概要
2008年7月にアトラスより発売された、PS2用ロールプレイングゲームの『ペルソナ4』のアニメ版。実はペルソナシリーズの原作をアニメ化した作品はこれが初となる。
2011年10月から2012年3月まで、MBS・TBS・CBCにて放送。全25話+1話。
テレビ放送版ではノーマルエンドまでの物語が描かれたので、本当の黒幕との対決はなかった。
そちらを描いたトゥルーエンドエピソード「No One is Alone」はBD/DVD版第10巻に収録され、続編『Persona4_the_Golden_ANIMATION』の第0話に当たるタイミングで、一部カット版で放送された。(そのため、最後には『the Golden ANIMATION』第1話の次回予告がある。つまり、『P4GA』を2周目と解釈できるような作りとなっている)
さらに劇場版総集編である『the Factor of Hope』も上映された。
監督の岸誠二は、かつて監督を担当した『Angel Beats!』の脚本の麻枝准から勧められたことで本作を知ったとか。
本作の好評を受けてか、同女神転生シリーズ原作であるアニメ『DEVIL SURVIVOR 2 the ANIMATION』の監督や、アニメ映画『PERSONA3 THE MOVIE』のスーパーバイザーを担当することとなった。
2018年4月には、次作のアニメ版『PERSONA5 the Animation』の放送に伴いBD-BOXが発売。続編『Persona4_the_Golden_ANIMATION』も同時に収録されている。
スタッフ
監督:岸誠二
シリーズ構成:柿原優子
ペルソナデザインコンセプト:金子一馬
キャラクター原案:副島成記
キャラクターデザイン:森田和明
クリ―チャーデザイン:秋 恭摩
プロップデザイン:常木志伸
アニメーションディレクター:植田洋一
総作画監督:中原清隆
美術監督:長岡慎治、宮越 歩
コンポジットディレクター:今泉秀樹、髙井泰子
色彩設計:合田沙織
CGディレクター:渡辺哲也
編集:櫻井 崇
音楽:目黒将司
音響監督:飯田里樹
アニメーション制作:AIC ASTA
特徴
ゲームでのカットインや、アイキャッチでのステータス表示、日付変更シーンでのカレンダー表示などの表現がアニメで再現されている。
その他、ギャグ回やシリアス回での評価もおおむね好評であり、原作を再現したエピソードにおいてもキャラクターの声色や演出によってテイストが異なる回も存在する。
音楽はゲーム同様目黒将司が担当しており、ゲームの音楽は勿論、アニメ版の新規楽曲(「全ての人の魂の絆」や「We Are One and All」など)も流れている。
また、自称特別捜査隊の面々は原作ではそれぞれの得意武器を用いていたが、本作ではペルソナに主題を置くためか、戦闘では一部のシーンを除いてサマナーとしての役割に徹している。
とはいえ、ペルソナがくらった状態異常をサマナーが引き継ぐという設定などしっかりと原作を踏襲した部分もある。
ジライヤやキントキドウジといったペルソナは原作では使用しなかった固有武器を活用するシーンがあり、原作ゲームに囚われないアクションは『P4U』シリーズに通ずるものがある。
なお、現在ではP4主人公のデフォルト名称として定着している「鳴上悠」は、この作品が初出。
原作ではプレイヤーの分身に過ぎなかった主人公に、アニメ主人公としての独自のキャラ付けがなされている(とは言え「そっとしておこう」「夜はパスで」「ハイカラですね」などの原作でも存在した台詞を採用しており、ある程度原作の雰囲気に沿ったキャラ付けになっている)。『P4U』や『P4D』シリーズなど原作の外伝作品では、セリフ量が多い関係上からか、本作の性格に近しいキャラクター付けで進行する事が多い。
プロデューサーと監督が第1話のオーディオコメンタリーで語ったところによると、誰か1人の案ではなく、多数のスタッフが数えきれないほどの案を出し、それを統合する形で決められたようだ。
基本は原作に忠実だが、コミュや人間パラメータ育成に関しては原作ではかなりのボリュームがあるなどの理由からかアニメ向けに大幅なアレンジがなされている。
