「“今の為に生きる”だと? ふざけるな!お前は何にも分かっちゃいない。選ばれなかった者の悲劇を…!
だから、試してやるんだ。お前から全部を奪って、同じ事が言えるかどうかをな!」
「世界に王は二人もいらない。お前の代わりに、俺が最低最悪の魔王になってやる…」
演/CV:佐久間悠
データ
- 身長:200.0cm
- 体重:92.0kg
- 特色/力:時間改変/アナザーライダーの召喚/ジオウのジカンギレードとサイキョーギレードを模したような双剣及び槍を使った攻撃
概要
『仮面ライダージオウ』EP41「2019:セカイ、リセット」から登場するアナザーライダーの1人。
モデルは仮面ライダージオウⅡ。
同じライダーのアナザーであってもフォームごとに個体が異なるケースは、劇場版に登場したアナザーアルティメットクウガに続いて2体目となる。
飛流はEP28「オレたちのゴール2019」にて、ソウゴから「過去のためじゃなく、今のために生きよう」と説得を受けたのだが、当人からすれば「お前がそれを言うのか」と却って憎しみに火をつけられた形となり、逆恨みだった感情がソウゴ個人への憎悪として爆発(真相はツクヨミと士しか知らないため、「ソウゴが原因ではない」という真実はこの時ソウゴも飛流も知らない状態だった)。
そこに付け込んだスウォルツによって再びアナザーライダーとなったと思われる。
未だに事件の首謀者がスウォルツだとは知らないと思われるが、その割に「選ばれなかった者の悲劇」という、スウォルツからソウゴへの力の受け渡しを知っているかのような言い回しもしており、真意は未だ不明。
容姿
アナザージオウをそのままジオウⅡに近づけたような姿をしており、基本カラーは白。金色の配色が増えている。
しかしながら以前はむき出しだった人体模型のような顔はマスクに覆われ、以前の顔が見える部分は目の周囲のみである(目の部分も透明なバイザーのようなもので覆われている)。
そしてこのマスクもアナザーアギトのように口角部分が上を向いており、アングルによっては邪悪な笑みを浮かべているように見える。
マスク部分の向かって左に「Zi-O」、右と胸元に「2019」の文字があり、背中にはこれに加えて「Ⅱ」の文字がある。
また、ドライバー部分も変わっておらず、アナザージオウⅡウォッチを装填して変身する。
なお、変身プロセスは不気味かつ禍々しかった以前と違い配色が紫から金に変わり、荘厳さが増している。
また、上記の金色の配色の造形をよく見てみると、肩などオーマジオウの装飾と似ている部分が見受けられたり、胸部の2本のバンドの間や腕には、同じような能力を持つグランドジオウのそれと似たようなバンドがある。
実際、元のジオウⅡもオーマジオウの段階へと近づいていると本編で言われているので、決しておかしくはないと思われたが、そういう装飾があるだけで、杞憂であったようだ。
能力
グランドジオウと同じくアナザーライダーを召喚して戦わせることができる。この能力で召喚したアナザーライダーは年号が2019で統一されており、変身者が存在せず、アナザーウォッチも存在しないためか、倒しても爆発するのみである。
召喚個体達はこの性質により通常のアナザーライダーと異なり、アナザーアギトの増殖個体と同様に対応するライダーの力やアナザーウォッチを破壊できる能力を持つライダーやフォームでなくても倒しきれるようで、劇中では通常形態のゲイツがタイムバーストでアナザーオーズを倒したり、通常形態のディケイドがアタックライドのみでアナザーライダー達を複数倒したりしている。
また、アナザージオウⅡに進化したことで新たな能力「時間改変」を会得。
時空の歪みと共に「歴史を思うがままに書き換える」ことができ、EP41では使役したアナザーライダーが倒される度に「倒されなかった」と改変して復活させている。
改変の際、周囲が昼から夜に変化していたことから、周囲の時間の流れを操る能力もある模様。
この時間を操る能力はソウゴへの憎しみによるものなのか、グランドジオウをも上回っているようだ。
