概要
『仮面ライダー龍騎』は、仮面ライダー史上初めてカードバトルの概念を導入した作品である。
登場する仮面ライダーたちは、バイザーと総称される召喚機に特殊なカード『アドベントカード』を挿入(ベントイン)し、読み込ませることで武器を出現させたり(アドベント)、特殊な能力を使ったりする。
ベントインしなくても翳すだけで効果を発揮するカードもあり、例えば浅倉はアドベント(メタルゲラス)を咥えていた事で脱走しているなどの事例がある。
一度の変身で同じカードを何回も使用することはできない。ただし同じカードを複数持っている場合や、カードを再使用できる効果のカードを使った場合などの例外はある(また、ファイナルベント使用時に必要な武器を持ってない場合は自動召喚される)。
ほぼ全てのカード(サバイブ、コントラクト、シールを除く)に「○○ベント(VENT)」と統一された名称がある。
全てのライダーデッキに共通して入っているのは、モンスターと契約した証であるアドベント(ブランク体はコントラクト)と必殺技用のファイナルベントの2種類のみで、残りはライダーごとに異なる構成となっている。
カードの種類は以下の3つに大別される。
- ストライクベントやガードベントなど、契約モンスターの身体各部を象った戦闘装備を召喚するタイプ
- トリックベントやタイムベントなど、特殊能力を発動したり特殊現象を発生させて戦況を動かすタイプ
- 必殺技を発動する最大の切り札『ファイナルベント』
デッキに含まれるアドベントカードの構成・性能は契約モンスターに左右される。モンスターによっては所持カードがストライクベント(設定上は複数所持)、ガードベント、アドベント、ファイナルベントのみで特殊カードは無く、カードスペックも最低級なんてことに。
カードの左上にはそれぞれのライダーの契約の紋章(ライダーズクレスト)が刻まれており、その紋章のライダーしかそのカードの恩恵を受けることはできない。仮に武器カードを他のライダーがベントインしても、本来の所有者にその武器が装備される(実際第26話では、龍騎がゾルダからシュートベントのカードを渡され、貸してくれたと思って嬉々としてベントインするも、ゾルダの方にギガキャノンが装備されて驚くというシーンがある。勿論ゾルダは確信犯)。
ただし、クレストが◯マークになっているカード(サバイブ等)はベントインしたライダーに効果を発揮する。
パラレルワールドにあたる龍騎の世界では辰巳シンジがオーディンの紋章が付いたタイムベントのカードを問題なく使用できているが、これについては作品が作品であるため深く考えてはいけないのかもしれない。
この他、複数の別種モンスターと追加契約している王蛇は紋章の設定にブレがある。王蛇と契約し直して以降のエビルダイバーとメタルゲラスのカードの紋章は王蛇の紋章に変わっており、DVDの映像特典でも王蛇の紋章に変更されたバージョンが確認できる。しかし、回によってはライアやガイの紋章のままになっているパターンもあるので意図的なものか、ミスなのか判別しづらい(参考動画)。
材質は何なのか未だに不明だが、頑丈さは紙と大して変わらないらしく、第2話では真司が優衣から渡されたシールのカードを普通に破り捨てている。
第16話では芝浦淳がドラグレッダーのADVENTを奪い取ってライターで燃やそうとしたり、第24話予告では蓮がエビルダイバーのADVENTをライターで焼くシーンがあるなど燃やすという手段も有効らしい。
なお、端子部(というよりバーコード?)は通常形態のものは黄金、サバイブが使用するものは赤色となっている。
能力値
攻撃に使用するカードには「AP」、ガードベントには「GP」というポイントが存在し、20ポイントが1tの攻撃/耐久力とされている。
APはアタックポイント、GPはガードポイントの略で、APは攻撃する際に一撃で与えられる最大威力、GPは防具が耐え得る一撃の最大威力と推察される。
一覧
カード名称 | 日本語名 | 効果・詳細 |
---|---|---|
ADVENT | アドベント | 契約モンスターを召喚する。契約の証でもあり、破れたりすると契約が解除される(タイムベントによる巻き戻しも同様)。 |
SWORD VENT | ソードベント | 剣や刀を召喚する。 |
STRIKE VENT | ストライクベント | 腕にはめるタイプの武器(分類としては籠手にあたる)を召喚する。 |
SHOOT VENT | シュートベント | 射撃武器を召喚したり、遠距離攻撃技を発動したりする。 |