例えば、夏休み中には「死神」・「隠者」・「節制」・「塔」をコミュMAXにするという流れで話が進み、夏祭りというイベントを通してコミュキャラをクロスオーバーさせている他、「太陽」コミュは吹奏楽部ルートで進行している。
加えてコミュキャラを中心に一部の重要キャラクターやサブキャラクターは原作から声優が変更されているのも特徴的で声優陣はかなり豪華である。ただし、『P4G』では声優の変更はされていない。
- 一条康:福原耕平(ゲーム版)→小野大輔(アニメ版)
- 長瀬大輔:不明(ゲーム版)→杉田智和(アニメ版)
- 小西尚紀:不明(ゲーム版)→代永翼(アニメ版)
- 上原小夜子:不明(ゲーム版)→桑谷夏子(アニメ版)
- 中島秀:不明(ゲーム版)→市来光弘(アニメ版)
- 黒田ひさ乃:不明(ゲーム版)→谷育子(アニメ版)
- 南絵里:不明(ゲーム版)→伊藤美紀(アニメ版)
- 松永綾音:不明(ゲーム版)→遠藤智佳(アニメ版)
- 柏木典子:大原さやか(ゲーム版)→生天目仁美(アニメ版)
- 小西早紀:不明→(ゲーム版)→なかせひな(アニメ版)
- 山野真由美:伊藤かな恵(ゲーム版)→甲斐田裕子(アニメ版)
- 久保美津雄:不明(ゲーム版)→高橋剛(アニメ版)
- ガソスタ店員:粕谷雄太(ゲーム版)→水島大宙(アニメ版)
- 八十神高校校長:不明→斧アツシ(アニメ版)
- ???:???(ゲーム版)→中尾隆聖(アニメ版)
なお、『ペルソナ3』のキャラクターである伏見千尋や江戸川先生はドラマCD版のキャスト(前田愛、中尾みち雄)に準じているが、後年に発売された『ペルソナ3リロード』では別のキャストが務めた。
ちなみに「テレビ」というガジェットが出てくる本作らしく、アナログテレビが映る場面では画面右端に「アナログ」のテロップが書き込まれており、ペルソナが大ダメージを喰らうとノイズが走る演出もある。
おそらくは作中の設定がアナログ放送終了前(2011年4月11日)から始まることに引っ掛けたネタなのだろうが、本作の放送開始時には既にアナログ放送が終了している(史実でのアナログ放送終了は2011年7月24日)。
原作に合わせ、携帯端末もしっかりガラケーのままなのも時代を感じさせる。
タイトル一覧
話数 | タイトル | 意訳 |
---|---|---|
#01 | You're myself, I'm yourself | 我は汝、汝は我 |
#02 | The Contractor's Key | 契約者の鍵 |
#03 | We are friends, aren't we? | あたしたち、友達だよね? |
#04 | Somewhere not here | ここじゃないどこかへ |
#05 | Would you love me? | 私のこと、愛して? |
#06 | I'll beat you, and beat you good | しめんぞ、キュッとしめんぞ! |
#07 | Suspicious Tropical Paradise | あ・や・し・い 熱帯天国 |
#08 | We've lost something important again | 俺達また大事な何かを失くしちまった |
#09 | No one sees the real me | 誰も本当の私を見てない |
#10 | Real Me Doesn't Exist | 本当の自分なんていない |
#11 | Catch Me If You Can | ボクを捕まえてごらんよ |
#12 | It's Not Empty At All | 俺はからっぽじゃない |
#13 | A Stormy Summer Vacation 1/2 | 怒涛の夏休み 前編 |
#14 | A Stormy Summer Vacation 2/2 | 怒涛の夏休み 後編 |
#15 | The Long-Awaited School Trip | 待ちに待った修学旅行 |
#16 | Although the Case Was Closed | 事件は解決したはずなのに |
#17 | I Want to Know the Truth | 僕は真実が知りたい |
#18 | Anniversary to Become a Family | 家族になる記念日 |
#19 | It's School Festival Day! Time to Have Fun | 今日は文化祭! 楽しまねぇとな! |
