機動戦士ガンダムNT
きどうせんしがんだむならてぃぶ
ニュータイプ神話の行き着く先―――
概要
2018年4月20日に制作発表が行われた、ガンダムシリーズ40周年を記念する劇場作品。
2018年11月30日に公開。
劇場公開形式は、『機動戦士ガンダムUC』や『機動戦士ガンダムTHEORIGIN』のような期間限定のイベント上映ではなく、全国公開用の作品となっている。
更に本作は、宇宙世紀0100年以降ーー『機動戦士ガンダムUC』から『機動戦士ガンダムF91』までの時間軸を積極的に描く、「UC NexT 0100 PROJECT」の第一弾作品でもあり、今後も本作から『F91』に至るまでを描く、新作の制作が予定されている。
ガンダムシリーズの劇場版としては2011年の『劇場版機動戦士ガンダム00A wakening of the Trailblazer』以来8年ぶり、宇宙世紀劇場作品としては2007年の『新訳機動戦士Ζガンダム』から12年ぶりの宇宙世紀劇場作品、1991年の『機動戦士ガンダムF91』以来27年ぶりの完全新作劇場作品となる。
大まかなストーリーの流れこそ原作『不死鳥狩り』とほぼ同じだが、原案小説には登場しなかったMS・キャラクターが追加され、『アニメ版UC』に合わせて設定変更された所も多い。
タイトルの「ナラティブ」(NarraTive)とは直訳すると“物語”という意味の単語だが、本作では略字であるNTの表記が強調されており、宇宙世紀シリーズにおいて常に重要な要素として描かれてきた「NewType」とのダブルミーニングとなっている。
監督には劇場版『TIGER&BUNNY』等、多くのサンライズ作品で演出を手掛けた吉沢俊一氏が抜擢。
脚本は『UC』の原作を手がけた福井晴敏だが、スタッフは40代以下の若い世代(吉沢監督も39歳)を意図的にメインに据え、逆に澤野弘之氏など『UC』メインスタッフがサブに回る形となっている。
ストーリー
U.C.0097――。
『ラプラスの箱』が開かれて一年。
ニュータイプの存在とその権利に言及した『宇宙世紀憲章』の存在が明かされても、世界の枠組みが大きく変化することはなかった。
後に『ラプラス事変』と呼ばれる争乱は、ネオ・ジオン残党軍『袖付き』の瓦解で終結したかに見えた。
その最後の戦闘で、2機のフル・サイコフレーム仕様のモビルスーツが、人知を超えた力を示す。 白き一角獣と黒き獅子、2機の脅威は、封印されることで人々の意識から遠ざけられ、忘れ去られるはずだった。
しかし、2年前に消息不明となっていたRX-0 ユニコーンガンダム3号機が、地球圏に再びその姿を見せ始めた。
金色の“不死鳥”……その名は、フェネクス――。
(公式サイトより引用)
登場人物
奇蹟の子供達
ヨナ、ミシェル、リタの三人は子供の頃、一年戦争時にオーストラリアでコロニー落としに被災するが、それを事前に察知し街を救った事から『奇蹟の子供達』と呼ばれた過去を持つ。
ヨナ・バシュタ
CV:榎木淳弥
25歳。地球連邦宇宙軍所属。階級は少尉。『不死鳥狩り』作戦の増援として送り込まれたナラティブガンダムのパイロット。ミシェルとリタの幼なじみ。経歴上は平凡を絵に描いた連邦士官であり、パイロットとして腕前は中の上とシェザール隊から推測されて、彼がなぜ作戦に増援として送り込まれたのか、疑問視されていた。
ミシェル・ルオ
CV:村中知
ニューホンコンを拠点に地球連邦政府とも密接な関係を築く大企業、ルオ商会の特別顧問。ルオ商会会長ウーミンの娘。略筮法での占いに長け、政財界から絶大な信頼を得る。
『不死鳥狩り』作戦を展開するクラップ級宇宙巡洋艦ダマスカスに、増援のナラティブガンダムを伴って乗り込んでくる。ルオ商会運用の宇宙輸送船ローズバッドに搭載したナラティブガンダムの各種装備はアナハイム・エレクトロニクス社からの供給を受けたという話もある。
シェザール隊
ルオ商会
地球連邦軍
