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モビルドールの編集履歴

2023-06-27 01:56:41 バージョン

モビルドール

もびるどーる

アニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場する、架空の兵器の分類の一つ。

ガンダムビルドダイバーズに登場するモビルドールについては個別記事で参照。

モビルドールとは

モビルドール (MOBILE DOLL: MD) は、無人で自律行動可能なモビルスーツ(あるいはモビルアーマー)のことを指す。早い話が現在で言うAI(人工知能)をモビルスーツに組み込んだものである。


概要

モビルドール (MOBILE DOLL) とは、 "MOBILE Direct Operational Leaded Labor" の略称である。

OZの技師長ツバロフ・ビルモンが開発し、ロームフェラ財団の代表デルマイユ・カタロニアが気に入ったことから採用された。後にその生産ラインを奪ったホワイトファングによっても運用されている。その源流はH教授がカトルを死なせないためにガンダムサンドロックに組み込んでいたシステム(自爆装置が起動されるとコクピットハッチが開いて操縦者を脱出させた上で、機体が自動で敵に向かって進んでいくようになっていた)。

既成のモビルスーツから改造されたものと、最初からモビルドールとして開発されたものがある。

他のパイロットの戦闘データをもとに作られた戦闘アルゴリズムが組み込まれ、完全な自律行動がとれる他、外部からの遠隔操作も可能である。

人体限界を遥かに超える高G機動と、人間を遥かに超える反応速度と精密無比な攻撃力と連携を併せ、登場初期には有人機を圧倒、ガンダムでも悪条件下では、あえなく敗れることもあった。


しかしその反面、命がけだった戦いを、ゲーム感覚に変えてしまうという問題も発生した。

殺戮や破壊を自ら血を流すことなく行うことで戦争責任が希薄となり、その悲惨さを省みなくなるとして、劇中でもOZのトレーズ総帥を始め否定する者も多かった。

第18話でトレーズはモビルドールの実験の際、己の戦争への美学に反するものであるとして、自ら操縦するリーオーで実験に乱入しこれらを破壊、その意思を示した。

同じことはドクターJらも考えていたようで、10話MDが運用されると思しき機体の存在を確認するやいなやヒイロに破壊を命じている。


デメリット

想定外の動作に弱い

実戦投入当初には猛威をふるったモビルドールであったが、機械的な動きが読まれ易い事や想定されていない装備の応用の様な機転の利いた行動(例.アクティブクロークの開く動作で弾き飛ばす、ビーム兵器の質量のある部分で装甲の薄い部分を叩かれるetc)に弱いためか、後半にはヒイロ・ユイ達のような桁外れの技量を持つガンダムパイロットやそれ準ずるパイロットたちには「人形」呼ばわりされ、一蹴されるようになった。

洗練された超高精度の戦術プログラムにより有効な戦力となる」ということは、裏を返せば「プログラム通りにしか動けず、それを読まれればただの人形(当たり前だが数パターン程度の話ではない)」であることを意味する。

実際、ホワイトファングが修復しガンダムパイロットのデータが組み込まれたはずのヴァイエイトとメリクリウスを同時に相手にしても、デュオ・マックスウェルは先に例示した装備の応用を用いた戦術でほぼ圧勝している。

ただしこれは人外の人外レベルの技量と反応をもつガンダムパイロットだからできる芸当であり、EVE WARにおいてはトレーズの薫陶受けたスペシャルズのエース達の生き残りはリーオー複数機によるクロスファイアからの接近戦を挑んだ際にビルゴⅡ1機にまとめて瞬殺されている。


誤ったプログラミングに対して融通が利かない

手動で設定を変更するか味方機の識別信号を出さない限り攻撃目標に設定された対象を見境無く攻撃してしまう。ヒイロとデュオがOZの宇宙基地から脱出する際にリーオーとアストロスーツを攻撃目標に認識させた為にモビルドールトーラスが基地にある他のリーオーやアストロスーツを着たOZ兵士に対して攻撃し続けるという事態が起こった。

逆に一機でも敵に味方機を強奪された場合まともに攻撃出来なくなるのもかなり致命的で、カトル・ラバーバ・ウィナーが強奪したOZ所有のエアリーズには敵だと識別出来ず攻撃はおろかプラネイトディフェンサーすら完全なフィールドを形成する事もままならないままウイングガンダムバスターライフルで殲滅されている。


サイバー攻撃に弱いのも弱点。

外伝作品のGユニットでは、WFのMD部隊がドクター・ペルゲの策略によってコントロールを完全に乗っ取られ、有人指揮官機を除く全ての機体が奪い取られてしまった。

また、GジェネレーションFに登場したガンダムアクエリアスはまさしくこの目的で開発されており、コンピューターウイルスに感染させモビルドールを機能不全に陥らせることで、有人指揮官機を撃破することを目的としていたと設定されている。


