デブ「やっぱりS15乗っててもサーキット行かなきゃ速くならないよね?あれ、もしかして行ったことないの?ぷぷぷ」
メガネ「そんなこと言っちゃ悪いよ、本人も気にしてるみたいだし…くすくす」
概要
『頭文字D』に登場する、東京から来たと名乗る車オタクらしきの2人の男性。
氏名・年齢は不詳(容姿的には推定30代前半)。
原作に登場したのは一回きりでありながら、後述のようにゲーム版『頭文字D ARCADE STAGE』シリーズでは常連のやられ役であり独自のキャラ付けがされている。
メンバー
劇中で名前が設定されていない関係で二人の呼び方は各種メディアで安定していないが、ここではゲームSpecial Stageのムービー中の表記に倣い記述する。
デブ
CV:石井康嗣
東京から群馬にやってきて、地元の温泉宿に泊まっているらしい。
よくサーキットの走行会へ行くらしく、その事情に詳しいのをこれ見よがしに語りたがる。
峠の走り屋ではない単なる車オタクではあるが、愛車のS15は通常グレードでもスペックが高い事で知られていた。
走行中には隣のメガネと喋る、或いは独り言を言いながら走るが、星野好造のそれとは違い特に意味はない。
本人曰くブレーキングが得意で、コーナーへのブレーキを遅らせて突っ込む「超絶ウルトラスーパーレイトブレーキング」を必殺技としている。
しかし実際は単なる冷や汗タラタラの通常のブレーキングで、モータースポーツの技術にすら該当しない。
作中では、秋名山で藤原拓海や池谷浩一郎達を見かけて馴れ馴れしく話しかける。
しかしメガネと共に武内樹のターボを乗せたばかりのハチゴーを散々けなしたり、地方の走り屋をバカにしたりといった不愉快な物言いをし、池谷に追い払われる。
本人はフレンドリーに話しかけたつもりだったらしく、機嫌を損ねてバトルを仕掛けるため池谷達が撤収するまで近くでじっと待つといった陰湿な行動を取る。
元々自身のバトルや練習での調整に来たわけではない池谷のS13を、新型車の性能にものを言わせてストレートで強引に追い抜く。
しかし拓海がハンドルを握るイツキのハチゴーの敵ではなく、あっさり追い抜かれた上に、路肩の土手に乗り上げてサイドを多少かすって自滅するという惨めな結果に終わる。
その後池谷達が追いつく前にそそくさと逃げ出し、伊香保の温泉街に消えていったようである。
ゲーム版では箱根や筑波に登場しており、「サーキットの走行会帰り」と述べ、「サーキット仕込みのテクニックを見せてあげるよ」とプレイヤーにバトルを挑んでくる。
負けると「エンジンの調子が悪かった」「足回りのセッティングが狂っていた」「サーキットを走ったばかりで疲れていた」「(メガネに対して)キミが横から口を挟むから集中できない」と言い訳をする。
アニメFourth StageとゲームTHE ARCADEでは「S15の男」、ゲームARCADE STAGE4~8∞では「OTAKU1」、OVABATTLE STAGE2では「オタク」と表記されている。
メガネ
CV:肥後誠
デブの友人で助手席に座る小柄な男。
インパクトブルーの沙雪のようにアドバイスをするわけでもなく、ただ助手席に座って喋るだけである。
特にデブの邪魔になるような言動を取っていないが、ゲーム版では敗戦後に一方的に八つ当たりをされたり、適当な言い訳をしてそそくさと逃げ帰ろうとする相方を陰で「うわ、カッコ悪い……」と呆れたりするなどの場面があった。
アニメFourth StageとゲームTHE ARCADEでは「メガネの男」、ゲームARCADE STAGE4~8∞では「OTAKU2」、OVABATTLE STAGE2では「オタク」と表記されている。
ゲー版において
アーケードゲーム頭文字D ARCADE STAGEシリーズでは上記の通り初登場以来基本的にはやられ役である。
原作は計3話、アニメでは1話しか登場していないにもかかわらず、ゲーム内では台詞が豊富で、バトル前にプレイヤーの車やプレイヤー自身に対して嫌みを言うのが通例となっているが、Special StageとARCADE STAGE4~5では記事冒頭の台詞のようにプレイヤーが搭乗するクルマに合わせて内容が細かく変わるという非常に凝った物となっていた。例えばこんな感じ。
- ランエボやスカイラインGT-R、インプレッサだと「WRCオタクが勘違いして買うクルマ」「ドライバーが下手でもクルマがフォローしてくれる」「誰が乗っても速いよね」「急に上手くなった気がして、本当はクルマに乗っけてもらってるだけなのにね」
- ハチロクやロードスターだと「殆どクラシックカー」「漫画に影響されて買ったの?」「勝ったら自慢するけど、負けたらクルマのせいにするんだよね」「こんなのサーキットじゃ全然タイム出ないよ」「人馬一体と言っても、人の方に問題があったらどうしようもないよね」
