ツチグモ(カクレンジャー)
げんだいのつちぐも
第19話「暗闇の地獄罠!!」に登場する妖怪軍団に連なる妖怪の1体。
見た感じ黒いオーバーオールをまとった蜘蛛の獣人といった風貌だが胸部に赤い二つの目の様な物が付いている他、身体中に有刺鉄線が巻かれた異様な姿をしている。腹部と背中にもまるで糸で縫い付けたような木の板があり、特に腹部にある板には自身の行いを皮肉った様に「KEEP OUT(立ち入り禁止)」と書かれている。人間態はチョビ髭を生やした自動車の修理屋。
原典の「土蜘蛛」は「昔から山奥に住み、旅人をクモの糸で絡め捕った後に食べてしまう」と言う恐ろしい妖怪だが、現代のツチグモはトンネルで車内の人間を襲い、糸で絡め捕って攫うようになり、その際に大勢の人々を襲うに当たって何と自動車の破壊まで行う。特に後者の破壊工作こそが彼の狩りの肝であり、あらかじめ自動車を破壊しておけば何も知らない他者は自身の犠牲者を「事故に遭った」と勝手に解釈してくれる為、誰も「妖怪である自身の仕業」という真相に辿り着く者はいない。
それでいて破壊した自動車も、後から修理屋の姿でその場に現れれば容易に現場から片付けられる為、証拠も体良く隠滅出来る。こうした点から見ても、原典の土蜘蛛以上に悪質極まりない知能犯と言えよう。
劇中では人間を加工して妖怪の餌となる「人間ソーセージ」を作るべく、こうした犯行をトンネル内で繰り返していた模様。人間を加工食品の為の材料としてしか見ていない辺り、外の妖怪の例に漏れずこのツチグモも邪悪な妖怪の1体である事が分かる。
尚、彼の糸は人間の捕縛だけで無く、戦闘でも敵を捕らえる罠として重宝するのは言うまでもない。また、糸以外にも両目から光線を発射して攻撃する事も出来る。
「人間ソーセージ」を作る為に材料となる人々の誘拐を目論み、トンネル内で自動車を襲撃しては破壊、そして車内の人間を糸で絡め捕って拉致して行く。
事後処理として自動車を修理屋の姿で回収するも、某小学校から帰宅途中の少年であるサトルにカップルを襲っている場面を目撃されてしまう。更に自身の糸の痕跡である粘液を犯行現場に残していた為、サスケ達5人に怪しまれて尾行されるがツチグモも馬鹿ではない。
すぐに自分がカクレンジャーに尾行されている事に気づくや早速貴公子ジュニアに連絡し、事情を知った彼から罠を仕掛けるように命じられる。
その後、夜中に修理屋に忍び込んだセイカイを口からの糸で絡め捕って捕縛すると、残るサスケとジライヤの目の前で正体を暴露。
残る2人も自身の糸の餌食にしようとするも失敗した為、動けないセイカイを抱えて立ち去ると、同じ様に糸で絡め捕ったサトル共々トラックの荷台に乗せて逃走し、追って来る猫丸の視界も口からの糸で塞いで何とか逃げ果せる。
翌日、トラックを停車した廃工場にジュニアと共に罠を仕掛けて待ち受けると、果たして残る4人が到着。残念ながら「罠」と怪しむサスケは掛からなかったが、代わりに残る3人をジュニアが自身の巣に落とした為に作戦は一応成功する。
口から吐く糸でブルーとブラックを行動不能にすると、残ったホワイトに襲い掛かり絶体絶命の窮地に追い詰めるも、一方的に攻撃を受け悶えるホワイトを目の当たりにして怒りのパワーで糸を破ったイエローの決死の反撃を受け、止めの隠流・三段斬りを叩き込まれて敗北を喫す。
直後に降り注いだ妖怪エネルギーの落雷を浴びると、鉄柵を後光の様に背負った状態で巨大化。
巨大戦では廃工場に潜り込まずにガシャドクロと交戦していたレッドを両目からの光線で攻撃するが、獣将ファイターの連携に怯んだところに無敵将軍の火炎将軍剣を止めに叩き込まれ、上記の台詞と共に爆散した。ツチグモが倒れると同時に、彼が攫って来た大勢の人々に絡まっている糸も消え去り、無事解放されるのだった。
モチーフは言うまでもなく土蜘蛛だが、他には墓荒らしや特殊清掃屋も含まれる模様。
今回登場したのがクモの妖怪だった事に因み、講釈師はTVの前の視聴者に「クモは昆虫でしょうか?」という忍者クイズを出題した(答えは節足動物)。
人間態と怪人態の声を演じた森氏は2年前の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』にも出演していた。6年後の『仮面ライダークウガ』では海老沢刑事役で出演する事となる。
妖怪ツチグモ:忍者スーパー戦隊第3作目『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に登場する後輩怪人。
ツチグモ(魔化魍):『仮面ライダー響鬼』に登場する土蜘蛛繋がりのモンスター。
バケネコ(カクレンジャー):こちらも人間を食料にしようとした。