GUARD VENT | ガードベント | 盾などの防具を召喚したり、契約モンスターに攻撃を防がせたりする。 |
SPIN VENT | スピンベント | 螺旋状の武器(劇中ではドリル型が登場)を召喚する。 |
SWING VENT | スイングベント | 振り回して攻撃するリーチの長い武器(劇中ではムチ型が登場)を召喚する。 |
HOLD VENT | ホールドベント | 相手を拘束する武器(劇中ではヨーヨー型が登場)を召喚する。 |
NASTY VENT | ナスティベント | 超音波を放ち相手を撹乱する。 |
TRICK VENT | トリックベント | 分身を作り出す「シャドーイリュージョン」を発動。 |
BLAST VENT | ブラストベント | 突風を起こして相手を吹き飛ばす。 |
COPY VENT | コピーベント | 敵の姿や装備、能力をコピーする。 |
CONFINE VENT | コンファインベント | 相手が発動したカードの能力を無効化する。 |
UNITE VENT | ユナイトベント | 契約モンスターを合体させる。 |
STEAL VENT | スチールベント | 敵の持つアイテムを自分の手元にテレポートさせる。 |
FREEZE VENT | フリーズベント | 敵を凍結させて動きを止める。 |
RETURN VENT | リターンベント | コンファインベントで無効化されたカードを復活させる。 |
CLEAR VENT | クリアーベント | 透明化する。自分だけでなく、触れているものにも適用。 |
TIME VENT | タイムベント | 時間を巻き戻す。 |
FINAL VENT | ファイナルベント | 必殺技を放つ。威力はモンスターの実力に比例。 |
STRANGE VENT | ストレンジベント | 状況に応じて様々なカードに変化する。 |
SURVIVE | サバイブ | ライダーを強化形態へと変身させる。劇中では「疾風」「無限」「烈火」の3枚が存在。 |
WHEEL VENT | ホイールベント | 契約モンスターをバイク形態に変形させる。 |
ACCELE VENT | アクセルベント | 自分自身を加速させる。 |
SEAL | シール | ミラーモンスターの接近や襲撃を阻む。所持しているだけでも有効(ライダーでない人間でなくとも有効)。ブランク体のライダーが所持していた場合、契約する時に消滅する。 |
CONTRACT | コントラクト | ミラーモンスターと契約する。使用後は「ADVENT」のカードに変化。 |
SELECTION1/SELECTION2 | セレクション | TVSPの結末を投票するためのカード。絵柄はコントラクトとシールの流用(放送当時の特殊OPで確認できる) |
※オルタナティブ、オルタナティブ・ゼロが使うカードは擬似アドベントカードである。
『KAMEN RIDER DRAGON KNIGHT』のオリジナルカード
LINK VENT | リンクベント | 複数のライダーと協力して必殺技を放つ。 |
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絵柄がユナイトベントと似ており、同一の物と思われがちだが、比較すると磁石やNSの文字が消え、中央に輪が描かれているため、よく見れば別物だとわかる。
余談だが、『KAMEN_RIDER_DRAGON_KNIGHT』では一部のアドベントカードのカテゴライズが本編とは異なる呼称になっている。
日本語版 | 英語版 |
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ADVENT | ATACK VENT |
SHOOT VENT(ギガキャノン) | LAUNCH VENT |
ACCELE VENT | SPEED VENT |
エンドカード演出
各話の終わりに割れたガラスが再結集し、その回で活躍したカードが表示されるエンドカード演出がある(いわゆる『続く』演出)。
一方で、そもそも劇中に登場すらしていないカード(第44話のスチールベント(王蛇用)など)、カードに描かれたモンスターが活躍したがカードが未登場のパターン(第25話のアドベント(ジェノサイダー)など)、登場するだけで使用されなかった(第5話のアドベント(ボルキャンサー)など)などの例外もある。
なお、この演出は『バトライド・ウォー』シリーズやTVSP『13RIDERS』でも採用された他、類似演出はコレクションアイテム制を採用した以降のライダーシリーズでも採用された(該当作は『剣』、『W』〜『OOO』、『鎧武』〜『ゴースト』、『ビルド』〜『セイバー』)。
