概要
『月刊ヒーローズ』で連載中の漫画『仮面ライダークウガ』のこと。平成ライダー第1作として鮮烈のデビューを飾った同名の特撮番組のリメイク…を通り越したリ・イマジネーション漫画。
単行本は2019年8月現在第12巻まで発売中。
脚本は、原作の全49話中9話(うち第33話のみ荒川稔久との合同脚本)を担当した平成ライダー名物の井上敏樹が手掛ける。そのため、原作の陰鬱な雰囲気をこれでもかと強調した凄まじいシナリオになっている他、昭和ライダーへのオマージュも見て取れる。
作画担当は横島一。
多くのキャラクターが実際の俳優の枠を超えた姿にリ・デザインされており、内容も西暦2015年が舞台となっている。
あくまで『仮面ライダークウガ』の物語であるため、それ以外のライダーは一切登場せず、そもそも「仮面ライダー」という単語も原作同様全く登場しない…かに思われていた、最初は。
また、悪の怪人「グロンギ」の設定も原作とは大きく異なる。
こうした大胆な変化について、井上氏は企画段階で、「放送当時に視聴していた年齢層には、ヒーローが一人しかいない画面は地味に受け取られてしまう」と発言したとのこと。
一方、企画としてクレジットされている白倉伸一郎は、「井上はクウガのメインライターではなかったため、自分の独自色だけを出した状態を『原作と同じ』と主張することに抵抗があるのではないか」とも発言している。そのため話の大筋自体は、原作をなぞったものに落ち着いている。
登場人物
リント
2015の技を持つ冒険家。変な髪形。グロンギと闘う決意をし、リクからグロンギの記憶と戦士クウガの力を受け継いだ。
平和主義ながらも、原作のように暴力を嫌う一面はあまりクローズアップされておらず、序盤では怒りにかられて闇雲に突っ込む場面も。
警視庁捜査一課の敏腕刑事。本作のもう一人の主人公で、基本的に彼の視点で物語は進む。
剣道の達人で、キャラクター造形にもその点が大きく反映されており、物事を常に公平・正確な観点で見定める「正眼の構え」を重要視している。
一条の同僚。原作同様寂しい髪。
五代の友人の考古学者。ゴオマに襲われるがクウガによって助けられる。
科警研の女科学者。ヘビースモーカーであり、原作よりちょっと色っぽい。ややマッドな一面を垣間見せるところもある変人。四号の力を再現したスーツの開発を提案しているが…?
人々をグロンギから守る謎の怪人。蘇ったズ・グムン・バを弱体フォームである白の形態で倒すという活躍を見せたが、その正体は…。
駿河徹也
本作オリジナルの人物。一条の旧友であり、海外で傭兵を営んでいた。常に飄々とした態度を取る狙撃の名手。自分自身を「武器」と見なしており、刀鍛治からグロンギを殺しうる武器として名刀「雷切」を頂戴する。
井上脚本のナルシストキャラクターらしい振る舞いを多々見せる。
今のところ科警研等から新しいオモチャを頂戴する→概ね歯が立たず逃走を許す若しくは見せ場を一条か五代に譲るを流れを繰り返しているが全く焦る様子は見せず暗躍を続けている。
名前の元ネタはおそらく彼。
刑務所に捕えられていた女性。濡れ衣を着せられたと主張していたが、ドルド一味に捕えられて実験台にされてしまう。しかし一命をとりとめ、脱走し弟と再会を果たした。
パン屋で働く好青年。元は仮面ライダーアギトの主人公だが…?
雄介の妹。明るい性格だが、登場して1話でクウガの正体を知って愕然とする。
土倉さやか(高野玲子)
翔一が知り合った地下アイドル「テルテルガールズ」のメンバーである少女。常にどこぞのアイドルを思わせるヘンテコな口調で話す明るい性格。
幼少期に母親に虐待を受けて以降、彼女の味方として「はるか」という粗暴な人格が生まれ、悪意に反応しては報復するという行動を取っていたが、次第にはるかも表に出てこなくなった…はずだったが…?
