この項目は『機動戦艦ナデシコ』後半の重大なネタバレを含みます
概要
22世紀末の火星、そして地球に突如として攻撃を仕掛けてきた謎の軍団木星蜥蜴の正体。正式名称は「木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ及び他衛星小惑星国家間反地球共同連合体」。
当初は無人兵器をチューリップでボソンジャンプさせてくるだけだったため、外宇宙からの異星人だと思われていた。しかし、その正体はれっきとした人間の軍事国家である。
彼らの先祖は今から100年以上前の月面国家の住人である。当時、地球連合との間に軋轢を生んでいた月の住人たち(どこかで聞いたような話である)は地球連合の差し金により恭順派と独立派で内戦を起こし、独立派は火星に逃げ延びた。しかし地球連合は火星を核攻撃する暴挙に及び、命からがら逃走した独立派の残党は木星近辺に打ち捨てられていた異星文明のコロニーを発見。そこで100年に渡り地球に復讐を目論んでいた。
ちなみに火星到着後の歴史は地球連合が全て隠蔽しており、2196年当時の民間人(ネルガル社幹部除く)には火星核攻撃など全く知らされていなかった。
物語中盤で有人機のボソンジャンプに成功し、地球に直接有人機「ジン・シリーズ」を送り込んで破壊活動を行うも、テンカワ・アキトの奮戦により、その正体が人間であると発覚。この際にナデシコクルーと交流した交渉特使達の影響により反地球精神が徐々に揺らいでいくこととなったが、和平交渉の場において草壁の命を受けた木連の兵士の凶弾により交渉特使が死亡。再び戦端が切られてしまうが、アキトがボソンジャンプの切っ掛けとなった火星極冠遺跡を宇宙の彼方に放逐したことにより、地球と争う術を失い和解が成立した。
その後、タカ派筆頭である草壁に失望し、ハト派に転向した月臣、秋山両名が熱血クーデターを起こし、草壁一味は権威失墜。木連は地球連合と共に歩む1国家として認定され、その軍備は地球連合の陸海空三軍と合併した統合軍に編入される。市民たちも木星に住むのはこりごりだったため、月や火星、更にはユキナのように地球に住む者も出た。
しかし、逃げ延びた草壁と、彼の腹心により最悪のテロ組織『火星の後継者』が生み出されてしまうこととなる…。
文化
彼らの先祖は殆どが日本人だったため、文化は和風。公用語は日本語で、畳や和食もある。
ボソンジャンプに耐えられる「ジャンパー」を育成するため遺伝子を意図的に強化していたようで、その結果として国民のほとんどが男性という大問題を抱えている。そのため、木連では徹底的な騎士道精神が叩き込まれ、女性には敬意が払われている(創作におけるこの手の国家にありがちな女尊男卑とかは無い)。
また、地球に裏切られ続けてきたため、嘘や裏切りを蛇蝎の如く嫌っている(小説『ルリ AからBへの物語』より)。万が一彼らの前で「漁夫の利を狙い両軍が疲弊した所に」「何倍もの数で攻め込んで」「人質を取って脅し」「若い女性の」「自由を奪おうとする」バカタレがいた場合、想像に難くない結果が待っているのは間違いない。
このような状況故に国民はほぼ全員が軍人で、普段の生活や情報処理などの単純作業は殆どロボットに支えてもらっている形になっており、地球に送り込まれる無人兵器の類もそのロボットが発展したものである。
また、国全体が極度の『ゲキ・ガンガー3』オタクである。火星脱出の際に唯一持ち込めたのが、アニメ『ゲキ・ガンガー』のビデオだったため、繰り返し見る内に崇拝の対象にまでなってしまっている。ジンシリーズがゲキガンガーにそっくりなのもそのためで、国のエリートである優人部隊(後述)はゲキガンガーのパイロットのコスチュームで戦闘に挑む。ふざけているのではなく至って真面目で、戦装束している。
ゲキガンガーの単純明快かつ熱いシナリオは「我々=ゲキガンチーム、キョアック星人=地球連合」に見立てられて一種のプロパガンダの役目を果たしている。
しかし、木連では毎日毎日飽きもせずにゲキガンガーを流しっぱなしにしているにもかかわらず、一部のエピソードは欠番となっている。しかも、そのエピソードに限って、敵のキョアック星人との交流が描かれていたりする。実に怪しい。
なお木連が地球連合に加盟してからは、著作権フリーとなっていた『ゲキガンガー』が地球でも再ブームとなっているらしく、劇場版ではゲキガングッズが普通にその辺で販売されている。
主なメンバー
- 草壁春樹:指導者。三年後には新たな勢力のリーダーとして登場する。
- 白鳥九十九:優人部隊と呼ばれる幹部。ダイゴウジ・ガイと顔立ちや声色が似ているが別人。
- 白鳥ユキナ:九十九の妹。結果的にはナデシコクルーと和解し和平の道を志す。
- 月臣元一朗:優人部隊の一人。白鳥兄妹と共に写真を撮るくらいの仲。
- 秋山源八郎:戦艦かんなづき艦長。三年後では連合宇宙軍所属となる。
- 高杉三郎太:秋山の部下。のちにナデシコBのクルーとなる。
- ???:草壁の部下。
主な兵器
無人兵器
昆虫のような名称は地球側が適当に名付けたものであり、本来の名称は不明。
