スカルゴモラ
すかるごもら
データ
身長 | 57m |
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体重 | 5万9千t |
出現地 | 星山市(第1話・2話)、光瀬山麓(第9話) |
概要
『ウルトラマンジード』に登場する、ベリアル融合獣と呼ばれる怪獣群の一体で、伏井出ケイが古代怪獣ゴモラとどくろ怪獣レッドキングの怪獣カプセルでフュージョンライズした怪獣。
『ウルトラマンフュージョンファイト!』での属性は「風属性」(どうみても土属性満載だが)。
主人公のジードが最初に戦うことになる怪獣であり、ジード=リクにとっては、元々住んでいた街を蹂躙して彼から平穏な日常を奪い去ったという因縁の相手でもある。
鳥羽ライハによれば、「6年前と同じ」との事だが、後述するように実は彼女の両親を殺害した過去も持っており、ライハにとっても因縁のある怪獣であった。
ジードとは3回も対決しており、こうした活躍の多さから、ベリアル融合獣は元より『ウルトラマンジード』を代表する怪獣の1体として扱われる傾向にある。
外見等の特徴
基本的な外観は、背中側はレッドキング、腹側はゴモラ、顔はレッドキング寄りのゴモラと言った感じのゴジラ型の怪獣。
それに加えて曲がった赤い角が頭部、背中、ひじ、膝に生えており、全体的なシルエットはゴモラに近い物になっているが、見ようによってはそれが触手のようにも見え、非常に禍々しい。
また、胸にはベリアルを模した血管の様な模様、及び紫色のカラータイマーがある。
鳴き声もレッドキングとゴモラのものを組み合わされたものになっている(前半がレッドキング、後半がゴモラの鳴き声になっている)が、時折バラバラに鳴き声を発することもある。また、いくつかはザンボラーの物も混じっている。
地球圏屈指のパワーファイターであるゴモラとレッドキングから譲り受けた怪力であらゆるものを破壊しつくす剛力無双の怪獣で、劇中では(まだ変身したばかりで戦い慣れしていなかったとはいえ)そのパワフルな戦闘でジードを再三にわたって苦しめ、変身していたリクに「なんて破壊力だ…!」と言わしめたほど。
しかし、大本であるゴモラとレッドキングとは違いキックやパンチなどを積極的に使用していない。
必殺技は頭部の大角から放つ「スカル振動波」(玩具や『ウルトラマンフュージョンファイト!』ではスカル超振動波となっている)。
通常の超振動波と同様、角から衝撃波として放つほか、足から発して赤熱化させた破砕岩を相手にぶつける「ショッキングヘルボール」や、エネルギーを集積させて口から光線のように発射する「インフェルノ・マグマ」など、用途の幅は広い。
劇中での活躍
第1話
突如として市街地に出現すると同時に街を蹂躙し、怪獣カプセルを冷却させる為に一旦姿を消す。
その後、再び夜の街に出現すると“リトルスター”の気配を探知し、街を襲撃するが、街の人々を護るために登場したジードと対峙。
ジードと死闘を演じ、戦い慣れしていないジードを相手に終始優勢に戦いを進め、一度は「スカル振動波」で追い込んだものの、最後はリトルスターを持つ少女:原エリに襲い掛かろうとしたところを、ジードの放ったレッキングバーストを受け爆散・消滅した。
第2話
しかし、完全に倒されたわけではなく、避難していたエリを狙って再び出現、これを阻止しようと再び変身したジードと一進一退の激しい攻防を繰り広げる。
初戦と同様、一度はジードをスカル振動波でダウンさせるが、エリに襲い掛かろうとしたところを再び立ち上がったジードに止められる。
口からスカル振動波を放ってジードを消し飛ばそうとするが、発射の瞬間にジードに狙いを外されてしまい、その際に生じた一瞬の隙をつかれて至近距離から放たれたレッキングバーストで体をぶち抜かれ、粉々に粉砕された。
チブル星人マブゼ「未だかつて誰も成し遂げたことの無い、奇跡の瞬間だ!!」
第15話「キミの声が聞こえない」に登場。
