大きな未来」の通り、軽自動車を中心とする小型四輪車を得意する。
近年の国内販売シェアは5位前後である。
インドでは現地法人『マルチ・スズキ・インディア』の四輪車が高い支持を得ており、シェア50%を確保するほどの強さを誇る。
スポーツ性や趣味性の強い商品でも知られており、熱狂的なファンも多数抱えている。
四輪と二輪が代表的であるが、これ以外にもマリン事業や電動車椅子、さらに子会社を通じてプレハブ住宅「スズキハウス」や不動産デベロッパー、ハンガリー産ワインや蜂蜜の輸入販売なども手掛ける。
四輪車メーカーとしての特徴
1955年に初の4人乗り軽自動車「スズライト」を発売して軽自動車市場の礎を築いた。
1979年には「アルト」による軽ボンバンブームを起こし、「軽自動車界のカローラ」とも呼ばれた(この頃は貨物車扱いの「アルト」と乗用車扱いの「フロンテ」は別計算だった)。
1983年のカルタス発売までほぼ軽自動車に専念。
エコカー減税が始まってプリウスやインサイトなどの「ハイブリッド旋風」が巻き起こるまではワゴンRがカローラよりも販売台数が上回るなど、いわば「陰の王者」であった。
SUVやスポーティー仕様車を得意としており、ジムニーは軽自動車規格でありながらも本格的なオフロードの走破に対応している。
近年はイグニスやクロスビーのような小型のクロスオーバー車(本来のSUVとは設計思想と性能がかなり異なる)にも力を入れている。
伝統的な商標名を使い回すことが有名で、以前使われていた車種名が系統の異なる別車種の名前やグレード名となる事が他のメーカーと比較しても多いとされる。
海外事業においては、BCセグメント以下の小型車に特化しており、新興国や東欧市場で強みがあるとされる。
インドとパキスタンに関してはそれぞれで過半数の販売シェアを誇るほか、ハンガリー、タイ、インドネシアには四輪車の工場があり現地では大きな存在感を持っている。
二輪車メーカーとしての特徴
小型大衆車に特化した四輪とは違い、高級車と呼べる部類まで手広く手掛けている。
価格を維持したまま軽量化とエンジンパワーを引き出すことが得意とされている。
ナナハンは200kgオーバーが当たり前の時代に179kgという超軽量を達成したGSX-R750、その排気量拡大版で一時的にワンメイク時代を築き上げた初代GSX-R1000や、世界で初めてノーマルで300km/hオーバーを記録しギネスブックにも載ったハヤブサなどはその代表例である。
他にも
・ハヤブサのエンジンをブッ込んだB-KING
・アジア諸国からの輸入車対策として徹底的な簡素化とコストダウンを行なった国産原チャリのチョイノリ
・1,800ccという巨大エンジンのブルーバード
・見るからに奇妙なデザインだが古くからオカルト的な人気を持つカタナ
・レーサーレプリカとして名高いRG-Γ
など個性的なバイクが目立つ時代もあった。
2020年現在のラインナップを見ると、デザインが奇抜なカタナと油冷エンジンのジクサー250などやはり個性的なバイクはあるものの、三輪バイクを数車種揃えるYAMAHAやスーパーチャージャー4気筒250ccエンジンのKawasakiと見比べるとややおとなしめな印象である。
また昔ながらの丸目単眼のネイキッドタイプはほとんどなく、現代的でスポーティな雰囲気を醸し出している。
以前はどういうわけか2ストロークエンジンに並々ならぬ執着を抱いており、四輪でも二輪車でも2ストロークをメインに生産していた時期がある。
現在も南米向けオフロードバイクのTS185ERが国産バイクで唯一2ストロークエンジンを積んでいる。
純正部品
当然ながら様々な車種の部品があるが、純正部品の中になぜか湯のみが混ざっていた。
もちろん部品番号が存在しており、正規ディーラーだけでなくカー用品店でも注文可能であった。
何度かモデルチェンジがされているが、大半が寿司屋にありそうなデザインとなっている。
現在は純正部品としては廃盤となっており、復刻版が販促品としてイベントなどで販売されている。
東映特撮との関わり
かつては東映特撮番組で仮面ライダー第一作目をはじめ、ヒーローが乗るバイクと言ったらほとんどSUZUKIが占めていた。
これは当時子どもがバイクに乗るわけではないので商売にならないと言う理由で、どこのメーカーも自社製バイクの提供を渋っていた背景がある。
そこで『オートバイに乗ったヒーロー物』としての仮面ライダーの企画発案者である毎日放送の廣瀬隆一氏は、「番組を観た子ども達がバイクに憧れて将来買うだろうから、そのための先行投資だと思って欲しい」とメーカー側を説得。
それに応じたのが鈴木だけであった。
車両を提供する代わりに、番組のEDクレジットや使用された車両にメーカー名を目立つ形で載せることになったわけであるが、異星や古代のバイクまでSUZUKIのロゴが入っており「SUZUKIは1万2千年前からあったのか」などと揶揄される事にも繋がった。
戦隊シリーズではバイク自体ほとんど使われなくなり、「仮面ライダークウガ」では五代雄介私物のバイクを除いてSUZUKI車が消え、「仮面ライダーアギト」からは他社が主にバイク提供することになった。
それでも、今も他ジャンルで変身前のヒーローが使用するバイクにスズキの車両を使用しているようである。
メタルヒーローシリーズでは4輪車が大活躍。
初代ギャバンはSJ30ジムニーを日本国内での移動に使っていたが、シャリバン、シャイダーはSJ40ジムニー1000を愛用した。
そして2012年公開の『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』では、2代目ギャバンもJB23ジムニーを愛車にしていた。
モータースポーツ
二輪ではHONDA・YAMAHAと共に1960年代から海外レースに積極的に参戦。WGPの最高クラスでは1960〜70年代にコンストラクターズタイトル7連覇、世界モトクロス選手権でも1970〜80年代に10連覇、世界耐久選手権では2000〜10年代に2度の4連覇という栄光の歴史を持つ。
現在モトクロスのワークス活動は撤退しているが、MotoGPと世界耐久選手権には現在も参戦し、常にタイトルを争っている。
オートレースの統一規格車・AR500/600セアを生産していることでも有名。
四輪は二輪のようなワークス活動は少ないが、市販車両は安さと小ささからダートトライアルやラリーなどで旧くからプライベーターに愛用されてきた。
海外ではモンスター田嶋によるパイクスピーク・ヒルクライムでの7連覇が有名である。2000年代にはJWRC(ジュニアWRC)にワークス参戦し、3度チャンピオンとなっているが、WRCでは表彰台に一度も乗れないまま撤退している。
スズキのワークス活動におけるマシンカラーリングは黄色であることが多いが、近年のMotoGPのカラーは青×黄、古参チューナー・ヨシムラとのタイアップでは赤×黒といくつかのバリエーションがある。