ここでは『ドラえもん』のタイムマシンについて記述する。一般的なタイムマシンについてはタイムマシンを参照。
概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。
過去や未来へ自由に行くことが出来る乗り物であり、主人公・ドラえもんが初めてのび太の元へ向かった際に使われた記念すべきひみつ道具でもある。
のび太の部屋に置かれている机の引き出しが乗り降り口となっており、別の時間へ移動する際は「時空間」(『日本誕生』)または「超空間」(TC22巻収録「タイムマシンがなくなった!!」、『恐竜』、『創世日記』)と呼ばれる特殊な空間を通り、目的時間に着くと虚空に円形(TC1巻収録「おばあちゃんのおもいで」、TC7巻収録「石器時代の王さまに」等、原作版初期は四角形だったこともある)の出入り口が開き、そこから乗り降りする形となる。
作中では2008年に開発され(TC41巻収録「未来図書券」)、ドラえもんが生まれた22世紀では一般的に普及している乗り物となっている。
乗車定員は原作版初期の頃は3人まで(TC25巻収録「竜宮城の八日間」)で、4人以上乗り込むと定員オーバーでタイムマシンが暴走してしまっていた(『恐竜』)。
その後『日本誕生』からは5人以上乗り込むことが出来るようになり、ドラえもん達5人に加えてゲストキャラクターを乗せたとしても、マシンが定員オーバーで暴走することは無くなった(原作版では特に説明もなく5人以上乗り込めるようになっているが、大山のぶ代版アニメにおける設定では、映画『ぼく、桃太郎のなんなのさ』から正式に5人以上乗り込めるようになっており、作中でドラえもんが「マシンをグレードアップしてもらった」と発言している)。
操縦はとても簡単であり、現代の小学生であるのび太やしずかが普通に動かすことが出来るほどである(TC5巻収録「ドラえもんだらけ」、『鉄人兵団』等)。それだけでなくTC24巻収録「二十世紀のおとのさま」では、過去の時代の人間が誤ってタイムマシンに乗り込んでしまった際、マシンが自動的に動き出し現代の野比家へ向かってしまった。
参考として『決定版ドラえもん大事典』では、ドラえもんが愛用しているタイムマシンは「空飛ぶじゅうたん型」であり、エンジンのかかりが悪い中古品の安物であると解説されている(原作版ではこれらの設定が説明及び描写されたことはない)。また、下記の亜種を含め色々なタイプのタイムマシンが存在している。
ただし原作版最初期では、ドラえもんは時空間を泳ぐ形で時間移動しており、乗り物としてのタイムマシンは存在していなかった(TC0巻収録「愛妻ジャイ子!?」)。
と、ここまでの説明では他作品のタイムマシンと大差無い性能だと思うかもしれないが、このタイムマシンの凄いところは、何の制限も無しに色々な時代へ行って過去を好きなように改変することが出来る点と、時間だけでなくどんな場所にも自由自在に移動することが出来る点である。
実際にドラえもんやのび太達はタイムマシンを使用して何度か歴史を変えており、『鉄人兵団』ではメカトピアの歴史を丸々書き換え、敵のロボット達の存在を消滅させて地球の危機を救ったこともある。
それだけでなく『鉄人兵団』では地球から遥か遠くまで離れているメカトピアまでワープを繰り返して到達しており、『魔界大冒険』ではパラレルワールドから現実世界へ帰還するという凄まじい性能を発揮している。
タイムマシンによる時間移動機能は半年後や1億年前等といった大まかな指定だけでなく、細かい指定も可能。上記の「ドラえもんだらけ」では2時間後、4時間後、6時間後、8時間後へ移動しており、TCプラス1巻収録「ぼくを止めるのび太」では1時間前へ移動している。それだけでなくTC9巻収録「のび太ののび太」では、のび太が午前9時、10時、12時30分、1時、1時45分と、かなり細かい時間指定を行いながら未来へ移動している。『恐竜』でも、ドラえもんが「(現代から)出発した時間の5分後に戻れば、過去の世界に長期間滞在したとしても、実際には5分しか留守にしなかったことになる」と述べている。
