「愛していたから。あなたのこと…ずうっと愛していたから」
データ
概要
超古代遺跡ルルイエに封印されていた闇の巨人のリーダーで、かつてのティガダークことウルトラマンティガの恋人。
3000万年前にティガダーク、ダーラム、ヒュドラとともに超古代の文明を滅ぼした張本人である。
モチーフは恐らくクトゥルフ神話小説『タイサス・クロウ・サーガ』シリーズに登場する邪神クトゥルフの娘クティーラ。名前の由来は吸血鬼カーミラからか。
武器は氷の鞭カミーラウィップと氷の刃アイゾード。また人間態時には電撃を放つこともできる。
容姿は他がどこか怪物じみていてとても元・光の巨人だとは思えない仲間二人と比べて、一番ウルトラマンらしい外見をしている。プロテクターは平成三部作のウルトラマンの中では異色な胸を囲うようなたすき掛けとなっており、プロテクターが襷掛けのようにデザインされたウルトラマンはウルトラマントリガーパワータイプまで登場していなかった。
かつて自分が愛した闇のティガを蘇らせるべくダイゴにブラックスパークレンスを渡しルルイエへいざなうが、彼女の意と反してダイゴは正義の心のままティガダークに変身してしまう。
ダーラム、ヒュドラを倒され、ティガが段々光を取り戻していく中ついに金色のスパークレンスを使用して変身。自らティガと対峙する。
しかし、戦いの中でティガが完全に光を取り戻したうえに今のティガ(ダイゴ)には自分以外に愛する者(ヤナセ・レナ)がいるという事実を突きつけられ、「そんな女のために…!3000万年前はユザレ…そして今は…!」と嫉妬で激怒しながらカミーラウィップでレナ(の乗機)を庇ったティガを滅多打ち。しかしティガがそうまで変わり果ててしまったことに逆に吹っ切れ、「これで思う存分、お前を、殺せる」とティガとの決別と殺意を心に定める。
そして、ルルイエの闇とガタノゾーアの残留思念を取り込み、デモンゾーアへと変貌し、一度はティガを倒すが、ティガが朽ち果てた巨人たちの光でグリッターティガとして復活。なおも憎しみを燃え上がらせて攻撃を続け、ティガを触手で取り込もうとするも、デモンゾーアの体内でティガがゼラデスビームを放ったことで敗北し致命傷を負った。
最後は人間の姿でかつて自分が愛したティガ(ダイゴ)に「光…私も…欲しかった」と言い残し、彼に看取られながら静かに息を引き取った。
なお、ティガの元恋人という設定ではあるが、より正確には3000万年前にティガダークに変身していた人物の恋人であると思われる。
というのも、劇中のカミーラ達はマドカ・ダイゴをまるでかつてティガダークの変身者と同一人物であるかのように扱っていたが、実際には現在のティガの変身者であるダイゴはかつてのティガダークの変身者とはほとんど関係がない赤の他人である(一応ダイゴやイルマのご先祖様の種族ではあるが、逆に言えばそれくらいしか接点はない)。
ダイゴからしてみれば完全に人違いのとばっちりも良いところだが、何故カミーラ達が別人である筈のダイゴをあのように扱っていたのかは謎である。
これについては、
- カミーラ達は長い間封印されていたためティガの変身者が変わっている事を知らなかった
- ダイゴがかつてのティガダークの変身者に瓜二つであった為に勘違いをしていた
- カミーラ達にとってはティガダークという『ガワ』の存在こそが重要であり、変身者の方はたとえ赤の他人であろうがどうでも良かった
などファンの間でも色々な説が上げられている。
派生作品では
大怪獣バトルRR
このシリーズではストーリーモードが廃止されている為、詳しい背景は不明だが、何らかの方法で復活。
EXラウンドで出現し、ガタノゾーアを使って再び世界を闇で覆い尽くそうと目論む。
プレイアブルキャラクターとしても参戦しており、ティガと共闘させる事も出来る。
ウルトラヒーローズEXPO2017バトルステージ
あくまで地球の救世主となるのは「光の力」ではなく「闇の力」であるとし、ジャグラスジャグラーに東京ドーム地下に眠る邪悪な結界の力を与え、ジャグラーを「闇の支配者」へと仕立てあげようとした。人間体は喪服のような衣装を身にまとった女性で、いわゆるヒーローショーのお姉さんとしての役割を持っており、子供達にジャグラーを応援するよう嗾すシーンも。
利用できるものなら光の力でも利用しようとするジャグラーの心意気に感服しており、ジャグラーを助けようと加勢するも、マガタノオロチに喰らわれてその眷属と化してしまう。最終決戦ではスペシウムゼペリオンと交戦し、渾身の手刀を受けて敗れた。その姿にかつての恋人の面影を見ていた。
スーパーヒーロージェネレーション
CVは原作と同じく芳本氏が担当している。
ムサボルデスによってルルイエから部下の巨人たちと共に復活。
1面ステージのボスであり、倒してもデモンゾーアにはならない。
