バーナード・ワイズマン(Bernard Wiseman )
(声:辻谷耕史さん)
年齢は19歳。
愛称はバーニィ。
概要
出身はサイド3。
入営したバーニィは資質を認められ、MSパイロットの養成を行う航空学校のモビルスーツ科に航空学生として入学。
切迫する戦時下のため養成期間はひどく短く、訓練部隊での錬成を終え、グラナダ基地を拠点とする突撃機動軍第七師団隷下のMS部隊に配属される。
初戦でサイド6リボーコロニーに潜入したが、搭乗するモビルスーツMS-06FZ ザク改は被弾しコロニー内の森林公園内へ墜落してしまう。
この時にザクを追いかけてきた現地の小学生アルと知り合い、所持するカメラに収められていた映像ディスクと自分のジオン階級章を交換することで偶然得た情報から、ニュータイプ専用の新型ガンダムであるガンダムNT-1がサイド6に搬入された事実がジオン軍上層部の知るところとなる。
その後、ガンダムNT-1奪取の任務(ルビコン計画)を帯びたサイクロプス隊に、戦死したアンディの補充要員として編入され、隊長のシュタイナー以下、ミーシャ、ガルシアらと共に作戦に従事する。
与えられた任務は情報収集とは言いながら、その実は隊にまとわりつく少年アルの監視(お守り)であった。
バーニィが未熟な新兵とも知らずパイロットへの憧れに目を輝かせるアルに対し、つい見栄を張って「あと1機でエース」と嘘を吐いてしまう。
その後、アルの自宅付近で監視任務に就いていた際に隣人の女性クリスに泥棒と間違えられバットで殴り倒されるが、それをきっかけに彼女とも知り合いになり、互いに好意を抱くようになる。
アルと共に不審な民間の工場へ潜入捜査した結果、遂にガンダムNT-1の在処が発見される。
サイクロプス隊は変装して基地に潜入し奪取(破壊)工作を行なうが、バーニィの不用意な一言から正体が露見し、隊は彼一人を残して全滅する。
ルビコン作戦の失敗を知ったジオン軍上層部は、クリスマスにサイド6への核攻撃を企図する。
表向きにはサイド6でバーを営むスパイ、チャーリーの勧告を聞き、自分一人でコロニーからの脱出を考える。
アルは必死に引き止めるがバーニィの決意は固く、半ば喧嘩別れのようなかたちで港へと向かった。
機の到着までバーで待っていたところ、電話で話す女性の話し声が耳に入る。
女性は浮気をされた男と話しているらしく、バーニィは自分とアルの関係に重ねる。
女性の言った「嘘を押し通す根性もないくせに」という言葉に強く胸を打たれ、死んでいったサイクロプス隊の面々への思い、「このコロニーが好きだから」とリボーコロニーに残ることを決めたチャーリー、アルやクリスを守りたい想いが湧き上がり、出航寸前で思いとどまる。
「ガンダムと戦ってみたくなった」と話し、撃墜され放置されていた自分の機体(ザク改)をアルと協力し修理、友軍の核攻撃を中止させるため、タイムリミット内でのガンダムNT-1破壊に単身挑む決意をする。
結局、核攻撃を企図したジオン艦隊は途上で地球連邦軍に遭遇、交戦後に投降したため、サイド6への核攻撃は回避される。
バーニィはそれを知らないままガンダムNT-1をコロニー内の森に誘い出してゲリラ戦に持ち込み、破壊には至らなかったが、ヒートホークでガンダムの頭部を切断して中破・戦闘不能に陥らせた。
しかし、同時に自身はNT-1のビームサーベルで機関部を直撃される。
「もう戦わなくてもいい」と駆け寄るアルの眼前でザク改は大爆発を起こし、バーニィは壮烈な戦死を遂げる。
任務の目標であったガンダムNT-1を操縦していたパイロットは、実は互いに惹かれ合ったクリスだったのだが、この事実を最後まで知らないままであった。
なお、潜入作戦中に正体が露見したのはバーニィがジオン訛りをオーストラリア訛りと誤解され、シドニー生まれのシドニー育ちで、「故郷は今頃雪景色だ」と嘘をついたことによる(南半球のシドニーは日本を含む北半球とは季節が逆で、劇中の12月は真夏)。
コロニー生まれのバーニィが地球の四季に疎かったせいで起きた過ちである。
「おいシドニー生まれ! オーストラリアは今夏だぞ!」
しかし実は1stガンダムのナレーションでコロニーが落下する大都市はシドニーとされており、爆心地はシドニー湾と呼ばれる巨大な内海になってしまった(現地の状況は『機動戦士ガンダム0083』で描かれている)。
最期
上述のとおりラストではNT-1にコックピットごとサーベルで貫かれて戦死するのだが、その死に様はミンチより酷いものだったらしい。
なお、小説版では最後に病院で意識を取り戻した、と生存する内容に変更されている(これは著者の強い意向により、苦悩の末あえてこうしたと後書きでは綴られている)。
備考
ガンダムタイプのモビルスーツ(量産機である陸戦型ガンダムを除く)を、「量産型」モビルスーツで撃破または戦闘不能にさせた数少ない人物である。
