データ
別名 | 宇宙戦闘獣 |
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英表記 | Space Combat Beast SUPER-C.O.V |
体長 | 85m |
体重 | 10万7000t |
出身地 | M91恒星系 |
概要
第44話「宇宙怪獣大進撃」に登場。
額から射ち出す光弾と両腕の鎌を戦力に持つ点は同様だが、ワームホールのエネルギーに晒された影響で第1話の個体に比べて戦闘力が大幅に強化され、外見も以下のように変化し、幾分か豪奢な印象になっている。
主な差異は以下の通り。
- 頭部の角が長く、両脇の角が若干短めになり、発光体の数が各一つずつ減少。
- 両肩の肩口を覆うトゲの消失。
- 縦に四つ並んでいた腹部の発光体が三つになり、配置も変化。
- 両足と尻尾の皮膚の色に金色が入る。
- 両脇に青い発光体のついた背鰭(せびれ)が新たに生える。
Before | After |
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コッヴという怪獣の正体
コッヴは複数回に渡って地球を襲撃した結果、根源的破滅招来体の所有する侵略生物兵器と見られていたが、第44話にて、元々コッヴはM91恒星系のとある惑星の固有種にすぎず、破滅招来体の手で母星から無理やり地球に送り込まれ、自分を取り巻く環境が一変して恐怖を覚え、防衛本能から暴れていただけだったという衝撃の事実が判明する。
一方、地球防衛軍G.U.A.R.D.は、XIGとアルケミースターズと共同で、ワームホールをくぐって幾光年先の惑星をも狙い撃ちにして粉砕する「ワームジャンプミサイル」を撃ち込み、コッヴの母星を破壊する作戦の準備に取りかかっていた。地球人側の恐ろしい思い違いに気付いたガイア=我夢は計画の中止を訴えるも、既にXIGの独断では止められない段階まで計画は進行していた為、彼の制止もむなしく作戦は決行される。
しかし、破滅招来体はこの計画で開かれたワームホールに自分達のワームホールを更に重ねる形で逆利用。ミサイルが辿るはずだった経路を逆に辿る形でコッヴとパズズを送り込む。更に二重になったことで発生したワームホールの余剰エネルギーを吸収して、二体はそれぞれ超コッヴと超パズズに変異して地球に降り立つ。
そして二匹は、すぐ近くに惑星を粉微塵に粉砕できるミサイルがある事など知らずに暴れ出す。
彼らはただ、生まれて初めて目にする地球に驚いて暴れているだけの被害者なのだと、迎撃をためらう我夢だったが、救援に現れたアグルの叱咤で迷いを振り切り、激しいタッグバトルの末にフォトンストリームとアグルストリームの斉射で二体を葬った。
視聴者の反応
当然ながら、視聴者からは「悪意があって暴れているわけではないのに殺してしまうのはあまりにも可哀そうだ」という意見もあった。
一応ガイアも後輩たちのように対象を沈静化させる技を使えたりするのだが、すぐ傍に地球を滅ぼしかねない危険物があり、沈静化させた後ワームホールを再び辿って送り返そうにも今回のようにワームホールが敵に逆に利用されてしまう可能性が極めて高く、あの場で倒さざるを得なかったのだと思われる。
「怪獣は根源的破滅の手先と言われているが、実際は何かしら事情があって暴れているだけの、そこらの野生動物と本質的には変わらない存在なのではないか」という疑問については以前から示唆されていたが、この回で初めてそれが明確になり、更に次話「命すむ星」では、「地球怪獣は共通の脅威に共に立ち向かう仲間である」というコンセプトのストーリーが展開されたが、同時に「地球怪獣は共に戦う仲間だが、利用されている宇宙怪獣たちは犠牲になり続けていいのか」という疑問が新たに生まれる事になった。
これに関しては、次作『コスモス』やそれ以降の作品において「怪獣保護」の概念のもとに様々な形で回答がなされる事となった。
ただし、『ガイア』に登場した、地球に飛来した宇宙怪獣は絶対数が少ない上に、放っておいたら地球の生態系を丸ごと乗っ取りかねなかったり、元が隕石そのものみたいなやつで理論上地球を粉々にできてしまったり、明らかな破滅招来体の手先だったり、そもそもこの世界に存在してはいけないやつだったりと、敵と捉えて何ら差し支え無い連中ばかりであり、殺処分してもあくまで地球に仇なす害獣の駆除と捉えられるケースがほとんどである事は明記しておく。
