概要
『ポケットモンスター ソード・シールド』に登場するキャラクター。
名前の由来は恐らく「オリーブ」。
キャラクターデザインは宝石の国などでお馴染みの市川春子先生。
白いリクルートシャツの上から赤いチューブトップ、黒のタイトスカートにストッキングと黒いハイヒール、白衣を上から羽織るという出で立ち。身長はヒール込みで180㎝もある。一人称は「わたくし」。
マクロコスモス社長兼ガラルのポケモンリーグ委員長であるローズの秘書を務める女性。常に冷静沈着な態度を崩さない。自身もマクロコスモスグループの副社長で、実質的な経営を任されている。
しかも服の上からもわかるようなものがついている。
人々にサインをしたりリーグカードをプレゼントしたりといったファンサービスが旺盛なローズを諫める等、彼に振り回されることも。社長と副社長の立場ながらローズのことは「委員長」と呼んでいる。
本編ではバウタウンで初めて主人公と対面。主人公のライバルの一人であるビートに「ねがいぼし」を集めさせているようだが…。
人物
いかなる時も冷静で、感情を殆ど表に出さないクールな性格。
物語開始当初は実務面からローズを支える秘書として描かれていたが、中盤でローズとの打ち合わせが長引き、一向に戻ってこないダンデを心配して彼の元に行こうとした主人公とホップを、自身の直属の社員たちを差し向けて立ちふさがってくると大変大人げないことをしてくる。2人がこれを悉く蹴散らすと、タワーの上層へ赴いて自ら2人の前に立ちはだかった。すると…
「ローズさまの ジャマ だなんて わたくし ぜったいに ゆるせません!」
「マジ? オリーヴ キレそうだわ!!」
それまでの冷静さをかなぐり捨てて凄まじい形相で激高しながら主人公に勝負を仕掛けるという衝撃のシーンを披露し、プレイヤーを戦慄させた。
また、性格も真面目一択ではなく怒りや闘争心を表に出すと普段の冷徹そうな表情が豹変し、三白眼のヒステリックな形相になるのが特徴(ただし、待機時には普通の表情に戻る)。
また、このような状態では時折一人称が自分の名前である「オリーヴ」になる。
本人の言からすると、普段は立場に相応しい人間であるべきと自粛している事が窺え、寧ろ興奮している時の状態が彼女の素に近いものと思われる。こういった言動から元々は多少なりとも粗暴な一面もある性格なのかもしれない。
とはいえ、そこまでした理由は単に「委員長とダンデの打ち合わせを邪魔されたくなかったから」というもので、悪意を持って2人に危害を加えようという意図はなかったと思われる。
言わば忠誠心がやや行き過ぎたが故の行動だったと言えるだろう。
実際、後にローズが独断で行った行為に関してはその詳細を殆ど知らされていなかったようで、彼自身すら危険に陥った時は慌てふためき、一転して主人公にも助けを求めた程。
手持ちポケモン
全体的に『美しい』『女性的な』イメージのポケモンを使用しており、この点では前作のルザミーネと近い傾向にある。
だが、ラストに出してくる切り札はおおよそ美しさや女性らしいイメージからかけ離れたダストダスである。
これに関しては、「普段は美しいが本性は黒い彼女をイメージした」、「美しいポケモンで揃える中、ダストダスは思い入れのある相棒ポケモン」、「彼女自身かつてはどん底にいるような存在だったことの暗喩」と様々な考察がなされている(もっとも、これらの考察もオリーヴからしたら余計なお世話以外の何物でもないに違いないが。)。
また、他の所有ポケモンも進化に際して美しく「イメージチェンジ」する種で揃えているという見方もできる。
そんなオリーヴ自身はパートナーである彼女を大切に思っているそうで、攻撃した際には
「まあ なまいきな!オリーブの パートナーを きずつけるなんて!」
と怒りを見せたり、敗北時には彼らを攻めることなく自分の不甲斐なさを憂い嘆くなど、自身のポケモンを大切にしている人物であることがわかる。
またダストダスをキョダイマックスさせ、技を放つ際に「イメチェンする前から得意だった技」と語っていることから、少なくとも以前は現在とは違った雰囲気の女性であったこと、ダストダスとの付き合いが長く強い思い入れを抱いていることは本当の事と言える(キョダイマックス使用時にも、一瞬しっかりとボールを抱きしめているような仕草をしている)。
なお、薄明の翼にて過去が明かされた事で「昔からの相棒」であることが明らかになり、何故ダストダスなのかというと「汚い部屋に現れるヤブクロン(後のダストダス)と顔馴染みになるほどの片付け下手だから」なのが確定した(所謂捨てられないタイプではなく、研究に夢中になっていることで捨てる暇がないタイプ)。
ちなみに、意外にも第8世代のポケモンは1匹も所持しておらず、それどころかマクロコスモスの中で唯一、はがねタイプのポケモンを1匹も持っていない。
