リンクが迷い込んだ世界……それは、あと3日で終わる世界。
ジャンル | アクションアドベンチャー |
---|---|
機種 |
|
発売日 |
|
価格 |
|
販売元 | 任天堂 |
CERO |
|
概要
ゼルダの伝説シリーズの一つ。前作『時のオカリナ』のゲームシステムを使い、短期間で何かできないかというコンセプトで生み出された作品。2015年にはリメイク版がニンテンドー3DSで発売された。
前作と異なりCMやキャッチコピーなどでは怖さを前面に出しており、滅びや消滅といった「死」の要素が数多く織り込まれている。故にトラウマになりそうなホラー演出やショッキングなシーンも多く、黒い任天堂として名を轟かせた独特の雰囲気から今でも根強いファンは多い。
前作とシステムはほぼ同じだが、メインストーリーとは関係のない登場人物のサブイベントが数多く存在しており、タルミナに住む人々の様々な人間模様が見て取れる。なお、ストーリー的には「ハイラルの異世界」であるため、前作の登場人物のそっくりさんが多い。
3日後に滅びる運命の中で、月の落下を信じない者、可能性に賭けて避難する者、すべてを諦めた者、死にたくないと怯える者……とそれぞれの生き様が描かれ、特に今作では「時間」が重要な役割を持ち、日にちやサブイベントをクリアしているかどうかにもよって細かく変動するなど、作り込みの細かさが高く評価されている。
また『時のオカリナ』の高難易度版という立ち位置のため、ダンジョンは少ないがその分全体的な難易度が高くなっており、前作を経験していないと行き詰まる場面が多い。
開発段階では3日間ではなく1週間だった。
ストーリー
ゼルダと共にガノンドロフの野望を未然に防ぐことでハイラルを救ったリンクは、ゼルダに時のオカリナを持ってハイラルから逃げるように告げられ、旅の終わりで別れた大切な友を探す新たな旅に出た。
その旅の途中、森の中で奇妙な仮面をかぶったスタルキッドに時のオカリナと愛馬エポナを奪われてしまい、自身もスタルキッドの魔法でデクナッツの姿へと変えられてしまう。
その後、成り行きで同行する事になった妖精チャットと共にスタルキッドを追いかけた先にあった時計塔でお面屋と出会う。お面屋はリンクに元の姿に戻る方法を教える代わりに、スタルキッドに盗まれた「ムジュラの仮面」を奪回して欲しいと依頼をする。
時計塔を出ると、そこはあと3日で空の月が落ち、すべてが終わる異世界「タルミナ」だった。
キャラクター
『時のオカリナ』で登場した人物と瓜二つの容姿をもつ人物が数多く登場するが、ほとんどは全くの別人で、ハイラルとは異なる世界である事が窺える。
主要キャラクター
前作・本作の主人公。ハイラルを離れ、新たな旅に出ていた最中にタルミナへと迷い込んでしまい、3日後に迫る月の落下を防ぐため再び奔走することとなる。
リンクから時のオカリナを、お面屋からムジュラの仮面を盗んだ小鬼。タルミナの中心街・クロックタウン上空に不気味な月を作り出し、タルミナの各地方に災害をもたらした。
とあるシーンから、前作にも登場した人物であることが窺える。
今作の相棒である妖精。序盤でスタルキッドや弟妖精のトレイルと離れ離れになってしまい、仕方なくリンクと共に行動することになる。
前作のナビィと比べると口が悪く強気な性格。リメイク版では若干マイルドな口調になり、追加要素のアラーム機能も相まってどちらかといえば母親のような雰囲気が濃くなった。
しかし、本当は世話焼きで弟思い。怖がりで素直になれないツンデレであり、とあるシーンやエンディングではリンクにもデレる。
常に不気味な笑顔を絶やさない謎の人物。ある意味今回の事件の発端。
物語序盤にスタルキッドにムジュラの仮面を盗まれており、リンクに仮面を奪回してほしいと持ち掛ける。設定によると、前作の「幸せのお面屋」と同一人物かどうかは不明らしい。
