「ようこそ。ストーンの匂いのする者よ…」
「この悪夢の中ではねぇ、私は無敵だよぉっ!!」
データ
身長:170cm
体重:73kg
概要
「淀みの海の魔女」ヌマージョの妹。魔進ファイヤが語った回想のみに登場し、現在は行方を晦ましていた。
かつて姉の討伐に来たオラディン王に攻撃を加えるも、相手は怯まず姉を討ち取ったので我が身を案じたかすぐに姿を消した。なおこの時、ヌマージョの毒を浴びて輝きを失い昏睡状態に陥ったアクアキラメイストーンこと、後の魔進ザビューンには因縁の相手として認識されている。
なお、オラディン王はミンジョの存在を知らず、彼女が姉のティーパーティーに遅刻した事を知らなかったせいでミンジョの不意討ちを受けてしまった。
その後、姉に掛かっていた招聘命令を引き継いでヨドンヘイム幹部になったらしく、劇場版『ビー・バップ・ドリーム』で本格的に登場する。
姉と同じく黒い肌を持ちシースルーのドレス状の服装だが、こちらは上着を羽織りカラフルなショートブーツを履いている。邪面も月を模した姉と対照的に太陽を模した様な造形で、髪に当たる部分は蜥蜴の襟巻にも見える。邪面を外して妖艶な素顔を見せる事もあり、外した邪面は髪部分が格納されて腰に下げられる。
戦闘時は邪面を被る事で身体能力を引き上げ、強力な斬撃を放つ漆黒の大鎌を武器にして身軽な動きで戦う。邪面を光らせる事で身体を影状に変えての瞬間移動も可能。
相手を深い眠りに誘う力を有する闇獣・レムードンを己が手駒としている上、かつてクリスタリア壊滅時に盗み出していたドリームストーンの力を悪用。ドリームストーンが生み出す夢の世界・ユメーリアを彼女の想うがままに操れる悪夢の世界に変える能力を獲得し「悪夢のマエストロ」を自称する。
更に生み出した悪夢の世界は、眠った他の人間やキラメイ魔進の意識を取り込み世界に閉じ込めてしまう。なお意識を取り込まれた者にはアルファベットのZの意匠を持った隈取(※額部分はZが2つ組み合わさり、ミンジョのイニシャルであるMに見える)が浮かぶ。
悪夢の世界では、闇の波動を発するフィンガースナップをする等の仕草で取り込んだ相手へ不条理な光景や現象を見せて翻弄・混乱させる。場合によっては邪面師や邪面獣等、翻弄対象が過去に出会った存在を具現化して動かす芸当も可能。
こうして、悪夢の世界に取り込んだ者達を苦しめる事で大量の闇エナジーを捻出。力を蓄えた上に悪夢の世界の礎にした者も謀殺する事で、ゆくゆくはヨドン軍の頂点に伸し上がる事を目論む。
しかしキラメイストーンの一種であるドリームストーンの力を悪用している都合上、強いキラメンタルを持つ者に夢の世界を操作する主導権を奪い返されるリスクも抱える。またユメーリアに干渉しているやり方の為か、悪夢に取り込んだ人間を一度に全員弄ぶ事が出来ず構っていない人物の自由行動を許してしまう、キラメイストーンの扱い方へ精通するクリスタリア王家の者と夢を共有する方法へユメーリアに入り込んだ人物は悪夢に取り込めない等、案外穴は多かったりする。
ただし、万が一ユメーリアの主導権を奪われても現実世界で眠り無防備な夢の主を抹殺、取り込んだ人達の意識諸共夢の世界を崩壊させる最終手段が取れるので、結局現実世界でもミンジョを見付けてドリームストーンを取り上げない限り優位性を完璧に覆せないのが非常に厄介である。