本編クリア後
自首したローズに代わってガラル鉱山にて社会奉仕に従事しており(グラフィックの都合なのか、格好は秘書時代の時のまま)、話しかけるとローズのレアリーグカードを入手できる(ちなみに彼女はローズのサイン入りリーグカードをなんと100枚持っているらしい)。
記述も合わせれば、ローズが何故今回の『悪行』に及んだかの背景が窺える。
一方で、彼女自身はリーグカードを作っていないらしく、残念ながらゲーム中では彼女のリーグカードは登場しない。自分はあくまで社長を支える秘書であり、そのようなものは不要と考えていたのかもしれない。
ローズの失脚に伴い、(恐らくローズの悪事を止められなかったことへの連帯責任を取らされる形で)マクロコスモス副社長を解任され、食い扶持の為に仕方なくなのか、それとも自らの意思で奉仕しているのかは明言されておらず不明だが、彼女自身としてはかつてローズも炭鉱で働いていたことから特に苦には思ってないようで、むしろ喜びを感じているとのこと。
そして、彼女は今でも獄中のローズを慕っており、決して権力欲しさの方便や副社長としての権威の為に秘書を務めていたわけではない事が窺える。
良くも悪くも純粋すぎる性格であったが故に、信奉するローズの計画を止めるどころか逆に加担する道を選んでしまい、結果として今回の惨劇を引き起こした遠因となってしまったという見方もできる。
なお、彼女と再会する場所は、「こわいかお」のわざマシンが拾える場所だったりする。
恐らく、怒ると凄まじい形相になる彼女の気質と絡めた一種の小ネタなのだろう。
冠の雪原では、カンムリ雪原の「いにしえの墓地」に出現することがある。
服役中なはずのローズが目撃されたという情報を聞いてやってきたようだが、そこにいたのはローズ…ではなく、その弟ピオニーだった。
彼の事も話には聞いていたようだが、「兄弟とはいえ似ても似つかない」とその能天気さに憤慨し、人違いと知って帰っていった。
番外作品
ポケモンマスターズ
CV:長尾歩
2023年7月16日に、悪の組織・ガラル編にて実装。バディーズはダストダス。
バディーズダイマックス技「キョダイシュウキ」とパッシブスキルで相手全体を「もうどく」にできるどくタイプのテクニカル。
さらに「ベノムトラップ」でもうどく状態の相手なら3種の能力を3段階下げることもできる。
パッシブスキル「相手にBD技後どく抵抗↓G1」の効果により、バディーズダイマックス技後、相手全員のどくタイプ抵抗を1段階下げることができる。
ポケマス時空におけるローズは本編同様にブラックナイトを起こして収監され彼女も失脚した……のだが、どうやら事件を起こす以前の別時空からローズ共々来た模様。
メインストーリー作中では、マグマ団幹部のホムラとカガリとチームを組んだり、ルザミーネとパキラと共闘するシーンが見られる。
イベント「最強のシンガー決定戦」では、イッシュ地方タチワキシティのジムリーダーであるホミカを推している(彼女とは同じダストダス使い繋がりでもある)。
アニメ版
薄明の翼
CV:長尾歩
第5話「秘書」にて主役として登場。ゲーム中では語られなかった彼女の過去が明かされた。
以前は一介の研究者としてダイマックスやキョダイマックスに関する研究を行っていた。
研究の成果が出ないまま多くの同僚が離れていく中、ただ一人で研究を続けていた彼女の下を訪れたローズに直々にスカウトされ、それから副社長・秘書として大成していったというエピソードが明らかになった。
なお、他の研究員の発言の断片から推察するに彼女が所属していたのは人為的なダイマックスの使用を実用化するための研究部署だった模様。
つまりプレイヤーを始め、ジムリーダーもチャンピオンもライバルたちもホイホイ使っている戦闘中のダイマックスという選択肢は彼女がいたからこそのものである可能性が高い。
本編での姿が「イメチェン」後のものであることに言及していたとおり、現在のファッショナブルな姿とは正反対のメガネをかけた野暮ったい服装で、黙々とデータに向き合う日々を送っていたようだ。
研究者時代の彼女の傍らには、後に本編で繰り出してくるダストダスになるであろうヤブクロンの姿もある。
研究職出身とはいえ、副社長としてもビジネスマンとしても辣腕をふるっており、社員の指揮を執るだけでなく自ら現場視察へ赴いたり、一社員へ直接アドバイスを行ったり、ロトムが起こしたシステム上のトラブルにもエンジニアとして対処したりと、その万能ぶりで他の社員から絶大な信頼を寄せられていることが窺える。
一方で会社の重要な課題の多くを受け持ち過ぎている節もあり、朝に淹れたコーヒーに口をつける暇もないまま夕方になってしまう日もある様子。