なお、よくネットでは「5機のガンダムの開発者がモビルドールのプログラムに細工を施したおかげで地球国家軍のリーオーが互角に戦えるようになった」と書かれている事が多いが、実際にそれを行ったのはコミックボンボンの漫画版のみでありアニメ本編にそんな描写はない。モビルドール相手に80%と意外に生存率が高かった事を考えると実際にそれくらいはやっていた可能性は十分ありうるが…


しかし、ホワイトファングが主力としていたビルゴⅡは、ゼロシステムを応用したゼクス・マーキス考案の管制システムによって集中制御され、優れた戦術センスを持つ者が操作することで、ガンダムチームをも苦戦させた。

というのも、実は「最も効率の良い作戦を立案できるが、パイロットを含む味方の犠牲を考慮しない」ゼロシステムと、「高度な判断ができないが、パイロットが不要なのでいくらでも替えが利く上に、命令に絶対服従する」モビルドールは凶悪なレベルで相性がいいのである。

ほぼ困った時の万能兵器として使っていたツバロフが指揮を取っていたOZ宇宙軍時代とは違い、ゼクスはあくまで兵士の数を補うべくした配置を心がけていたほか、人間の使う戦術の一部として組み込んでいる。このゼクスの運用方法にはMDを心底嫌っていたトレーズさえも感嘆し、高く評価していた(逆にカーンズはほぼツバロフと同じ運用方法でしか使っておらず逆に戦力を無駄に浪費する結果しか生み出していない)。

また、ゼクスはガンダムチームとの直接対決でも、随伴する複数のビルゴⅡを散開させたり自機の周囲に展開して遠・中距離から無数のビーム攻撃を行ったり、敵機からの攻撃にはプラネイトディフェンサーを利用して完全に防ぎきるなどの戦術をとったり、ドロシーはゼロシステムを介することでより高精度の戦術を扱っていた。

EVE WAR後のモビルドール

後に地球へ宣戦布告するマリーメイア軍は、モビルドールを拠点防衛用システムや陽動撹乱程度にしか使用しておらず、戦闘における主力兵器の座は再び、サーペントやリーオーを始めとする有人MSに戻されていった。

なお、TVとEW脚本家の隅沢克之の著書のEWの内容を補足する形が書かれた小説版にて描写されているが、ガンダムパイロットのデュオは拠点基地の防衛にあたったMDトーラス数十機からオールレンジ攻撃も真っ青の全方位からの数百にも及ぶ射撃を輸送機でほぼ全て回避し更にMDの隙を付く戦法も使い戦域を突破し基地へ強行着陸をするという凄まじすぎることをやってのけている。

宇宙空間での機体制御はヒイロよりも僅かに上回るらしく、ヒイロもその腕をアテにしていた。


裏設定では『EndlessWaltz』でガンダムの廃棄に使われていた資源衛星は、ozの残したモビルドールのプラント「ウルカヌス」であり、内部には300体以上のビルゴが残されており、元々はこれらの廃棄に便乗する形でガンダムを廃棄しようとしていた(詳細は外伝漫画『BATTLEFIELD OF PACIFIST』で明かされている)。

ウルカヌスは終盤でガンダムと共に地球圏に戻ってきたのだが、ビルゴは使用されなかった。実際に使用すれば、射撃武器主体のサーペント相手なら有利に戦えたはずだが、何故使わずにトールギスやガンダムだけでサーペント500体と戦ったのかというと、「プリベンター・ウインド」ことゼクス・マーキスがMDを使っては前の戦争の繰り返しになると拒否したため。この話を持ち出したレディ・アンもそれ以上はこの話をしなかったので、以後ビルゴの件が表に出ることはなかった。


主な機種

OZ-01MD トーラス(有人モビルスーツ型もあり、無人型を指揮可能)

OZ-02MD / WF-02MD ビルゴ(初のモビルドール専用機)

OZ-03MD / WF-03MD ビルゴⅡ(生産ラインを奪ったホワイトファングの主力機)

OZ-02MD-X3 名称不明(P3のビクター・ゲインツが手に入れたビルゴ³のプロトタイプ)

OZ-04MD ビルゴ³(媒体によっては「ビルゴⅢ」とも。ビルゴⅡの出力強化型)

OZ-03MDⅣ ビルゴⅣ(マーズセンチュリー年代に開発されたビルゴⅢの改修機)

型式番号不明 Dユニット(MO-Vで開発された拠点防衛型)


モビルスーツ搭載型

OZ-06MS リーオー(有線誘導によるモビルドールシステム実験機)

OZ-12SMSトーラス(モビルドール型もあり、有人型に指揮される)

OZ-13MSX1B ヴァイエイト(ホワイトファングによってモビルドールとして運用)

OZ-13MSX1B-S ヴァイエイト・シュイヴァン(有人と無人の操縦系統の切り替えが出来る)

OZ-13MSX2B メリクリウス(ホワイトファングによってモビルドールとして運用)