妖艶かつ余裕を湛えた口ぶりで話すが、悪夢に苦しめられる相手を嬉々として笑うので性根は姉と同じく陰湿。また前述した目的より、強い出世欲も持っているのが窺える。ヌマージョからは可愛がられていたようだが、当のミンジョは劇中で姉について一切言及していない辺り、(ザビューンの回想でしかヌマージョは触れられていない)出世の踏み台程度にしか思っていなかったのかもしれない。
活躍
地球のF-30地区にある工場へガルザを呼び出し、物陰に潜ませていたレムードンの催眠能力で眠らせた所にドリームストーンを持たせて悪夢の世界を生成。同日の夜に眠った都心部の人間達を悪夢の世界に閉じ込めた後、レムードンと共に悪夢の世界を巡って取り込んだ人々を弄んで苦しめ、闇エナジーを捻出していく。
その中へ充瑠と為朝にファイヤやショベロー、宝路も混ざっていたのも「キラメイストーンの匂いがする」と察知し、真っ先に排除へ動く。嗾けたレムードンの後ろから大鎌の斬撃を浴びせるコンビネーションで充瑠達4名は海岸から海に叩き落し、姉を討ち取ったオラディンの義理の息子である宝路には幻惑攻撃も交えて翻弄、恐慌状態にした所を大鎌で斬り付けた。
しばらく後、大まかな状況を理解した瀬奈・時雨・小夜がマブシーナと共に悪夢の世界へ潜入。ベチャット達が露店の店主を務める祭り会場に現れたのへ対し、悪夢に取り込んだ人々を射的の銃で撃ってこけしに変えながら姿を見せる。
当然すぐ睨み合いになるも、挨拶代わりに悪夢の世界の力を行使してマブシーナ以外の3人を弄び、あっと言う間に無力化してしまう。
「ちょっ、なにっ!? ヤダ~!!」
「よ、よみがえる…!嫌な記憶…っ!! い、いや…、全然痛くない…! ああ゛っ…!全っ然痛くないっ…!!」
- 小夜…小さくして金魚すくいのプールに放り込んだ上、もがいている所をポイで掬ってビニール袋の中に。そして袋はマブシーナに投げ渡す
≪いきなり巨大金魚!?≫⇒「バーカ…お前が小さいのよ。 ほうら、逃げられるもんなら逃げてみな?」⇒≪逃げてみる!(※直後ポイで掬われる)≫
そうして一通り遊んだ後、「後は一気にやるか…」と呟いてフィンガースナップし、輪投げ屋の的をワナゲヒルドンへと変化。祭り会場諸共踏み潰そうとする。
しかしその直後、現実世界で待機する無鈴のアシストで、各パートナーに持たれる形で悪夢の世界へ駆け付けたマッハとジェッタがワナゲヒルドンを足止め。その隙に一歩遅れてヘリコがローターより出した癒しの風で3人が元の姿に戻ってしまう。
そしてワナゲヒルドンがスカイメイジに抑えられている間に、マッハに乗った瀬奈とマブシーナが夢の主を探しに行こうとするが、ミンジョはすかさずフィンガースナップで発生させた地割れへマッハ達を飲み込ませ、夢世界のクリスタリアの王宮へ飛ばす。更にそこへレムードンを送り込んでマブシーナを捕縛、攻撃して消滅させる事に成功する。
ところがクリスタリアの王宮には、僅かに自我を取り戻したドリームストーンが作り出した幼いマブシーナの幻影に導かれた充瑠や為朝達もいた。そして消滅寸前のマブシーナより夢の主を探すヒントを聞いた充瑠達は、ドリームストーンがその場へ作り出した扉を潜って夢世界のヨドンヘイムに移動。
そこへ移動していたミンジョは共に居た夢世界のガルザを制止させつつその後ろから現れ、臨戦態勢に。先制した充瑠/キラメイレッドのキラメイソードをアイスキャンディーに変えて出鼻を挫いた所を腰に下げていた邪面を装着して反撃、為朝/キラメイイエローごと屋外に吹っ飛ばした上で身軽な動きより繰り出す大鎌の乱舞でレッドを圧倒。援護しようとするイエローの銃撃はフィンガースナップで止めて撃ち返した上で、呼び寄せたレムードンの攻撃で追撃を加え、2人を突如降り出した大雨でぬかるんだ地面に倒れ伏せさせる。
