「ダイナゼノンは何処にいるの?」
「それは君達が自分の不自由に気づいてないだけだよ」
プロフィール
概要
怪獣優生思想の一員であり、ジュウガら仲間たちと行動を共にする。白い軍服風の衣装と、その下に紺の無地Tシャツを身に着けた、背の低い褐色肌の少年。外見年齢は蓬や夢芽と同じぐらい。金髪一本三つ編みおさげで瞳の色は赤系。
得意な怪獣のタイプは不明だが、人型を大きく逸脱したもの(操演系)ではないかと思われる。
他の三人は軍服の左腕に瞳の色と同じ色のラインが入っているが、シズムだけは、軍服の左腕に瞳の色とは違う黒いラインが1本入っている。また、飛鳥川ちせの左腕アームカバーほど視聴者の話題に上らないが、三人の仲間と違って水着の際も首から下の上半身を露出しない。
感情表現が乏しく、ムジナ同様に口数は少ない。
しかし怪獣優生思想のメンバーでは最も思慮深く、マイペースなジュウガとムジナに振り回されるオニジャを慮ったり、消極的で流されやすい自分の性格に密かに悩むムジナへ啓発を促したり、ときに本来は敵である蓬や夢芽にさえ自身の考えを述べたりと、敵サイドでありながら『SSSS.DYNAZENON』のストーリー全体の謎を俯瞰する「眼」の役割を担っている。
ダイナゼノン一行に対する思いは不明瞭でだが、クラスメイトになってしまったり、興味本位だけで話し掛けるなど、敵意が感じられず、それどころか蓬や夢芽に怪獣について情報を与えたり、ダイナゼノン操縦者共もといガウマ隊と東京ビーチランドに同行していた。
怪獣を操って人的、物的被害を与える破壊活動を行っているが、ゴミはゴミ箱へ捨てたり、プールで走ろうとした蓬を注意したり、盗んできた人のモノを返すように促したりとモラルやルールを守ろうとする部分がある。
本編劇中での登場は2話からだが、3話での発言から、1話においてダイナゼノンを操ろうとして失敗している。
怪獣が情動を好むと第5回で言ったかと思えば、第6回ではガウマ隊の存在は「怪獣の発生」に有効と考え、壊滅させることには消極的な立場を示し、怪獣ともっと沢山出会いたいなど、前作の人間の情動を楽しんでいた黒幕みたいなことを言っている。
第8回では、見つけたザイオーンを他の怪獣優生思想のメンバーから遠ざけるために、オニジャやムジナが好きそうな娯楽施設を薦める一方で、単独でザイオーンの最後を確認していたりと黒幕的な立ち回りを見せていた。
単独行動も多く、ほぼ独断でフジヨキ台高校の交換留学生となっているほか、ボイスドラマ第5.5回では、本人が東京ビーチランドに飽きていたこともあり、各自バラバラ行動を提案したために、寂しがり屋のオニジャがキレた。
ジュウガによれば、「怪獣の声を聞く」能力を持っているらしく、それ故に最年少らしき見た目に反し、先述の思慮深さもあって発言権はメンバー中で最も強い。例外的に第6回では無視されていたが、特に気にしていなかった。
活躍
第2回『戦う理由って、なに?』
他の怪獣優生思想の面々と共に行動し、終盤でガウマたちと対峙する。
第3回『裏切り者って、なに?』
帰りたがるムジナに対して同調し、後日ダイナゼノンを操れなかった話をしている。
第4回『このときめきって、なに?』
フジヨキ台高校の交換留学生として蓬や夢芽らと同じクラスに転校してくる。席は夢芽の後ろ。
昼休みには2人と一緒に食事を取りながら、怪獣の秘密を少しずつ明かしていき、「本当は君たちも怪獣と戦いたいのではないか」と揺さぶりをかける。また怪獣が生まれる場所として学校に注目しているような発言もあった。
その後ガウマに見つかり殴り込みをかけられるも、攻撃はすべてかわし(といってもガウマが「ぶん殴る」と予告しているからであるが)、結局ガウマだけが不審者として教師に連行されていった。
第5回『恋人みたいって、なに?』
怪獣優生思想の連中ではなく、ダイナゼノン操縦者一行とともに東京ビーチランドへ同行する。いつもの3人と合流後に東京ビーチランドを出て、ネオフォビアにインスタンス・ドミネーションを行使。戦闘では、ダイナゼノンの合体妨害を行う。
敗北後に怪獣優生思想の面子と東京ビーチランドへ再入場した。
第6回『この切なさって、なに?』
