「サイコパワーに敗北はない。」
プロフィール
格闘スタイル | サイコパワー |
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出身地 | 不明 |
生年月日 | ????年4月17日 |
身長 | 182cm |
体重 | 80kg(『ZERO』シリーズでは96kg。『V』では112kg。) |
スリーサイズ | B129 W85 H91(『ZERO』シリーズではB133 W90 H92) |
血液型 | 不明 |
好きなもの | 世界征服 |
嫌いなもの | 弱いもの、無能な部下 |
特技 | 催眠術 |
概要
ストリートファイターIIおよび、ストリートファイターZEROシリーズではラスボスを務める。
秘密結社シャドルーの総帥であり、正体は謎。趣味は世界征服。
これ程までに分かりやすい悪な設定もないだろう。
シャドルーの勢力拡大の為には戦争、麻薬売買、武器密造など手段を択ばないが、これは人々が発する負の感情を吸収して自身のサイコパワーを増幅させる為であり、世界を統治する事、もしくは世界を破壊する事は二の次とされている。
初期シリーズの頃から春麗やガイルなど、彼との因縁を持つ者は少なくない。以後のシリーズにおいてもシャドルーに関わる設定を持つキャラクターには必ずと言ってよいほど彼の思惑がストーリーに絡んでいる。
クロスオーバーゲームでも、その悪のカリスマっぷりから出番は多い。
肉体は「サイコパワーに適合する器」でしかなく、スペアボディと呼ばれる人間素体を配下の科学者に複数製作させている。
劇場版やZERO3、Ⅴなどで肉体を失う場面が度々あるが、その都度復活を果たしているのはそのためである。また、器自体も必要とあらば調整が不十分でも強引に使用したり、他者の肉体を奪う事も画策する。その候補としてリュウやキャミィが挙げられている。
その設定上、容姿がたびたび変わるキャラであり、劇場版やZeroシリーズでは大柄な肉体を持ち、Ⅱ以降は痩せた体となっている。またⅣでは調整が不十分なスペアボディを使っているという設定となっており、Ⅴでは調整不足のため肉体が老化し白髪となっていた。
6では発売1年後のシーズン2に追加キャラとして登場。Ⅴでリュウに敗れた後に記憶を失ったという設定。
そのためなのか性格も丸くなり、力への渇望はあるものの見どころがあるとみた馬を助けたり、シャドルー壊滅も『己の身一つとなったがいっそ清々しい』と発言することも。
ワールドツアーモードでは、プレイヤーに対してもなんだかんだ技も教えてくれれば、共闘にもちゃんと来てくれる。その上、部下になりたければ有用性を示せ(=有能なら部下にしてやる)とも。
悪党であることには変わりないのだが、過去シリーズでの冷酷残忍な悪のボスキャラの典型とは異なった内面を見せるあたり、方向性はだいぶ変わった模様。
過去に放送されたアニメ版とOVA版でもラスボスとして登場しており、前者の方では人類の抹殺を目論んでいた。1994年公開の実写映画版でもラスボスなのだが、名前が海外版準拠のため「バイソン」になっている。
サイコパワー
端的に言えば超能力。さらに詳しく言うと悪の超能力である。
善の超能力にあたるのがソウルパワーで、6では「ソウルパワーの更に奥に存在するカオスの力」とベガが言及している。
実写映画版では劇中にてコンピューターに激突・感電して一度は心肺停止に陥るも、備え付けられていた蘇生システムにより復活。
その際に科学(機械)の力をそのまま吸収した事で飛翔可能となり、空中殺法で一時はガイルを圧倒した。
(ベガ曰く「リニアモーターカーと同じ原理」らしい)
原理は不明だがサイコドライブと言われる装置を使いその力を増幅させることが可能。
また、この装置はベガの肉体を維持する為に必要不可欠であるかの様な描写もされている。
中平版ではソウルパワーと並んで人の世を乱す力と称されており、人の世を正す力である殺意の波動とは対立する力であるとの事。
ⅣやⅤでは、シャドルー関連のキャラクターには、ベガ以外にもシャドルー内で繰り返された実験によってサイコパワーを獲得したキャラクターがたびたび登場する(ディカープリ、エド、ファルケ)。
6のベガはIIの描写を意識してか、サイコパワーのエフェクトがなぜか青白い時がある。ベガのサイコパワーにも変化があるのかもしれない。
6で登場したキャラクター・JPは彼の下でシャドルーの金融分野を担当する非戦闘員だったが、自ら望んでベガからサイコパワーを直接分け与えられ、使い手となった。またワールドツアーモードのストーリーでは、プレイヤーはこのJPから更にサイコパワーを身体に注がれることでJPの技を習得できるようになるあたり、適合者であれば後天的に超能力者にできるノウハウも存在するようである(そのワールドツアーモードで友人キャラとして登場したボシュは適合できず精神を侵され理性を保てなくなった)。これも上述のシャドルーの実験成果だろうか。
ベガとの決戦の舞台
ベガのステージはストリートファイターⅡシリーズではタイの寺院の内部が舞台となっており、初代ストⅡおよびスパⅡ・スパⅡXでは昼間、ダッシュ・ダッシュターボでは夜になっていて中央に巨大な鐘があり、両端に仏像が設置されている。
これによってベガもタイ出身と一部で囁かれていたが、これはたまたま決勝戦舞台がこの場所だっただけであり、ベガとは何の関係もない。
ZEROでは昼間の雪の積もった列車の車両基地が戦いの場となっており、ZERO2ではシャドルーの軍機の着陸場、もしくは断崖絶壁の渓谷(映画の決戦の舞台)が戦いの場となっているなどシリーズごとにバラバラである。
実はタイこそがシャドルーの本拠地であり、サガットステージに鎮座してある涅槃仏も正体は口内にキャノン砲を搭載した巨大ロボットである。
人間関係
- 師匠
ベガは師の下で学んでいたが、その力を完全に会得した後、師を殺害し姿を消した。
なお、師匠はベガの他に少なくとも2人に伝授していたとされている。
サイコパワーに魅入られたベガを止めるために戦う。下記で詳述。
元々はクローンを加工して作られたベガの代替ボディが自我を持ったもの。
- リュウ、キャミィ、エド