また、タイムマシンによる空間移動機能は単に場所を指定するだけでなく、物に対する紐付けも可能。例えば未来の野比家へ移動する場合、TC6巻収録「のび太のおよめさん」では、移動先を「のび太の部屋」に設定した際、タイムホールが野比家の跡地である公衆トイレに繋がっている。一方、TCプラス2巻収録「大きくなってジャイアンをやっつけろ」では、移動先を「のび太の勉強机」に設定した際、タイムホールが物置にしまわれた勉強机に繋がっている。
『日本誕生』では自我を持った音声制御装置(担当声優は三ツ矢雄二)が搭載され、行きたい時代を音声で入力すると自動的に連れて行ってくれるようになった。ただし融通が利かない等の欠点がある(この装置は原作版では『日本誕生』から搭載されたことになっているが、映画版では『パラレル西遊記』が初出である)。
原作者の藤子・F・不二雄は、このタイムマシンについて「ドラえもんが取り出す道具の中で一番欲しい物はタイムマシンなんですね。これはもう良いことでも悪いことでも、出来ないことはほとんどないと言って良いくらい、何でも出来る物なのですよ」と述べている(『藤子・F・不二雄の異説クラブ 完全版』第15章)。
ただし安全面はあまり考慮されていないらしく、『ドラえもん』世界における時空間は『日本誕生』の作中で発生した「時空乱流」等、時空の乱れが度々発生しており、ドラえもん達は何度かこの乱れに遭遇して危険な目に遭っている(下記のドラミが所有するタイムマシンは安全面も万全である)。
参考として『てれびくん』1980年6月号の付録『ドラえもんひみつ全百科』では、タイムマシンの周囲には「タイムマシン空間」が発生し、搭乗者を保護しつつ時間の流れの中を進むと解説されている(原作版ではこれらの設定が説明及び描写されたことはない)が、上記の通り『日本誕生』の作中では、タイムマシンに乗り込んだドラえもん達が時空乱流の被害に遭っている。
派生作品
上記の通り、原作版ではタイムマシンに乗り込んで移動する際の空間は「時空間」あるいは「超空間」と呼ばれているが、『新・日本誕生』等では「タイムトンネル」と呼ばれている。それだけでなくタイムマシンの出入り口についても、水田わさび版アニメオリジナルエピソード「22世紀の大決戦! ドラえもんvs.ドラキュラ(前編)」及び『新・日本誕生』等では「タイムホール」と呼ばれている。
『ロボット王国』ではドラえもんがタイムマシンを改造したことにより、時空間を漂ってやって来た人物が元々どこに住んでいたかを探知し、その世界へ向かうことが出来る「時空間ナビ」が搭載された(担当声優は杉山佳寿子)。
水田版アニメオリジナルエピソード「のび太が出会った仮面の女王」及び『新・日本誕生』では、タイムマシンは時空間だけでなく現実空間を移動することも可能で、その際はマシンが浮かび上がり、空中を浮遊しながら好きな場所へ向かうことが出来る様子が描かれている。
それだけでなく、上記の通り『鉄人兵団』では遠く離れた惑星へワープを繰り返して向かっているが、『新・鉄人兵団』ではワープすら行わずに到達している。
『翼の勇者たち』では、ドラえもんがタイムマシンの時間カウンターを0にセットし、暴れ続けるラスボスを地球さえ存在していない頃の大昔へ転移させて追い払っている。それだけでなく『ドラえもんふしぎのサイエンス3』では、ドラえもんとのび太がタイムマシンに乗り込み、50億年以上先の未来へ移動している。
『STAND BY ME ドラえもん 2』では自動運転機能が搭載されており、ドラえもんやのび太が操縦せずとも自動的に目的の時代へ移動する様子が描かれている(ただし移動速度は遅く、上記の『パラレル西遊記』等とは違い音声制御装置は搭載されていない)。