ムジナが暦から盗んできたダイナストライカーの処遇についてオニジャとジュウガが対立する中、「人の物なんだから返してきたら」と言い放つ。姉の死がイジメによるものだったのかもしれないと知って落ち込む夢芽に必要以上に干渉はせず、ただ静かに話を聞き、時折相槌を打っていた。また、自分はどうすれば良いかわからずに悩んでいるムジナに対しては「怪獣に必要とされている」と言葉をかけ、彼女の自己決定と覚醒を促した。
第7回『集まった理由って、なに?』
突如乱入してきた紫色の巨人によってブルバインが攻撃されると、一時撤退を主張。「本当の怪獣使いは眠ったりしない」と意味深な台詞を呟いていた。
第8回『揺れ動く気持ちって、なに?』
川原で子供が見つけたザイオーンを「ハズレ怪獣」と認定して放置。実際にザイオーンの能力は、殺傷能力に乏しいものであった。……仮に「当たり」だったら、子供のいる所に「人類皆殺し」を目標とするオニジャたちを呼んでインスタンス・ドミネーションを行使してたかは、この際考えないでおこう。
ガウマ隊の動向を遠目から探りつつ、他の怪獣優生思想のメンバーをザイオーンに近づけさせないように娯楽施設で遊ばせ続け、自身はザイオーンの最期を遠目から確認していた。
第9回『重なる気持ちって、なに?』
戦いの中突如現れたゴルドバーンを掴もうとするも失敗、「拒否された」と語る。
敗北後、「怪獣だって無限じゃない!」と焦るジュウガを尻目に「そうだよな…」と意味深に呟いていた。
小ネタ
主人公席
第4回で交換留学生として転校し、席が校庭側の窓側かつ夢芽の後ろとなるが、一部の視聴者から学園ラブコメのお約束である主人公席であることを指摘されている。
帽章
一部の視聴者から、帽章が前作の黒幕とか原作の黒幕とかに似ているといわれているらしい。第7話での、「本当の怪獣使いは寝たりしない」という発言も、前作の第10話での「本当の人間は寝たりしないよ」という黒幕の言葉に通じるものがあるが…?
グリッドナイトが出てきたので、ネオカーンデジファーまたはそれをモチーフにした存在と関係があるかもしれないと一部の視聴者から見られていた。
本当の怪獣使いは眠らない
第7回でジュウガを見ながら言っていた台詞で、第8回でもガウマや他の怪獣優生思想とは対照的に、シズムが眠っている描写がない。
なお前作10回で前作の黒幕が、「本当の人間は眠ったりしないよ」と新条アカネに言っていた。
余談
公式では明言がないが、名前の由来は「積羽舟を沈む」もしくは「石が流れて木の葉が沈む」と推測される。
前者は「(軽い羽根でも大量に積み上げると、その重さで舟も沈むことから)小さなことも積もり重なると大事になる」、後者は「(水に沈むはずの石を浮かせ、水に浮くはずの木を沈めることから)ものごとが道理と逆になる」の意味である。
演じる内山氏は子役としてウルトラマンコスモスやウルトラQ倶楽部に出演したことがある。
声優としては、特撮作品仮面ライダーセイバーにてデザストを演じている。
関連タグ
怪獣少女アノシラス ヒカリ・カイザキ…GRIDMAN_UNIVERSEの褐色肌枠
ネタバレ注意(本編第10回以降、ボイスドラマ第10.01回以降)
以下、本編第10回以降やボイスドラマ第10.01回以降および『SSSS.DYNAZENON』の結末に関係が深いネタバレを含む。
本編第10回
『でも良いよ、俺はこういう怪獣待ってた』
『これで皆、自由になれる…』
前回の7月4日からしばらく怪獣が出現しなかったが、久しぶりの怪獣としていつものメンバーとともに、ガルニクスを発見。
怪獣に満足しつつ、ムジナによるインスタンス・ドミネーションを促すも直後に、ムジナ、ジュウガ、オニジャが消滅する。こうなる事が分かっていたかのように、まるでTRIGGERと縁の深い作品の委員会議長の最期の言葉みたいなことを言いながら影を残して消滅。
ガルニクス体内の5000年前の過去もしくはそれをベースとした夢の中では、ガウマから一番距離を取っており、仕えていた姫の母国に裏切られた末に相討ちで絶命したガウマとムジナ、オニジャ、ジュウガと対照的に、シズムの死が描写されず、行方不明であった。
一部視聴者の中では、前作の黒幕の不老不死に類似した5000年間生きている存在の可能性が浮上している。
ボイスドラマ第10.01回