代替ボディ候補としてベガに狙われたり洗脳されたり飼育されていた者たち。エドは不良チーム「ネオ・シャドルー」を結成し反シャドルー、反ベガの態度を顕にし、キャミィも特殊部隊デルタレッドに移ってシャドルーと敵対するようになるが、リュウはベガへの個人的な恨みは持っていないようである。
シャドルーに家族を殺されて自身も拷問で片目を奪われたため、激しい恨みを買っている。ベガの方は単に「小娘」とだけ呼び、特別視している様子は無い。
シャドルーに所属していた部下で、ベガにサイコパワーを伝授された。そのため上司と部下かつ師弟関係に相当する間柄のはずだが、ストリートファイター6での対戦時のセリフはベガ側が記憶喪失になっている事情のためか、ベガの感情や考えが伺える会話は見られない。JPの方は、ワールドツアーモードにてサイコパワーを欲した動機について「ベガのように世界を見てみたかった…のかもしれません」と、憧れのような思いを口にする。
ローズとの因縁
「『ZERO』の頃はベガはローズの兄弟子」だったとされる説が聞かれることがあるが、
これは『ストリートファイターII』の頃のベガの設定に
「かつて有名な師範に師事しサイコパワーを学んでいたが後に師を殺害」というものがあり、
『ZERO』のエンディングで「ローズが倒された今、サイコパワーの伝承者は、ベガひとりとなってしまった」
というメッセージがあったため、そこから生まれた推察であり、実は公式では明言されていなかった。
そして『ZERO3』でベガがローズにソウルパワーを伝授したかつての師という新設定が登場。
「かつてローズの師匠が将来の彼女の過酷な戦いを予言していた」という設定もあることから、明らかにこれまでと辻褄が合わないため、「師とベガの両方から学んだ説」「師が闇堕ちして悪のベガになった説」「師の肉体をベガの魂が乗っ取り説」「ローズが元シャドルー戦士説」など、様々な推測が存在するものの詳細は不明だった。
詳しくはローズ(ストリートファイター)の項目も参照。
長らくこの辺りの設定は曖昧だったが、ストリートファイター6の師弟交流イベントを進めるとベガがこの辺りの事を語るイベントがあり、師を殺害していると思わしきシーンの1枚絵が登場している。このシーンには師に駆け寄っているローズも描かれているため、兄弟弟子であることが正しい設定となった模様。
豪鬼との因縁
ベガ「命が惜しくないようだな……」 → 豪鬼「笑止!」 → ベガ「ぶるぅわあああ!」
スーパーストリートファイターIIXで、スコアが120万点以上でベガまで到達すると対戦前に突然ベガの前方から豪鬼が乱入、一瞬の内にベガをKOするという演出がある。
それ以降の作品でも、条件を満たすと瞬獄殺やら禊などで瞬殺されてしまう。
そのせいで「ベガは豪鬼から金を貰っていて、わざと倒されているのではないか」という疑惑が生まれ、いつしか豪鬼に瞬殺されるたびに「アルバイト」として定着してしまった(※)。
豪鬼が戦ってる傍で無様に倒れている彼には同情すら覚える。
※:実際に格闘ゲームにおける対戦中、豪鬼の使うこれらの技を対戦前という体力MAXの状態のベガが一撃で倒されることは決して無いということも理由のひとつにあげられることもある。しかしドラゴンボール等の別作品でも度々語られることがあるが、戦っている最中の気を張ってる状態と、戦っていない気が緩んでいる状態では同じ衝撃でも受ける被害が変わることはあり得るため、「ベガにとって予想していなかったタイミングで、予想していなかった場所から強烈な威力の技を受けたから瞬殺された」と考えれば一応辻褄は合う。
『6』では豪鬼との会話でこの件が補足され、「格闘大会という試合前提の舞台故に死がないという油断が命取りとなった」と解説されている。
そのせいか、ストリートファイターEXでは人物相関図では豪鬼を嫌っているという記述がされていたり、中平版で豪鬼が自分の邪魔をしないと分かった途端に東京への侵攻を開始してローズに「あなたも意外と現金なのね」と言われたり、SvCでは豪鬼に復讐心をもっているような発言をしたりしている。
『ストII爆笑!!4コマギャグ外伝』でも、豪鬼にやられたトラウマで「ゴーキ」に似た言葉(ホウキなど)を耳にする度に怯え出したり、豪鬼に叩きのめされて倒れていた後にファイトしていたリュウと豪鬼の障害物となった事で「邪魔」と言われて蹴り飛ばされる等、散々な事になっている。
一方、豪鬼が乱入してベガを瞬獄殺で倒すのかと思いきや、ステージの背景の大鐘楼に激突して頭にタンコブをつくって気絶している豪鬼をリュウと共に呆然と見ているといったシーンも…。
リュウへのターゲット化
初登場作品である2の頃は特にハッキリとした因縁はなかったが、劇場版やアニメ版作品では付け狙われる描写が存在。
ZERO3では、殺意の波動を宿しているリュウの肉体を次のボディの候補としていることが明かされる。
その後、リュウが殺意の波動を克服するに至ったⅤでは既に肉体への興味を失い、あくまでも己の邪魔をする敵として見做すようになった。
ただし、Zero時代のコスチュームでは『お前の力、このベガ様が余すところなく使ってやる』という勝利セリフに変化する。
また、この殺意の波動の事情からか、ケンに対しては外部作品では洗脳して部下にするパターンが多く、本編シリーズでも代替ボディとしては見ていない模様。
なお、上述のように存在自体を恐れているのか、いずれの作品においても現在進行形で殺意の波動を宿している筈の豪鬼の肉体については特に付け狙うような描写が無い。
6ではワールドツアーモードのミッションでストリートファイターの主要キャラにベガの話を聞くミッションがある。
多くのキャラがベガは倒すべき悪と評する中、リュウだけは「邪悪な心と力、それを除けば格闘家として最高峰の男だったよ」と評している。
アーケード・ストーリーモードでボコボコにされたチンピラ3人組も、メトロシティの連中なだけに決して戦闘能力は全くないわけではなく、相手が悪すぎただけである。
各シリーズにて
設定、ストーリー
ストリートファイターⅡシリーズ
ラスボスとして登場。
後付けの設定にはなるが、ZEROシリーズで倒されて一度死亡したが、予備の代替ボディで復活した姿。
自身の新しい「完璧な肉体」を獲得する為、各地から強力な選手を集めようと総合格闘技の世界大会を開催した黒幕。