OZ-13MSX2B-S メリクリウス・シュイヴァン(有人と無人の操縦系統の切り替えが出来る)

OZ-16MSX-06X プロトタイプ・スコーピオ(ガリアレストで開発された拠点防衛型)

OZ-16MSX-D スコーピオ(有人と無人の操縦系統の切り替えが出来る)

型式番号不明 キャプリコーン(有人と無人の操縦系統の切り替えが出来る)


似たような機体

スカルガンナー・ターミネーターポリス:『蒼き流星SPTレイズナー』に登場する無人SPT・テラーストライカー(TS)。モビルドールの先人と言える機体で、融通が利かないという欠点も共通している。

UNAC:『ACVD』に登場した無人AC

AMAIM:『境界戦機』に登場する人型特殊機動兵器。主に無人機として運用されるが有人機も少数ながら存在する。

キメラブロックス:『ZOIDS』に登場した無人ゾイドブロックス。しかしこちらは闘争本能が制御用プログラムを侵食してしまい、敵味方関係無く襲って自己進化してしまう危険性や個々での行動には対処できても大規模戦闘には対応できないというデメリットもあったため、司令母機からコントロールする方策を取っている。


関連タグ

新機動戦記ガンダムW ロームフェラ財団 OZ(ガンダムW) ツバロフ・ビルモン


AIイラスト:「役割を全て機械が何とかしてくれる」ため、絵師やそのファンからも反発の声が少なくないシステム。モビルドールでいう「兵士」が「絵描き」に変わっただけであり、Wのモビルドールに反発する兵士の描写は現在のAI化時代の現状を予見していたとも取れる。


他作品での関連タグ

スメラギ・李・ノリエガ:『機動戦士ガンダム00』の登場人物。スーパーロボット大戦Zシリーズにおける基礎理論の開発者。


ハシュマル:『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』に登場する無人大型モビルアーマー。ある意味モビルドールが主体となった戦争における最悪の状態を作り出した。


ゼファーガンダム:『アウターガンダム』に登場した自立行動可能なMSでガンダム作品におけるモビルドールの先駆者といえる。ただしゼファーは自己学習型AIを搭載しているため経験を重ねるごとに融通の利く機体となっていく点が異なる。


Gビット(ビットモビルスーツ):『機動新世紀ガンダムX』に登場する無人MS。宇宙世紀シリーズのファンネルとモビルドールを組み合わせたようなもので、フラッシュ・システム搭載のガンダムからニュータイプによって遠隔操作される。そのため人間の存在を考慮せずに戦力を大幅に増やせるところはモビルドール、ニュータイプがファンネル同様に制御するため融通が利くところは有人機のよいところを併せ持っている。さらに、有人機と見た目を統一すれば、ダミー機としても使用できる。ただし、扱えるのがニュータイプに限られるという問題点が悲劇を招くこととなった。


スターゲイザーガンダム:『機動戦士ガンダムSEEDC.E.73STARGAZER』に登場するMS。ある意味平和目的で生まれたモビルドールと言える存在だが、諸々の事情で無人運用は実現しなかった。


カオスレル:『機動戦士クロスボーン・ガンダムゴースト』に登場するMA。猛毒のエンジェル・コールを仕込んだギムレット・ビットで敵MSのパイロットを溶解し、無人モビルスーツとして遠隔操作する機構を備える。カオスレルの巨体の殆どはサイコミュによる遠隔操作用の制御装置で占められている。


サイコ・ザクマークⅡ:『機動戦士ガンダムサンダーボルト』に登場するMS。普段は先代(サイコ・ザク)同様に両手足を義肢化したパイロット用のMSとして運用されるが、実は「ジオン」への復讐目的でカーラ・ミッチャムが極秘裏に搭乗パイロットを感電死させ、無人モビルスーツとして遠隔操作する(やり方は上記のカオスレルと類似)為の隠し機能を頭部に搭載していた。


モビルウェポン(MW):『G-SAVIOUR』に登場する無人のMS。セツルメント国家議会軍の無人機で主にガーノーやバイスを始めとする強硬派が開発した。配備数の増加やパイロットの生命を守るなど利点もあるが一部では「戦争をゲームにする殺人メカ」とトレーズのように嫌悪する者もいる。後にプロジェクトレイヴンなる新型MW開発計画が行われており、その計画で作られたMWは自らを人間と思い込むほどの知能を有していた。


デリング・レンブラン:『機動戦士ガンダム水星の魔女』に登場するキャラクター。恐らく言動から見てトレーズ同様にモビルドールを否定しそうな人物である。


ダリルバルデ:『機動戦士ガンダム水星の魔女』のMS。有人でも動かせるが、AIによる制御でパイロットが操縦をしなくても戦闘可能。ただ、ブラフなどには弱く常識的な範疇でしか行動できなかったため、パイロットが操縦する方が強かった。

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