そうして追い詰められた2人に「おやおや…。 じゃあ、消えてもらおうかぁ?」と告げていた所へ、雨雲を突っ切って『ケ』『ル』『キ』『メ』『ラ』の文字が飛来。
これへ「ちょっと…、何なのよコレは?」と苦笑していたが、これを見たレッド=充瑠はこの言葉を『キラメケル』と言うドリームストーンのメッセージだと直感。この世界・ユメーリアは強いキラメンタルによって思いのままへなる事に気付き、いつもの閃きを発揮して魔法の絵筆を生み出し天まで届く梯子を描いて実体化、それを登った所で雨雲の切れ目を描いて飛び付き捲るやり方で大雨を晴らした。
レッド「いっちゃって、ファイヤ!」
ファイヤ「よっしゃあ! めっちゃキラキラだぁっ!!!」
更にキラメンタルの溢れて止まらないレッドは、魔法の絵筆で描いた絵を媒体にファイヤを巨大化。そのファイヤが振り回すラダーから噴き出す虹の絵の具によってユメーリアは上書きされ、世界の礎になったガルザの最も大事な記憶である幼いマブシーナと共に来た夢の世界の花園がレッド達の目の前に現れた。
そしてミンジョもレムードンと共に花園の中へ立ち尽くすが、気を取り直して「すべて終わらせてやる…!」と毒付きながらレッド達に突進するも、既にユメーリアの主導権を握ったレッドはファイヤと同じ要領でショベローを真っ赤な姿に変えつつ巨大化。そうして最強のショベルカーになったと豪語するショベローが繰り出したブームのジャイアントスイングでレムードン共々、遥か遠くへ吹っ飛ばされてしまった。
「さて…。 私のために死にな、ガルザ。 そうすれば、人々もキラメイジャーも、夢の中に意識を閉じ込められたまま、おさらばよ!!」
こうしてユメーリアを操る主導権を失ったミンジョは、最終手段として現実世界に帰還し眠ったままのガルザを抹殺する事で取り込んだ人々諸共ユメーリアを崩壊させようとする。
しかし、ガルザへ振り下ろそうとした大鎌を小夜の放ったキラメイショットが間一髪阻止する。マブシーナと夢を共有する形で悪夢に取り込まれずユメーリアへ入り込んだ3人は、その中枢である花園に居たガルザと接触した充瑠達よりガルザが眠った場所を教えて貰い、その上で無鈴が仕掛けていた目覚ましに叩き起こされて現実世界へ帰還、今この場に駆け付けたのだった。
だがそれでも、ガルザさえ始末すれば勝ちとばかりにミンジョは再度大鎌を振り下ろすが、今度は時雨がキラメイソードから延ばしたキラメンタルの刃で食い止められ失敗。続いて再び小夜から狙撃されて怯んだ隙に瀬奈が俊足でガルザよりドリームストーンを取り上げ張り付いていた呪符を剥がした事で、ユメーリアに取り込まれた人々は全員解放され一斉に目覚めたのだった。
そして同時にガルザも覚醒した結果、彼を悪夢の礎にした挙句謀殺しようとしたミンジョは怒りを滾らせたガルザに胸ぐらを掴まれ、彼より溢れ迸ったジャメンタルが発生させた爆炎で我が身を焼かれる自業自得の結果を迎える事に。更に「キラメイジャーを倒せ…! そうすれば許してやる!!」と恫喝された事で後が無くなってしまう。
宝路「お前にはワンダーシャイニングなプレゼントをやるよ。 おしおきと言う名前のな!!」
その間で、悪夢から目覚めた充瑠達残りの3人も駆け付けた事でキラメイジャー6人が集結。これへ呼び出したベチャットの大軍とレムードンを引き連れ、決戦を開始する。
