「キングビョーゲンさまは倒されてなんかいません~。ちょっと追いつめられただけですぅ~」
CV:伊藤静
概要
『ヒーリングっど♥プリキュア』第2話より登場するビョーゲンズの幹部(テラビョーゲン)の紅一点。
紫色のボブショートヘアに薄い紫色の肌の美女で、頭に生えた悪魔のような2本の角と、サソリのような尻尾が特徴的。
ビョーゲンズの幹部の共通点として、赤錆色のロングコートに首のチョーカーを身に付けている。メガビョーゲンの上位種テラビョーゲンの一人である。
メガビョーゲンを発生させる時は投げキッスの仕草をする。生み出す場所は主に水回りに因んだポイントだが、他の2人と同様にそれ以外のポイントからも生み出す場合もある。
人物
愛執の悪女
首領であるキングビョーゲンに対して、単なる忠誠心を超えた強い好意を抱いている。
第一話時点でキングビョーゲンは肉体を失っており、影のような存在でしかなく、時に指令の為に部下達に声をかける程度だが、それでもその声を聞くだけでシンドイーネは喜びで超ハイテンションになる。逆にキングビョーゲンが声を掛けてくれない時間が長くなるだけで、どんどんやる気をなくしてしまう。
このようなシンドイーネの態度は「アイドルの熱狂的ファン」に近い感じであり、他のビョーゲンズ幹部は割と引き気味である。
キングビョーゲン以外の相手に対しては、基本的に小悪魔的な性格で上から目線で接し、同僚に対しても例外ではない。しかし自身の称賛には滅法弱く、新幹部のバテテモーダのお世辞に直後は不機嫌だったが、怒涛の称賛の連続に気を良くした。
また、想定外な事態が発生すると、すぐ憤慨して取り乱す事が多い。
更には、アジトでテレビドラマを見ながら、その内容に文句を言うシーンがある。
前述のように、ビョーゲンズ幹部の中では、比較的コミカルな人物に見えるが、人間が大切にしている場所・物を破壊して蝕む事に快感を覚えたり、同僚のバテテモーダの殉職にも喜びの意を表明し、その延長線上でライバルは追い落とすべき存在と主張した挙句、それを地でやってのけたりする(詳しくは後述)等、ビョーゲンズの名に恥じない、サディスティックかつ悪趣味極まりない趣向を持つ。
但し、バテテモーダが発見したメガパーツに対しては、ダルイゼンやグアイワルのように目に見える形で実験・研究をしておらず(メガパーツ自体もダルイゼンから施されただけで、それより先の思考が止まっている)、キングビョーゲン以外(それがビョーゲンズにとって役に立つ存在であっても)の関心の乏しさから、忠臣の域を悪い意味で超えているように見える。
人称・呼称・言葉遣い・口癖
メガパーツでの進化
メガパーツの機能が判明した19話以降、ダルイゼンやグアイワルは例え最終的にプリキュアに負けたとしても、メガパーツをどうにか活用できないかと試行錯誤を続けていた。
一方、シンドイーネはそう言う「新しい試み」には興味を示さず、ダルイゼンからもらった一個を22話で使ったきりであった(この22話で一個のメガパーツを回収しており、消費分は取り戻している)
第30話においてキングビョーゲンがビョーゲンズ幹部達の前に姿を現した際、メガパーツを使ってテラビョーゲンを生み出す事を実践したダルイゼンを高く評価したり、メガパーツの活用を推進するグアイワルを激励したりと、キングビョーゲンはこの2人に対して好意的な反応を見せていたが、何も手を打たずただ必死にウザアピールを重ねるシンドイーネに対しては叱責するどころかあからさまに無視をし続けた。
事ここに至ってシンドイーネは、『自分がキングビョーゲンから見捨てられた』事に気付き、激しいショックを受ける。
そして、今からでもメガパーツを使って、ダルイゼンやグアイワルよりも手柄を立てようと目論むが、手元にあるメガパーツはたった1個。この1個だけで2人を出し抜くような使い方をできないかと必死で考えたシンドイーネは、自らにメガパーツを埋め込んだ。
「わたしが1番になるのよ…… キングビョーゲンさまの1番にッ!!」
これで何が起こるかシンドイーネも予想等しておらず、拙速と自暴自棄の決断であった。
視聴者からはプリキュアシリーズの幹部の末路の定番である「暴走による怪物化」が予想されたが、それに反してなんとシンドイーネは順当なパワーアップを果たす。
そのパワーアップにより、シンドイーネは新たなる力を手に入れた。それは、エレメントさんを素体にしたメガビョーゲンではなく、人間を素体にした「ギガビョーゲン」を作り出す力だ。
その手始めとして動物園に訪れた円山孝太を対象に、ナノビョーゲンを埋め込もうとするも、彼を庇った円山教生に埋め込む結果となる。先の戦いでプリキュアが疲弊しているであろうタイミングで行われているプリキュアシリーズ全体で見ても珍しい展開となった。
パワーアップ後はティアラやイヤリングが追加されて、見た目がゴージャスになっている。また、コスチュームの着こなしが、より妖艶な感じに変化している。
また、左目にある水色の装飾は涙のような形状となっており、『キングビョーゲンに見捨てられた事に対する悲しみ』を現しているのだろう。
因みにこの回は『みんな違ってみんないい』を扱っていただけに、まるで成長していなかった彼女がその言葉通り、2人とは異なるメガパーツ運用方法をようやく確立させた事となるが、他の幹部も彼女に続いて同じ方法でパワーアップした為、彼女の働きが相対的に下がる結果となった。