姿こそジオウⅡを模しているが、その能力はジオウⅡどころかグランドジオウと同等以上である(ゲイツリバイブ剛烈へダメージを与えるほどの攻撃も見せた)。アナザージオウの時点で既にジオウⅡの未来予知を使えていたことを考えると、「ジオウの物語が現在進行形であるが故に、その時点でのジオウと同じ力を持つ」と考えられる。
その意味では、ジオウが魔王の力を手にしたタイミングでアナザージオウを再誕生させたのも納得である。
順一郎がソウゴを知らないことから、時間の改変は少なくとも始まりとなったバス事故まで及んでいると考えられ、やろうと思えば自分の家族が生存する歴史への書き換えも可能と思われる。
これは「書き換えてしまうと自身が存在しなくなってしまう」「能力の限界」「復讐に囚われた飛流はもはや家族を求めていないため」など考えられるが、詳細は不明。
召喚したアナザーライダーと登場EP
- 41・43
- 42・43
- 43
- 43(2回召喚)
誕生による改変
ソウゴ自身がジオウⅡの力を奪われたわけではないが、初期のアナザーライダー同様「仮面ライダージオウ」の歴史が変化してしまっている。具体的には、
- アナザージオウⅡによって2019年の日本が支配されている
- ゲイツ、ツクヨミは2019年の存在としてアナザージオウⅡに対抗するレジスタンスとなっている(ゲイツリバイブの力は入手済み)
- アナザーライダーに囲まれた「加古川飛流 変身の像」が現代に出現
- ゲイツとツクヨミだけでなく、ソウゴの叔父の順一郎までもがソウゴの存在を忘れる
という改変が起きており、ソウゴの記憶と力に影響はないものの、「ジオウ」の物語自体が飛流に乗っ取られた形となっている。
ウォズはこの状況にスウォルツが一枚咬んでいると踏み、逢魔降臨暦を基本的に自分しか読まないことを利用して「この本からソウゴの存在が消えた」と嘯いて飛流につき、その裏でスウォルツを探っていた……が、当人には見透かされていた。
この書き換えられた歴史においては、「仮面ライダージオウ」の物語が「世界を支配するライダーが、それを引っ繰り返そうとするレジスタンスと戦う物語」というEP01で見られたオーマジオウとレジスタンスの戦いの構図に酷似したものに変わっており、アナザージオウはもちろん、本物のジオウであるソウゴさえもレジスタンスから「魔王」として敵とみなされている。
これによりソウゴは孤立無援の絶望へ追い込まれた。
本編での活躍
- EP41『2019:セカイ、リセット』
2068年の未来、オーマジオウがグランドジオウを撃破し、ウォズによってソウゴを2019年に送り返したタイミングで時空が大きく歪むほどの時間改変を発生させ、自身が日本を支配し、ソウゴの存在が消えた正史とは全く違う世界へと改変してしまった。
その後、改変した世界の状況、「新たな魔王に仕える事にした」というウォズの発言に理解が追いつかないソウゴの前にオーラに連れられて現れる。
EP28での激闘の末に敗北した際にソウゴから言われた「過去の為じゃなくて、今の為に生きようよ」という言葉は自身を含む選ばれなかった者に対しての侮辱と捉えて憎悪より強めると、ソウゴを殴りつけてアナザージオウⅡへと変身。
グランドジオウに変身したソウゴに対し、アナザーアギト、アナザー電王、アナザー鎧武を召喚、更に時間改変でアナザーライダー達が倒されても幾度も復活させて追い詰めるも門矢士の介入で逃走を許してしまい、アナザーライダー達に後を追わせたが、その先でアナザーライダー達も倒されてしまう。
- EP42『2019:ミッシング・ワールド』
城へと戻り、ウォズからオーマジオウの事を聞かされると、オーマジオウになる未来もソウゴから奪ってやろうと目論む。そこにアナザージオウⅡウォッチを狙ってきた海東大樹が城へと侵入し、配下のアナザーエグゼイドとアナザーゴーストを、大樹が変身したディエンドに差し向けて自身も変身しようとするも、ディエンドにウォッチを奪われてアナザーライダー達もディエンドが召喚した仮面ライダーブレイブと仮面ライダースペクターに倒されてしまうが、最終的にウォッチはスウォルツによって取り返された。