こちらも後付けの設定になるが、リュウの肉体を新しいボディとして狙っていた、という設定もある。
この頃はまだキャラクター像が固まっていなかったこともあり、悪党とされてはいたが武人肌でもありリュウのエンディングでは潔く2位の表彰台に立っている。
ベガでCPU戦をクリアするとシャドルーによる世界征服が実際に実行されるというエンディングとなる。
ストリートファイターZeroシリーズ
シャドルー総帥として世界征服を目論み、軍備を整えている真っ最中。
サイコパワー全盛期時代という設定のため、大柄でムキムキの筋肉ダルマな姿をしている。
声優は西村知道氏。以降の作品とは声優が異なり、明確に別の身体であることを示唆している。
また、この時期にはアニメ映画が公開されていたため映画のラストをイメージしたドラマチックバトルも実装された。
ストリートファイターⅣ
時系列的にはⅡの後。姿もⅡのまま。声優は若本規夫氏。
総合格闘技世界大会で、代替ボディとして目をつけたリュウを捕獲できなかった為に、シャドルーとしての世界征服活動はいったん中止。自らの代替ボディを製作中。
だが、代替ボディとして作成したセスが自我を持ち反乱を起こされ、シャドルーを乗っ取られる事態に陥ってしまう。裏切り者を制裁する為にセスを倒しに行く。
ストリートファイターⅤ
時系列的にはⅣの後。声優は引き続き若本規夫氏。
結局代替ボディの調整が上手くいかず、白髪になるなど急速的に年を取っている。時間が無い為か、セスを倒してシャドルーの指揮権を取り戻し、本格的に世界征服を開始する。
ゼネラルストーリーではシャドルーの最大の作戦とも言えるシャドームーン計画を実行する。
また、セスのストーリーにも登場するが、人格バグを引き起こし錯乱するセスを見て下らないと吐き捨てている。
ボディーの衰えによるものなのか、バトル中の立ポーズは足を開いて腕をクイクイと動かす独特のポーズではなくベガ立ちに変更されている。
コスチュームも上着の裾が非常に長いものに変更された。
ストリートファイター6
記憶を失った、サイコパワーを操る謎のスラム風の男として登場。
声優はディズニー映画シュガー・ラッシュでベガ役を務めた楠大典氏が担っている。なおシュガー・ラッシュはソニックにオリジナルキャストの金丸淳一氏を起用していたり原作の声優をそのまま使っているキャラもいる。
(ちなみに、前作までベガ役を務めた若本規夫氏も、ワールドツアーのベガ編にて出演しており、作品ごとのつながりが感じられるようになっている。)
アーケードモードではメトロシティの一角で記憶を失った状態で目覚め、強敵を渇望する姿が描かれている。ちなみに目覚めた直後は全裸の状態で、現在の服装(Outfit1)はこの時に絡んできたチンピラを返り討ちにして剥ぎ取ったもの。
最終ステージで対峙した相手からベガと呼ばれたため、『その名は俺がいただく』と発言している。
なお、このセリフがPVで使用されていて、後述する名前の事情や先述の声優変更もあり様々な憶測を呼んだ(すぐに後述のインタビューが発表され鎮静化したが)。
ワールドツアーの初登場時やオフ対戦時の入場シーン、および対戦リザルト画面では特徴的な黒い馬に乗るが、この馬は砂漠でたまたま見つけた酷使されて死にかけの馬にサイコパワーを与えて助けたものであるとのこと。ベガ曰く、『死に瀕した生き物の眼ではなかった』『走りたがっていると分かったから力を与えた』とのこと。更に、基地にいる研究者の発言によるとこの馬はサイコパワーを制御下に置いている。ナニソレどこの風雲再起?
ちなみに乗馬の際は手綱などは使わずに腕を組んだまま馬を乗りこなしている。
(その威風堂々とした姿に某世紀末覇者を連想したプレイヤーも多い)
馬の事は「駄馬」と呼んでいるが、その割には結構可愛がっているらしく、ワールドツアーでベガの写真を撮ってしまったプレイヤーが殺されなかったのも馬が気に入ったから。また、絆40アップの専用プレゼントはにんじんである。
プレイヤーの事も駄馬と一緒だと発言するが、その後に「あれに劣らぬところを、見せて見ろ」とも発言している。
ワールドツアーモードではベガの過去が語られている。
弟子入りイベントでは、旧シャドルー本部にいるシャドルー残党(偽ネオシャドルー)とプレイヤーの行動で、サイコパワーによる実験によって倒壊した装置が作動し、過去作でのベガの記憶が集結し巨大なベガの顔が出現。こちらは前作でベガの声優を務めた若本氏のボイスで「わが名はベガ/バイソン(同時に発音)」「われこそがシャドルー」と名乗り、現れた本作のベガには「何者か!?」と問うなど、ベガ自身の過去の記憶からなる思念体とも、(日本語音声でもバイソンの名を出したり旧作の対戦画面の映像等が用いられたり等の点から)次元を超えた存在とも受け取れる謎だらけの存在となっている。
忽然と現れそれと対峙したベガは「ならば、それ そっくりこの俺が、いただこう」と右掌底を突き入れ、右腕から右半身に走る傷(前作でリュウの波動拳で入った亀裂)の中に吸い上げるようにして、その“ベガらしき存在”を肉体に取り込んだ。これにより記憶の一部を取り戻したようだが、それも「自身の経験」というより「他者からの伝聞」といった認識が強いようで、見守っていた元構成員たちからの「どうお呼びすれば…」という問いにも「ベガ、バイソン、シャドルー、総帥…何とでも呼べ」とあしらい、かつてのベガが望んだであろうシャドルー復活の野望よりも、今の身体で思うままに戦いに明け暮れる人生を選択した。
性格が丸くなった、とも言われるが、どちらかというと方向性が変わったという方がただしいか。
Ⅴ以前は有能な人材をサイコパワーで洗脳をして支配をするということも行っていた(アニメ映画版ではケンやキャミィを洗脳している)が、6のベガは「部下なら勝手に集まる」と発言している上、師弟会話イベントではプレイヤーが部下になりたいと申し出ると「忠誠心などゴミにもならん」「腹の底で憎悪してようが構わん」「俺に仕えたければ、己の有用性を示して見せろ」と返すなど、価値観も大分変わっている(前作までの性格なら間違いなく洗脳して雑兵として使っていた)模様。
スタイルレベルがLV20以前の手合わせバトルは必ずベガがプレイヤーを追い払う演出で強制中断するが、ベガの反応は少しずつ変わる。