マーサ・ビスト・カーバイン
CV:塩田朋子
アナハイム・エレクトロニクス社の重役。
私情で軍を動かしラプラス事変を拡大させた責任を問われ、連邦政府に拘束されていたがルオ商会の部隊に連れ拐われ、フェネクスの情報を吐かされる。
ジオン共和国軍
ある事情からネオ・ジオン残党軍「袖付き」の残党を利用・偽装して活動している。
登場メカニック
地球連邦軍
主人公ヨナ・バシュタが搭乗するアナハイム・エレクトロニクス社製MS。
RX-93 νガンダムの前にサイコフレーム試験機として開発された経緯をもつ。
アナハイム・エレクトロニクス社で開発されたMS。
『不死鳥狩り』作戦ではシェザール隊が使用。
ジェガンD型護衛隊仕様
RGM-89D ジェガンD型のバリエーション機。
護衛隊仕様では60mmバルカン砲がオミットされ、頭部のデザインが変更されている。
U.C.0096時に先行運用試験が行われていたジェガンの後継機。
リック・ディアスをベースに改修した試作陸戦用MS。
U.C.0087当時からの変更点として、主武装のビームライフルがジェガンやリゼルの使用するライフルと共通規格のEパックを使用する形状に変更される。ルオ商会が運用。
ジオン共和国軍
『UC計画』においてサイコフレームの強度・追従性のテスト機として開発された試作MS。
開発コードはスタイン01。U.C.0094、地球連邦宇宙軍所属のクラップ級巡洋艦ウンカイで輸送中に強奪されたとされている。
用語
サイド
『機動戦士Ζガンダム』(宇宙世紀0087年)以降の、「コロニー再生計画」施策後のサイド政庁名は長らく不明だったが、ダマスカス艦橋のモニターにて、旧政庁名ごと移転している事が明かになった。この地球圏広域図より、「サイド6 リーア」がL(ラグランジュ)5宙域に構築されているのがわかる。
補足として、一年戦争(『機動戦士ガンダム』)時代のサイド6はL4宙域に構築されている(いた)事が、劇場版『機動戦士ガンダム』映像内や各種書籍において明示されている。
なお、ゾルタンがサイド6を「戦時中から中立を標榜してきた」と口にしているが、これが彼の勘違いなのか、政庁機関そのものを指しているのかは不明。
これらの不整合が影響したのかは定かではないが、後年の資料では「(サイド6の)18バンチ・メーティスの所在は不確か」という設定に改められている。
ヘリウム3
宇宙世紀の基幹技術であるミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉を稼働させるために必要な元素。これ単体では極めて安定だが、超高温・高圧環境下で重水素と核融合反応を生じる。
人々の生活にも欠かせないものだが、地球上にはほとんど存在せず、月面のヘリウム3も採掘し尽くされているため、木星船団公社が運搬してきたものを、各サイドが専用の備蓄基地で管理している。
制作スタッフ
メディアミックス関連
ストーリーは、『UC』の原作者である福井晴敏氏が執筆した『小説版UC』(OVA版とは展開が異なる)の追補小説『不死鳥狩り』をモチーフにして、再構成し、新しい主人公・新しいガンダムを出して、新しい話を作るという大幅な変更を加えて制作されている。このため、タイトルは『UC2』のような“続編”ではなく、『NT』という全く別のものとされた。
更に上記の『不死鳥狩り』とは別に、脚本を元に完全書き下ろした小説(ストーリー:福井晴敏、小説:竹内清人)が、劇場公開前にKADOKAWAから出版されるという、特殊な販売手法も採られた。
中国進出
本作は『ガンダム』放映開始から40年の歴史において初めて中国で公開された作品となった。
関連動画
関連タグ
TVシリーズ
ガンダムビルドダイバーズ←機動戦士ガンダムNT→機動戦士ガンダムTHEORIGIN
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