悪役としてのコッヴ
『ガイア』本編では、超コッヴは平和に暮らしていたところをテリトリー外にいきなり連れ出された挙句、わけもわからず殺処分されるという完全な被害者ポジションだが、後述の『大怪獣バトル』や『オーブ』では敵役として登場するケースがある。
そもそも「平和に暮らしていた」という記述に問題があり、これを額面通りに捉えた「攻撃性の無い平和的な種族」という偏見にも近いイメージが定着してしまっているが、あくまでケルビムやマーゴドンのように他の惑星に取り憑いて食い潰すバッタのような生態を持たないだけで、母星の環境の範疇で生物としての営みを送っていたに過ぎない、という意味である。
そもそも生物である以上、他の生物との競争や天敵との戦いは避けられないものであり(これは地球の怪獣以外の動物にも当てはまる)、ある程度の凶暴性や攻撃性は持ち合わせていて然るべきである。また、パズズが同郷の生物であるのを考慮すると、その星は怪獣だらけの惑星である可能性もあり、高い戦闘力を身に着けているのも、それらとの生存競争を生き残る為とでも考えなければ説明がつかない。
忘れられがちだが、原典に登場したコッヴは母星から直接地球に送り込まれた個体だけでなく、謎の宇宙船ヴァーサイトの内部で生体兵器として量産されていた個体も存在する。
劇中の暴れっぷりを見ればわかる通り、悪意があろうと無かろうとウルトラマンをてこずらせるほどの実力を持つ事に変わりは無く、兵器として利用すれば凄まじい破壊力を発揮しうる事は想像に難くない。
本来のバックボーンを無視しているという訳ではなく、時と場合によっては中立にもなれば敵対もする、怪獣という存在の難しさをコッヴという種も抱えていた、というだけの話である。
以降の作品での登場
『ウルトラマンギンガS』
本作ではスパークドールズとして登場。
チブル星人エクセラーの連続モンスライブにより、ファイブキングの下半身となった。
また、「DXビクトリーランサー」でこれとファイヤーゴルザ、メルバ、レイキュバス、ガンQの5体のスパークドールズを立て続けにリードさせて、トリガーを引くと…
『大怪獣バトル』
AC版の無印1弾からプレイアブルとして実装されている、最古参キャラの一体。最上位カードはレア止まりで、スーパーレア以上のカードは一枚も収録されていない。
手持ちの怪獣カードが足りない場合に筐体から貸し出される補欠メンバーの一体としても選ばれている。
また、他のキャラの大半が『ファイティングエボリューション』シリーズで既にポリゴンモデルが作られていたメンバーばかりの中、ガラモン共々新規でポリゴンが作られた。
必殺技は、鎌で斬りつける「切り裂き攻撃」、額から牽制用の光弾を連射する「頭からの光線」、胸の発光体を紫に光らせてパワーをチャージし、最大威力の光弾で一閃する「フラッシュコッヴショット」が設定されている。
アタックは1000~1200、ディフェンスは600~800、スピードは500~700、パワーは1000~1200と、これと言った特長の無いステータス配分で、スピードとディフェンスの低さで相手に攻撃の主導権を握られやすく、使用にあたっては技カードの補助が勝負のカギとなってくる。4弾ではアタック1000、ディフェンス600、スピード700、パワー700と、スピード値のみ最上位値でパワーは最下級値を300も下回るという劣化版が収録されているが、EX7弾では扱いはいくらか改善され、アタックとパワーは中位値ながらもディフェンスとスピードは従来の最上位値より100ずつ高くなっており、ゴモラに並ぶスペックを手に入れている。
EXまでは弱点属性は毒のみだったが、NEOからは高熱属性も追加されており、スタミナも2ラウンドと長持ちとは言いがたく、ステータス構成もインフレに取り残され気味のため、やはり優遇されているとは言いがたい。
Wii版でも召喚バトラー(AC版で言う怪獣カード)の一体として収録されている。
ストーリーモードでは、これから待ち受ける強敵に備えていろいろな状況に応じて戦闘経験を積む必要を感じていた主人公の前に現れ、襲いかかってくる。