LV20到達以後は倒せるようになるが、豪鬼以上の超火力とサイコクラッシャーが飛び道具対策技になったせいで、これまで有効だったのアブニマーチやタメ豪波動拳連発などの安易なハメは事故死の原因になる。
戦闘では、記憶を失っているためZero以降のサイコパワーによる超能力的な戦い方から、格闘家として戦うスタイルとなっているとインタビューで語られている。
また、バトル中の立ポーズはベガ立ちからⅣ以前のものに戻っている。
各作品での性能と評価
ストリートファイターⅡシリーズ
初代はボス専用キャラで、プレイアブル化はダッシュ以降。
プレイアブル化したダッシュの下方調整は必殺技クラスだった通常技火力低下と長めのコマンドタメ時間くらい、慣れたら最強のラスボスがそのまま使える状態になり、ダブルニープレスやサイコクラッシャーでハメるプレイが横行していた。
特にダブルニーはそれだけで倒せるダブルニーハメが存在し、サイコクラッシャーは削りダメージが凄まじい上にガード後もベガが有利であるため、ガード後に投げることが出来ることから「サイコ投げ」というハメテクニックや、距離次第では4ヒットする仕様とガードされた場合相手の後ろに突き抜けるという性質から4ヒット目だけガード方向が逆になるという「サイコテイル」と呼ばれるテクニックも存在する。ひたすらに強サイコクラッシャーで画面を左右に往復するだけの単純極まりない戦法に至っては漫画「炎の転校生」の「国電パンチ」になぞらえ「国電ベガ」の通称で忌み嫌われた。
余りにも凶悪過ぎたため、ターボ、スーパーでは大幅に弱体化を受けたが、ⅡXでは中堅程度の性能になり、上位キャラとも力が拮抗する組み合わせも存在する。
Xのベガはちゃんとやれば戦える性能であるため、評価は中々に高い。
プロゲーマー・ウメハラも『ガイルベガはかなり面白い組み合わせ』と評しており、獣道Ⅳではこたか商店対ユウベガというカードが組まれた。
なお、ハイパーでは前述のダッシュベガが使えるため、最強の一角に君臨している。
ストリートファイターZeroシリーズ
大柄だが格闘技という格闘技は少なく、サイコパワー技を多用するスタイル。ただし代名詞ともいえるサイコクラッシャーはスーパーコンボのみ。
その代わりにサイコショットという飛び道具を獲得している。
Zero以降はサイコパワーによる超能力的な戦い方が増えた。ベガワープもこの時に獲得している。
Zero3ではCPU専用のラスボスでファイナルベガという全盛期にふさわしい最強ベガとも戦える。
Zeroシリーズは優秀な飛び道具に強力な突進技とちゃんと強い要素はあったのだが、主に大会で使われるのがZero3であり、Zero3は化け物だらけだったため、評価はあまり高くなかった。
ストリートファイターⅣ
Ⅱをベースにした強力な突進技とリーチに優れるキック系の技で攻めるキャラクターになっていた。ベガワープも健在。
普通に考えれば非常に強いキャラではあるのだが、稼働初期はそもそもザンギエフという終わっているキャラが、それ以降もサガット、豪鬼、セスやユン、殺意の波動に目覚めたリュウ、エレナといったぶっ壊れキャラ達が居たためそこまで評価は高くなかった。
マトモな格ゲーなら最強格まであるのだが、ストⅣはぶっ壊れキャラたちがひしめく魔境だったので相手が悪すぎた。
ストリートファイターⅤ
サイコクラッシャーがクリティカルアーツと、新システムのVトリガー2のみ使用可能となり、その代わりに飛び道具の判定を持つサイコブラストを獲得。
更に新システムのVスキルであるサイコリジェクトは飛び道具を吸い込み投げ返すことが出来るようになったため、遠距離主体のキャラクターにたいして滅法強いという性能になった。
また、新技のサイコインフェルノはコンボのつなぎに優秀であり、大パンチ>大サイコインフェルノと入力した後にそのままタメを作れたためコンボが容易。
更に長いリーチも健在な上に”長い”、”判定強い”、”当たったらフルコン”、”ヒット確認簡単”という破格の性能を持つ大パンチを持っている。シーズン4以降必須に近いとされた『ヒット確認』は多くのキャラがスタンゲージの変化を確認する必要があったが、ベガは主要な牽制技が大パンチであり、ヒット時には相手キャラにエフェクトがかかるため相手キャラを目視しているだけでヒット確認が出来る上に大攻撃ゆえに確認猶予が長めとなってたことが追い風だった。
このおかげで火力が高く、地上戦も最強な上に飛びからの比較的簡単なコンボでノーゲージ3割という破格の火力を持っている。
更に更にシーズン4で獲得したヘルズワープは相手の背後にワープして膝蹴りを喰らわせるという技だったのだが、ゆっくり進む飛び道具のEXサイコブラストとの相性が非常に良く表裏の揺さぶりを簡単に仕掛けることが出来て、主に初心者帯で猛威を振るった。
また、Vトリガー1は自己強化でEX技の性能が上昇するというやや微妙な性能だったのだが、AEで追加されたVトリガー2はサイコクラッシャーが使えるようになった上にまさかのコマンド投げが実装。更にコマンド投げが成立すると『サイコマイン』と呼ばれる爆弾を付与し、時間またはコマンドで起爆することで攻めの継続やコンボを伸ばすと言った用途で使われた。
コンボも非常に簡単であり、簡単かつ高火力な最大コンボと中パンチ>しゃがみ中パンチ>サイコブラストさえ覚えてしまえばとりあえず初心者帯で勝つことは容易。なんなら中級者帯以降でもコンボはそれだけでも十分戦えてしまう。
やることが明確でリーチが長い、火力が高い等シンプルに強い要素が揃っていたため『簡単な上にクソ強い』ということから多くのプレイヤーからヘイトを集めていた。結局、最終シーズンまで上位キャラとして君臨し『もはや必要悪』という認識すら受けていた。
実際、大幅強化をうけたダルシムが最上位の評価を受けなかった理由として、カウンターピックとなるベガが上位に居たことも挙げられる。
また、Ⅳでは上位に君臨し続けたサガットが始終弱いとされていた理由もベガにガン不利だからである。
弱点も無くはないのだが、それを補う要素もきちんと持っているため大体弱点になっていないか、技術があればカバーできてしまう。
唯一明確な弱点とすれば、無敵技を持っていない上に防御系のシステムが弱く調整されているため投げキャラに弱いという点だろうか?