ベリアル融合獣ではなくチブル星人マブゼがヴィラン・ギルドのオークションで手に入れたゴモラ・レッドキング・ベリアルの遺伝子を用いて作り出した怪獣で、肩書きも培養合成獣に変わっている。言うなれば、ベリアル融合獣を人工的に再現した存在である。
三箇所の地面から照射された黄・赤・橙(それぞれレッドキング・ベリアル・ゴモラの色と思われる)の禍々しいオーラが収束して光の球が発生。その球が爆発したのち落下し、誕生した。
この時、霧崎がタクトを振り、ベートーベンの第九「歓喜の歌」(勿論オーケストラ調)が流れるという演出あり、歓喜の歌をバックにスカルゴモラが辺りを火の海にする光景は、視聴者に凄まじい印象を与えた。
間もなくタイガと戦闘になり、怪力とスカル超振動波で苦しめた(『ジード』では見られなかった攻撃法として、背中に食いついたタイガを払うべく背中の角からスカル超振動波を撃っている)が、フォトンアースに変身すると頭の角を折られ戦意喪失。それでもなお一方的にいたぶられた(見ていたモコが「怪獣をいじめないで」と訴えたほど)末オーラムストリウムを浴びて爆死した。
スカルゴモラはその設定から再登場が難しいと思われていたが、「ベリアルの因子を利用して生み出された」というアイデアでの再登場には多くのファンが驚いた。これについて脚本を担当した中野貴雄は、スカルゴモラを登場させるために逆算してストーリーを組み立てたと述べている。
そして、登場してみれば宇宙人の身勝手で生み出された末、闇に染まり始めていた主人公に散々痛めつけられて倒されるという末路を辿った悲しき人工生命であった。
また、ベリアルの遺伝子を用いて作られた人工生命という点ではジードと同じであり、ある意味ジードの腹違いの兄弟であるとも言える。
なお、このスカルゴモラにまつわる設定はその後の話にも大きく関わってくることが公表されていたが、第23話にてその伏線が回収されることとなった。
「検証実験に入る」
『Kaburagi Access Granted.』
「ベリアル。古代怪獣。どくろ怪獣」
『Belial.』『Gomora.』『Red King.』
「キエテ カレカレータ」
『Skull Gomora!』
第7話「陛下のメダル」に登場。
リクから抽出したベリアル因子とデビルスプリンターによってベリアルメダルを完成させたカブラギ=セレブロが、ゴモラとレッドキングのメダルを合わせて変身した。
メロディは「ジード」における融合獣のフュージョンライズ時のもの(つまり「ベリアル銀河帝国」におけるベリアルのテーマのアレンジ)。
ベリアルメダルの力と安定性を確かめるため、変身直後に現れたゼットとジードを相手に戦闘を開始。
かつての伏井出ケイ変身体やマブゼが生み出した培養獣と異なり、中身のセレブロが強いのか、ウルトラマンさながらの格闘戦を展開して互角に立ち回る。
タフさに物を言わせて二人の攻撃を受け切り、間合いを開けたところにショッキングヘルボールを叩き込んで優位を取るが、返す刀でゼットスラッガーとレッキングリッパーが直撃。
サンダーキラーに変身し、戦闘を続行した。
余談
ゴモラとレッドキングの2体は『ウルトラマン』第37話の初期稿からの腐れ縁であり、これまでも、ある時はライバル、ある時はパートナーとして共演する機会が多く(『ウルトラマン超闘士激伝』『大怪獣バトル』『ウルトラマンSTORY0』『怪獣娘〜ウルトラ怪獣擬人化計画〜』など)、どちらもサイバーカード化されて防衛チームXioの戦力として活用されたという共通点もあるが、合体というのはこれまでありそうでなかった発想だった(合体メンバーに含まれているという意味ではEXタイラントが存在している。また、レッドキングがゴモラに変貌した事もある)。
ただ、ベリアルがレイオニクスである事を考えると、大怪獣バトル最終回でそれぞれパワーアップしてレイブラッド星人と戦った二体がベリアルと融合し敵に回るのは皮肉な話と言えるかも。