時空間の乱れについては、上記の時空乱流の他に『ワンニャン時空伝』では「ねじれゾーン」も発生している。大長編版ではこれらに対しタイムマシンで逃げ切ることしか策が無かったが、映画版ではある程度の対策がなされている。
時空乱流については『新・日本誕生』にて、ドラえもんがタイムマシンのターボ装置(正式名称不明)を起動し、高速移動することで時空乱流を切り抜けている。
ねじれゾーンについては、ドラえもんがタイムマシンに搭載された「制御ボタン」を押すことで、のび太達4人に襲い掛かるねじれゾーンの影響(時空が乱れている為か、のび太達4人の年齢が若返ったり年老いてしまっていた)を最小限に抑えていた。
過去改変
上記の通り、ドラえもん達はタイムマシンを使用して何度も過去を変えているが、『ドラえもん』の世界では、過去を変えた際に起こり得る結果がエピソードによって複数存在する。ここでは全て藤子・F・不二雄が直接手掛けた原作エピソード(短編・大長編)から抜粋する(特殊例である『パラレル西遊記』は除く)。
- 過去が上書きされて本来の歴史は無かったことになるパターン:「無事故でけがをした話」、「サンタメール」、「一晩でカキの実がなった」、『鉄人兵団』等(この場合、タイムマシンに乗り込んだ者だけは過去が上書きされる前の記憶を保持しているが、上書きされた未来における記憶は持っていない。例外として『鉄人兵団』のみ、タイムマシンに乗り込んでいない者も過去が上書きされる前の記憶を保持している)
- 過去を変えようとした行動及び過去で何らかの行動を取った結果が、最初から歴史(正史)に組み込まれていたパターン:「プロポーズ作戦」、「バッジどろぼう」、「ぞうとおじさん」、「ぼく、桃太郎のなんなのさ」、「正義の味方セルフ仮面」、「ジャイアン反省・のび太はめいわく」、『大魔境』、『魔界大冒険』、『竜の騎士』等
- 上記2つの例が同時に描かれているパターン:「モアよドードーよ、永遠に」(ゴキブリにたかられたドラ焼きをママが捨てた際、ドラえもんは「タイムホールとタイムトリモチ」を使用し、ゴキブリがたかる前のドラ焼きを手元に引き寄せている。しかしのび太がこの道具を使用し、過去に突然目の前から消失した小遣いを手元に引き寄せた際、のび太は「今(の僕が小遣いを)取った為にあの時(貰ったばかりの小遣いが急に)なくなった」と発言している)、「未来図書券」(のび太が「未来図書券」を使用し、まだ売り出されていない漫画を取り寄せた際、のび太がその漫画を模写してジャイアンとスネ夫に見せたことで騒ぎになってしまう。そこでドラえもんはのび太を連れてタイムマシンに乗り込み、過去ののび太がジャイアン達に見せようとしていた漫画を奪い取ることで騒ぎが起こる未来を回避した。しかしその後、奪い取った漫画をくずかごに捨てた際、その漫画を作者が発見してしまい、作者と現在ののび太が「新連載のアイディアに困っていたんだよ。この原作を描かせてよ」、「だからそれは、もともと先生の…」と言い合うややこしい結末になってしまった)等
- 歴史の修正力が働き、過去を変えることは出来ても大まかな歴史は変わらないパターン:「未来の国からはるばると」(セワシは「のび太とジャイ子が結婚する未来が変わっても、他で釣り合いが取られて自分は生まれてくることになる」と発言している)、「ドラえもんの大予言」(のび太が車に轢かれて大怪我する未来を防ごうとドラえもんが奮闘するのだが、のび太は作中で何度も車に轢かれそうになり、最終的にはのび太の頭にミニカーが直撃してしまい軽傷を負ってしまった)、「ぼくを止めるのび太」(のび太はカップラーメンを購入した歴史をプラモデルを購入した歴史に改変しようとしたのだが、ドラえもんが「歴史には勢いがあって、ちょっとやそっとでは変えられない」と発言しており、最終的にはカップラーメンのプラモデルを購入する歴史になってしまった)等