お面を被って話しかけると、被っているお面に対して簡単なコメントをしてくれる。
リメイク版発売前に公開されたニンテンドーダイレクトではフルボイスで登場し、ゲームの紹介をする傍ら、かなり腹黒い一面をのぞかせている。
普通の月と違い、表面に禍々しく恐ろしい顔が描かれており、時間経過と共にどんどんクロックタウンに近付いてくる。
物語終盤にて意志を与えられ、「オ…オデは食う…ぜ…ぜんぶ食う」と、世界を食らい尽くそうとする台詞を発する。
なお、開発当初は顔が付いておらず(開発スクリーンショットでも顔がないことが確認できる)、当時のパッケージイラストにただの月が描かれているのはその名残である。リメイク版パッケージでは顔付きで描かれ、グラフィックが進化したことでさらに表情が恐ろしくなっている。スマブラでは背景やアシストフィギュアで登場している。
タルミナの住人
クロックタウンの平和を守る子供たち。
街のあちこちから有力情報を仕入れてきてくれる頼もしい存在であり、団員には「ボンバーズ団員手帳」が配布され、色々な人達の悩みを解決することで手帳が埋まっていく。リメイク版では手帳のシステムがリニューアルされ、入手方法も大幅に変更された。
特に団員手帳は、今作の充実したサブイベントをこなすにあたって欠かせないアイテムで、イベントをクリアしていくごとにエンディングが変化する。
クロックタウンの宿屋「ナベかま亭」の看板娘。
幼馴染のカーフェイと結婚を控えているが、ひと月前からカーフェイが行方不明となっておりその身を案じている。
ロマニー牧場の当主とその妹。
ロマニーは冒頭でリンクと離れ離れになってしまったエポナを保護しており、リンクのことを服の色から「バッタ君」と呼ぶ。
姉のクリミアはアンジュと友人関係であり、カーフェイに密かに想いを寄せているらしい。
初見で3日目のロマニー牧場を訪れると、色々ショッキングな状態になっているのを目撃するのは、プレイすれば誰もが一度は通る道である。
クロックタウンの町長の息子で、アンジュの婚約者。クリミアからも好意を抱かれている。
リンクがタルミナに来る一ヶ月前から行方不明になっている。
緑色の全身タイツに身を包んだ男性。35歳。自身を妖精だと信じている。
普段は赤い風船で空を飛んでおり、遠距離武器で撃ち落すと周辺地域の地図を売ってくれる。見た目も言動も変人そのものだが、売ってくれる地図は至って手堅く実直なつくり。
沼地に彼の父親がいるが、息子のこの強烈な個性に悩んでいる模様。
デク王&デク姫
沼地に城を構えるデクナッツの王族。
デク姫がウッドフォールの神殿に向かったまま行方不明になったことから、無実のサルを誘拐犯だと早合点してお仕置きしようとする(デク姫とサル達は友達であり、デク王に捕まった仲間のサルやデク姫を救おうとリンクに助けを求める)。
サルがデク王によって熱湯責めに遭うシーンはかなりえげつない。
コウメ&コタケ
前作のボスツインローバと同姿同名の別人。
なお、こちらの世界の彼女たちは善良かつ親切な性格であり、沼地の観光ガイドでボートクルーズを開いたり、回復薬を販売したりしている。
ゴロン族の英雄で、ゴロンリンクのモデル。
異常気象を止めるためにスノーヘッドの神殿へ向かうが、途中の猛吹雪で崖から転落し無念の死を遂げた。
ゾーラ族の音楽バンド「ダル・ブルー」のギタリストで、ゾーラリンクのモデル。
タマゴを産んで声を失った歌姫ルルのために、海賊に奪われてしまったタマゴを取り戻しに行くが、返り討ちにあい瀕死の重傷を負ってしまう。
イカーナ王(イゴース・ド・イカーナ)
かつて栄えたイカーナ王国を治めていた王の幽霊。
国が滅亡しゴーストタウンと化した後も、呪いによりこの世に留まり続けている。日の光に弱く、ある事をするとコミカルな一面も見られる。
沼・山・海・谷の各所の神殿に捕らえられている巨人。
ある条件を満たすと見ることができる絵本の中にも登場する精霊。