劇中では未熟さを露呈する場面も多いが、一応正規の養成がされた最後期のパイロットであったため特務隊の任務も最低限こなす事ができた。
リボーコロニー内で小破稼動不能となったザク改を同コロニー内で破損・投棄されたジム・コマンド等から部品を調達し、完調状態に修復し自ら計画した作戦を決行するなど、一定の整備手腕を見せている。
ゲリラ戦を仕掛け、ガンダムの行動を封じ込めた戦術からも顕著と言える。
学徒兵とされる場合もあるが、それはゲーム等での設定や、ゲルググ量産型のパイロットの多くが学徒兵であったとする設定との混同であり、実際は短期間ながらも正規の訓練を受け軍に入っている。
『機動戦士ガンダム ギレンの野望シリーズ』では、初期状態では頼りない能力値であるが、高いパラメータの伸び率を持っているため、育成すれば優秀なパイロットとして成長する。
『SDガンダム GGENERATION ギャザービートシリーズ』では、必ずと言っていいほどクリスに説得される、もしくはクリスに助けられてクリスと共に連邦軍に味方するというストーリーになっているが、DSではプレイヤーが序盤はジオン陣営ということもあり、逆にバーニィがクリスを説得するような流れで二人ともア・バオア・クーから離脱し、後に揃ってエゥーゴに加入することになる。
ザクヲタク
ウィンキーソフト製作のスーパーロボット大戦ではザク好きという設定が付与されており、原作がマイナーであることも手伝ってバーニィ=ザクという図式が成り立っている。もちろん、OVA中でそんな設定はどこにもない。
ただし、「EX」でギラ・ドーガの入手に喜び、「ザクはあくまで趣味であり、より良い機体があるのならそちらを使う」とも言っている(逆を言えば「バーニィの趣味=ザク」ともとれる)。
「第4次」ではジェガンとザク改の二択を迫られる場面があるが、性能の問題でジェガンを選ぶ事も出来るなど、少なくとも第4次までは公私混合はしていなかった(シリーズでは参入時の搭乗機は常にザクであるが)。
…で、問題なのは「F」で、この作品では公私混同なんてレベルで片づけられないくらいのザク好きになり、ザクの廃棄となれば反対の立場を取り、挙句の果てにシャア専用ザクを勘だけで拾ってきてしまうわけのわからなさを発揮したため、その印象が残ったプレイヤーが多かったものと思われる。
また、「第3次スーパーロボット大戦」ではホワイトベースの女性陣をビーチでいきなりナンパしているチャラ男として登場していた。
なお、『第4次スーパーロボット大戦』ではエピローグでクリスと結婚、私立探偵になったとされている。
ちなみに、肝心のパイロットとしての能力であるが、ウィンキーソフト製作時代のいわゆる「旧シリーズ」のスパロボでは、ニュータイプパイロット偏重のゲームバランスであったことも手伝い、相方(?)のクリス共々MSパイロットとしては「中の下」程度の地位に長いこと甘んじていた。
長い冬の時代は「F」&「F完結編」で最高潮に達し、ゲームバランスや精神コマンドのラインナップの悪さも手伝い、完全にいらない子扱いであった(これは他のオールドタイプキャラや脇役NTキャラも同様であるが)。
しかし、バンプレスト製作に移行後のスパロボ作品では、ゲームバランスそのものが抜本的に見直された影響もあって、シリーズを重ねるごとに能力値が「使える」レベルに調整されている。
とりわけ「IMPACT」や「GC」&「XO」ではクリス共々十分に一線級と言って良い能力値にまで引き上げられており、同時に会話シーンやイベントにおける出番も多くなっているなど、ウィンキー時代に比べると扱いは非常に良くなった。
なお、バンプレスト製作以降の作品では「ザクヲタク」設定は鳴りを潜めているが、旧シリーズのヲタっぷりがあまりに印象的だったのか、時折それっぽい小ネタが仕込まれるのがお約束と化している(例として「ザク系MSに搭乗させて戦闘した時のみ、専用の特殊なセリフを喋る」など)。
また、第2次スーパーロボット大戦αではヒイロ(こちらはガチのリーオーマニア)から敬意を抱かれているようなセリフがあった。
バーニィのビデオレター
彼がNT-1との決戦へと向かう前に、アルに遺したビデオレターは0080屈指の名シーンとして有名。
ディスク媒体に入っているのはアルに向けたメッセージ(事実上の遺言)で、劇中ではこの部分だけが確認できる。
同時に渡したビデオの方はジオン軍による核攻撃があることを証言する内容となっており、これによって自身が敗北した際には住民の避難が行われることを期待していた。
最終的にこのビデオレターは記者の手に渡っているが、その後どのように使われたかは不明である。
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ガンダム 機動戦士ガンダム0080 0080 ポケットの中の戦争
アルフレッド・イズルハ クリスチーナ・マッケンジー サイクロプス隊