一方で『ロストヒーローズ2』ではデモンゾーアが登場する一方でカミーラは登場しない。
ダークネスヒールズ
2018年に悪のウルトラマンのチームである「ダークネスヒールズ」の一員となり、ウルトラマンベリアル、ジャグラスジャグラー(魔人態)、イーヴィルティガ、ダークザギと共に各種イベントに登壇している。ちなみに、チーム内唯一の女性戦士でもある。
本企画では全編を通して比較的良心的で穏やかな性格になっており、人間としての生活・交流に戸惑ったり、逆に人間の生活に興味を示したりと可愛らしい面を垣間見せる事も多い。人間としての姿に慣れて以降は、かつて闇の巨人たちを従えていた時の経験もあってか、突っ走りがちな他のメンバーを諫める立場に回ることも多くなり、一行の常識人ポジションとしての地位が定着している(漫画版ではベリアルの保護者と勘違いされた)。
原典やショー等では冷酷な悪女といった雰囲気で描かれるために、この変更点に戸惑うファンもいるが、これは愛憎の対象であったティガがいないため、若しくはティガには既に愛する人がおり、今更自分が入り込む余地などないことを身を以て知ったためとも考えられる。
闇堕ち前の彼女の本来の性格はこんな感じだったとも解釈できるだろう。
DARKNESSHEELS_THE_LIVE
舞台版では惑星テリオの指導者ヒュース・アーディの実験で人間として蘇生させられた(そのため、姿こそ変わっているが原典のカミーラとは同一の存在である)が、研究所を脱走。流れ着いた惑星アバンを成り行きから護り、ロレッテ家に引き取られて居候として生活する事になった。しかし、そこに同じくヒュースの手によって人間として蘇らされたウルトラマンベリアルが現れた事で物語が動き始める。
自然と調和して暮らす惑星アバンの民を好ましく感じ、彼らを護りたいと考えるなど善人寄りに描かれているが、一方で自然を汚していた超古代文明を滅ぼしたこと自体はあまり後悔していない模様。
戦闘時はアイゾードによる剣技のほか、掌をかざして電撃を発したり、アイゾードを弓のように構えて無数の雷撃を発射する技を使用する。カミーラウィップは舞台での再現が困難だった為か使用していない。
DARKNESSHEELS-Lili-
「…それ以上 私の前で 愛を吠えるな!!」
「…愛のために 危険に身を投じる
守るために 愛が必要…
愛を求めたその先に… 何があると思う…?
裏切りだ」
続編の漫画版でも登場。
ベリアルと並ぶダークネスヒールズの中心的存在として描かれる。
本作では何らかの目的のために物語の舞台である惑星フースに滞在しており(闇の巨人としての力を封じられている以上、自力での脱出は困難であるため事実上の幽閉とも言えるが)、そこでひょんなことから腐れ縁のベリアルと再会。拘留された彼の釈放を巡って主人公のリリ・アーカイヴと知り合う。
過労で倒れたベリアルに食べ物を分け与えたり(自分の分も食われたが…)、リリを殺そうと襲い掛かったベリアルをクロスカウンターで一発KOして止めたり、ゲオザークとの戦いで負傷したリリを自宅代わりにしている借家に連れて帰って介抱するなど、やはり性格は善人寄りで、面倒見の良い姉御肌。
また、拠点となる住居を借りて生活しており、当初はベリアルの保釈金や生活資金を稼ぐため闇のコロシアムで駆けファイトを行い、そこからファイトマネーを貰っていた(ただし、第2話でコロシアムに出場していた青年:メイスの命を救うために闘技場を完全に破壊してしまったためにこの手段は使えなくなった)。
力の殆どを失った人間態でありながらも、(通常より小さいとはいえ)狂暴な肉食怪獣であるダイゲルンをたった21秒で倒す等、戦闘力は高い。
第2話では、自分を庇って闘うリリの姿から光を感じ取り、出現したスパークレンスを使って一時的にではあるが闇の巨人としての姿と力を取り戻した。
人間としての生活にも大分慣れ、見聞を深めてきたこともあってか、舞台版の時と比べるとだいぶ饒舌になっており、相手を諭すような言動も多くみられる(ベリアルからも「随分とお喋りになったじゃないか」と言われていた)。
基本的には常識人ポジションであるが、パンのことをいちいち「粉末にした小麦に水と菌を混ぜて焼いた物」という回りくどい言い方で表現したり(この際、相手から「パンだろ」とツッコまれる)、保釈金の制度についても詳しく知らなかったことなどから、超古代の文明にはなかった物や制度に関する知識には疎いようである。
また、過去にティガとの悲劇的な別れを経験したためか、誰かを愛したとしても最終的に待っているのは裏切りであるという、恋愛というものに関してはある種徹底的なまでに消極的な見識を持っている。それゆえ、他人事であっても恋愛が絡む話を耳にすると普段の冷静さを失い、感情的になることもあった。