- 特に自身と同じS15シルビアだと「君みたいな奴が僕と同じクルマなんて勘弁してよ」「君と僕とじゃ、見た目もテクニックも全然違う」「峠でイケてない奴がS15に乗ってると、こっちまで同類に思われる」「君に人前でS15の自慢はしてほしくないなあ。信用度が下がるから」等と散々馬鹿にしてくる。
「ZERO」ではリストラ状態が続いていたが、期間限定の東方Projectコラボストーリー第一弾において再登場。
恒例の嫌味こそ無くなってしまったが敗北する度にパワーアップと称し、S15を霊夢や魔理沙の痛車仕様に変えて再戦を申し込んでくる。
秋名での対決では「溝落とし」を使ってくるので必見。
「THE ARCADE」ではストーリーモードChapter10に登場するほか前作同様東方Projectコラボストーリー第2弾にも登場。S15を十六夜咲夜やスカーレット姉妹の痛車仕様に変えているほか、敗北する度に……
- 秋名……練馬から来た仲間(フランドール・スカーレットの痛車仕様のFD3S型RX-7に搭乗) & 板橋から来た仲間(レミリア・スカーレットの痛車仕様のZ33フェアレディZに搭乗)
- いろは坂……八王子から来た仲間(十六夜咲夜の痛車仕様のユーノスロードスターに搭乗) & 多摩から来た仲間(レミリア・スカーレットの痛車仕様のS2000に搭乗)
- 筑波……品川から来た仲間(十六夜咲夜の痛車仕様のGRスープラに搭乗) & 世田谷から来た仲間(フランドール・スカーレットの痛車仕様のBRZに搭乗)
……を引き連れ再戦を申し込んでくる。
尚、仲間のナンバープレートに関して、練馬・世田谷から来た仲間はQED「495年の波紋」にちなみ0-495、板橋・多摩から来た仲間はレミィの語呂合わせで0-031、八王子・品川から来た仲間は一六夜の語呂合わせで1-341と東方ファンなら思わずニヤリと来る小ネタが含まれた物になっている。
2022年12月22日から開催された初音ミクProjectDIVAコラボストーリーではS15を初音ミクや鏡音リン・レン・巡音ルカの痛車仕様に変えているほか、敗北する度に地元の走り屋が仲間を引き連れ再戦を申し込んでくる。また、恒例の嫌味が復活しているがプレイヤーの車に対してではなく地元の走り屋の仲間の車に対するものとなっている。
嫌味を言う車種は
- 「北関東遠征編」ではスイフトスポーツ(妙義)・GRスープラ(赤城)
- 「神奈川県遠征編」ではフェアレディZ(RZ34(箱根)・S30(長尾))
- 「雪道遠征編」ではS207(秋名・雪)・GRヤリス(筑波・雪)
となっている。また、各コース1戦目ではコースについての蘊蓄を語るシーンが入るが、ここでも大量の吹き出しに紛れてプレイヤーへの嫌味が紛れ込んでいる。
これらのように、登場人物の言動は概ね原作に忠実なアーケードシリーズとしては珍しく、彼らに限っては二次創作的な扱いをされている。そのため、原作での彼らはあくまで車オタクだったが、ZERO以降は二次元オタクとして登場しており、原作のキャラとは若干かけ離れている。
「THE ARCADE」でも登場。今度は碓氷峠に現れて、インパクトブルーの二人にレースを申し込んでいる(端から見ればナンパにしか見えない)が、それにうんざりしていた沙雪がプレイヤーに助けを求めたことでレースになる。
最後はブレーキングをミスってクラッシュしてリタイアすると言う形で退場となる。
今回の二人はストーリーモードで登場する時は、上記の二次元オタクの一面は見せない。しかし、東方Projectとのコラボイベントでは相変わらずである。
余談
- デブ役の石井康嗣とメガネ役の肥後誠は、共にアニメ版登場に先駆けて2003年発売のPS2用ソフト『頭文字D Special Stage』でキャスティングされ、約1年後に放送されたアニメ版『頭文字D Fourth Stage』でも引き継がれた。石井はこれ以前にSecond Stageから登場した藤原文太の友人の整備士鈴木政志を、ドラマCD「インパクトブルーの彼方に…」ではエンペラーの偵察係の一人である佐竹を演じており、Fourth Stageではデブと政志との兼任となっている。
- 石井・肥後両氏に共通して、初登板のSpecial Stageと後発のFourth Stageでは演じ方に違いが見られ、アニメ登場以降ではより小物らしい演技となっている。
- 現実の自動車趣味においても、彼らのように「サーキットに行ったことがある」「サーキットのタイムがいくら」というマウントを取ってくる輩は多い。この点においては、非常に人間味のあるリアルなキャラクターと言えよう。
関連項目
彼等より後に登場するS15乗り。
こちらは上級者として確かなドラテクを持っており、本作のパラレルワールド的続編の『MFゴースト』では重要人物として抜擢された。