また、最大コンボが非常に簡単であり、良く言えばお手軽に強いキャラなのだが悪く言えば強くなるにはコンボや起き攻め、状況判断、防御テクニック等の精度が求められるキャラでもあるため成長を実感しにくく、またベガ使いはヘイトを買いやすいことからモチベーションを維持しづらいキャラであるという点も欠点である。
総じて『なんでコイツ最強じゃないの?』というキャラだが、ⅤはVトリガーによる爆発力が強いキャラほど強いとされる傾向にあったため、トリガーを発動できれば大ダメージを狙えるキャラに比べるとやや弱いという評価だった。
とはいえ、これだけ強い要素を持ちながら弱いわけがなく、バランスが崩壊していたシーズン1こそ弱かったがそれ以降は常に準最強の地位に居続けた。
ストリートファイター6
通常攻撃のモーションが変更された上に、「サイコインフェルノ」と「サイコブラスト」がオミットされ、ワープもしない。全体的に「悪の超能力者」ではなく「格闘家としてのベガ」を意識してか、ⅡやⅣのようなクラシック仕様を彷彿とさせる構成になっている。
最大の特徴は前作のVトリガーⅡの「サイコマイン」を付与する新必殺技「バックフィストコンボ」。
ヒット後、相手の攻撃を受ける前に特定の攻撃をヒットorガードさせるか時間で爆発し、追加の攻撃判定が出るようになっている。
また、伝統の「ヘッドプレス」と「デビルリバース」は「シャドウライズ」という技からの派生となっている他、「サイコクラッシャー」が通常の必殺技に復帰したため「ダブルニープレス」が波動拳コマンドに変更された。
通常技では新たにしゃがみ強キックがその場足払いに、お馴染み旧大足の「ホバーキック」は↘大キックの特殊技に。これにより「サイコクラッシャーの溜めを維持しながら移動する」行動はできなくなった。また、モダン操作では全キャラクター↘下大ボタンでしゃがみ大キック(エドのみしゃがみ大パンチ)が必ず出る仕様になっているためホバーキックはオミットされている。
また、前作で猛威を振るった大パンチはオミットされ、「サイコアックス」が代わりに大パンチとなっている。
サイコマインを付与することで有利を作るというスタイルに変化したためか、必殺技はダブルニープレスを除き軒並み安易に振ると手痛い反撃を受けるようになってしまった。また、前作では確定が無かったODダブルニーもヒットガード問わずに追撃モーションが出るようになったため、迂闊に使うと手痛い反撃を受ける。
しかし、火力の高さは相変わらずで、Ⅴに比べると歩き速度が大幅に上昇、更にドライブラッシュは準最速クラス、中足ラッシュもラッシュ中段も超高速下段のホバーキックもあるため一瞬で間合いを詰め、サイコマインがくっついている相手にOD必殺技を食らわせて起爆すれば凄まじい破壊力のコンボでそのままゲームセットもあり得る。
特に後述のSAが軒並み優秀であり、ラッシュ中段からSA1を絡めたコンボにつなげるだけで4割近く持っていける。
ちなみに、サイコクラッシャーには対空無敵が付与されている模様。長らくベガは対空が課題(元々難しいだけで弱いわけではない)とされていたが、とうとう安定の対空を手に入れてしまった。
無敵技が無いのは相変わらず。とはいえ、6は防御面の共通システムが全キャラ共通で強めになっているため、過去作ほど防御面が厳しいわけでもない。
スーパーアーツ関連ではサイコパニッシャーがSA2として復活、コマンド技に変化している(しれっと動作も新血愁を突いていそうなものになっている)
またSA1は二ープレスナイトメア、SA3はアンリミテッドサイコクラッシャーという技になっている。
どのスーパーアーツも性能が高く、特に何かが引っかかったらODダブルニー>大パンチ>SA1で手軽に高火力が出せる上に画面も一気に運ぶことが出来る。
また、SA2も弾キャラに対して有用で、キャミィのSA3のように運用することも可能とSA3でなくともリーサル力が高いという長所もある。
攻める手札自体は多く、ドライブゲージさえあれば中段、またはしゃがみ中キックからODダブルニーを絡めたコンボに持っていけるため火力も凄まじい高い。
しかし、簡単に扱えたⅤとは違い隙が大きい技が多いため、しっかり立ち回りやコンボを覚え、ヒット確認でうまく制御する必要があるやや玄人向けのキャラクターとなった。
また、ドライブゲージが無くなれば最速のラッシュも弾抜けで便利なODサイコクラッシャーもパリィやDリバなどの咄嗟の防御に使える手段も無くなってしまう都合上、ドライブゲージの管理には他キャラ以上に気をつけなければならない点も見逃せない。
なお、モダンはホバーキックこそオミットされているものの、コマンドでもすべての技が出せる他中段、中足ラッシュも健在であることからモダン適正は高いとの事。アシストコンボも優秀でありなんと強アシストコンボにはオートヒット確認がつく優れもの。反面モダン適正はあるもののモダン操作の恩恵が大きいキャラとは言いづらく、クラシック操作では難しい部分を補いつつクラシックと遜色ない行動ができるエド、春麗などとは異なり「モダン操作にするデメリットは少ないが、メリットも薄い」というキャラに仕上がっている。
コラボ等
『悪の組織の総帥』『サイコパワーという悪のパワーを使う』『高い科学力を持つ組織を率いている』ということから扱いやすいのか、格ゲーに限らずストリートファイターのコラボでは悪役としてよく登場する。
Marvel VSシリーズ
VS Capcomより登場しているが、それ以前にもキャラの背景などに登場している。
