怪獣優生思想
かいじゅうゆうせいしそう
本作に登場する怪獣を使役し、ガウマたちダイナゼノンの操縦者たちと対立する勢力。実質的な今作の敵キャラ達で、ガウマ曰く『怪獣の思想で動いている』『危ない連中』。構成員はジュウガ、オニジャ、ムジナ、シズムの4人で、フジヨキ台に潜伏し、各所に神出鬼没に現れる。
着こなし方に差はあれど、全員白い軍服を着ており、軍服の左腕部分には、ジュウガ、オニジャ、ムジナの場合は瞳の色と同じ色、シズムの場合は瞳の色とは違う黒色の線が入っている。
その名の通り怪獣優生思想なる考え方に従って行動しているようだが、その真意は現在のところ不明。
但し、この集団内でもガウマや蓬らガウマ隊の扱いに関する意見の対立や、そもそも他の面々との関わりに乗り気でない者もいる等、一枚岩ではなく、単独行動しているか多数決で物事を決めている。……と言ってもムジナが浮動票なので実質3人の多数決。
身体能力が常人以上前作の不審者33歳並みにあり、ダイナストライカーによるガウマの逆襲で廃屋が倒壊した際には、瞬時に数十mの高低差がある給水タンクに逃げていた。
怪獣を操りはするものの産み出してはいないようで、怪獣の能力による怪現象や怪獣そのものの目撃情報をネット等を利用して収集し、その場に赴いてメンバーの1人がインスタンス・ドミネーションによってコントロール下に置き、破壊活動を始めるのが行動パターンとなっている。
怪獣が倒されると、早々と撤収・解散する模様。
何らかの目的を共有してはいるようだが、オニジャ以外のメンバーは「怪獣を暴れさせる事」には意欲を見せるもののダイナゼノンによる妨害や怪獣の敗北という結果自体に対してはほとんど執着の無い淡白な反応を見せており、何処か義務的にやっているような言動を取っている。
また一時的にダイナストライカーを入手した際に、これを破壊してガウマ側の戦力を削ぐという発想を4人ともしておらず、それをどう使うかの方で意見が割れていた。
第4回で語られたところによると、「怪獣が必要とする世界」のために活動しているらしい。怪獣の出現が、何かに縛られた人々を解放することに繋がると考えている。
非戦闘時
5000年前に生きていた人たちなのだが、日常的には現代社会に馴染んでおり、スマホで怪獣を探していたり、ファミレスで食事をしていたり、東京ビーチランドに再入場料まで払ってまで遊んでいた。…しかもボイスドラマ5.5話で前作5話のマスク絶対外さないマンの如く金を出していたのがオニジャだったのが判明する。怪獣少女みたいな資金調達をしてるのだろうか。
眼鏡をかけた柔らかい物腰の男。効率主義者。
蓬たちを怪獣使いとして自分達の仲間に引き入れようと考えている。5000年前に先輩・後輩の間柄だったガウマに強い執着がある。
剃り込みと前に垂らした髪の毛が特徴的な男。
気性が激しく、人類や敵対する蓬たちは皆殺しにすべきと考えている。…苦労性で寂しがり屋で怪獣優生思想の財布。
メンバーの紅一点。
ダイナゼノンやガウマ隊には無関心。…どころか怪獣より温泉の方に関心があったり、無職先輩と成り行きで飲みに行ってしまっていた人。
褐色肌の少年。
怪獣の声を聞くことができ、人間の情動の産物である怪獣ともっと沢山出会いたいと思っているために、ガウマ隊の抹殺に反対した。
怪獣を操って暴れる一方でゴミはゴミ箱へ捨てるなどの社会的モラルを実践したり、ルール遵守を啓発している。発言がいちいち意味深。
第2回『戦う理由って、なに?』
前日のシャルバンデス戦で被災した町の線路上に姿を見せる。その後橋桁に掴まっていたグレージョムを発見し、ジュウガがインスタンス・ドミネーションすることで使役・活性化させ、破壊活動を行う。グレージョムはダイナゼノンによって撃破されるが、戦闘後にガウマたちと対峙することになる。
第3回『裏切り者って、なに?』
実はガウマも元は彼らの同胞だったことが判明。
ジュウガは「憧れの先輩でした」と懐かしげに接するが、オニジャは「裏切り者」として激しい憎悪を向けている。
彼らは5000年前に生きていた怪獣を操る集団だったが、ある日突然フジヨキ台で目を覚まして再び活動を再開させた。