その他
ハイラルのお姫様。今作では回想シーンでのみ登場。
リンクとの別れの際、無事を願う意味を込めて時のオカリナと時の歌を授ける。
姫川明の漫画版では「リンクがハイラルから離れなければ災いに巻き込まれる」と告げてハイラルを旅立つように告げている。
本作では登場しない。時系列的にリンクが未来に起こることをゼルダに伝えた為、後に処刑される事になる。直接描写は無いが、リンクがタルミナでの戦いの裏で処刑の準備が進められていると思われる。
仮面
デクナッツの仮面
デクナッツリンクになれる仮面。体重が軽く、他の姿では乗れないハスの葉などに乗ることができる。
序盤でスタルキッドの呪いにより強制装備させられ、特定条件を満たすまで外すことができない。
3種類の仮面の中で元になった人物が唯一不明だが、本編やEDから行方不明中のデクナッツ城の執事の息子であることが示唆されている。
ゴロンの仮面
ゴロンリンクになれる仮面。パワーが強いがジャンプ力は低く体重が重いものの、転がるとエポナ以上のスピードを持つ。また溶岩の上をダメージなしで歩く事ができる。
元になった人物はダルマーニ3世。
ゾーラの仮面
ゾーラリンクになれる仮面。体格は前作の大人リンクとほぼ同じで、水中移動に非常に長けている。
元になった人物はミカウ。
鬼神の仮面
とあるボス部屋でのみ装着可能。かぶると強力な力を得られる鬼神リンクに変身でき、64・VC版ではチート級の力がある。が、リメイク版ではボスの倒し方が大幅に変更されたため、一方的なワンパターン戦法は通用しなくなっている。
本作のタイトルにもなっている、太古のとある部族が呪いの儀式に用いていたという不気味な仮面。
リンクが被ることはできないが、『神々のトライフォース2』や『どうぶつの森』シリーズにもアイテムや装飾品で登場しており、『ブレスオブザワイルド』にもDLCで追加された。こちらは被ると一部の魔物と敵対しなくなるという、石ころのお面と似たような効果を発揮する。
お面
数が多いため、一部のみを記載する。
かぶると石ころ同然の存在となり、敵に気付かれにくくなる、有用性の高いお面。
巨人の仮面
魔力を消費して巨大になることができ、とあるボス部屋でのみ使用可能な特殊なお面。
リメイク版だと剣が使えず、代わりにプロレス技を決められるようになる。
バクレツのお面
ドクロマークが描かれた奇妙な仮面。
使用すると自爆が可能になりハートを使用して爆弾の効果を発動できる、上手く使えば爆弾を切らした場合の緊急手段としても応用が利く。
ギブドのお面
ミイラ男のような敵「ギブド」を模したお面。かなり精巧な作りらしくかぶると本物のギブドも仲間と間違えるため、会話が可能になる。
うさぎずきん
かぶると足が速くなり、直感力も冴える他、移動速度が上がりジャンプの飛距離も伸びる。
ポストハット
かぶると配達員とみなされ、街のポストの中にある手紙以外のアイテムをもらうことができる。
夜更かしのお面
かつて拷問にも使われていたらしいお面。かぶると眠りたくても眠れなくなる。
地方・ダンジョン
クロックタウン
冒険の拠点となる街。中心部に建つ巨大な時計塔が特徴。
ミルクロード
ロマニー牧場への道がある。途中は巨大な岩が通行止めをしているため、大バクダンがない場合は3日目に来ることになる。
ウッドフォール地方(沼)
スタルキッドによって毒水が流れ出た、密林に囲まれた沼地域。奥地にはデクナッツの王国である「デクナッツの城」がある。
ウッドフォールの神殿のボス「密林仮面戦士オドルワ」を倒すと湖が浄化され、水に入ってもダメージを受けなくなる。
スノーヘッド地方(山)
雪と氷で埋もれていており、ふもとには剣を鍛える「鍛冶屋」、奥地にはゴロン族の里がある。
スノーヘッドの神殿のボス「仮面機械獣ゴート」を倒すと雪が溶けて隠し通路が通行可能になり、ある場所ではレースをすることができるようになる。