その後、ゲイツとの対話を試みるソウゴの前に現れ、アナザージオウⅡに変身してジオウⅡと激突。
スウォルツに力を与えられた大樹にグランドジオウライドウォッチを奪われ、劣勢を強いられるジオウⅡを一方的に圧倒するが、乱入してきたゲイツリバイブ疾風によりジオウⅡを取り逃がしてしまったがスウォルツの助言の元、ソウゴをおびき寄せる人質として今度はツクヨミに狙いをつける。
アナザービルドとアナザーカブトを召喚してツクヨミを追わせ、その先で彼女を捕縛した直後に士が乱入。
そのまま士が変身したディケイドと交戦してディケイドを圧倒(ただ、完膚無きにまでやられてたわけではなく1対1でもそれなりにやり合えていた上にディケイドの方も大してダメージを受けた様子はない)したが、対話によりかつての呼吸を取り戻したジオウⅡとゲイツリバイブ剛烈がさらに乱入、3対1となる。
ディケイドにツクヨミがアナザライダーに追われていると教えられたジオウがツクヨミの後を追った為、ディケイドとゲイツリバイブ疾風と交戦、覇王斬りを模した技を連発して打ち合いに持ち込んだが、やはり元が一般人だけに基礎戦闘力が低いのか、相手に押され気味であった。
だが、自身が戦っているその間、ウールとウォズによってツクヨミを捕縛する事に成功した。
- EP43『2019:ツクヨミ・コンフィデンシャル』
冒頭、前回の流れでゲイツリバイブとディケイドと戦いを続けていた所、ウォズの促しでツクヨミを追うのを中断したジオウⅡの姿を見て、「仲間を救う事もできなかったか。無様だな、常磐ソウゴ」と嘲笑う。
そして激しい猛攻を3人に加えて圧倒したが、ディケイドがオーロラカーテンを使ったことで取り逃がしてしまう。
その後、アナザーライダー軍団を引き連れ、全ての黒幕であるスウォルツを倒す為にやってきたソウゴ達を自身の城で待ち構える。
「逃げずにここに来た事は褒めてやる、常磐ソウゴ。
お前のせいで俺の人生は無茶苦茶になった…。
俺が、お前の存在そのものを消してやろう」
今だに消えぬ憎しみを込めた言葉をソウゴに向かって投げ掛け、言葉を受け取ったソウゴは彼に向かって謝罪する。
ソウゴ「ごめん、傷付けたんなら謝る。
だけど、その為にみんなの時間を書き換えるなんて間違ってる!
だから俺は、君を倒して元の時間を取り戻す」
そんな返答に「御託はいい」とソウゴの謝罪を一蹴、今度こそ決着をつけるべく、アナザーライダーを引き連れて決戦に臨む。
4大ライダーによって次々とアナザーライダーが倒されていくなか、自身は未来予知を使ってグランドジオウが倒される未来を予知、攻撃を行うもグランドジオウが光となって回避してしまい、自身もキングギリギリスラッシュの直撃を受けて劣勢に陥る。
「何故だ…。何故、俺は奴に敵わない!?」
ソウゴ「それは、お前が過去のことしか見てないからだ。そして俺は、未来を作るために戦う!」
過去に囚われている者と、未来に突き進む者、双方の覚悟の強さを比べても雲泥の差だった。
最後はグランドジオウが「オールトゥエンティタイムブレーク」で繰り出した平成オールライダーキックを受けて敗北、倒されたと同時に元の時間へと戻っていった。
撃破された後も以前の時と同じようにウォッチは残り続けていたが海東大樹に回収されてしまい、力を振り絞ってウォッチを取り返そうとするが、スウォルツが自身の前に立ち、
スウォルツ「お前の役目はもう終わりだ、お前に王たる資格など無い。一時の夢を見られただけでもありがたいと思え」
スウォルツに投げかけられた言葉から、自身がスウォルツに都合の良い操り人形として動かされた挙句見捨てられたことを悟り、そのまま深く膝を落とした…。
- EP47『2019:きえるウォッチ』
「最後のお宝を貰うよ…士の命っていうね!!」
CV:戸谷公人
