類似作品→きかんしゃやえもん
概要
きかんしゃトーマスとは、イギリス牧師であるウィルバート・オードリーによる絵本「汽車のえほん」シリーズをベースとするテレビシリーズ作品。
1984年の第1シリーズから2008年の第12シリーズまでは鉄道模型を使った人形劇で、2009年の長編第4作から2020年の第24シリーズまでをCGアニメーションで映像化され、2021年の第25シリーズからは2Dアニメーションとして製作。最初に登場したトーマスキャラの総数は13台で、2024年1月時点での総数は201台もいる。2025年で生誕80周年を迎える予定である。
幼少時代、ひらけ!ポンキッキで本作を見ていた方々(主に30代から20代のお方)なら、このOPを聞くだけで分かる方も多いはず。
歴史
『きかんしゃトーマス』誕生前史
きかんしゃトーマスの歴史を語る前にそれ以前に2つ計画された汽車のえほんの映像化計画について解説する。
BBC版
1953年、汽車のえほんの出版社であるEdmund Ward, Ltd. (以下、エドモンド・ウォード社)にBBCからの手紙が届いた。手紙には2日間で3だいの機関車の2話分のテレビ放送を検討している節が書かれていた。その手紙には他にも放映権料に1分放送につき1ポンド支払う事、10分放送のために内容を脚色する事、イラストに描かれる機関車に近いOOゲージの模型を使用する(ただし完全に同じ物とは限らない)事が書かれていた。汽車のえほんの編集者のエリック・マリオットは、完璧主義のウィルバート・オードリーの反対を防ぐために使用する模型をエドモンド・ウォード社で改造することを伝えて映像化することになった。エドモンド・ウォード社が改造した模型はウィルバート・オードリーの納得できる姿にBBCで渡され、映像化が行われた。しかし、撮影方法が生放送形式で、スタッフが意図しない脱線が発生してスタッフの大きな手が機関車を線路に戻したり、3だいの機関車には登場しないジェームスの登場・作品の大幅な着色と言った不手際を連続させてしまう。
この放送を見ていたウィルバート・オードリーは放送に対して不満を持ち、その事が新聞記事に掲載されたことで同情したファンから怒りの手紙がBBCに送られる事態となり、第2回放送は中止となった。
BBCは代償としてエドモンド・ウォード社が撮影施設を用意するのであれば再度映像化するとエドモンド・ウォード社に伝えたが、エドモンド・ウォード社が申し出を断ったため再度映像化される事はなかった。
ミュージカル版
1973年、幼少期から汽車のえほんのファンだったアンドリュー・ロイド・ウェバーがミュージカル風のテレビアニメーション製作を提案。アンドリュー・ロイド・ウェバーはウィルバート・オードリーと出版社取締役のスタンリー・ピッカードを交流を深めたものの、アメリカ市場からの資金調達のために汽車のえほんの出版権の譲渡を迫ると対立し、ウィルバート・オードリーからアメリカに作品が流通して則られると作品が汚されるとして猛反発を食らってしまう。しかし契約は成立した。が、アンドリュー・ロイド・ウェバーはミュージカルの『エビータ』の成功でそちらに注力するために計画は断念された。
ちなみにアンドリュー・ロイド・ウェバーは汽車のえほんをかなり心残りに思ったのか、『エビータ』成功の1年後にThe Really Useful Groupと言う会社を設立(「Really Useful Engine(役に立つ機関車)」からフレーズを取ったと予想される)したり、機関車をテーマにした『スターライト・エクスプレス』をミュージカルとして公開したりしている。
ウィルバート・オードリー存命時のブリット・オールクロフト社体制の『きかんしゃトーマス』
放送権獲得
1979年、ブリット・オールクロフトは鉄道文化のドキュメンタリー番組の制作の際、ウィルバート・オードリーとクリストファー・オードリーが執筆したイギリス蒸気機関車のガイドブックを見つけて読み、ウィルバート・オードリーにドキュメンタリー参加を呼び掛けて、インタビューする事になった。ブリット・オールクロフトはインタビューに際し、汽車のえほんを拝読すると絵本の世界に入れ込み、TVシリーズ化を考案。
後日、ブリット・オールクロフトはウィルバート・オードリーにその事を話すとウィルバート・オードリーは2回の映像化の失敗から釘を刺す形で反対された。
しかし諦めきれなかったブリット・オールクロフトはテレビ放送権購入を出版社に交渉し、条件付きで交渉を成立させた。
パイロット版と第1シリーズ
テレビ放送権を取得したブリット・オールクロフトは製作方法を検討した。