また、はるかが表に出てこなくとも残虐な面が見え隠れしており、赤ん坊がジイノのゲゲルのキーだという事に感づくとライブを邪魔された事もあり、容赦無く殺そうとした事もあったり、殺し損ねたパン屋の店長を刃物をフル装備して殺しにかかった事も。(曰く、翔一の大事な人は皆殺しらしい。)…どっちがグロンギかわかったもんではない。
グロンギ
原作終盤の服に原作初期の髪型を載せたようなド派手なデザイン。ズ集団を蘇らせた張本人。銀髪巨乳。
ゲゲルのゲームマスター。人間として刑務所に入れられていたが、囚人たちを手名付けて脱走した。どうやらグロンギを倒せるものについて知っているようだ。
原作に登場しない人間態が描かれている。
腕は4本存在し、かなりヒョロリとした体躯を有する。糸を吐いて相手を縛り、猛毒で溶かして体液を啜る習性を持つ。列車内で乗客を襲撃し、全員を食い殺すと東京で暴れ回る。
神父を殺害して成りすまし、若い女を攫い殺すというゲゲルを敢行。血を吸われた人間はゴオマによって操られるゾンビと化し、日光を浴びると死んでしまう。ゲゲルの失敗によりバルバからの制裁を受ける。
ダウナーっぽい外見の少女。肺が弱いというグロンギ共通の弱点を最初に明かした人物。
原作同様の獰猛さを有しながらも、外見ではかなり可愛らしいデフォルメがされており、リントの文化を理解できず首をかしげるなど、いわゆる萌えキャラ的なコミカルさを見せる場面も。
バヅー戦死後、バルバからの指定を受け「2日で30人を殺す」ゲゲルを行う。
怪人態はかなり脚が長い奇抜な外見。ゴオマを退けた翌日、五代の眼前で白昼堂々ゲゲルを敢行する。
バンダナを巻いたサングラスの大男。リントの文化に染まっており、煙草を嗜んだり、けん玉を持ち出したりしている。好物は焼き芋。醜い人間の心につけ込もうとする。
権利がメ集団に移行したことに不満を募らせ、勝手にゲゲルを開始する。
より爬虫類的なデザインにリファインされており、ウザさも三割増し。掌を返したかの如くザインを嘲り、粛正を下す。
勝手にゲゲルを開始したことでバルバから見捨てられる。
硬派でストイックな実力者。ビランの処刑を依頼される。
イケメンのストリートミュージシャンに化け、女性を次々毒殺する。
原作と異なり無駄な殺戮を嫌う温和な性格。
嘗て重傷を負って眠りについた場所に埋められた桜の木に心を洗われて温和になって現代に覚醒。ゲゲルを行うことを拒み逃亡したため、グロンギから狙われる生活を送る。やがて五代と知り合い、互いに惹かれあってゆくのだが…。
人間態は原作よりちょっと若く目つきも優し気。
天井を這い回るなどクリーチャーっぽさが増しており、引きこもり野郎だった原作に比べアクティブ。
目立ちたがり屋の道化。50円硬貨に興味を示している。大道芸を披露し、それに対して喜びお金をくれたギャラリーには手を出さないという独自のルールを課している。
いきなりゴのファーストプレイヤー。裏切者のガリマを特別点として抹殺を図る。
原典同様ギャンブラー。
ハイパーバトルビデオから参戦。バイト先のコンビニのトイレで拾った赤ん坊を世話しながらゲゲルを行う。
意匠が大幅に変更され不気味さが増している。
「円」に拘りを示すなど、知的な部分は健在。
筋肉質の大男
ゴ集団のグロンギ。おそらく正体は…
パンクな若者
ゴ集団のグロンギ。おそらく正体は…
黒髪の女
ゴ集団のグロンギ。穏やかな物腰で頭巾のような物を被っている。おそらく正体は…
軍服を着た男
ゴ集団のグロンギ。おそらく正体は…
他のゴ集団のグロンギ達が陽動を行っている際に雄介の前に現れた人物。
誠実な性格で、その目的も交渉の為。
彼の言葉を聞いた雄介は「嘘をついていないのがわかる」と本能的に察知した。
しかし交渉は決裂、雄介が強行突破を選んだために彼と戦闘。
人間態のまま片手で放った攻撃でクウガを一撃で変身解除させた。
ン・ダグバ・ゼバ/瀬羽卓真
襟裳岬に裸の状態で流れ着いた、優し気な風貌の少年。
連続殺人犯「Q」との関連が疑われており警察からマークされているが、記憶喪失と同時に失語症を患っているようで、まともに事情聴取ができない状態だった。
ある日、看護師に連れられて行った展望台で突如失語症が快復、看護師に促され、唯一思い出した自身の名を口にする。
その後は記憶喪失の快復のためのセラピーとして、養護施設「あらぶき学園」にて「ダグバ・ゼバ」を捩った「瀬羽卓真」の名で暮らすこととなる。
軍服の男の独白によれば、彼が今の状態となったのはつい最近のことのようだが…?
メ・ゴリギ・バ
まさかの特撮版未登場個体が登場。
人間態は舌にゴキブリのタトゥーを入れたスキンヘッドの男性。
「男女の双子をまとめて殺す」というルールのゲゲルを始めようとしていたが、事前に存在を察知され、G3装着状態の一条、雷切装備の駿河、クウガ・マイティフォームのコンビネーションという明らかなオーバーキルで瞬殺された。
クウガをひるませるレベルの戦闘能力はあったのでそれなりに強かったものと思われるが、流石に相手が悪すぎた。
べ集団のグロンギ達
グロンギ全体の中で最下層に位置する存在で、固有の名前と怪人体を持たない奴隷階級。
「ゴ」のグロンギ達に憂さ晴らし目的で虐殺されるなど扱いは悲惨なもの。
作中ではとある兄弟が「ヌ」のグロンギ達が作っていた武器を持ち出し反乱を起こす。
ヌ・アゴン・ギ
人間態は体格の良い髭面の男性。
他の「ヌ」のグロンギを取りまとめる役割を担っている模様。
彼自身はゲゲルを行えず、武器を作り続けるのみという自分たちの扱いに、思うところがあるようだが…。
後に、「ゴ」の一同の自らに対する扱いに憤慨し「ベ」の兄弟を利用して反乱を起こす。
関連項目
Over Quartzer:本作品のクウガが登場。