- 過去を変えた結果パラレルワールドに分岐してしまうパターン:『パラレル西遊記』(ただしこの作品が例外中の例外であり、その他の作品での過去改変の結果は全て上記4つのどれかとなっている)
時空間
上記の通り、タイムマシン及びそれに準ずるひみつ道具(下記の「タイムベルト」等)で時を超える際は時空間を移動するのだが、作品によって演出が異なっている。
- 大山版
前期は暗い空間となっており搭乗シーンは使い回される事もあった。中期は若干色が明るくなり時計の模様も描かれている。後期は更に明るくなっており、時計の模様も色が付くようになった。ちなみに、その際の効果音は26年間ずっと使われてきた。
- 水田版
大山版後期に近い描写だが、波立ったようなエフェクトが掛けられており、搭乗する際の効果音も時計の針を模した効果音に変わっている。
上記のアニメ版とは異なる演出になっている。タイムマシンを起動する前は真っ白な空間が広がっており、所々に時計が浮かんでいるだけなのだが、マシンを起動すると、先程までまばらに浮かんでいた時計とカラフルな壁がチューブ状に並び、マシンが通る道が出来上がる。
亜種
- 時空間チューリップ号
ドラミが所有しているタイムマシン。原作版での名称は不明で、大山版アニメでは便宜上「チューリップ号」という名称が設定されていたが、水田版アニメにて上記の名称が正式に設定された。
参考として『決定版ドラえもん大事典』では、ドラえもんが愛用しているタイムマシンと比べて10倍の値段とされており、「高性能タイムセンサー」が搭載されているだけでなく、移動速度はドラえもんが所有するタイムマシンの3倍で(内部に乗り込むタイプなので使用者や乗客の安全対策も万全である)、乗り降り口(タイムマシンの設置場所)は自室の鏡であると解説されている(原作版ではこれらの設定が説明及び描写されたことはない)。
- タイムマリン
タイムパトロールが乗り込んでいるタイムマシン。別名「タイムスキッパー」。原作版での名称は不明で、上記の名称は『決定版ドラえもん大事典』、『映画ドラえもん のび太の恐竜2006 公式ファンブック』、『映画ドラえもん超全集 ドラえもん50周年特別企画本』等の書籍で設定されたもの。
通常の時空間移動だけでなく、マンモス等に擬態して現実空間を移動したり(『日本誕生』。派生作品を含めれば『南海大冒険』では鯨に擬態している)、地中に潜ることも可能(大長編版『日本誕生』)。参考として『映画アニメドラえもん』(1980年4月3日発売)では、翼の部分に「原子力エンジン」、円柱型の足に「タキオンエンジン」が搭載されており、それだけでなく、時空間内で捜索を行う際に使用する「タイムソーナー」、時空間内において対象を攻撃出来る「TPミサイル」も搭載されていると解説されている。
これらの他にも、時空犯罪者やイチ等、個人が所有するタイムマシンも多数存在しており、『ドラえもん』の世界では22世紀の地球に限らず、科学技術が発達した世界でもタイムマシンが乗り物として普及していることが分かる。
関連道具
- ふりだしにもどる
サイコロ型のひみつ道具。
これを使用すると、時間を巻き戻すことが出来る。
大全集3巻収録「フリダシニモドル」(初登場エピソード)では小さなサイコロが登場する。このエピソードでは1つの目で1分間だけ時間が巻き戻る効果になっており、周囲の人々は時間が巻き戻る前の記憶を保持している(記憶まで巻き戻ってしまうことは無い)。
TC23巻収録「ハッピーバースデイ・ジャイアン」では大きなサイコロが登場する。
このエピソードでは出た目にかかわらず使用者が巻き戻したいと思った「日数」だけ時間が巻き戻る効果になっており(実際に作中のドラえもんはふりだしにもどるを転がしながら「この道具で時間を3日前まで戻す」と言っており、その後もふりだしにもどるが3の目を出した描写は無い)、周囲の人々の記憶も巻き戻る為、使用者及び使用者の傍にいた人物以外は時間が巻き戻ったことに一切気がつかない。