案としてはセル画方式とストップモーション方式が検討されたが、前者は制作費が高く後者は製作時間が多大に掛かるため没となった。その頃ブリット・オールクロフトはかつてイギリスで放送された人形劇である「サンダーバード製作に関わったデビット・ミットンに出会い、鉄道模型で撮影する方式を提案。しかしブリット・オールクロフトの夫のアンガス・ライトは高度な技術を要すると考えこの案には否定的だった。そんな時、モデルメーカーのピーター・イーブズが鉄道模型に「目を動かす装置」「煙を出す装置」「車輪を動かす装置」を組み込むことに成功した事で機関車はこの方式で行くことになった。一方、人間に関してはストップモーション方式で動かすことが検討された、予算面と機関車に拘るべきという考えから人形をただ置くだけのものに落ち着いた。
こうして1983年にパイロット版としてエピソードの一つである「あなにおちたトーマス(原題:Down the Mine)」が製作されて成功すると、他のエピソードも撮影され、このエピソードについても撮り直しが行われた。その後、車体番号が1のトーマスがヒーローに相応しいと言う理由から正式タイトルに「Thomas the Tank Engine & Friends」が採用されることになった。
一方声に関しては、ナレーターによる読み聞かせ方式に決まるが、理想の人材がなかなか見つからなかった。そんな時、テレビに元ビートルズのリンゴ・スターが出演していて、それを見たブリット・オールクロフトは理想の声はリンゴ・スターだと考え、ナレーターにリンゴ・スターを採用した。
こうして1984年、同年に起業したばかりの「ブリット・オールクロフト社」が「Thomas the Tank Engine & Friends」の放送を開始した。当初はリバプール訛りのリンゴ・スターが受け入れられないのではないかと言う意見も存在したが、結果は逆で、イギリス中で人気となり、多くの賞を受賞するほどに受け入れられたのである。
第2シリーズ
第1シリーズの放送から2年後の1986年、放送の成功から第2シリーズの製作が決定した。
第2シリーズの映像化には、原作で「人気」「奇抜さ」「当時の技術的に映像化が可能」の3つの条件が揃う話が選ばれることになった。ところが条件を絞った結果、原作のストックが足らないことが判明。一見すると、オリジナルの話を作れば問題ないだろうと思われるが、実は原作のみ映像を許可するという契約のためオリジナルの作品が出せないのである。そこで2代目の原作者であるクリストファー・オードリーにテレビ用エピソードの執筆を依頼し、問題を解決した(More About Thomas the Tank Engine・Thomas and the Missing Christmas Treeがその時に書き起こした作品である)。他にも一冊の絵本である「Thomas the Tank Engine annuals」に掲載されていた「トーマスのあたらしいともだち(原題:Thomas and Trevor)」も映像化されることになった。
一旦は解決したものの、撮影中だったThe Missing Coach(日本で未放送の為、日本語タイトルはなし)が子供には分かりづらいとの判断で撮影中止となり、代わりにMore About Thomas the Tank Engineの「トーマスとパーシーとせきたん(原題:Thomas, Percy and the Coal)」を追加で映像化する事が決定した。
第3シリーズ
1991年、第3シリーズの製作が決定したが、2点の問題が発生した。
- ナレーターの交代
1980年代後半にアルコール依存症に悩まされていたリンゴ・スターは1989年にアルコール依存症から改善したことから音楽活動を専念することになった。
そのため、ブリット・オールクロフトは惜しみつつも降板させ、代わりのナレーターに後任候補だったマイケル・アンジェリスに任せることにした。
- オリジナルストーリー
原作の枯渇と1988年にアメリカ進出した「Thomas the Tank Engine & Friends」の市場浸透の観点から出版社にオリジナルストーリーの創作の許可をもらって草案が作られたが、それを見たウィルバート・オードリーは設定無視の物語に愕然とし、「ヘンリーのもり」を例に挙げ、森に近くを走ったり、独自の判断で路線上に止まったりする事は物語の舞台ではあり得ないし、製作者サイドが鉄道を知らずにリアリティーが無い作品を作ったことを自分に対する侮辱だと猛批判した。この意見はイギリスの新聞でも報道された。
