概要
1996年10月1日から1997年3月25日まで全26話された。
本作は宇宙及び宇宙戦艦を主要な舞台としてリアルロボットが活躍するSFアニメでありながら、ラブコメディー要素も取り入れた作品である。
ホシノ・ルリを始めとする魅力的な女性キャラに加え洗練されたメカデザイン、ハイテンションなギャグが人気を博した一方、作品世界観自体は虐殺や棄民、歴史修正主義、バイオテクノロジーなど非常に重い設定がてんこ盛りで、そのギャップも魅力の一つである。
また、この作品は細部への偏執的とも言える拘りが特徴で、その最たるものは、劇中劇として度々登場する熱血巨大ロボットアニメ『ゲキ・ガンガー3』である。
専門のチームまで編成され、1970年代のロボットアニメの味を忠実に再現し、本作のテーマ性を横から強く支えるものとなっている。
1998年8月1日に、続編に当たる劇場用アニメ『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』 が公開。
他、ゲームとして『機動戦艦ナデシコ The blank of 3years』 『機動戦艦ナデシコ NADESICO THE MISSION』 が発売されている。また、TV版と劇場版の間に起きた出来事として、角川スニーカー文庫から小説『ルリ AからBへの物語』が書き下ろされた。
『スーパーロボット大戦シリーズ』では『A』でTV版が、『R』で劇場版が初参戦を果たし、以降も携帯機を中心に度々参戦している。
あらすじ
時は西暦2196年。人類は火星にまで進出し文明を謳歌していた。しかし突如として押し寄せた謎の機動兵器軍団「木星蜥蜴」により火星は瞬く間に滅ぼされ、コックを目指していた青年テンカワ・アキトは火星で意識を失い、気が付いたら地球の日本にいた。
地球の防衛で手一杯の連合軍に代わり、地球一の大企業「ネルガル重工」は独自で機動戦艦ナデシコを竣工、火星に取り残された十人の救助に向かう。アキトもコックとしてこれに参加し、希望の船ナデシコは戦乱の赤き星へと向かう。
多くの出会いと別れを繰り返し、アキトはやがて歴史の転換点を目の当たりにすることとなる…。
登場キャラクター
主人公
ナデシコ搭乗員
ナデシコクルー
- メグミ・レイナード(CV:高野直子)
- アオイ・ジュン(CV:伊藤健太郎)
- ハルカ・ミナト(CV:岡本麻弥)
- エリナ・キンジョウ・ウォン(CV:永島由子)
- イネス・フレサンジュ(CV:松井菜桜子)
- ウリバタケ・セイヤ(CV:飛田展男)
- ゴート・ホーリー(CV:小杉十郎太)
- プロスペクター(CV:小野健一)
- ホウメイ(CV:一城みゆ希)
- テラサキ・サユリ(CV:矢島晶子)
- タナカ・ハルミ(CV:中川玲)
- ミズハラ・ジュンコ(CV:松澤由実)
- ウエムラ・エリ(CV:川上とも子)
- サトウ・ミカコ(CV:本井英美)
- オモイカネ
連合宇宙軍
その他
- アイちゃん(CV:川上とも子)
- アイちゃんの母親(CV:中川玲)
- サイゾウ(CV:菅原淳一)
- プレミア国王(CV:飛田展男)
- テンカワ夫妻
- アクア(CV:水谷優子)
- 久美(CV:本井英美)
- イケダ(CV:真殿光昭)
劇場版
- マキビ・ハリ(CV:日高のり子)
- 北辰(CV:山寺宏一)
- ラピス・ラズリ(CV:仲間由紀恵)
- ムネタケ・ヨシサダ(CV:真殿光昭)
- アズマ(CV:飯塚昭三)
- ヤマサキ・ヨシオ(CV:若本規夫)
- アララギ(CV:立木文彦)
- マユミお姉さん(CV:三石琴乃)
- ヒサゴン(CV:林原めぐみ)
ゲーム版
- イツキ・カザマ(CV:矢島晶子)
- ラビオ・パトレッタ(CV:水谷優子)
- アサミ・ミドリヤマ(CV:今井由香)
- 神宮司レツ(CV:関智一)
- 国分寺ナナコ(CV:南央美)
- サファイヤ(CV:桑島法子)
- アクアマリン(CV:水谷優子)
- 国分寺博士(CV:小杉十郎太)
- シャロン・ウィードリン(CV:松谷彼哉)
- 南雲義政(CV:堀内賢雄)
登場兵器
劇場版
用語解説
木星蜥蜴
突如地球に侵攻してきた武装勢力。木星近辺からボソンジャンプを仕掛け、地球征服を目指す。
ボソンジャンプ
木星蜥蜴が使用する超光速時空間跳躍のこと。当初は単なるテレポーテーション、ワープに近い現象と思われていたが、実は時間にも作用しており、未来や過去に向かってしまうこともある。
生身でボソンジャンプを行える特異体質の持ち主をA級ジャンパーと呼ぶが、CC無しでのボソンジャンプは驚異的な負荷がかかり、最悪の場合転移の最中に圧死してしまう。