立場や仕事が変わった現在でも研究者としての気質は色濃く残っているらしく、隣にローズがいようとダイマックスとキョダイマックスの違いに疎い相手に専門用語を交えながら長々と説明しようとするなど、本編とはまた違った人間くささを持つ人物像が描かれている。また、片付け下手なのも当時から変わっていないらしい。
なお、ローズに対する態度はあくまでも事務的だが、彼からの感謝や労いにはぐらかすような言葉を返すなど、奥行きのある感情を垣間見せる場面も。
EXPANSION『星の祭』では、ダストダスや預かったローズのポケモン達と炭鉱で働いている姿がちょっとだけ確認された。
アニポケ・サトシの旅シリーズ
CV:湯屋敦子
新無印42話の「ソード&シールド」編で初登場。ローズの表の事業も裏で行っている計画も等しく傍で支え、地下プラントの防壁がエネルギー漏れで破られる事態に対処を指示。
凄まじい形相も健在で、43話でローズの誘いを断ったサトピカに対して、無言で髪の毛を逆立てて炎のようなオーラを放ちながら顔芸を披露するという、ゲーム以上の剣幕を見せた。
ただしゲーム本編とは違い、ムゲンダイナが大量のエネルギーを放出した上で脱出、ローズがその現場に向かっていても涼しい顔をしており、良くも悪くも賛同者としての側面が強まっている。
その後、ムゲンダイナを止めようと駆けつけたゴウとラビフットを妨害するも、繰り出したミロカロスは進化を果たしたエースバーンのかえんボールであっさり焼き倒されてしまい、ショックを受ける。その後ローズと共にヘリコプターで脱出するも、全てが終わった後はローズ共々消息不明となった為、ゲーム版と異なり最後まで改心しなかった。
その後132話にて、ローズと彼女と思しき後ろ姿が登場。シュートスタジアムの強烈なエネルギーを受けて一時的に現れた後、技を放ち飛び去っていったムゲンダイナの姿を目撃していた。今はガラルでひっそり暮らしているのかもしれない。
余談
意図したものではないだろうが、次の第9世代の作品ポケモンSVには同じオリーブモチーフのポケモンミニーブが登場。SVの情報がまだ少なかった段階で公開されたため注目を集め、ネタにするプレイヤーも多かった。
そしてポケモンSV本編でミニーブを進化させるとどんどん名前がオリーヴに近づいていく(しかも彼女の手持ちに多く見られるような女性的な容姿となる)ほか、ジムに挑むためのテストとしてオリーブころがしという種目が登場。これらの点でやはり彼女のことを思い出したプレイヤーもいたとか。
更に『SVに出て来るとあるキャラの母親ではないか』という説が出ている。
関連イラスト
関連タグ
マクロコスモス(ポケモン) ローズ ビート 悪の組織(ポケモン)
似てるキャラクター
- ルザミーネ:「ポケモンSM」及び「USUM」のキャラクターでオリーヴと同じく悪の組織に関わっていた女性(立場はローズと同じ)。金髪ロング、美人だが大人気ない、メンバーにミロカロスとエンニュート(ルザミーネのエンニュートはアニポケ限定。)とくさタイプ(ドレディア)がいる、媒体によって改心の有無が異なる…と、共通点が多い。
- カベルネ:「ベストウイッシュ」のキャラクター(悪の組織には関わっていない。)。大人げなくて目的の為なら手段を選ばない(オリーヴは主人公らの行く手を阻み、カベルネは詐称を数回行ったが、どちらも不発で終わった。)、メンバーにみずタイプ(フタチマル)がいる、赤くてフォーマルなファッション…と、共通点が多い。
- ザオボー:ルザミーネと同じく「ポケモンSM」及び「USUM」のキャラクターで悪の組織に関わっている。組織のナンバー2(後に二人はその座から降りることになるが、どちらもその処分を素直に受け入れている。)、良くも悪くも真面目、媒体によって改心の有無が異なる、イメチェンした事がある(ザオボーはアニポケにてそれらしい描写がある。)…という共通点があるが、ポケスペではオリーヴやカベルネやメロコはおろか、ルザミーネや下記のパキラと良い勝負レベルの極悪人となっている。余談だが、ザオボーはオリーヴらと違ってほのおタイプ系列(オリーヴとルザミーネはエンニュート、カベルネはヒヒダルマ、パキラとメロコはヘルガー他多数)を持ってないのだが、アニポケではある人物からガオガエンを借りた事がある。
- パキラ:「ポケモンXY」のキャラクターでオリーヴら以上の悪人。悪の組織のナンバー2、媒体によって改心の有無が異なる、メンバーにほのお複合(ファイアロー他)とゴースト複合(シャンデラ)がいる…と、共通点が多い。
- メロコ:「ポケモンSV」のキャラクターで悪の組織に関わっている。イメージカラーが赤、性格に難があるが根は悪くない、メンバーにエンニュートがいる…と、共通点が多い。