しかしながら、それでも自分の考えを相手に押し付けたり、原作のようにヤンデレ染みた面を見せることはなく、メイスに対しては遠回しにではあるが「こんな所で命を無駄にしていないで、恋人の側にいてあげなさい」とも取れる言い回しをしている事から彼女なりの優しさが垣間見える。
また、自分のことを「光をつかみ損ねた哀れな闇」と自嘲気味に述べるなど、劇場版で今際の際に見せていた光の力への一抹の未練のようなものを今も持つ続けているようである。
一応、本編や舞台版のカミーラとは同一の存在であるが、上掲の画像を見ての通り、漫画版の著者が著者なだけあってか、本編や舞台版の人間態と比べると大胆なアレンジがされており、肩と右足は勿論、胸元が開いて大胆に谷間が露わになっているという、やたらエロい格好をしている。
普段は白い布の様な物を羽織っているが、それでも十分な程にセクシーで、戦闘ではこの帯をカミーラウィップの代わりに武器として使用するので露出度が一気に上がる。
原作とは正反対の良き姉御っぷりを見せていることから、同作に登場するキャラクターの中でも特に人気が高い。
尚、ティガのリブート作品である『ウルトラマントリガー』が発表された際、著者のTwitterでティガのそっくりさんと自分のそっくりさんを見て困惑するカミーラが投稿された。
『ヒーローズオデッセイ』最終話でカミーラが取り上げられた際には、劇場版仕様のカミーラのイラストも描いている。
そして、ウルトラマントリガー放送開始日に掲載されたイラストはトリガーに対して殺気がダダ漏れのカミーラだった…。
それ以外でも彼女をネタにしたイラストが何度か投稿されているので、著者も彼女のことをとても気に入っているらしい。
余談
平成ウルトラシリーズでは初のウルトラウーマンにして、同時にシリーズでも極めて珍しい悪のウルトラウーマンでもある。その後、劇場版『ウルトラマンR/B セレクト!絆のクリスタル』にて登場したウルトラウーマングリージョは、平成最後のウルトラウーマンにして家族から愛される味方サイドのキャラクターであるという点でカミーラとは正反対である。
また、体色が黄色メインのウルトラ戦士も今のところ彼女だけである(善のウルトラマンで黄色メインのものは存在しなかったが、17年後、ゲームオリジナル形態のウルトラマンが登場した)。
カミーラ役を演じた芳本美代子は当時31歳で、ウルトラマンに変身する役を演じた女性俳優としては最年長だったが、その後、『ウルトラマンX』で橘さゆりを演じた月船さららが40歳で記録を更新した。
脚本を担当した長谷川圭一は、カミーラのコンセプトを「美しい敵」としているが、『ウルトラマンガイア』に登場したゾグ第1形態でも同様の提案をしていたため、神々しい「静」のイメージのゾグに対しカミーラを攻撃的な「動」のキャラクターとしている。
初期脚本「光よ、永遠に」では北極海に現れ、ルルイエの巨人像と一体化するという展開だった。
元が光の勢力の為か、ソフビは部下二人と同じくウルトラヒーローシリーズから販売されており、ちゃっかり専用ロゴまで作られている。if展開として正義の味方という設定でブンドドするのもアリだろう(現在はウルトラ怪獣シリーズから販売されている)。ちなみに現在はウルトラ怪獣シリーズから発売されているイーヴィルティガもかつてはウルトラヒーローシリーズからの発売であった。
貴重な「悪のウルトラウーマン」である為か、上記のダークネスヒールズを筆頭に、ヒーローショー等をはじめとするイベントの出演は仲間のダーラム、ヒュドラを差し置いてかなり多い。
ウルトラヒーローズEXPO2019では実質平成初のウルトラウーマンであるグリージョと「悪」vs「善」のウルトラウーマン同士の対決が実現した。
人間体のヘアメイクは、変身後の頭部の飾りと頬の涙の痕を共通の要素として入れている。
丸山浩が手掛けた初の女性ウルトラマンで、猫耳をアレンジしたボブカットの頭部に、涙の迹をイメージした頬のラインを入れており、人間体でも同様の頬のラインを入れている。
ちなみにヌークが人類を滅びから守る為にギジェラを倒そうとする現代のティガに「人間の選択にまで干渉した光の巨人は、ティガ、君が初めてだ」と述べていたように、本来は光の巨人は文明に過度に干渉しないものだが、元々は光の巨人であるカミーラ達も文明を直接滅ぼすという形で文明に干渉している(その頃には既に闇落ちしていた為、ヌークの言葉に矛盾はない)。人類を守る為か、滅ぼす為に干渉したかという違いはあれど、案外似た者同士なのかもしれない。
文明に干渉した結果、光の勢力から闇の戦士になった戦士は後輩に1名該当し、彼もカミーラ同様にダークネスヒールズのメンバーである。彼もまた、後続作品で心にある善性を捨てきれない様子が描かれている。
関連タグ
紅一点 常識人 姉御肌 - ダークネスヒールズにおける彼女の立ち位置
カルミラ:ウルトラマントリガーに登場する彼女をリブートした巨人。