第36話において、メガビョーゲンをメガっちと呼び、プリキュア達をアリキュア、チリキュア呼ばわりした。
シンドイーネ曰く、アリキュアとは「蟻のようにちっぽけ」、チリキュアとは「チリのようにちっぽけ」と言う意味との事。
冷徹なるキングビョーゲンのしもべ
後に起こったグアイワルの反乱で、キングビョーゲンがプリキュアに討たれた際は、テラビョーゲンに進化した直後にキングビョーゲンとの出会いと、キングビョーゲンから『シンドイーネ』の名前を戴いたと言う、愛執の切っ掛けを思い出していた。
しかし、キングビョーゲンが完全に滅んでいない事を知るや、キンググアイワルに就く風に装い、キングビョーゲンの復活をサポートしそれに成功。
その後、復活したキングビョーゲンが更なる力を得るべく、ダルイゼンを取り込む事を明言した為、ダルイゼンは死に物狂いで逃走した……が、シンドイーネは「ダルイゼンを取り込む」と言ったキングビョーゲンを制する事なく無言で肯定するだけで、ダルイゼンを助ける素振りすら見せなかった。恐らく上記のグアイワルの反乱に、ダルイゼンがこれと言って反論・批判をしなかったからと思われ、既にキングビョーゲン以外は眼中に入っていない状態と化している。
そして、ダルイゼンを取り逃がしたキングビョーゲンに対し「ダルイゼンではなく、このシンドイーネを取り込んで下さい!(要約)」と自分から提案すると、キングビョーゲンにその身を捧げ尽くす事に酔い痴れていた。
暫くしてプリキュアとの戦闘で、半死半生に陥ったダルイゼンを発見するや、容赦なくキングビョーゲンにダルイゼンの所在を報告した。
同然エピソードはキュアグレース、ダルイゼンがそろって「自分の心と体は自分だけのもの」と宣言するのだが、シンドイーネは上記の通り『キングビョーゲンの為に容易く自分の全てを捧げようとした』と、文字通り反転した言動を見せていた。
偏愛の末に……
ネオキングビョーゲンの命令を受け、プリキュアの抹殺に動くシンドイーネ。
プリキュアはネオキングビョーゲンへの対抗手段に、メガパーツをキュアアースに取り込ませ、ビョーゲンの力にエレメントを混ぜ混み放つ計画を立て、その為にシンドイーネが持つメガパーツを得ようとしたが、プリキュアの思惑を聞いたシンドイーネは、計画を阻まんと即座に残りのメガパーツを自身に投与し、更なる進化(衣装の半分以上が金属製の鎧と化している)に至りプリキュアを圧倒した。
だが、キュアスパークルの「あっ!? あっちに『キングビョーゲン』が!!」の発言に「自分はグアイワルと違ってかからない」と看破したかと思いきや、「今は『キングビョーゲン』様じゃなくて『ネオキングビョーゲン』様よ!!」と今の主の名前を間違えている事に憤慨し気を取られた事で形勢逆転、浄化技を受けるも初期の姿でどうにか生き延びた。
しかし、上記の計画の為、プリキュアはラテの提案でヒーリングオアシスをシンドイーネに放ち、遂に彼女は浄化された。
そして、シンドイーネの力の残滓はキュアアースに取り込まれ、遂にネオキングビョーゲンとの決戦の火蓋が切って落とされた。
敬愛する主の恩寵を受け、取り込まれる事なく存在した為にプリキュアに討たれた上、主に対する攻略の糸口となるのは、シンドイーネにとって皮肉にして痛恨の極みであろう。
余談
モチーフ
ビョーゲンズ幹部達の名前は、病気になった時の体調を表す言葉から取られており、シンドイーネの場合はシンプルに「しんどいね」から由来されている。
ただしシリーズ構成担当の香村純子によると、彼女の名前には推しを好きすぎると言う、スラングとしての「しんどい」の意味合いも含まれているとのこと。
水属性のメガビョーゲンの殆どを召喚している点から、ウンディーネにも掛けられているのかもしれない。メガパーツ登場以降の扱いは、第30話まで「考えるのもシンドイーネ」と言う皮肉にもなっている。
演者について
演じる伊藤静氏は、過去に『ふたりはプリキュアSplash☆Star』で泉田と横井、『ハートキャッチプリキュア』で来海ももかを演じていて、プリキュアシリーズへの出演は、本作で三度目となる。
これまではサブキャラの役だったが今回は敵キャラ役での再登板である。
関連イラスト
関連タグ
プリキュア関連
- カワリーノ、アナコンディ、ファルセット、ジョーカー、クローズ、ヤモー、ビブリー:仕える主に対して、忠誠心が異常な程高い敵幹部繋がり。
- パップル:怪物を投げキッスで召喚させる敵幹部繋がり。女性語を頻繫に使い、どことなく憎めないところも共通している。
- シャット:初期3人の内で因縁も野心もなく、ただ1人蚊帳の外感が強かった敵幹部繋がり。彼はその立場故に最終的には組織を抜ける決意を固めたのだが、彼女は逆にその立場が死亡フラグと疑われている(但し、死亡フラグめいた言動は、グアイワルもしているように見えるが)。
ニチアサ関連
- ナリア:『動物戦隊ジュウオウジャー』の敵幹部で、仕える主に狂信かつ心酔している女性幹部繋がり。尚、本作のシリーズ構成を務める香村純子がメインで関わっている作品でもある。中の人は7作前の青キュア。
- ケガレシア:『炎神戦隊ゴーオンジャー』の敵幹部で、同じく水の汚染に関する怪人を生み出す。