怪獣(SSSS.DYNAZENON)
だいなぜのんのかいじゅう
「何で怪獣は生まれてくるの?」
2代目「恐らく、この世界の怪獣は人間同士のコミュニケーションの媒質、心を三次元に展開した物かもしれません。言わば感情の兵器化です。様々な人間の心の集合が、現にカオスブリンガー現象を引き起こしていますし、このまま怪獣を野放しにしておくのはとても危険です!」(ボイスドラマ第8.8回「事実を言ったまで」より)
『SSSS.DYNAZENON』に登場する怪獣は、「発生源」に人の意思・感情が作用することで生まれ、成長する。
怪獣を発見した怪獣優生思想がインスタンス・ドミネーションによりコントロール(『掴む』と表現される)することで、インスタンス・ドミネーション前よりも巨大化し、破壊活動を行う。
どの怪獣も不自然に付け足された様な、建造物を思わせる形状のキラキラした部位「振動波器官」を共通で備え、物体の浮遊やワープ、爆発などの「超能力」然とした能力を一つ持っている。
能力の発動時には周囲にカオスブリンガーと呼ばれる光の粒子が撒かれるという共通点がある。
怪獣によっては能力が未熟なことがあるが、その場合は影響を与えた人間自体が未熟だった可能性が高いらしい。
怪獣によって怪獣優生思想の面々とは各自相性があり、ジュウガは尾を持たない二足歩行型怪獣に、オニジャは尾を持つ二足歩行型怪獣に、ムジナは四足歩行型怪獣に、シズムは不定形怪獣や操演型怪獣に適性があると思われる。
また、ブルバインは2人のスーツアクターが演じる、いわゆる「ドドンゴ型」であったため、オニジャとムジナの2人がかりで操る必要があったと考えられる。
SSSS.GRIDMANに登場する怪獣とは針金が寄り集まってできたような骨格やカラフルな配線が張り巡らされている内部、核となるバロックパールなど内部構造こそ酷似しているが、あちらが新条アカネが制作しアレクシス・ケリヴが「インスタンス・アブリアクション」により巨大化させ操っていた100%人為的な要因で生まれて暴れていたのに対し、こちらは何者かがバラ撒いたバロックパールが人の感情を吸って成長した半ば自然発生的なものと劇中で推察されている。
発見された時点では特に目的意識もなく徘徊しており、無作為に能力を発動する等の迷惑行為を働きはするものの、人間に対して明確な悪意を持った行動は取らない野生動物のような存在。
また、徘徊中の怪獣は青い目をしており、人間より小柄なものまでいるが、ザイオーンの例を見ると放置しておくとそのまま徐々に巨大化、やっていることは変わらなくても大きさの分だけ被害は拡大していく模様。インスタンス・ドミネーション後は赤い目へと変化、一気に巨大化し怪獣優生思想の意のままに破壊活動を行うようになる。
劇中ではフジヨキ台を中心に怪獣が定期的に発生しており、2代目は何者かが意図的に「発生源」を拡散させたと推測している。
ただしシズム曰く、怪獣優生思想によって産み出された存在ではないらしい。
第1話冒頭で何者かが白い石を町に向かってばら撒いていることと関係があると思われる。
ガウマや怪獣優生思想など「怪獣使い」を名乗る存在からの扱いは総じて「道具」「手段」「兵器」のような物であり、「生命体」とは見られておらず各個体への情は希薄。怪獣使いとしての教育を受けたガウマも、怪獣の発生などについては全く教わっていなかった。
怪獣の名前は基本的に心理学用語が由来と思われ、『SSSS.DYNAZENON超全集』で公言された。
登場回 | 名前 | 別名 | デザイナー | 操った人物 | 能力 | 名前の由来 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | シャルバンデス | 急転直下怪獣 | 西川伸司 | オニジャ(※) | 物体を浮かせる | シャルパンティエ効果 |
第2回 | グレージョム | 油断大敵怪獣 | 酉澤安施 | ジュウガ | ワープする | クレショフ効果 |
第3回 | バーナドドン | 千荊万棘怪獣 | 丸山浩 | オニジャ | 爆発を起こす | バーンアウト |
第4回 | ディドラス | 有為転変怪獣 | 西川伸司 | ムジナ | 物体の次元を移し替える | ディドロ効果 |
第5回 | ネオフォビア | 生生流転怪獣 | 田口清隆(デザイン協力:雨宮哲) | シズム | 物体をふやけさせる | 新奇恐怖症 |
第6~7回 | ブルバイン | 落花流水怪獣 | 岡本英郎 | オニジャ、ムジナ | 重力を強くする | ダブルバインド |
第8回 | ザイオーン | 紆余曲折怪獣 | 坂本勝 | 無し | さまざまな場所に色を塗る | ザイオン効果 |
第9回 | ギブゾーグ | 厚貌深情怪獣 | 板野一郎 | ジュウガ | 物体を軟化する | ギブソン効果 |
〃 | ゴルドバーン | 野中剛 | 無し | 物体のサイズを変える | ルイス・ゴールドバーグ | |
第10回 | ガルニクス | 悲観離合怪獣 | 丸山浩 | ムジナ(失敗した可能性あり) | 物体を過去に飛ばす | ツァイガルニク効果 |
第11~12回 | ガギュラ | 咬文嚼字怪獣 | 後藤正行 | シズム、ジュウガ、オニジャ、ムジナ | 物体を吹き飛ばす | カリギュラ効果 |
※ 操った人物は本編内では不明であったが、メガミマガジン2021年8月号の記述により判明した。
※以下小説版登場怪獣(ネタバレ注意)
怪獣のデザイナーは前作からは坂本勝(キャラクターデザイン。ナナシを担当)、西川伸司(グールギラスなど)、丸山浩(ゴングリーなど)、板野一郎(ヂリバー)が続投。
新たに酉澤安施、岡本英郎、田口清隆、後藤正行(グリッドマンなど)、野中剛(ダイナゼノンなど)が登板している。
特撮によくある着ぐるみの改造を意識しているのか、一部の怪獣をよく観察すると前作の怪獣の意匠を持っていたり、よく似た体形の個体も散見される。
共通のデザインテーマとして、「『グリッドマン』第2クールのメカのような怪獣」「体のどこかに『グリッドマン』の怪獣によって変質したシンボルタワーが付いている」「カラフル」ということが示されており、トータルイメージでメカニカルな全体ではあるが、柔軟性のある金属で覆われたイメージで、人が入った着ぐるみのような感じにしている。
鳴き声は劇中のガヤを加工したものが使われている。
「カオスブリンガー」という名称はトランスフォーマーシリーズに登場する巨悪ユニクロンの異名(ザ・ムービー版)または主砲の名前(マイクロン伝説版)にも使われており、SSSS.GRIDMANの登場キャラクターのデザインにシャッタード・グラスの登場キャラクターの記号が散りばめられていたことから、同様のオマージュと考えられる。
各部位にある建造物のような部分は、コンピューターワールドの基盤やシステムをイメージしたものとなっている。