ハチャメチャなスーパーヒーローに対抗すべく飛行を習得したりと攻めのバリエーションは豊富になっている。
なお、シャドルーはメカザンギエフも開発しているらしく、隠しキャラとして登場している。
VSカプコンで登場したメカ春麗ことシャドウレディはのちにストリートファイターⅤのチャレンジモードで登場したのだが、あまりにもハチャメチャな性能にプロですら苦戦を強いられるレベルの強さだった。
Capcom VS SNK
ギースなどのボスキャラとは特殊イントロがある。
CVS2の開発中のテストプレイ時に、ストリートファイターZero3のシステムが使えるAグルーヴでオリコン中に画面端でサイコバニッシュを連打すると8割ライフを持っていくというバグのようなコンボが発見され、発見者のd44氏はこれを開発に報告したのだが製品版に残っていたという逸話がどぐらのクソキャラ列伝にて語られている。
上記の仕様もあり、Aグルーヴのさくら、ベガ、ブランカは最強のチームのひとつである。
Namco×Capcom
ストリートファイターのキャラクターの一人として出演。原作通りシャドルーの総帥として暗躍し様々な組織と結託して勢力を拡大した。
スマッシュブラザーズ
スマブラSPにて、他のシャドルー四天王3人のスピリッツにより呼び出し可能。もちろんランクはLEGEND級。能力はバランス型で防御特化のガイルと比べスロットが3つ(ガイルは2つ)ある事もあり扱いやすい。属性も投げなのでその点でもガイルは不利。また特性は当然と言えば当然だが「PSI強化」だがいたいけそうな少年に与えているのを思うとちょっと……。
シュガー・ラッシュ
シュガー・ラッシュがゲームが主題の作品であることからカメオ出演している。物語序盤の悪役お悩み相談会で登場し、主人公が「悪役を辞めようと思うんだ」という発言に「まさかターボする気じゃないだろうな?」と確認・警告している。
演者
軍司眞人 - テレビCM
ラウル・ジュリア - 1994年のアメリカ映画 ※役名は「バイソン将軍」
阿藤快 - 1997年放送「新春かくし芸大会」
ニール・マクドノー - アメリカ映画「ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」
日下武史 - ストリートファイターII MOVIE(劇場版テレビアニメ)
内海賢二 - ストリートファイターII V(テレビアニメ)、ストリートファイター(実写映画、日曜洋画劇場日本語吹き替え)
西村知道 - ストリートファイターZEROシリーズ、ナムカプ
山路和弘 - アメリカ映画「ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」(日本語吹き替え)
若本規夫 - ストリートファイターIVからのシリーズ作品、カプエス
楠大典 - 2012年のディズニー映画「シュガー・ラッシュ」(日本語吹き替え)、ストリートファイター6
余談
初期の人物像
ZEROからⅤにかけては無慈悲・冷酷非道を絵に描いた極悪人という印象が強く根付いているが、初期(Ⅱ)の頃における人物像は現在とは少々異なっている。
ストⅡでの勝利メッセージでは、「お前も俺を倒す事が出来ないのか・・・俺より強い奴はもういないのか・・・」と、最強故の悲哀を覗かせている。何気にこの台詞は本作のキャッチコピー「俺より強い奴に会いに行く」と対になっている。
また、リュウのエンディングでは2位の表彰台に律儀に立っていたりする。勝負に関してはフェアな人物として描かれていた。
アニメ映画版では悪の組織の総帥らしくリュウとの戦いを求めるサガットを制して暗殺命令を下すなど冷徹な面も見せるが、ラストでは自分に立ち向かうリュウとケンに「よかろう! 私も武道家として相手をしてやる」と武道家として勝負に臨むなど、巨悪であると同時に武人の誇りを持った男という描写が多かった。
しかもサイコパワーありなら勝負にならないレベルで圧倒、純粋な格闘戦でもリュウとケン2人がかりでなんとか勝負になるレベルというすさまじい強さだった。
リュウが不意を打って足を拘束している間にケンが竜巻旋風脚、間髪入れずにリュウの昇龍拳、そしてダブル波動拳というドリームコンボにより倒されたが、その際にもサイコパワーを使うことなく最後まで武道家として戦っている。
何故かラストシーンではトラックに乗ってリュウに突っこむという謎の行動に出ているが……。
初期のコミカライズである『ストリートファイターII RYU』(著:神崎将臣)では、終盤において何とリュウ達と共闘。
自身の格闘家としての誇りを掛け、もう一人の自分達と戦うという衝撃の展開を見せた。
こうしてみると、6のベガは戦闘スタイルも含めて『悪の武人』『闇の格闘王』として原点回帰したとも取れるのかもしれない。
ちなみに、あきまん氏によると、ストⅡのベガは中山氏が手掛けたらしい。ドットを打ったのがIKUSAN Z氏
ちなみに、ハリウッドの実写映画版は悪党ではあるのだが小物感が強く、報酬を『バイソンドル』という『世界征服後に発行する通貨』で支払った(当然、支払った時点での貨幣的な価値は一切ない)ため、取引相手であるサガット、ベガ(バルログ)に裏切られるという失態を演じている。
(傭兵扱いのリュウとケンにも裏切られているが、この二人は元々ガイル率いる部隊の内通者である)
名前の変更
海外版では四天王の名前がシャッフルされ、シャドルー総帥の名称が「M.BISON(M・バイソン/バイソン将軍)」に変わっている。
これにはいくつか理由がある。
