うたう!大龍宮城
うたうだいりゅうぐうじょう
東映不思議コメディーシリーズ第13作目。同「美少女シリーズ」第5作目にあたる。
『人生は二度ない。三度ある。崩壊した龍宮城の主・乙姫。』
両親がフィジーに出張してしまった勉強嫌いの人間の男の子『浦島タロー』くん(&友人やガールフレンド)と、海が汚染されて棲むところがなくなった龍宮城の『乙姫』(&両親の鯨大王&珊瑚女王と、使用人の亀山)の同棲生活やその親戚、友人のドタバタを描いた、特撮としては珍しいミュージカル仕立ての作品。
戦いではなく音楽がテーマな為、ラスボス(?)ポジションは人間の丸藤商事会長となっている(日常系の登場人物な為、本筋と関係ないシーンでは普通に主人公と敵が会話をしている)。
最終回に近付くにつれて『乙姫が平和のハープを使う場所はいつ、どこか』といった謎が解けていくストーリー構成が特徴で、平和を守る為に戦う内容ではなく、0から1に戻る内容になっている。不思議コメディーシリーズはEDが病んでいることが多いが、この作品だけは本編が病んでいてEDが明るい異例の作風。シリーズの中でも、特に抽象的でポエティックな作風をしている。
サブタイトルはすべて海の生き物の名前であり、登場するゲストもすべて海の生き物の擬人化キャラという設定で、龍宮城の魚や貝の他、果物や野菜、楽器、宇宙のUFOの擬人化キャラも登場する。
番組後半の昼ドラ並の四面楚歌・泥沼っぷりは、物好き以外には辛い作品。
番組後半は主人公の乙姫様への愛と、海よりも広く深い心を持って視聴すること。
異世界からやってきたお姉さんと人間の男の子の同棲という設定は『魔法少女ちゅうかなぱいぱい!』『魔法少女ちゅうかないぱねま!』以来となり、男の子集団の中に紅一点の女の子(タローのガールフレンドのシンコ)が混ざっている設定は『少年探偵シリーズ』の特徴を受け継いでいる。
OPテーマの映像は、乙姫≒視聴者といった目線で描かれている(特に、異世界トリップする様子が描かれていた前期)。
不義コメディーシリーズはすべて画面に寒色がかかっているが、龍宮城を題材にした本作は特に青系のモチーフで統一された涼しげな画面が印象に残る。
時期が近い『ブルースワット』も似た作風であり、大竜宮城の次回作のシュシュトリアンの後番組の『蒼き伝説シュート!』も青がメインの画面構成である。
東映不思議コメディ美少女シリーズの慣例を引き継ぎ『ぴょんぴょん』(小学館)および『テレビランド』(徳間書店)にてコミカライズが連載された。
『テレビランド』版は滝沢ひろゆきが担当してつつがなく1年を終えて次の『有言実行三姉妹シュシュトリアン』へと繋げた。
そして一方の『ぴょんぴょん』版は、なんと当時のコロコロギャグの旗手の一人であった玉井たけしが担当。玉井作品お得意のSDデザインキャラクターによる暴走ギャグで見事に魅せたが、翌年に『ぴょんぴょん』は小学館内の雑誌編集部整理であえなく廃刊へと追い込まれる(『ちゃお』への統合)事となり、本作は『ぴょんぴょん』連載最後の不思議コメディーシリーズ作品となった。(不思議コメディーシリーズ次作である『シュシュトリアン』は『ぴょんぴょん』と担当課を同じくしていた『小学四年生』に受け継がれ、同5月号に読切掲載された。担当は『ぱいぱい』『いぱねま』の谷沢直である)
桂木ひかる&花織ことは…横笛を持つ特撮ヒロイン繋がり。ひかるが登場するバイオマンにも竜宮城が登場する。
モモコ…乙姫と同様、ワンレン黒髪ロングのバブリーな特撮ヒロイン。前作『ナイルなトトメス』で『森の女王』を演じた。
あさりちゃん…同じく『ぴょんぴょん』に連載されていた漫画で、主人公の母親が『さんご』。この作品を気遣ってか、本作に出るアサリは男性でイワシは女性である。
ママは小学4年生…『ぴょんぴょん』に漫画版が掲載され、フルートの玩具を発売した作品繋がり。
ぴちぴちピッチ…海の王国の姫と人間の少年の交流を描いた『歌』がテーマの変身ヒロイン作品繋がり(こちらはヒーロー&ヒロインが同年代で、恋愛関係)。
BASARA(田村由美)…「味方の正体が自国を亡ぼした敵で悩む」という設定の作品繋がり。バブル崩壊直後はこのテーマの話が散見された。
ぴょんぴょん…コミカライズを連載していた。
不思議少女ナイルなトトメス → うたう!大龍宮城 → 有言実行三姉妹シュシュトリアン
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