チューリップ
ボソンジャンプの中継地点となる巨大な機械。
これに使用される素材から、CC(チューリップクリスタル)が作られる。
ディストーションフィールド
湾曲磁場による一種のバリアー。地球・木星共に艦船や機動兵器が使用する。光学兵器や重力波には強いが、実弾は貫通してしまう。そのため、ディストーションフィールドを形成したうえでナイフや槍で相手を突き刺すことにより強大なダメージを与えることができる。
主題歌
オープニングテーマ
「YOU GET TO BURNING」
作詞:有森聡美/作曲・編曲:大森俊之/歌:松澤由実
エンディングテーマ
「私らしく」
作詞:松浦有希/作曲・編曲:松浦有希、吉田 潔/歌:桑島法子
最終回エンディングテーマ
「いつか…信じて」
作詞:SHO AIKAWA/作曲・編曲:中田雅敏/歌:松村香澄
【~The blank of 3years~】
オープニングテーマ
「FOR EVER LOVE」
作詞:有森聡美/作曲・編曲:大森俊之/歌:ZMAP(南央美、川上とも子、置鮎龍太郎、真殿光昭、伊藤健太郎)
各話リスト
話数 | サブタイトル |
---|---|
第1話 | 『男らしく』でいこう! |
第2話 | 『緑の地球』は任せとけ |
第3話 | 早すぎる『さよなら』! |
第4話 | 水色宇宙に『ときめき』 |
第5話 | ルリちゃん『航海日誌』 |
第6話 | 『運命の選択』みたいな |
第7話 | いつかお前が『歌う詩』 |
第8話 | 温めの『冷たい方程式』 |
第9話 | 奇跡の作戦『キスか?』 |
第10話 | 『女らしく』がアブナイ |
第11話 | 気がつけば『お約束』? |
第12話 | あの『忘れえぬ日々』 |
第13話 | 『真実』は一つじゃない |
第14話 | 『熱血アニメ』でいこう |
第15話 | 遠い星からきた『彼氏』 |
第16話 | 『僕達の戦争』が始まる |
第17話 | それは『遅すぎた再会』 |
第18話 | 水の音は『私』の音 |
第19話 | 明日の『艦長』は君だ! |
第20話 | 深く静かに『戦闘』せよ |
第21話 | いつか走った『草原』 |
第22話 | 『来訪者』を守り抜け? |
第23話 | 『故郷』と呼べる場所 |
第24話 | どこにでもある『正義』 |
第25話 | 『私らしく』自分らしく |
第26話 | 『いつか逢う貴女のために』 |
その他
- アニメ版第17話、担当脚本家自身が構成を手がけた他の作品機動新世紀ガンダムXにおける制作現場の混乱ぶりを、まるまる一話使ってパロディ化した。 → 楽屋ネタ
- キャラクターデザインを行った麻宮騎亜による漫画版も存在する(「遊撃宇宙戦艦ナデシコ」、月刊少年エース連載、単行本全4巻)。もっとも、同作は本作に登場しない設定が多数登場、物語の展開や人間関係もほぼ別物と言っていいレベルで変化しており(例えば、同作では途中でナデシコの艦長がユリカからルリに切り替わる。アニメ版ではルリが艦長になるのは劇場版まで待つことになる)、最終的には機体すらエステバリスから乗り換えられるなど、同じ名前や容姿を持ったキャラクターが似たようなポジションで登場する別作品に近い。
- 裏設定の「熱血クーデター」は、1986年2月22日から25日にフィリピンで起きたエドゥサ革命と1993年秋に起きた角川書店での角川春樹元会長が解任されたお家騒動を範に取っている様に思え、1986年フィリピン政変や、フィリピン市民革命とも呼ばれている。此方はボルテスVがフィリピンの民衆を奮い立たせ、独裁者だったマルコス大統領を退陣に追いやった。即ち「映像作品のプラス面」を描こうとした。
- 逆にメグミ・レイナードが声優を担当したアニメの内容改変は、映像作品によるプロパガンダと言う「映像作品のマイナス面」を描いている。
- 推測ながら、映像作品のマイナス面と言う意味では、当時一部の者しか知らなかった韓国アニメ「テコンV」も遠回しに揶揄していたのではと思われる。
- 2000年代前半にテレビシリーズ第2期が企画されるも2005年に佐藤竜雄監督が「ナデシコと宇宙のステルヴィアの続編が永遠に潰えた」とコメントし、完全に潰えた模様。真偽不明の噂として、「ナデシコの続編を潰したのは毎日放送が製作した『機動戦士ガンダムSEED』のキー局のTBSがスターチャイルドに圧力を掛けた」と囁かれている。
- 2013年、パチンコメーカーとのタイアップによりパチンコ化。