5000年前の怪獣使い同士の酒宴で、ムジナにあまり飲食しないことを疑問に思われていた。また当時「竜を操る一族」と呼ばれていた怪獣使いは、姫の母国に仕える存在でそのことに誇りを持っていたが、シズムのみ怪獣の力を使って国から自由になる考えを述べてガウマに窘められていた。
またガウマはジュウガのことを「真面目なやつが一番ヤバイ」と言っていたが、シズムも当てはまることに気付いていたかは不明。
現在の黒幕どころか5000年前の姫の母国と怪獣優生思想との決別の黒幕の可能性すら浮上した。
※ なお、原作において怪獣使い達の死因が毒殺であることが語られている。
10話で死亡描写のなかった彼だけこの酒宴でほぼ飲食していなかったことと何か関係があるのかもしれない。
第11回
『怪獣はどこまでも自由であるべきだ』
前回のガルニクスが、時間と空間を破壊する怪獣で多くの人間が過去と未来に触れることで大量の情動と怪獣の発生を期待していたが、結局怪獣は現れないことで、怪獣の種が全て消滅したと推測する。
このために他の怪獣使いと別れるが、その直後、怪獣使いが怪獣を失うと現在のガウマのように人間になるという独り言を呟く。また、フジヨキ台高校に来なくなっており、蓬や夢芽以外とは特に接点を持っていなかったらしい。
その後告白した蓬とそれに返答しようとした夢芽の元に現れて、ほぼピンポイントで蓬を攻撃するが、ガウマに阻まれる。……単にガウマをおびき寄せる陽動だったのか、主人公席確保よろしく夢芽に横恋慕するなどの別の動機があったのかは不明。
ガウマを痛めつけながらガウマ不調の真相を語る。駆け付けたナイトの攻撃をバリアーで防御した末に反撃し、自らにインスタンス・ドミネーションを行使して怪獣化する。ナイトとガウマの推測では体内に怪獣を仕込んでいたとか。
第12回
ガギュラが怪獣優生思想の他の3人を捕食したことで、体内で合流。ゴルドバーンとグリッドナイトのみが合体したカイゼルグリッドナイトを追い詰めるも、ガウマ隊がダイナゼノンに搭乗したことで最終決戦を迎える。
戦闘中に他の3人がカイゼルグリッドナイト操縦者に思いの丈をぶつける中、終始無言を貫いたまま、ガギュラや他の3人共々引導を渡される。
蓬の回想で、ガギュラの敗因に繋がる蓬によるインスタンス・ドミネーション行使の最中に、電子回路のような空間で背を向けたまま蓬と対話し、蓬から『かけがえのない不自由』を選んだことを伝えられ、怪獣使いの可能性と無上の自由を捨てた蓬を理解できないまま互いに相いれないことを認識した。
結局の所、シズムが欲していたものは世界そのものからも開放された、もっとも自由な存在になることだった。それは奇しくも、ガウマたちに出会う前の、窮屈な世界から抜け出そうとしていた蓬に通じるものがあったといえる。
裏小ネタ
ガギュラ
ガギュラの名称はカリギュラ効果と推測されているが、元になった映画の題材は、『小さな軍靴』を意味する「カリグラ」のあだ名を持つローマ帝国ユリウス・クラウディウス朝第3代目皇帝ガイウス帝で、同人物は後世に気まぐれで人を殺害したり、大量の浮船を橋代わりに徴発して食糧危機に関与したり、妹との兄妹相姦、NTRの悪評(政敵が誇張した悪口)が伝わる暴君である。『小さい軍靴』が見た目が子供のシズムを彷彿させる部分がある。
バロックパールをまく手
第1回冒頭で、バロックパールを撒いている手が登場していたが、彼が左利きなこともあって、一部の視聴者は「この手はシズムのものではないか?」と推測していた。
もっとも、シズムは劇中で腕を露出しておらず、バロックパールを撒く手の腕は露出しているので、別人の可能性がある。更に11話で暗闇の中立つシズムの肌の色とバロックパールを撒く肌の色は一致していない。しかし結局劇中でこの手の主に言及されることはなかった。
真の余談
人外が怪獣に変身するのは過去作品のインベーダー(ミラーマン)やグロース星人を彷彿させれる。
裏関連タグ
タブリス…制作のTRIGGERのスタッフが関与した作品の「自由意志」かつ人間以外の人間最後の敵繋がり。シールドも展開できる。
碇ゲンドウ…上と同作品の登場人物。こちらもあるものを取り込み、自らを世界を変える道具として利用しようとした。
ウルトラマントレギア…怪獣を体内に仕込んでいた繋がり。オニジャの中の人が演じている。