自ら不利な条件で怪獣に勝とうと気合を入れる主人公は、勝利条件に「必殺技を使わずに倒す」というハンデを付けて超コッヴに挑む。この時点ではまだ序盤である為、必殺技縛りもそこまで難しいものではないが、後々進めていくと同条件でトラウマを植え付けてくる鬼畜が待っているのは世の常である…
ちなみに超コッヴの読みは「スーパーコッヴ」であり、本来ならサ行に分類されるはずだが、図鑑モードの五十音順索引ではタ行に区別されている。初見の人が「ちょうコッヴ」と呼んでしまいがちなのを考慮しての措置だろうか。
ミズノエノリュウ、ガンQ共々ガイア怪獣の代表格として扱われているが、相方の超パズズは一度もプレイアブル化されなかったため、超古代怪獣コンビのようなタッグ必殺技も実装されず、2023年現在もゲーム作品でコンビが実現したことはない。
『ウルトラアドベンチャー』
大阪に出現したブルトンが並行宇宙から召喚した怪獣の一体としてジェロニモン、レイキュバスと共に出現。
イオのゴモラを三体がかりでボコボコに痛めつけるが、ゴモラの地中潜行能力で攻撃をかわされ、レイキュバスと同士討ちしてしまった。
『ウルトラマンオーブ』エピソード10構想
エピソード5-1「ルサールカより愛をこめて」に登場。
1908年にフィヨルドの谷間から復活し、オーブと交戦する。海岸線から激しい空中戦を繰り広げ、最期はルサールカの上空で倒される。その際、オーブ=ガイは一時記憶が飛んでしまうほどの重傷を負うが、たまたま森に薬草を採りに訪れていた少女ナターシャに助けられる。
宇宙怪獣である超コッヴがどうして地球のフィヨルドの谷間にいたのかは不明だが、恐らく過去に地球に飛来した個体がそのまま居着いていたのかもしれない。
また、作中の描写から飛行能力を持っていることが明らかとなったが、『オーブ』の世界の個体のみが持ち合わせていた能力なのか、原典のコッヴも単に披露しなかっただけで飛行能力を持っていたのかは不明。もっとも、原種のコッヴは母星の外に出る必要が無いため、元から飛行能力を有していたとは考えにくく、ルサールカの個体が超コッヴであるのを考慮すると、変異した影響で偶然反重力による飛行能力が発現し、宇宙空間を放浪するうちに地球に漂着しただけである可能性が高い。
『ウルトラマンZ』
本作ではピット星人の姉妹が何らかの手段で調達した細胞塊が登場。
その後、セレブロ=カブラギの手に渡り、これを基に超コッヴの怪獣メダルが作成され、トライキング→ファイブキングの合体変身に使われた。
カブラギがゼットとの戦いに敗れた後、ジャグラスジャグラー魔人態の不意打ちを受けた際にファイブキングの他の構成怪獣のメダル共々落としてしまい、ジャグラーにメダルを奪われてしまっている。
『フュージョンファイト』
カードとしては無印第1弾で登場しているが、オーブクリスタルは付いておらず育成は不可能。
しかしカプセルユーゴー2弾にて再登場。こちらはウルトラカプセルの育成効果を受けられる。属性は「光」。
『ウルトラ怪獣モンスターファーム』
ガンQ共々ガイア枠として登場。
育成解放条件があるのだがそれが歴代モンスターファームシリーズでもトップクラスの高難易度である。
その条件は
「夏にフラグ会話を聞いた後にその時育てていた怪獣が暴走した時に更に確率判定を行い出現した超コッヴを倒す」というテクニックだけではなくリアルラックも必要な物であり運が悪いと中々解放出来ない。
更に厄介なのが『超コッヴ自体がファイブキングの解放条件に関わる』という物でウルトラシリーズを知らないモンスターファームシリーズのファンからは厄介者扱いされる事になってしまった。
解放条件が厳しいのはエースキラーもそうだがあちらは解放条件が厳しいのがキャラ的に許されているのである意味不憫枠と言える。
余談
脚本では『宇宙怪獣大進撃』というタイトルが示す通り、すべての宇宙怪獣が登場する予定だった。
ミサイルを襲撃しようとするシーンは『ウルトラマンA』のドラゴリーを、危険ではない星を破壊しようとする展開は『ウルトラセブン』のギエロン星獣を彷彿とさせる。
本種が暴れた第44話がこれらを意識して制作されたかは定かではないが、ストーリーにおける人類側の立てた作戦はまさしく血を吐きながら続ける悲しいマラソンの体現であった。
関連タグ
ギエロン星獣、クリーン星人、ムルロア:ミサイルによって母星を汚染、もしくは破壊された異星の住人。
レイキュバス:超パズズに変わって相棒ポジションを占めつつある怪獣。