それに対しブリット・オールクロフトは、視聴者第一に視聴者が楽しめる番組制作をしたと反論した。
では実際の視聴者の評価はどうだったかと言うと、汽車のえほんのファンの視聴者からは番組に対して非難が殺到する事態となったとのこと。
第4シリーズ
1994年初頭、第4シリーズの製作が決定。
従来のシリーズで培った技術で、従来では映像化が不可能だったノース・ウェスタン鉄道より規格が小さいスカーロイ鉄道の映像化が可能になった。そのお陰もあり第4シリーズでは、殆どの話が原作を元にした話となった。しかし、万人受けを狙ったステップニーを救助するオリジナル回の「ブルーベルれっしゃ(原題:Rusty to the Rescue)」は原作の現実味がない話だったため、現実さを作品の中で大事にしていたウィルバート・オードリーを幻滅させてしまった。
ウィルバート・オードリー死去後のブリット・オールクロフト社体制の『きかんしゃトーマス』
第5シリーズ
1996年、当時の汽車のえほんの出版社であったHeinemann(ハイネマン)が児童書籍の販売権を売却し始め、汽車のえほんも対象になっていた。
1997年3月21日、汽車のえほんの初代原作者のウィルバート・オードリーが死去。
これを機にブリット・オールクロフトは、所有権と著作権を取得し、出版権をEgmont Publishing(エグモンド・ブックス)へ移管させた。権利を取得したことによって原作を映像化する必要が無くなったブリット・オールクロフトは第5シリーズの製作を決定し、全話オリジナル回で放送を開始。
第5シリーズではストーリーコンサルタントとして慈善鉄道のCHARITY RAILWAY CHILDREN(チャリティー・レイルウェイ・チルドレン)の創設者のデビット・メイドメントを加え、彼は実話を元に物語を製作した。またブリット・オールクロフトは新奇さを求めて、従来の平凡な話を避け、アクションや急展開といった話を製作した。新キャラクターについては原作に登場しないオリジナルの登場車両を追加させるものの、人気が無かったキャラクターに関しては以降のシリーズでは出さない方針が採られた。
一方、汽車のえほんはテレビ版と設定が異なり、子供たちの混乱を招く恐れから『テレビ版の写真絵本の製作』『原作本の市場コントロールによる枯渇の実施』『大人向けに大判の全巻合本・高価な全巻BOXの流通の実施』『原作サイドが許可を取らないと原作を執筆できない処置』を実施した。
この処置は、汽車のえほんに対する冷遇であり、10年程汽車のえほんの新刊が発表されない事態を招いた。また大判の全巻合本・高価な全巻BOXも製作されたものの、新デザインの新装版はファンから不評を呼ぶ結果となった。
長編第1作
ブリット・オールクロフトは、きかんしゃトーマスの映画化を狙い本作の製作を実行した。
従来のナレーターによる読み聞かせから、キャラ別の声優起用による違和感・難解なストーリーなどを盛り込んだ結果、興行的には失敗に終わり、2000年9月にはこの責任を負う形でブリット・オールクロフトは社長を退任した。
長編第1作の詳細については『きかんしゃトーマス魔法の線路』を参照。
第6シリーズ
2001年、第6シリーズの製作が決定。本シリーズでは道徳的な話に重点が置かれた。
この頃、「ブリット・オールクロフト社」改め「Gullane Entertainment(ガレイン社)」は、きかんしゃトーマスのノウハウを生かしたきかんしゃトーマスと関連性が無い建設車両の物語として「Jack & the Pack」を計画していた。しかし2002年、「ヒット・エンターテインメント社)」がガレイン社ときかんしゃトーマスの権利を購入したことで「Jack & the Pack」を本作のスピンオフシリーズとすることを決定。そのため、パイロット版と言える2話が第6シリーズの話として製作された。
2003年、ガレイン社の権限を失ったブリット・オールクロフトは退社し、きかんしゃトーマスの製作から身を退いた。
ヒット・エンターテインメント社体制の『きかんしゃトーマス』
第7シリーズ
2003年、第7シリーズの製作が決定。
グローバル展開を目指すヒット・エンターテインメント社の方針で機関車の仲間にそれまで少なかった女性の機関車のエミリーを追加。人間に関しても、従来は白人のみだったが、他の人種も描かれるようになった。
一方、物語の面では、この時期のイギリス国内の悲惨な鉄道事故を考慮して、大きな事故の描写は制限された。
その後日本でも2005年にJR福知山線脱線事故を始め日本国内でも鉄道事故が相次いだ為か当面の間事故シーンがあるお話をBSフジでの放送を自粛した。