- 第一には、元々の「バイソン」(オァー)は、モデルとなったマイク・タイソンそのまますぎて危ないので、米国で起訴でもされたら危険と判断された模様。大人の事情とは複雑である…。
- 加えて、「ベガ」という名前は、欧米文化圏では女性的なイメージのある琴座の主星ベガ(和名:織姫星)を連想させたり、"-a"で終わる名前はイライザやエレナ、ララ、ルシアのように女性的な印象を受ける語尾の響きであり、悪の総帥であるベガ(ムッハァー)には似合わず違和感があったとされる。
- さらに、「バルログ」の名は『指輪物語』の魔神バルログを連想させる力強い男性的な名前なので、美麗なイメージのバルログ(ヒョー)とはミスマッチと判断された。
- これらの名前表記は画像データやらとして管理されているし、場合によっては勝利ボイスも別々に録らないといけないし、何より差し替えに伴う基板焼き直しで余計なコストがかかってしまうので、苦肉の策で小手先でプログラムを弄って入れ替えるだけに留めたとのこと。
以上の理由により、それぞれ突貫的に名前のシャッフルが行われたのである。
- まず、肖像権回避のために黒人のボクサー(オァー)は上記の理由で力強き魔神「バルログ」の名を頂いた。
- 華麗なスペイン忍者(ヒョー)は、女性的な顔立ちにも見えるため代わりに女性的な「ベガ」の名を継いだ。スペイン語では vega は文法上は女性名詞に分類され、「肥沃な平原」や「緑豊かな低地」を意味し(カジノで有名なアメリカの街・ラス"ベガ"スもこれが由来)、スペイン語圏では女性の名前として一般的。日本人女性名で再現するなら「めぐみ」や「恵里」が近いだろうか。
- そして、シャドルー総帥(ムッハァー)は、闘牛で猛牛が突進するイメージがたまたまサイコクラッシャーアタックに合致したため「バイソン」の名前となった。
海外のプレイヤーと日本人では認識に齟齬が発生するため、日本人と海外のプレイヤーの会話ではそれぞれの特徴で呼ぶことが多い。
特徴 | 日本語版 | 海外版 | 共通の呼称 |
---|---|---|---|
シャドルーの首領(ムッハァー) | ベガ | M・バイソン | Dictator(独裁者) |
スペイン人の闘士(ヒョー) | バルログ | ベガ | Claw(爪) |
黒人のボクサー(オァー) | マイク・バイソン | バルログ | Boxer(ボクサー) |
ただし、サガットは既に『ストI』でラスボスとして登場済みだったため、この名前変更には巻き込まれなかった。
バルログの項目も参照。
ちなみに、当のマイク・タイソン自身は長年そんなバイソンが自分をモデルにして作られたキャラであることを知って「光栄だ」と語っており、結果的にではあるが訴訟対策として名前が入れ換えられていることを知ってもなお特に揉め事は起こっていない。
が、それでも事情を知らない各国の新規プレイヤーにとっては混乱の原因であり、『6』ベガ参戦発表後の日本インターネットではトレイラーが英語圏用のものだったため「ベガがバイソン(エドの師匠)の体で復活したのか」などの噂が流布された。6のベガのビジュアルがフードに隠れて顔がわかりづらいことやどちらも逞しいおっさんに加え今回のベガが二代目疑惑付きであるため、いろいろとタチが悪い説だった。
(ちなみに、当のバイソンはサブイベントで健在なのが確認されている為、この説は完全にデマである)
なお、『6』一部アジア言語設定時のキャラ名と用語が日本版準拠に変更された為、そちらはVega表記のまま。
しかもワールドツアーの台詞も名前ネタを取り入れ、どちらの地域も「ベガ、バイソン、シャドルー、総帥。何とでも呼べ」と発言しており、サブイベント登場のバルログでもアジアと英語両方の名前を名乗る。字幕のない思念体名乗るシーンは同時発音のため、プレイヤーによってはバイソンにしか聞こえない。このネタは英語ボイスでも同じく仕込まれている。
ちなみにゲーム内で購入できるBGMパックには「Theme of Bison」「Theme of Vega」などの表記があるが、日本語版は日本名準拠となるため、前者はバイソン、後者はベガのBGMとなる。
元々の日本版における「ベガ」というキャラクター名の由来は、琴座ではなくアラビア語のハゲワシ。鷹匠政彦原作、猿渡哲也作画の漫画「力王 RIKI-OH」(1987~90年連載)の悪役キャラクター・鷲崎をモデルにしたため、このような名前がつけられたッス(実際に「ストリートファイターII」開発時はスタッフから「鷲崎」「イーグルヘッド」と呼ばれていた)。
アニメ「ストリートファイターII V」ではベガが「イーグルヘッド」という名前の石像をパートナーのようにしているのもこれの名残である。
ちなみに海外版のM・バイソンの「M」は「マイク」ではないのだが、この「M」が何の略なのかはカプコンからは公式に言及はされておらず作品によってブレが有り、「Street Fighter Alpha3(ストリートファイターZERO3の海外版タイトル)」や北米のアニメ版などでは「Master Bison」、『ストリートファイターIV』では「The Mighty Bison」の呼称が使われている。他にも「Major Bison」の略とされているケースも見られる。
なお、「バイソン将軍」の呼び名は、1994年のハリウッド映画版及びそれをベースにしたゲーム(『ストリートファイター ザ・ムービー』『ストリートファイター リアルバトル オン フィルム』)で使われていた「General M.Bison」が元となっている。
白目?