一方のガウマはある目的のために彼らと袂を分かち、対立する道を選んだという。
第6回『この切なさって、なに?』
ムジナが暦から盗んできたダイナストライカーを巡り、怪獣代わりに使って暴れさせるというオニジャと、ガウマを仲間に引き入れる交渉の材料に使うべきというジュウガの間で意見が対立するが、シズムは「人の物なんだから返したほうがいい」と主張する。その後ブルバインを発見し、オニジャとムニジャの二人がコントロールし、ダイナゼノンを窮地に追い込む。
第7回『集まった意味って、なに?』
突如として戦いに乱入してきたグリッドナイトの攻撃によりブルバインがダメージを受け、撤退すべきというジュウガとこのまま撃破を狙うオニジャ・シズムの間で意見が対立するが、「ここでこの怪獣を失うのは勿体無い」というシズムの判断により一時撤退。夜通しブルバインをコントロールするも、修復されたダイナゼノンとグリッドナイトの共闘により敗北。
第8回『揺れ動く気持ちって、なに?』
冒頭でシズムがザイオーンを発見するも、彼が「ハズレの怪獣」と判断した為そのまま放置されることとなった。その後はシズムの提案でスポッチャへ行くこととなり、ボーリングやバランススクーター等様々レジャーを一日中満喫した。翌日は映画「TARABAMAN ファーストジェネレーション」を観に行くことになり、今回は怪獣に対し何もしていない。
SSSS.DYNAZENON ジュウガ オニジャ ムジナ シズム 怪獣(SSSS.DYNAZENON)
- カーンデジファー、アレクシス・ケリヴ:前々作、前作において怪獣を使役していた存在。
- 新世紀中学生:前作に登場した四人組の集団。怪獣優性思想メンバーとは異なり、主人公らの協力者である。
- ミイラ(電光超人グリッドマン):前々作のエピソードに登場した5500年前の中国に生きていた竜を操る一族の末裔。モチーフ元であるのは確定しているが、おそらくそれ以外の要素も今後関連してくる可能性がある。
- ゴジラ・ザ・シリーズ:怪獣を崇拝して解放しようとするテロ組織が登場する。
- 闇の巨人、闇の三巨人:かつては主人公と同僚関係にあった敵対勢力繋がり。
- ラッキークローバー(ディケイド版):物静かな人物、粗暴で好戦的な男、知的な眼鏡の男、紅一点の4人組とメンバー構成が似ている敵幹部集団。
- エマ・ラッセル:「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」に登場する人物。怪獣を使役して人類文明を破壊し世界を再生させようと目論む、怪獣優生思想にかなり近い思想の持ち主である。使役までは行かなかったが、その行動によってジュウガ達4人を上回る被害を世界に齎している。
元々は、中国大陸にあったと思われるガウマが探すひめの母国に仕えていた戦象部隊に近い職業軍人達であり、他国では竜を操る一族として恐れられていた。ちなみに、ガウマ曰く「一族」というよりは職業らしい。彼らはちょっとした不自由さを感じつつも、国に仕えることや怪獣使いの仕事に誇りを持っていた。1名を除いて。
また、同じ陣営の一員だったガウマとも軽口を言い合い、酒を飲み交わす等良好な関係を築いていた。……それどころか、ガウマがいた5000年前のほうがシズム以外は活き活きしてすらいた。
しかし、真相は不明だが国の陰謀によって切り捨てられかけたことで、「怪獣優生思想」となり、抵抗と反乱を決意する。ところが、ひめに惹かれていたガウマによって、オニジャ、ムジナ、ジュウガがガウマと相討ちになって果てる……。
5000年前に国が怪獣使いたちを裏切った理由は不明だが、第10.01回のボイスドラマで、ひめとの対面後に怪獣を使っての国からの自由を考え、ガウマに制されたシズムが第10回では行方不明になっていた。
また、第11回でガウマが原作のミイラと同一人物または原作の考古学研究所のコンピュータワールド内の存在であることで、彼らが5000年前にいたひめの母国が中国大陸にあるのが判明しているが、怪獣優生思想のメンバーがいつ復活し、なぜフジヨキ台にいたのかは不明のままである。