2056年にて若い頃のスウォルツによる攻撃を受けて死亡した士を蘇生させるべく、アナザージオウⅡウォッチで時間を巻き戻し士を復活させた海東。
しかしアナザージオウⅡウォッチを使った時の副作用で、海東は強制的にアナザージオウⅡに変身させられてしまった。
アナザーの力に自我を呑み込まれてからは上述の台詞の通り、「最後のお宝」と称して士の命を奪おうとしたが、ディケイドライドウォッチをソウゴから受け取りディケイドの変身能力を取り戻した士はディケイドジオウに変身。さらにソウゴが変身したグランドジオウも参戦した事で徐々に追い込まれていき、グランドジオウが召喚したザンバットソード・バリズンソード・トレーラー砲の連続攻撃を受けて変身解除。アナザージオウⅡウォッチも砕け散る事となった。
意図せず変身してしまった海東の場合はアナザーウォッチが砕け散ってしまったあたり、グランドジオウに敗れてもなおウォッチが残り続けた加古川の恨みの力が相当なものだったことが伺える。
余談
- 「加古川飛流 変身の像」の周囲にはアナザードライブとアナザーディケイドと思われる2体の未登場のアナザーライダーの像が確認できる。しかし像は等身大サイズで、映画では巨大だったアナザークウガも他よりやや大きい程度となっているため、オーマジオウの数倍近い大きさであったソウゴの像と比較して視聴者からは「安っぽい」「ちゃっちい」等の評価を受けてしまっている。彼らほどの自己顕示欲はない、と見れなくもないが……。
- スウォルツの企みの被害者であることは間違いない飛流だが、アナザージオウⅡとなったことで歴史そのものを書き換え、レジスタンスが現れるほどの悪行を振る舞うというまさに「最低最悪な魔王」そのものと化している。自分で望んだのだからいいとしても、おまけにオーマジオウの方は倒したところで先がないが、こちらは「倒せば時空を元に戻せる」というありきたりな魔王になってしまっている。
- どこまでもアナザーライダーはアナザーライダーであり、飛流はどうあがいても本当の意味で「仮面ライダージオウ」にはなれない、ソウゴのように仲間と運命には立ち向かえないということなのだろうか。
- 最終的にアナザーウォッチを海東への協力の褒美として奪われ、「お前の役目は終わった」と切り捨てられた為、スウォルツが飛流にアナザージオウⅡの力を与えた理由は「ツクヨミとディケイドの力の強奪という本懐の目眩まし」「最大の障害となるであろうグランドジオウへの妨害」でしかなかった模様。
- 海東がアナザージオウⅡライドウォッチを使用した結果、海東が暴走しアナザーウォッチも壊れてしまったため、「アナザーじゃなくて普通にジオウⅡライドウォッチで時間を巻き戻せばいいのでは」と考えられるが、ジオウⅡの場合は時間をまるごと巻き戻すため「策もなしに門矢士を助けると今度は庇われたツクヨミが危ない」為、士の時間だけを巻き戻せるアナザージオウⅡライドウォッチが最善だったと言える。
- pixiv内ではアナザージオウが登場したころに投稿されたイラストがあるのだが、デザインがかなり似通っていた為「預言者」タグがつけられている。
関連タグ
関連キャラ
メフィラス星人:あるヒーローに対して同じような事をして孤立へ追い込んだ。
坂田金時:主人公から全てを奪い去ってから作品を乗っ取った者繋がり。
ジャギ 月島秀九郎:主人公から全てを奪い、孤立無援の絶望に突き落とした者繋がり。
ストレイボウ:こちらも主人公から全てを奪って孤立無援の絶望に突き落とした者繋がりであるが、自身の行動が原因で主人公を魔王へと変貌させてしまった。
晦正影:同じ東映特撮において人々の記憶を改変し、主人公の記憶を消し去った敵繋がり。とはいえ、アナザージオウⅡ程大規模では無い上、描写はどことなくギャグチックではあったが。
カオスウルトラマン…ウルトラマンコスモスに登場した主人公の偽物ポジション。こちらも主人公と終始互角以上の戦いを繰り広げたほか、物語終盤に強化されて再登場したと言う共通点がある。