データ
初登場 | ポケットモンスター スカーレット・バイオレット |
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タイプ | ノーマル |
威力 | 20 |
命中 | 90 |
PP | 10 |
分類 | 物理 |
直接攻撃 | ○ |
範囲 | 単体 |
効果 | 仲間たちがわらわらと集まってコンビネーションで攻撃を与えていく。1~10回の間連続であてる。 |
英語名 | Population Bomb |
概要
威力が最低20~最高200と大幅に変動する技であり、最大火力は極めて高いが最低火力も極めて低い博打技。
回数の算出方法は「トリプルアクセル」のように1回1回に命中判定を出し、外したらそこで打ち止めとなる。
なお素の威力は20~200だが、イッカネズミの隠れ特性は「テクニシャン」であるためさらに威力は上がる。その破壊力については後述。
素の命中率は90のため考えなしに使っても10回どころか5回ですら確率的に厳しく安定しない(5回ヒットの確率は59%で、10回全部ヒットする確率は34%である)が、逆に言えばこうかくレンズなどで命中率を補強すると、威力450(あるいは600)の実質みがわり貫通技が90%(0.99の10乗はおよそ0.904)の確率で出せるとんでもない技になる。
威力の期待値は通常時が117なのに対し、こうかくレンズありで189。約1.6倍のダメージ効率である。
もちろん他の命中増強効果も有効であり、命中のランクを上げたりじゅうりょくでサポートしてやれば、絶対に10回ヒットさせることも可能である。
なお、いかさまダイスを持たせた場合は普通の連続攻撃と同様初段のみで命中判定を行う仕様に変わり、一度命中するとランダムに4~10回攻撃を行う。こうかくレンズを持たせる場合と比べるとほぼ無駄であるが、イッカネズミはタネマシンガンも覚えるので併用するなら選択肢にはなるかもしれない。
戦術
イッカネズミの攻撃種族値は75とそこまで高くはないが、この技のおかげで並の相手はみがわり+満タン体力ごと殴り倒せる。
しかもイッカネズミの素早さ種族値は111となかなか速く、大抵のポケモンは上をとりやすい。受け出ししたら上からもう一発ネズミざんを叩き込まれてそのまま退場......ということも普通にあり得る。
連続攻撃なので、10回中どれかが急所に当たる確率が高い(10発すべて命中した際、1度でも急所に当たる確率はおよそ35%)、がんじょうやきあいのタスキ、みがわりやしっぽきりに強い、といった点も強み。
尚みがわりが出た場合でも、1ターンロスすることにはなるが、おかたづけを使用すればみがわりを除去できる上に、物攻&素早さを1段階ずつ上げることが出来る。
また、おうじゃのしるしを持たせてひるみを狙うという戦術も生まれている。期待値はおよそ42%、全弾ヒットすればあのてんのめぐみエアスラッシュをも超える65%強でひるむ。イッカネズミはでんじはが使え、また『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では今のところトゲキッスが不在であるため、いわゆる「まひるみ」の新たな担い手として期待できる。
ねずみ算の名を冠するだけあり、命中すればするだけダメージがどんどんと増えて手がつけられなくなる技といえよう。
デメリット
当然ゴーストタイプには完全に無力であり、はがねやいわ等の半減タイプもイッカネズミの攻撃種族値を鑑みれば(目を見張る火力が出せるとはいえ)ゴリ押すには心許ない。
また接触技であるため、ゴツゴツメットやさめはだ、ほのおのからだなど、接触技のカウンターには極めて弱い。具体的にはHP満タンからでもゴツゴツメットは7回、さめはだは9回接触すると自滅する。相手を何発で倒せるかにもよるが、相手を間違えると即死もあり得るので要注意。
特に素の防御が高く、殴られるたびにじきゅうりょくで防御を上昇させる上にゴツゴツメットとの相性も良く、ボディプレスを保有するバンバドロには注意。
イッカネズミに防御・耐性面で有利となるナットレイは内定しなかったが、仮に内定していた場合はネズミざんへの抑止力となったのではないかと思われる。
どれくらいの火力なのか?
具体的なケースがまとめられていたのでここで紹介しよう。
こちらのイッカネズミは攻撃努力値極振り、特性「テクニシャン」、テラスタイプはノーマルとする。また攻撃を受ける側のポケモンはHP・防御努力値極振り+性格補正込みとする。
まず火力指数だが、性格補正ありなら実に62550(テラスタル時で83400)、補正なしでも57150(76200)。これはあの全盛期の攻撃特化メガガルーラの「すてみタックル」の52380を優に上回る。
『スカーレット・バイオレット』の火力指数ランキングでもハリテヤマの「こんじょう」発動時「きあいパンチ」の63787に次ぐ第4位であり、なんとセグレイブの「つららばり」全弾ヒットやミライドンのエレキフィールド時「かみなり」よりも上。そもそも他の上位の殆どが禁止級、あるいは条件を整えるのが難しい技や特性が並んでいる時点で何かがおかしい。
では実際のダメージ計算ではどうか?
性格補正あり、「テクニシャン」攻撃極振りイッカネズミのノーマルテラスタル「ネズミざん」の火力は性格無補正「ちからもち」攻撃極振りマリルリの「はらだいこ」→「アクアブレイク」に匹敵する。
性格補正ありならクレベースでも等倍以上だとテラスタルいらずで超高乱数2発。もちろんこれより柔らかいヘイラッシャは確定2発、ラウドボーンはうっかりゴーストを消してしまうとテラスタル時高乱数1発で吹き飛ぶ。
タイプ半減のはずのキョジオーンやミミズズ、アーマーガアですらテラスタルを切れば乱数2発。机上の空論になるが、ハガネールやレジロックを持ってきてようやく確定4発となる。
いかにインチキな火力が出ているかが分かるだろう。
余談
「ねずみ算」とかけて「ねずみ斬」ということなのか、斬撃技であるらしく、きれあじの補正が適用される(倍率はテクニシャンと同じく1.5倍)。
ネズミざんの英名は「Population Bomb」。故に日本語を知らないと「何故Population BombはBulletproofで防げなくてSharpnessで強化されるんだ!」と混乱必至なこと請け合い。
意味合いとしては「無差別攻撃」辺りが近いか。元ネタのねずみ算と同じく、爆発的に人口増加すると言う意味合いの「Population Boom」も掛かっているのかもしれない。