2011年版「ぼくを止めるのび太」では「タイムマシン」で過去を弄った結果さえリセットして無かったことに出来るオプション機能が追加されていた。
ベルト型の一人用タイムマシン。
時間移動は出来るが空間移動機能を持たないという欠点を抱えている。詳しくは項目を参照。
- 逆時計
上記の「ふりだしにもどる」と同様に、時間の流れを逆戻りさせることが出来る。しかしこちらは周囲の人々は時間が逆戻りする前の記憶を保持している(記憶まで逆戻りしてしまうことは無い)。
どれほどの範囲まで効果が及ぶかは不明(作中の描写を見る限り、少なくとも野比家周辺までは効果が及んでいる)だが、ドラえもんは「何もかも2時間前と同じ状態になってる」と言っていることから、全世界に効果が及ぶと考えることも出来る。
使用者がこの道具の影響を受けるかは書籍によって描写が異なっている。TC10巻収録「人間製造機」(初登場エピソード)では、使用者は道具の影響を受けていない(ドラえもんはこの道具を使用する前に怪我を負っていたのだが、ドラえもんがこの道具を使用して時間を戻した後も、彼の怪我は治っていない)。
それに対し『ドラえもん最新ひみつ道具大事典』では、使用者も道具の影響を受けている(ドラ焼きを食べたドラえもんがこの道具を使用すると、ドラえもんとドラ焼きの時間が巻き戻り、ドラえもんは食べ終えたドラ焼きを喉から取り出して食べる前の状態に戻している)。
- スピードどけい
この時計の針を回すと、周囲の時間を瞬時に経過させることが出来る。針を1回転させると1日進み、回せば回すほど凄まじいスピードで時間が過ぎ去っていく。その際は太陽や月も目まぐるしい速度で動いていく。
下記の「タイムワープリール」とは違い、こちらは使用者の状況が強制的に変わることは無い(例えば時間を1日分進めても、使用者が立っている場所や、使用者の現在の状況等は変化しない)。しかし時間は経過している為、動物や植物は時間を進めた分だけ成長し(作中ではジャイアンがのび太に「あさがおを早く咲かせろ」と言ってきた為、のび太はこの道具で時間を進めてあさがおを瞬時に咲かせようとした)、天気等も変化する(作中ではのび太としずかがプールに行こうとしたが雨が降って来てしまい、天気予報を見たしずかが「雨は明日まで止まない」と言った為、のび太がこの道具で時間を1日進めると雨が止んで晴れていた)。
また、針を逆回転させると時間を戻すことが出来る。作中ではのび太が「時間を進め過ぎて夏休みがあっという間に終わっちゃった!」と慌てた為、ドラえもんが「それじゃ元へ戻してあげよう」と言いながら、この道具を使用して夏休みが始まる前まで時間を戻していた。そして上記の「ふりだしにもどる」と同様に、こちらも時間を戻した場合は周囲の人々の記憶も巻き戻る。
参考として『ドラえもん道具カタログ』では、この道具は小型の携帯用タイムマシンであり、1日単位(針1回転分)で過去へも未来へも行くことが出来ると解説されている。
魂だけをタイムスリップさせて過去の自分の身体に憑依させることが出来る道具。詳しくは項目を参照。
- タイムホール&タイムトリモチ
前者は「タイムマシン」のフープ版とも言える道具で、設定した時代及び場所へ繋げることが出来る。後者はタイムホールに映し出された物をこちら側へ引っ張り出す為のとりもちで、ドラえもん曰く「(これらは)過去に失われた物を取り戻す為の道具」とのこと。
原作版の作中ではタイムホールを過去に繋げているのみで、未来に繋げる描写はない。一方『太陽王伝説』及び水田版アニメオリジナルエピソード「謎のピラミッド!?エジプト大冒険」の作中では、タイムホールを(使用者が滞在する時代から見て)未来に繋げる様子が描かれている。
- 時空間とりかえ機