本シリーズからはヒット・エンターテインメント社のスタッフが制作総指揮に加わったが、代わりにデビット・ミットンと言った従来のスタッフは第7シリーズを持って退陣した。
第8シリーズ
第8シリーズからは大幅に作品にテコ入れが行われることになった。
変更は以下の通り。
- 尺を5分から7分に変更。
- 教養を従来より強化する方針に転換。
- 極力、主人公であるトーマスを登場させる。
- 撮影記録媒体を35mmフィルムからHDCAMに変更された。
- ミニコーナーの追加。
- 雨や雪と言った部分はCGの採用。
- 主要キャラクターや一部キャラクターを除くキャラクターの登場の見送り。
以上のテコ入れは作品の雰囲気を大きく変化させてしまった。第8シリーズではその変化の違和感を減らすため、新キャラが登場せず、スチーム・チームのメンバーのみで話が作られた。
Jack & the Pack
第6シリーズでパイロット版と言える話が2話製作されたJack & the Packの本格的な作品である。
全13話が製作された。
長編第2作~長編第3作
- 2005年、長編第2作となるみんなあつまれ!しゅっぱつしんこうが公開される。
- 同年、第8シリーズから取り入れた新フォーマットの定着したと判断したヒット・エンターテインメント社は第9シリーズの放送を開始。前シリーズと異なり、新キャラが登場した。
- 2006年、従来の全26話から28話に増やした第10シリーズの放送が始まる。
- 2007年、第11シリーズの放送が始まる。
- 2008年、長編第3作にして最後の模型による長編作品となるトーマスをすくえ!!ミステリーマウンテンが公開される。
第12シリーズ
2008年5月、本作のCG制作に体制変更する事が新聞で発表された。
理由は制作費用や模型による表現方法の限界などが挙げられる。
それに先駆け、第12シリーズでは機関車の顔・人間・動物がCGで再現した。ただし、技術上合成が難しい部分は、従来の模型が使用された。
CGの製作はカナダのCG会社ニトロゲンスタジオが請け負った。別のCG会社に交代するまで担当することになる。
なお、本シリーズからシリーズの総話数が全20話に縮小された。
長編第4作~長編第7作
2009年、フルCG製作による制作が開始された。
CG製作はカナダのCG会社ニトロゲンスタジオが請け負うことになった。
- 2009年、長編第4作にしてフルCGでは最初の作品となる伝説の英雄(ヒロ)が公開された。
- 2010年、フルCG初のテレビシリーズの第13シリーズの放送が始まる。
- 同年、長編第5作としてミスティアイランドレスキュー大作戦!!が公開された。
- 同年、第14シリーズの放送される。
- 2011年、第15シリーズが放送される。
- 同年、長編第6作としてディーゼル10の逆襲が公開された。
- 2012年、第16シリーズが放送される。
- 同年、長編第7作としてブルーマウンテンの謎が公開された。
長編第8作~第20シリーズ
2013年、制作体制の見直しが行われた。
まず、CG製作会社をカナダ・トロントのアーク・プロダクションに変更し、制作話数を20から26に増加、
シリーズ構成にマガジンストーリーの執筆をしていたアンドリュー・ブレナーの採用、他の製作陣の一新、鉄道アドバイザーの復活が行われた。
そのため、作風がブリット・オールクロフト社時代に近づき、原作を尊重するようになった。
- 2013年、長編第8作としてキング・オブ・ザ・レイルウェイトーマスと失われた王冠が公開された。
- 同年、第17シリーズが放送される。
- 2014年、長編第9作として勇者とソドー島の怪物が公開された。
- 同年、第18シリーズが放送される。
- 2015年、長編第10作として汽車のえほんを原作に使用したトーマスのはじめて物語が公開された。
- 同年、第19シリーズが放送される。
- 同年、長編第11作として探せ!!謎の海賊船と失われた宝物が公開された。
- 2016年、第4シリーズぶりに汽車のえほんを原作とした話を3話製作した第20シリーズが放送された。
mattel体制の『きかんしゃトーマス』
長編第12作~第24シリーズ
時は2011年4月に遡る。
2005年にエイペックス社に買収されていたヒット・エンターテインメント社だが、エイペックス社がヒット・エンターテインメント社の売却を開始した。その結果、アメリカの大手玩具メーカーのマテル社に買収されることになった。とはいえ、ヒット・エンターテインメント社の体制で本作の制作が続けられていた。