一見常に白目を剥いているように見えるベガだが、よく見てみると黒目がかなり白っぽいだけであり別に白目にしているというわけではない。
近年はゲームのグラフィックの向上によってそれが分かりやすくなっている。
(ちなみにこれはサガットも同様)
ちなみに白目に見える理由は、過去作だと「黒目の動きで狙いがわかるのが嫌だから」という理由でサイコパワーで消しているという設定だった。
6の対戦前の各キャラの顔のアップ画面では黒目に相当する部分の輪郭が確認でき、ワールドツアーモードではサイコパワーの光で虹彩の部分がうっすらと浮かび上がる描写もある。
空耳ネタ
カプエスシリーズで登場時や、必殺技であるサイコクラッシャーを放つ際に…
「死をくれてやる…」
…と、カッコいい台詞を言うのだが、こいつのせいで(cvまで同じ)
『塩くれてやる』
という意味不明な空耳になっており、ニコニコ動画でも、ベガがこの台詞をいうとほぼ確実にこのコメントが投稿される。
戦国時代の上杉謙信と武田信玄で有名なことわざの「敵に塩を送る」を連想されて絡められることもある。
また彼の組織するシャドル―も、なぜかこの絡みで「表向きでは製塩会社を経営している」という扱いを受けることがある。
6のボツデザインに関して
6に登場するにあたり、かなりのデザイン案が出されていたのだが、一部では「SNKのボスをイメージしたのでは?」と囁かれることも。
実際、デザインを見て見ると、ルガールやゲーニッツ、オロチ、禍忌、クリザリッドと言ったKOFのボスの面影がある。
Year2にてSNKとのコラボが実現しているため、もしかしたらその一環としてコスチュームがデザインされていたのかもしれない。
乗っ取り説?
ストリートファイター6において、豪鬼実装後1周年記念キャンペーンが始まって間もない6月8日に突如Year2DLCキャラとして参戦が発表され、その日のうちにプレイトレーラーが公開される。
更に参戦は6月26日ととんでもないスピード発表がなされた。
発表時には記憶喪失の「ベガらしき男」とアナウンスされ、日本語のみ声優が変更されている。(英語版は続投)。
前述の名前の表記ゆれもあり、最初に公表されたのが英語版のティザーだったため欧米以外の新規プレイヤーからは『ベガがバイソンの身体を乗っ取ったのか?』という憶測や、『バイソンがサイコパワーに飲まれベガを名乗っているのでは?』といった様々な憶測が飛び交った。
PV公表後まもなく公開されたファミ通のインタビューにて開発スタッフからは早い段階で『Ⅴのベガがそのまま登場している』と明言されている。
ボディーもⅤの時のままで、ゼネラルストーリーでリュウとの戦いで出来た手のヒビもそのままになっているとのこと。
ワールドツアーでの発言やリザルト画面でのコメントでは記憶を失っているためか自身が過去にしてきたことについては他人事とも取れるコメントが多く、以前のベガとはまるで別人のような行動をとる存在となっている。
その性格変化と日本版声優交代から、インタビュー内容に反して「体の人格(悪の武人)がサイコパワーの人格(旧作までの魔人)を乗っ取る」などの憶測は今も一人歩きしている。ちなみにとあるカプコン作品の名悪役もウィルスに精神を歪められたからああなったとされ、憶測/考察勢のプレイヤーたちにとっては比較対象の一人。
ちなみに、ワールドツアーでプレイヤーがシャドルー残党たちの実験に関わったのは、チャットアプリで「フー」と名乗る謎の人物からの依頼が切っ掛け。どうやらベガの正体を探っているようで、以後も師匠ミッションを含むストーリーで関わることに。なお、A.K.I.の先生である謎の薬屋ファンフェイとノータイムで連携がとれていたり、かつての幹部「シャドルー四天王」に関する情報収集でバイソン、バルログの名が挙がっているのに自ぶn…「もう一人の重要な幹部」の名前が出ない事に不満げな様子をみせたり偽物ではないかと疑ったりしていた(主人公がそのもう一人をベガに聞いても「……サガット?」と返される始末)。…フーさん、一体何者なんだ…?
戦闘では、記憶を失っているためZero以降のサイコパワーによる超能力的な戦い方から、格闘家として戦うスタイルとなっているとインタビューで語られている。
本人風のチュートリアル「キャラクターガイド」は旧作や日本版前任者に似てない気さくな口調で解説するが、たまには悪役らしいの高笑いもする。
関連動画
Theme of Vega
ストリートファイターVのベガのテーマ
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ストリートファイター シャドルー 悪のカリスマ サイコクラッシャー プロジェクトクロスゾーン2
シャドルー四天王:「Ⅱ」や「ZERO」シリーズまではベガ、サガット、バルログ、バイソンの4人を指す言葉だったが、「Ⅲ」の前日談にあたる「Ⅳ」の頃にはリュウをライバルと認識しているサガットとリュウ絡みの確執によりサガットがシャドルーを脱退したため、代わりにF.A.N.Gが加入している(「Ⅲ」は設定上シャドルーは壊滅しているため存在しない)。
ベガ立ち:腕を組んで直立。特にゲームセンターのギャラリーに対して用いられる。
加藤保憲:モデルになったキャラクター。正確には、加藤をモデルに、『力王』の鷲崎が作られ、さらに彼をモデルにベガが作られた。ベガがサイコパワーという超能力を持っているのも加藤がそういう力を持っているから、と言われているが、当時はせいぜい青い炎を出せる程度でしかなく、今のような超能力のような力を使えるようになったのは社会現象級の人気を博したことでメディアミックス展開していった際に作られた劇場版アニメや神崎将臣氏による漫画「STREET FIGHTER Ⅱ RYU」といった作品にて話の盛り上げのために催眠術や遠距離攻撃、テレポート等の力をベガが使うようになったため。ちなみに、プレイヤーセレクト時のイラストは「Ⅱ」から「Ⅱ TURBO」までが鷲崎に、「SUPER」から「SUPER X」までは加藤のデザインによく似ている。
ドクターバイル:同じくカプコン作品において過去に出ていたキャラと名前が被っていたため海外では名前が変更された人物。
小泉鈍一郎:服装が似ているキャラでこちらも世界征服を目論んでいる総統繋がり、ただしこちらはベガとは違い平和主義者のため性格は正反対。