なお怪獣使いは怪獣と繋がっていないと、普通の人間に戻る上に生きられないので、シズムの予想通りにフジヨキ台の世界で怪獣の種が全て消滅している場合はいずれ死ぬ運命にある。
この事から「怪獣が居なければ生きていけない」彼らが「怪獣が居る世界」を望むのは当然だとも言える。
第12回にてガギュラに食われる形でシズム以外の3人も取り込まれ、ガギュラを使ってガウマ隊と戦ったが最終的にガギュラが倒されたことで全員が消滅。これによって怪獣優生思想は全員死亡という形で壊滅した。
…と思いきや、SHOWの朗読劇ではちゃっかり生きていた。皆元気そうで、オニジャとジュウガは中の人が欠席なので分からないが蓬から結婚式の招待状が出されているあたり関係は良好であろうと推測できる(ただし、朗読劇の世界はあくまでIFの世界であり、本編では全員死亡が確定している)。
映画『グリッドマンユニバース』では、4人全員ストーリーへの絡みもセリフも無いが、裕太が垣間見たカオスの世界でツツジ台高校の学園祭の観客としてArcadiaやひめ達と同様ワンカットのみ登場していた。香乃も後ろ姿だが存在が確認されているので『閉じた宇宙』の影響でエントロピーが増大しカオス現象が加速した事によって、死亡していた彼らが一時的にだが『復元』されたと見るべきだろう。
考察
怪獣優生思想、というより当時の怪獣使い5人は5000年前から、現在の軍服に似た服を着用している一方、ひめとその関係者は古代中華の民族衣装、いわゆる漢服に似た服装を着用している。
此処から、怪獣使いについて二つの可能性が考えられる。
- 怪獣使いはその存在そのものが未知の文化や文明からやって来たイレギュラーな存在。
- 怪獣使いは怪獣によって未知の文化や文明の知識や技術を手に入れることができる存在。
ガウマを含めた劇中の怪獣使い達の言葉から推察するに、怪獣から知識や技術を手に入れた可能性の方が高いが、実際には詳細は不明。(監督へのインタビューによると、衣装は何らかの形でアカネの衣装を目にしたシズムたちが真似たとのことであり、怪獣優生思想は「アカネちゃん教」みたいなものであると開示された。言葉通りに受け取るならば時系列に大きな齟齬が生ずるが、これについても詳細は不明である。)
なお、上述の原作におけるミイラは当時の王族によって毒殺されたという説明があった。
その設定と10話で描かれた描写の両方が史実だとすると彼らの最期は毒を盛られたことに気付いた彼らが反乱を企てる過程でガウマが離脱、戦闘の後に全員で衰弱死したという流れだと推測することができる。あくまで推測であって公式で明言されてるわけではないので注意。
また最終話にてシズムが「怪獣の力さえあれば時間や空間、生きることや死ぬことからも解放される」と発言しているため、理の外にある怪獣使いが生き返った時同様、なんらかの形でまた顔を見ることもあるかも知れない。
ちなみに監督の雨宮哲曰く、独自の目的のために怪獣を利用している彼らは本当の意味で怪獣優生思想ではないのだという。
本来の怪獣優生思想とは街を破壊する怪獣を目撃した際に恐怖せず我が身も省みず「もっと暴れろ」となる感覚に近いもので、これに当て嵌まるのは新条アカネだけしか存在しないとのこと。
真の関連タグ
- 哀しき悪役:元を辿れば彼らも、「主人や国を守る」という至極当然な正義感の下に働いていた。それが国の身勝手な裏切りが原因で悪へと転落してしまったのならば、彼らもまた被害者と言える。最終的には怪獣を使って人類絶滅を企む集団となってしまったが、本編10話ではその経緯については描写されず断片的な情報しか開示されていない。DYNAZENON本編では5000年前の出来事や怪獣の種であるバロックパールをばら撒いた人物、そもそも何が原因で怪獣優生思想と一度は眠りについたガウマが復活したのか、なぜフジヨキ台に現れたのか?など諸々の謎は不明のまま終わったため、新条アカネのように何者かの介入を受けていた可能性も否めない。
何かしらの形で真相が知りたいものである。
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