グレートベイ地方(海)
ゾーラ族の住処がある海岸地帯で、種族の垣根を越えた人気バンド「ダル・ブルー」の拠点。グレートベイの神殿に起きた異変の影響で濃霧が発生している。
沖合には研究所があり、向かって右手に進むと「海賊の砦」、左手の崖の上に登るとビーバーと長い渓流をレースをすることができる。なお、研究所はかの乱闘ゲームのステージにも抜擢されている。グレートベイの神殿のボス「巨大仮面魚グヨーグ」を倒すと濃霧を晴らすことが可能。
イカーナ地方(谷)
かつて渓谷に築かれ、大昔に栄えた王国の跡地。現在は荒れ果てており、「井戸の下」「イカーナ古城」「オルゴールハウス」はホラーとショッキング要素だらけのみんなのトラウマ。
スタルキッドの手によって常に厚い雲に覆われ、町中に幽霊やモンスターが徘徊しているため住んでいる人は極僅かだが、元凶となっている「ロックビルの神殿」のボス「大型仮面虫ツインモルド」を倒すと解放が可能。
関連動画
関連イラスト
関連タグ
時系列(子供リンクルート)
時のオカリナ→ムジュラの仮面→トワイライトプリンセス
その他
ドンキーコング64:メモリー拡張パック必須の64ソフト繋がり。
外部リンク
【警告】これより先、仮面の真実が記載されているため閲覧に注意されたし
ハイラル百科で明かされた衝撃の真実
実はタルミナの世界は、スタルキッドの記憶や妄想がムジュラの仮面の魔力によって生み出された幻の世界であり、そもそもタルミナという異世界は存在しないのである。
チャットの回想シーンで、スタルキッドやトレイルと共に遊んだり、平原の樹に落書きをしたりしたシーンも、元の世界であった出来事や場所をそのままコピーして反映した可能性が高い。
巨人についても、本来はスタルキッドと古くからの友であった光の精霊であったようだ。しかし、その精霊が役目のために自分の元から去ってしまうことに悲しみ、裏切られたと思ったスタルキッドがムジュラの仮面を手にした結果、タルミナが形成され精霊たちもその中に巨人という役割で取り込まれてしまったとされる。
一方で、お面屋の言っていた「3日以内に取り戻さないと大変なことになる」とはどういう意味だったのかは不明である。
スタルキッドの命を重く見ていたのか?それともタルミナがムジュラの仮面により破壊されると現実世界でもその影響が出てしまうのか?後者の場合は、お面屋が何らかの力によりタルミナという空間にムジュラの仮面とその力を隔離している……という風にも取れる。
そのため、リンクが去った後のタルミナは消滅しており、本作は「月の落下によって滅びる世界を救う」のではなく、「邪悪な仮面を付けてしまったスタルキッドを、心の闇から救い出す」「別れという事実に停滞した心を未来へと進ませる」物語であるとも言える。
注意
ただし、「ハイラル百科」での設定が事実だとすると一部の描写と矛盾する点も生まれてしまうことや、この設定が初めて記載された「ハイラル百科」もムジュラの仮面という作品が発売されてから20年近く経ってから発売されていることなどの理由から、後付け設定だとこの設定を疑問視する人も存在するらしい(「ハイラル百科」は公式から発売された資料である)。
そもそもゼルダの伝説は任天堂屈指のロングシリーズであり、その中で設定が後から付け足されたり、変更されること自体は何も不自然なことではなく、「ハイラルヒストリア」というハイラル百科より以前に発売された設定資料集にも「ここに書かれている設定もいつか変更される可能性がある」という旨の記載があったりする(実際、ゼルダ史におけるふしぎの木の実の位置付けなどの設定が公式から変更されている)。
つまり、絶対にこうだ!という設定もあまり多くはないと言える。
したがって、この設定もあくまで現時点での公式の見解であり絶対ではないということは頭の隅に置いておいた方が良いかもしれない。