物語の序盤から中盤まで、木連側もボソンジャンプを有人で行えなかったために、あらかじめ命令をインプットした自動機械に任せるしかなかったため、女子供などの非戦闘員も問わず周囲の人間を無差別に殺傷攻撃する非人道兵器であり、アキトもこの悲惨な光景に木星蜥蜴への憎悪とPTSDを患ってしまった。
木連の兵器の中でも最も多い4脚型砲台ロボ。飛行も可能でミサイルをぶっ放してくる。木連側は昆虫型戦闘機と呼称している。大きさは自動車くらい。木連の作業用ロボ(コバッタ)が元になっている。エステバリス相手にはただの時間潰しであるが、中盤でディストーションフィールドを搭載した強化型バッタも登場した。
劇場版ではある機動戦艦の艦載機として採用された。
バッタとコバッタが大量に纏わりついたエステバリス。アマノ・ヒカル命名。
『スーパーロボット大戦R』ではDG細胞に感染している。
- デビルテツジン
『The blank 3years』で登場した、バッタが寄生したテツジン。月面に襲来し、エステバリス・ゲキガンフレームと対決した。
陸上用の赤い4脚砲台ロボ。エステバリスより大きい特殊なジョロも存在する。名前はジョロウグモから。
火星の地中に潜伏していたロボ。
水中戦に特化したロボ。
空中戦に適したロボ。
木連の電子作業用ロボ。菌糸のような部位を伸ばして機体をハッキングする。Yユニットと合体した個体はYユニットのメインAI「サルタヒコ」越しにナデシコ内部のパイロットとA級ジャンパーの脳に直接被害を齎し、幻影を見せたり性格を一変させたりした。
ヤドカリにより乗っ取られた工場で大量に作られていた、第二次世界大戦時のドイツ軍の戦車。時代遅れの武器(なにせ劇中の250年も前)なので、ユリカやジュンは最初何が来たのかもわからなかった。
タイガーの3倍近い巨体を持つ、ナナフシ護衛戦車部隊の主力機体。
高層ビル並みのサイズを持つ重力波レールガン。地上で爆発すればガンマ線を発生させて都市一つを消し飛ばす威力を有し、ナデシコを一度航行不能にまで追い込まれた。
『スーパーロボット大戦A』ではこいつの破壊シナリオで空中を飛ぶと即撃墜される。
木連の主力無人駆逐艦。
カトンボを改良した無人艦。
- シーラカンス(仮名)
『The blank 3years』で登場した水中用新型無人兵器。分厚い装甲と巨体を持ち、エステバリスのライフルをも跳ね返す。完全に水中型の為機動性が高く、新型の海中フレームが無ければエステバリスでは手も足も出なかった。
- チューリップ
ボソンジャンプの出入り口となる空間転移装置。ここを通って木連は兵器を送り込んできた他、チューリップ自体がボソンジャンプして地球に到達し無人兵器を中継している。
このチューリップを元に作られたCC(チューリップ・クリスタル)を有するジャンパーは、ボソンジャンプが起こっても圧死することなく目的地に辿り着ける。
有人兵器
ゲキ・ガンガーそっくりの巨大人型ロボット。大きさはエステバリスの4倍ほどもある。マジン、テツジン、デンジン、ダイマジン等の名称がある。
ボソンジャンプ、ディストーションフィールド、グラビティブラストの三種の神器を備えるが、動きが鈍く、ジャンプには規則性があるので、ジャンプした瞬間にフィールド内に侵入されると弱い。
3年後、ある組織が導入している。
- かぐらづき
木星艦隊の旗艦。数㎞サイズの巨大戦艦。ダルマのような縦長の形状。
- かんなづき
優人部隊の主力艦。爆弾を直接敵の内部にボソンジャンプさせる恐るべき兵器「跳躍砲」(ナデシコからの呼称はボソン砲)を有する。
- ゆめみづき
優人部隊の戦艦。
- 有人ミサイル
コックピット付きのミサイルという恐るべき兵器。勿論特攻兵器ではなく、跳躍砲で敵の死角(もしくは至近距離)にボソンジャンプし、軌道修正後に脱出するが、一発でも被弾したら即死間違いなし。
スパロボでは
意外にもスペースノイドと結託する例は少なく、明らかに木連がオマージュと思われる『機動戦士ガンダムAGE』に登場するヴェイガンと結託した『BX』以外は、殆ど独立した勢力として登場する。その一方、資材不足に目を付けられ、宇宙人や異世界人などが協力を打診する例もある。
劇場版設定の場合はフツーに友好国として登場するが、TV版も同時に参戦する『R』『W』では、TV版のエピソードを再現している状態でも技術が前倒しされ、北辰六人衆らが夜天光&六連を用いて襲い掛かってくることがままある。
なお…。
マンガ『遊撃宇宙戦艦ナデシコ』では、バッタとジョロ、カトンボ以外は登場せず、作中では一貫して「木星兵器<ジュピトリアン>」と呼称されている。チューリップの代わりにモノリスがワープ(『遊撃』ではボソンジャンプが存在しない)を中継しており、遮光器土偶とか火炎土器が敵として登場し、彼等は大和を名乗っている。
また、裏設定として地球連合がプロパガンダを用いて大和の存在を隠蔽していたのは20世紀末以後に起きたジャパンバッシングの再発を防止する為だったとされている(漫画版の世界では史実よりジャパンバッシングが過激で問題視されたものと思われる)。