レッド達5人がベチャットを蹴散らしレムードンと戦う一方で、悪夢で散々弄ばれた事への雪辱に燃える宝路/キラメイシルバーとの一騎打ちに持ち込まれる。「私は成り上がる! 必ず、ヨドン軍の頂点に立つ!!」と叫びながら大鎌の乱舞を繰り出すも、「言いたいことはそれだけか!」とシルバーは切って捨て猛攻で反撃する。ならばと今度は身体を影状にしての高速移動で惑わせ、虚を突いての関節技で締め上げるも、シルバーはシャイニーブレイカーを地面に突き立てての衝撃波を浴びせる力技で締め上げを振り解き、その余波でミンジョは盛大に吹っ飛んでしまう。
シルバー「ふっ、ワンダープレゼント、フォーユー…!」
「あっ…、ああっ…!!!」
そして吹っ飛んだ先に残りのキラメイジャーに圧倒されたレムードンも転がって来たので、窮地に陥ったミンジョは「クランチュラ! 私たちに、闇エナジーを!!」と嘆願。自身が作戦で集めた膨大な闇エナジーを自身とレムードンに送って貰い、それによって巨大化したレムードンの頭へ自らが邪面となって被さる事でミンジョレムードンへと変化する。
しかし宝路と同じく、ミンジョと浅からぬ因縁のあるザビューンを中心としたキラメイ魔進達とキラメイジャーが力を合わせて繰り出した三巨神とドリームストーンの前に完全敗北、野心も果たせぬまま永遠に覚めない眠りに就いたのだった。
余談
名前の由来はおそらく「眠(みん)+魔女」と思われる。演じる壇蜜女史はミンジョのキャラクターを知った際、子供の頃見た漫画『ときめきトゥナイト』の登場人物である夢魔・サリを思い出したとの事。
また、『仮面ライダーBLACK』でサボテン怪人が川に落とされて逆転負けしたのを「かわいそう」と思う等、昔から悪側へ感情移入する事が結構あったらしい。
鎌を武器とする点からK-SuKe氏がデザインを起こしていった結果、生者を覚めない夢=永眠に誘う死神を全体のモチーフへする事が決定。そこから大鎌は沼地に踏み込んだ生物を感電死させるデンキウナギをモチーフにデザインされている。
また、邪面のデザインはドリームキャッチャーにベネディアンマスクを掛け合わせた物で、「悪夢から身を守る筈のドリームキャッチャーを身に着けたら、そこから不気味な目に覗かれている」イメージとの事。
ヨドン皇帝を除くヨドンヘイム出身のヨドン軍幹部陣では、唯一邪面を外した姿を見せているも、ミンジョレムードンのデザイン説明で明かされた『ヨドンヘイムの人型生命は八つ目の素顔を持つ』設定からして、人間態の顔は対峙した相手を油断させる為の擬態だった可能性がある(※実際夢世界で邪面を外したミンジョと対峙した宝路は戦闘態勢に移るのが一瞬遅れ、そこからミンジョのペースに飲まれてまんまと術中に落ちている)。
本編終盤の展開から考えて、ガルザを重要視していたヨドン皇帝から見れば、ミンジョが作戦の裏で企てた下剋上はあまりに看過し難い行動だったと思われる。幸い計画は破綻、ミンジョも戦死した為にその場こそ収まりはしたが、今後似た事態が発生する可能性を用心深いヨドンが警戒したのは想像に難くなく、残った幹部達を牽制する目的で仮の姿であるヨドンナとなって侵略の前線に出る行動を取ったとの推測が導ける。
時系列上、ヨドンナが出て来る直前の出来事と思われる劇場版だが、この推測からして逆にヨドンナが現れる原因(伏線)としても機能する想定のエピソードだったとも言えよう。
本来なら夏映画に登場する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴い公開延期となった為に冬映画としての公開になり、7ヶ月遅れで登場した。
関連タグ
ユイルワー星人ミーメ:夢を操る女怪人の大先輩。