専用のチョークで囲った部分の空間を過去と入れ替えることが出来る道具。
未来の空間と入れ替えられるかどうかは、原作版では描かれていない為不明。水田版アニメオリジナルエピソード「しずかちゃんへのプレゼントはのび太」では、チョークで囲った部分の空間を未来と入れ替える様子が描かれている。
- タイムワープリール
釣り竿のリール型のひみつ道具。
このリールを回すと、ワープの要領で時間を短縮して未来へ行くことが出来る。しかし「タイムマシン」や「タイムベルト」等とは違い、この道具による時間移動は実際に時間を経過させるという形で行われている。その為、1度の使用で多くの時間を短縮すると、その分だけ時間が経過してしまい、身体も成長することとなる。
また、時間を短縮したとしても上記の通り実際には時間が経過している為、使用者は時間短縮中、この道具を使用しなかったことを前提とした行動を取っている。作中では、家まで歩いて帰るのが面倒だと思ったのび太がこの道具で時間を短縮して「もう家に着いた。これは楽でいいや」と言っているが、それに対しドラえもんは「勘違いしちゃいけない。僕らはちゃんと家まで歩いたんだ。ただ、その間の時間がカットされただけに過ぎない」と言っている。
例えばジャイアンに追いかけられている時に、この道具を使用してジャイアンから逃げようとしても、単に殴られている間の時間を短縮するだけに過ぎない為、短縮終了直後に身体が傷だらけの状態となってしまう(ただし殴られている間の苦痛は体験せずに済む)。
ドラえもん曰く「この道具の使用で失われた時間は元に戻せない」とのことで、水田版アニメ「誕生日は計画的に」では、逆回転させようとしてもリールが動かない場面が描かれている。
他作品のアイテムで例えるなら、未来にしか跳躍することが出来ないタイムリープマシンと言える。
作中ではのび太が一気に10年以上時間を短縮させたせいで大人に成長してしまった。先程まで子供だったのび太は、目の前に大人のしずかや息子のノビスケが現れてパニックに陥っていた。
短縮させた時間の中で起こった出来事を使用者が記憶しているか(思い出すことが出来るか)は不明。TC45巻収録「タイムワープリール」(初登場エピソード)では、大人になってしまったのび太が終始慌てているだけだったが、上記の「誕生日は計画的に」では、大人になってしまったのび太は子供時代に両親から貰ったプレゼントを見て「パパとママがこれをプレゼントしてくれたお陰で僕は…!」と言っている。
その為、水田版アニメにおけるタイムワープリールは、短縮させた間に起こった出来事を覚えている(思い出せる)と考えることが出来る。
無茶な使い方をする等でタイムワープリールが壊れてしまった場合、これまで経過させた時間が全てリセットされ、使用前の時間に戻ることが出来る。
- タイム・ルーム
部屋を丸ごとタイムスリップさせることが出来る道具。
- いつでもポスター
行きたい時代をポスターに書き込み、壁等に貼り付けるとその時代へ繋がるドアに変化する。
また、この道具は上記の「タイムマシン」や「タイムベルト」とは異なり、時空間の移動を行わず瞬時に異なる時代へ繋げている。
- タイムトンネル
小型のトンネルで、中を潜るだけで行きたい時代へ向かうことが出来る。
ドラえもんが取り出した道具ではなく未来デパートから届いた試供品であり、作中では一度使用しただけで破れてしまい使用不能になってしまった(ちなみに付属の説明書には「製品版は強化プラスチック製」と記載されている)。
- 時空間いれかえ機
水田版アニメオリジナルひみつ道具。上記の「時空間とりかえ機」の完全上位互換。
専用のペンキで入れ替えたい場所を囲み、装置を起動させると、時間と空間の両方を同時に入れ替えることが出来る。
時空間とりかえ機と「空間いれかえ機」(専用のチョークで囲った部分の空間を他の場所と入れ替えることが出来るひみつ道具)を掛け合わせた道具と言える。