概要
仮面ライダーは一般的に幼少の男児向けの作品と認識され、その変身者も男性が殆どである。だがストロンガーの電波人間タックルをはじめとする女性戦士も少なからず登場しており、平成ライダーシリーズからは龍騎の仮面ライダーファムを筆頭として、広義的に『仮面ライダー』と呼ばれるものも多い。(→詳しくは女性ライダーの記事を参照)
そんな中、無性別、つまり設定上性別が存在しないものや性別不明な『仮面ライダー』も登場し始めた。この記事ではそのようなライダーについて取り扱うものとする。
無性ライダー/変身者
・公式で明言されている純粋に無性別のキャラクターが変身する無性別の仮面ライダー。
・仮面ライダー亡/亡
登場作品:仮面ライダーゼロワン
演じる中山咲月氏は女性であり、劇中で“彼女”と呼ばれた例もあったが、亡には設定上性別が存在しない。(公式ロマンアルバム:『仮面ライダーゼロワン 滅亡迅雷.book(徳間書店)』より)
登場作品:仮面ライダー_令和_ザ・ファースト・ジェネレーション
怪人枠だが一応記載。
フィーニスの演者・生駒里奈氏は女性だが、作中では一人称に『ボク』を使い、映画パンフレットでもジェンダーレスのキャラクターであると記載されている。
尚、変身後のCVは石井康嗣氏が担当し、同時に一人称も『私』に変わる。
性別不明ライダー
・性別不明の仮面ライダー。素体や前後の変身者に性別がある場合も多い。システムそのもので動いていたり、それが後に自立して変身していたりもする。
(※以下ネタバレを含みます!)
登場作品:仮面ライダーアギト
劇場版『projectG4』に登場。変身者が死亡してもシステムAIが肉体を動かし続けるという驚異の代物。その状態のG4は、素体はともかくAIは性別どころか人格があるのかも不明。
登場作品:仮面ライダー龍騎
長らく変身者が分からなかったが、その実体は神崎士郎が無作為に選んだ不特定多数の人間。また、オーディンになった時点で自我は失われる模様。素体は不特定、人格は神崎の操り人形のようなものなので、どちらにせよ性別不明である。
登場作品:仮面ライダー555
変身ツールはオルフェノクが使用することが前提だが、条件さえ満たせば誰であっても男女問わず変身は可能。
登場作品:仮面ライダーキバ
スーツの負荷に耐えられる体力が必要ではあるが、人間だろうとファンガイアだろうと変身は可能。
登場作品:仮面ライダー電王
『超電王トリロジー episode yellow お宝DEエンドパイレーツ』に登場。元々は黒崎レイジ(男性)が人工イマジンのイブ(性別不明)と共に変身していたが、後にイブが単独で変身している。
登場作品:『仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE』
『MOVIE大戦CORE』に登場。メモリーメモリとサソリ・カニ・エビの黒いコアメダル(どちらも性別不明)によって誕生したため、変身者が存在しない。
登場作品:仮面ライダーオーズ
『MOVIE大戦 MEGAMAX』に登場。湊ミハル(男性)が未来のコアメダルの人格(性別不明)に肉体を乗っ取られて変身していたが、こちらも後に単独で自立変身している。
登場作品:仮面ライダードライブ
劇場版『サプライズ・フューチャー』に登場。変身者が存在せず、遠隔操作の自動戦闘システムで動いていた。後にロイミュード108が素体として変身した状態については後記。
登場作品:仮面ライダーエグゼイド
市販の仮面ライダークロニクルガシャットで変身する量産型ライダー。平成ライダーでは最も多くの人間が変身した。
その他(人外系)ライダー/変身者
・性別不明だが人格的にその分別が成されている例。
・仮面ライダーカリス/相川始(ジョーカーアンデッド)
・仮面ライダーレンゲル/スパイダーアンデッド
上級アンデッドは人間に擬態出来、男性型と女性型が存在するが、アンデッドそのものに性別があるのかは不明。相川始は男性型だがそれはジョーカーの力でヒューマンアンデッドの姿を模しているに過ぎない。
レンゲルは基本的に上条睦月(男性)が変身するが、スパイダーに乗っ取られた状態では人格的に性別不明。尚、スパイダー自体の人格は男性に近いようである。
・仮面ライダーなでしこ/なでしこ
・仮面ライダーイカロス/ツバサ
女性の人格と姿を学習と擬態で得ているが、変身者自体は純粋なエネルギー生命体であり、性別を持たない。
・仮面ライダープロトドライブ/プロトゼロ
・仮面ライダーチェイサー/チェイス
・仮面ライダーダークドライブ/108
・仮面ライダーハート/ハート
・仮面ライダーブレン/ブレン
ロイミュードの人間態はコピー元に依存しており、性格もそれに準ずるが彼ら自体に性別は無い。
・仮面ライダーパラドクス/パラド
・仮面ライダーポッピー/ポッピー
・仮面ライダーアナザーパラドクス/ブラックパラド
バグスターも正確には性別が存在しない。(パラドやグラファイト、ラブリカは男性型。ポッピーは女性型という扱い)
檀黎斗(ゲンム)、九条貴利矢(レーザー)、檀正宗(クロノス)に関しては元々人間男性なので例外とする。
・仮面ライダーエボル/エボルト
・仮面ライダーブラッド/三都の首相にそれぞれ擬態したブラッド族
・仮面ライダービルド/キルバス
・仮面ライダーキルバス/キルバス
ブラッド族。キルバスとエボルトは互いを兄弟と呼んでいるが公式図鑑によるとエボルト、並びに仮面ライダーブラッドの三名は性別不明。(外部リンク)キルバスも同様と思われる。
全員が擬態した人間の性別に準ずる性格や振る舞いをしているが、元から人格は備わっているようで、最初からそのような性質である可能性がある。
・仮面ライダー滅/滅
・仮面ライダー迅/迅
・仮面ライダー雷/雷
・仮面ライダー1型/飛電其雄
・仮面ライダーアークゼロ/通信衛星アーク
ヒューマギアには個体ごとに性別が設定されており、男性型と女性型が存在している。しかし、あくまで“型”であるため広義の意味での性別は無いことになる。(上記のヒューマギアは全員男性型)性格のラーニングも設定された性別に準ずるようだ。
現在登場している中で、性別の型の設定も完全にないのは亡、ライダー変身者以外を含めても素体状態のヒューマギア(新旧問わず)のみ。通信衛星であるアークとゼアのAIに性別の設定があるのかは不明。アイちゃんに関しても明言はされていない。
喚起
性別の問題は複雑であり、性別の安易な二極化を忌避すべきと認められ始めたのは近年。現実では自分の性別に自信がない人、そこからなる身体的特徴を忌む人等、様々である。
それは『仮面ライダー』や、その他の特撮俳優たちとて例外ではない。歴史の長い作品には古参のファンも多く、中々それらの先入観は拭いきれないかもしれない。しかしながら実写ドラマという媒体上、画面の向こうに実在する人間が居ることを忘れてはならない。創作物だからといって、無闇に性別や身体の特性を誇張して描くような行為は、演者に対してもキャラクターに対しても極めて不敬で侮辱的である。
三次元、二次元問わず、ファンアート等の二次創作を公の場に発表する際は相応の良識を持って取り組んでもらいたい。