更に言うとベリアルの声優の1人である宮迫氏はレッドキングが嫌いなため、実際は「レイブラッド星人と戦ったゴモラとベリアルが嫌いなレッドキングがレイブラッド星人を宿したベリアルと融合する」という皮肉まみれの存在となっている。
ちなみにこれに関しては全くの偶然であると思われるが、ゴモラもレッドキングも鳴き声はとある怪獣から流用された物である。
「スカル」の由来はレッドキングの別名「どくろ怪獣」から。
ジードとスカルゴモラのプール撮影は、CGを除くと『ウルトラマンマックス』の宇宙化猫タマ・ミケ・クロ以来12年ぶりであり、夜の戦闘シーンでのプール撮影は『帰ってきたウルトラマン』のプリズ魔以来46年ぶりだが、平成ウルトラマンシリーズでは初である。また、池のプール撮影は『ウルトラマンA』第51話のギーゴン以来44年ぶりである。
ゴモラをベースにベリアルとレッドキングの要素を落とし込んでおり、元の怪獣がどちらもパワー系であることから迫力ある筋肉質な体型とするとともに、最初に登場するベリアル融合獣であることからストレートなデザインとされた。
『オーブ』が放送されていた時期に、下記のようなオリジナルのフュージョン怪獣のイラストが投稿されていた。
- 第1話の脚本でのタイトルは、「秘密基地、見つけた!」。
- 第9話に登場した新聞に載っている犠牲者リストの中に、「薩摩次郎」という名前がある。
電撃版
前作の魔王獣(マガバッサー、マガジャッパ)と同様、新シリーズの宣伝も兼ねての抜擢と相成った。ちなみに、初登場からわずか3週間後での登場は、昨年のマガバッサーを抜いて全キャラ中最速である。
キャッチコピーは「ゴモラが悪いコになっちゃった!?」
デザインは、かつてゴモラのデザインを手がけたニトロプラスのminoa氏が引き続き担当しており、ベースも同氏がかつて手がけたゴモラがベースとなっている。逆に、レッドキング要素は殆どなくなってしまっており、ゴツイ体型をしていた原典と比べるとかなり華奢な体系になってしまっている。
完全な悪役であったこともあってか、以前発表されたゴモラと比べると肌が浅黒く染まっていたり、目つきも鋭くなっていたりと、よりダークヒロイン然としたデザインになっている。身も蓋もない言い方をすればレッドキングの被り物をしている闇堕ちしたゴモラといった印象が強い。
なお、ゴモラといえばスク水であったが、このスカルゴモラはビキニ風の衣装が変わっているために拝むことができなくなっているものの、その変わりに、日焼け跡として水着の跡がくっきり残っているというデザインになっている。
温厚そうなキャラクターが凶悪そうな外見に変わったということや、褐色の肌などが色々とアブナイ要素を連想させるからなのか、pixivやtwitter等に投稿されるファンアートの中にはあまりよろしくないことをしているイラストも散見される。
ちなみに、スカルゴモラを含むベリアル融合獣は「ウルトラマンベリアルが怪獣の力を借りて変身した姿」と言う設定があるため、「ベリアルが女の子になった姿」が間接的にではあるが実現したとも言えるのかもしれない。
自分の分身(?)を勝手に女の子の姿に変えられてしまったことを知ったベリアル陛下の心境やいかに…(レッドキングメインじゃないだけましだと思っているのだろうか?)
など言っていったら、後に陛下は女性に憑依していたことが判明した。
なお、アニメ『怪獣娘』2期のラジオ番組である「ウルトラ怪獣ラジオ化計画」でも紹介されたのだが、この回のゲストであった諏訪彩花は元々レッドキングが好きだったとのことで、スカルゴモラの詳細を知った際にはかなり喜んでいた。
また、パーソナリティーを務めた白石稔からは、「今後スカルゴモラが出てくるとしたら、五十嵐ちゃんと諏訪さんの両方に喋ってもらおう」と言われていた(諏訪も「楽しそう!」と割とノリノリであった)。
feat.POP版
現時点ではラインナップには入っていない。
しかし、漫画版『Comic code』では、地球へと出発しようとするジャミラを見送る際、ゴモラとレッドキングがスカルゴモラの一発芸をやるというシーンがある。