しかし、事態が変わったのは2016年3月の事であった。ヒット・エンターテインメント社を含むマテル傘下の子会社が統合される形でマテル・クリエイションズが設立。そのためマテル・クリエイションズが製作を行うことになった。
一方、CG製作会社のアーク・プロダクションが破産したことで、破産と同時期に3D制作会社のジャム・フィルド・エンターテインメントをマテル社が買収し、ジャム・フィルド・トロントとして支社化させて製作を続行。
マテル社が国際連合との共同制作とするため主要キャラクターの男女バランスの調整やグローバル展開の強化が行うことに決定。そのため、第21シリーズでエドワード・ヘンリー・トビーがティドマス機関庫から独立する話が作られた。第22シリーズからは、新レギュラーの女性キャラの追加と舞台を世界に拡大・ナレーターの廃止が行われた。
- 2016年、長編第12作として走れ!世界のなかまたちが公開された。
- 2017年、長編第13作としてとびだせ!友情の大冒険が公開された。
- 同年、第21シリーズが放送される。
- 2018年、長編第14作としてGo!Go!地球まるごとアドベンチャーが公開された。
- 同年、第22シリーズが放送される。
- 2019年、長編第15作としてチャオ!とんでうたってディスカバリー!!が公開された。
- 同年、第23シリーズが放送される。
- 2020年、第24シリーズが放送される。
日本での歴史
フジテレビ時代
ひらけ!ポンキッキのコーナーを検討していた1980年代後半、フジテレビの関係者がイギリスに渡った時に本作の紹介される事があった。
この事をキッカケに交渉が行われ、その結果日本で放送が決まり、キャラ数や日本の状況からナレーターによる一人語りから各キャラ別に声優を起用する方針を取った。
日本での初放送は1990年10月4日(判明したのは2017年頃で、それまでは1990年4月6日が初回放送されていたという説があった。)から放送が始まり、番組が方針転換でリニューアルを何度か行っても引き続き、2007年10月の海外番組の放送版権返上で本作の権利を返上するまで放送が行われた。
シリーズは第1シリーズから第8シリーズでの放送であった。
なお、フジテレビ時代に放送されていた声優の多く(青二プロダクション)(内海賢二と滝知史のみ賢プロダクション)がウルトラマンシリーズ、『ゲゲゲの鬼太郎』、ドラゴンボールシリーズ、『それいけ!アンパンマン』、『ちびまる子ちゃん』、『キテレツ大百科』、『ウルトラマンキッズ』、「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「プリキュア」「ポプテピピック」『ONEPIECE』「仮面ライダー」「スーパー戦隊」でも共演している。ちなみにフジテレビ版きかんしゃトーマスの声優はテレビ東京とNHK Eテレ版(初代)きかんしゃトーマスの声優と他のアニメ作品と共演している。
またフジテレビ版放映中、戸田恵子や堀川りょう、森功至を始め一部の声優陣は独立して個人事務所を設立、中尾みち雄や永澤菜教は他の声優事務所へ移籍(前者はフジテレビ撤退後で、後者は放送途中。ただし、永澤さんは2002年12月発売のゲーム「キッズステーション おしゃべりおえかき きかんしゃトーマスととなかまたち」でメイビスを10年ぶりに担当している。)、宮内幸平が死去により彼の持ち役を青野武と声優交代となった。
テレビ東京時代
2008年、のりスタ!のコーナーとして放送されることが決定した。
引き続き各キャラ別に声優を起用する方針となったが声優と日本語版スタッフが一新されている。ゲスト声優を除く青二プロダクションから81プロデュースにキャスティング。但し納谷六朗のみ唯一81以外のキャスティング(マウスプロモーション)である。
のりスタ!のリニューアルに従い、2011年で放送が終了した。
シリーズは第12シリーズを除く第9シリーズから第13シリーズでの放送であった。
NHK Eテレ時代
2012年4月8日より単独番組として放送が開始された。
声優に関しては基本的にテレビ東京時代の声優が引き続き担当することになったが、一部変更が行われた。また81プロデュースに所属してた江原正士が青二プロダクションへ移籍と同時に一部の声優が移籍やフリーランスとして独立して個人事務所を設立している。
登場キャラクター
汽車のえほんにも登場・のみ登場するキャラクターは汽車のえほんのキャラクター一覧へ
きかんしゃトーマスのみのオリジナルキャラクターはきかんしゃトーマスのキャラクター一覧へ
各話リスト
長編作品
評価と批判
さて、きかんしゃトーマスの評価についてはどうだったのだろうか?