随時追加希望
『スーパーヒーロー大戦』
2012年4月公開の特撮ヒーロー映画『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』で、龍騎はゴセイブラックから「REFLEQUARTZ(リフレクオーツ)」のゴセイカードを貸してもらい、使用した。
(バイザーから発せられた音声は「REFLEQUARTZ VENT(リフレクオーツベント)」だった。)
余談だが、この時のドラグバイザーの音声は原作で担当した小山剛志氏のもので違いない(スタッフロールに記載あり)が、10数年の時が経っている為か、当時と比べると声にやや違和感がある。
カードダス
放送当時、カードダスからリリースされたもので、丸大食品のソーセージやカレー、主題歌CD、児童誌、R&Mシリーズのおまけとしても封入されていた。
『変身ベルト Vバックル』や『龍召機甲ドラグバイザー』に対応しており、認識はカード上部の穴で行なっている。
元々がTCGに影響を受けているため、TCGとして遊ぶことも可能であり、属性は剣/羽/岩の三属性になっている。
デザイン自体はAPやGPの表記などは劇中をベースとしつつも、カード名が日本語表記でテキストにはTCGらしい効果テキストやフレーバーテキストが記載されている(サバイブボックス付属のサバイブのカードは劇中に近い仕様となっている)。
また、劇中に登場したカードも玩具化されたが、ヒーローカード(登場人物のカード)、モンスターカード、フォースカード(必殺技や召喚器のカード)の3つに区分されている。
あの悪名高い(?)ギガテクターの初出もこのシリーズである。
バトルスピリッツ
コラボブースター『仮面ライダー 開戦!ライダーウォーズ』に収録されたファイナルベント(CB10-075)のパラレル版として同弾に収録された10人の仮面ライダーのファイナルベントの絵柄がそのまま使用されている。
駈斗戦士
仮面ライダー龍騎の設定を下敷きにしており、食玩には仮面ライダーと契約したモンスターの情報が記述されたカードが同封されている。
また、サバイブカードのオマージュとして迅雷のサバイブと爆炎のサバイブというカードが登場している。
仮面レンアイダー
SMAP×SMAP内で放送された仮面ライダー龍騎のパロディコント。
人妻の要請を受けて沢井(仮面レンアイダー恋騎/演:キムタク)と北村(仮面レンアイダー愛斗/演:香取慎吾)が出動する際におやっさん(岡田真澄)から渡されるカードという設定。
これをドラグバイザーおよびダークバイザーツバイをリデコした召喚器に読み込んで効果を発揮する。
カードデザインも本家に近く、発動する効果は人妻の要望に沿ったシチュに関するものばかり。
余談
二次創作では、時々クウガなどのミラーライダー以外のライダーのデッキやカードも考案されている模様。実に夢の広がる話である。
未使用カードについて
コレクションアイテムの性として、設定上存在するアドベントカードが劇中で全て使用されるとは限らない。
そのうち、特殊な事例として以下のものが確認できる(参考動画)。
- 劇中では武器こそ使用されたが、ベントインのカットが存在しないというパターン
スイングベント(王蛇用)、ストライクベント(リュウガ)、ソードベント(リュウガ)、ホールドベント(ベルデ)が該当する。
これらのベントイン音声と描写はPS版『仮面ライダー龍騎』、『DRAGON KNIGHT』などのメディアで確認可能であり、特にリュウガの保有カードは『RIDER_TIME_龍騎』にて映像作品で初めて全種のベントイン描写がなされた(ブラックドラグバイザーでのベントイン音声(本編準拠)を全て聞くにはゲーム作品をプレイする他なかった為)。
- 劇中でアドベントカードそのものは登場したが、後発作品で初めて使用したというパターン
アドベント(エビルダイバー(ライア用))、アドベント(ボルキャンサー)が該当し、前者は『DRAGON KNIGHT』、後者は『ディケイド』で使用された。
- その他
劇中で未登場だったが、後年の映像作品で使用されたパターンとしてはガードベント(リュウガ)が、ゲームでのみ使用されたパターンとしてはストライクベント(ゾルダ)の例がある。
関連項目
仮面ライダーが使うカード
ライダーカード(仮面ライダーディケイド・仮面ライダーディエンド)
その他
ドルマゲス…第一形態の行動時にベントインの音声が鳴る。
アドベントカード → ラウズカード