簡潔に言うと、新作になる程評価が下がる傾向にある。
作品
各シリーズの評価について載せていく。
- 第1・2シリーズ : 評価が高く好評であった。
- 第3・4シリーズ : 一定の評価を得たもののオリジナル回のせいで原作者のウィルバート・オードリーやThe Railway Seriesのファンから批判が出ている。
- 第5・6・7シリーズ : デビット・ミットンなどの第1シリーズから製作に携わったスタッフがオリジナル作品のみで、ある程度作風を維持したため、悪い評価はあまり聞かれない。
- 長編第1作 : 一部では高評価を受けたものの、一人語りから各キャラ別に声優を起用したり、難解な話となった結果、興行収入で失敗した上に酷評も受けている。
- 第8シリーズ以降の模型時代 : 作品のテコ入れで賛否が分かれ、特に第8シリーズ以前からの視聴者からは作風の違いから否定的な声もある。
- ニトロゲンスタジオ時代 : 話の内容に関しては第8シリーズ以降の模型時代と同じ評価で、模型からCG体制に移管した事でCGに対する賛否が分かれている。
- アーク・プロダクション時代 : 第8シリーズ以降の模型時代とニトロゲンスタジオ時代の評価を引きずっているが、原作を尊重したり、模型時代では映像化が困難だったアールズデール鉄道の登場である程度評価が上がっている。
- ジャム・フィルド・トロント時代 : メインキャラクターの降格、ソドー島以外の舞台の登場、ナレーターの廃止などを行った結果、従来のファンから批判が殺到する事態に発展した。
- ネルバナ時代 : 2020年10月のマテル社の発表がされた時点で、作画が2Dアニメーションになることに対し、以前からマテル社やHIT社(第8シリーズ以降)の製作したシリーズに不満を持っていたファンは元より、現行のシリーズを寛容に見ていたファンからも批判が殺到し、ジャム・フィルド・トロント時代と同じかそれ以上の批判が殺到している。(※一応フォロー(?)をすれば、ネルバナ時代の長編作品の一つである『めざせ!夢のチャンピオンカップ』は、2023年のキッズスクリーンアワードプレスクール番組部門のベストテレビ長編賞に(『ミッキーとミニー クリスマスにねがいを』などと共に)ノミネートされていた(参考)ことがある)
日本の場合
基本的には、上記の評価と変わらないが、日本版は他国版と異なり、1人語りではなく各キャラ別に声優を起用しているため、以下のように少し異なる。
- フジテレビ時代 : 第1シリーズ~第7シリーズは高い評価で、第8シリーズは賛否が分かれてはいるが放送当時は大きな批判は無かった。
- テレビ東京時代 : 声優の変更や第8シリーズからの作品のテコ入れ、第13シリーズのCG化で賛否が分かれている。
- NHK Eテレ時代 : テレビ東京時代と変わらない評価となった。
制作会社
本作の製作はブリット・オールクロフト社、ヒット・エンターテインメント社、マテル社と変貌している。
ブリット・オールクロフト社、ヒット・エンターテインメント社に対する評価は、特に言われないので省略する。
マテル社に関しては、ファンからの賛否が大きく分かれていて、ブリット・オールクロフト社時代のシリーズが好きなファンからは批判が多い。
マテル社とはアメリカに本拠を置く大手の玩具メーカーでバービー人形の販売元でもある。
本作の作風に関してはジャム・フィルド・トロント時代やネルバナ時代に書いた通り、従来のファンから批判が殺到させる事態を2度も引き起こしている。
だが、マテル社の評価が従来のファンから良くないのは作風の変化だけではない。
- 製作関係者 : マテル社の制作関係者の本作に対する否定的な意見に対して、本作が嫌なら旅番組を見ればいいと言ったため、マテル社制作の本作に否定的な意見を持つファンの怒りをさらに買う結果となった。
- 玩具 : 本作の玩具製作はマテル社の子会社であるフィッシャー・プライス社が担当しているのだが、2017年に『Wooden Railway』(日本での名称は『木製レールシリーズ』)を終了させ、代わりに『Wood』と言う後継商品を販売開始するが、『Wood』では木目を所々に大きく残す姿で販売されたため、ファンからの批判が殺到し、後に完全な塗装を施したリニューアル版を販売する結果となった。
関連タグ
キャスティング協力
青二プロダクション 81プロデュース 賢プロダクション マウスプロモーション 吉本興業 アミューズ IAMエージェンシー
アーツビジョン 大沢事務所 アクセルワン オフィスもり 松竹芸能
【「擬人化」イラストに関して】
きかんしゃトーマスの擬人化イラストは「擬人化きかんしゃ」というタグに今のところは集中しています。
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