#20 | We'll all meet at the AMAGIYA Hotel | 天城屋旅館に全員集合 |
#21 | DON'T SAVE ANYONE ANYMORE | コレイジョウ タスケルナ |
#22 | It's just like Heaven | まるで天国のような・・・ |
#23 | In Order to Find the Truth | 真実を見つけること |
#24 | The World is Full of Shit | 世の中クソだな |
#25 | We Can Change The World | あいつらと一緒なら、世界だって変えられる |
#26 | No One is Alone | 君も、みんなも、ひとりじゃない |
アニメでのワイルド能力
アニメでのワイルド(複数のペルソナを扱う能力)は、手に入れたコミュニティに応じて新たなペルソナを召喚する事ができる。
ペルソナの交代は「チェンジ!」と叫びペルソナを消滅させた後、再びカードを破壊し異なるペルソナを召喚。この際にできる隙を妨害される事もあり、身動きが取れない状態ではペルソナチェンジは行えないようだ。
また、特定のコミュニティのカードを召喚し同時に破壊する事でペルソナ合体を行う事ができる(つまり、ゲーム版のように逐一ベルベットルームに行く必要がない)。
また、レベルの概念が描写しづらいという事もあってか、ペルソナの初期レベルに関してはあまり考慮されておらず、例えば魔術師のコミュ解放後に魔術師のペルソナが解禁→初期レベル32のジャックランタンが序盤でいきなり登場するといった事がある。
発動したペルソナ
ペルソナ | 話数 | 属性 | 備考 |
---|---|---|---|
イザナギ | 1話 | 愚者 | 最初のペルソナ |
ジャックランタン | 3話 | 魔術師 | 放送日がハロウィン |
アラミタマ | 4話 | 戦車 | |
ラクシャーサ | 7話 | 剛毅 | |
ヤマタノオロチ | 7話 | 月 | 初のペルソナ合体の行使(魔術師:ジャックフロスト×女教皇:ガンガー) |
マカミ | 12話 | 刑死者 | 怒涛の9連チェンジコンボで登場 |
キングフロスト | 12話 | 皇帝 | (同上) |
ハイピクシー | 12話 | 女教皇 | (同上) |
リャナンシー | 12話 | 恋愛 | (同上) |
ゲンブ | 16話 | 節制 | |
アラハバキ | 17話 | 隠者 | 対直斗の影戦での連続チェンジ |
アバドン | 17話 | 塔 | (同上) |
モト | 17話 | 死神 | (同上) |
ベルゼブブ | 17話 | 悪魔 | (同上)、ペルソナ合体、悪魔コミュMAX、メギドラオンにございます |
サトゥルヌス | 22話 | 星 | 対クニノサギリ戦 |
アトロポス | 22話 | 運命 | (同上) |
タム・リン | 22話 | 太陽 | (同上) |
コウリュウ | 22話 | 法王 | (同上)、ペルソナ合体、法王コミュMAX |
スラオシャ | 22話 | 正義 | (同上)、正義コミュMAX、マハンマオンでのシャドウ殲滅 |
イシス | 25話 | 女帝 | 対???戦 |
ルシファー | 25話 | 審判 | 対???戦、審判コミュMAX |
スパルナ | 26話 | 太陽 | 対???戦 |
??? | 26話 | 世界 | 対ラスボス戦 |
主題歌
オープニングテーマ
「Pursuing My True Self」(TV版1話)
作詞 - 南場優・RyoRca / 作・編曲 - 目黒将司 / 歌 - 平田志穂子
ゲーム版OP。
「sky's the limit」(前期)
作詞 - Lotus Juice / 作曲・編曲 - 目黒将司 / 歌 - 平田志穂子
「True Story」(9話)
作詞 - 田中裕一郎 / 作曲・編曲 - 目黒将司 / 歌 - 久慈川りせ(CV:釘宮理恵)
※後のゲーム版『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』で使用した楽曲で、このテレビアニメ版が先行公開。
続編『the Golden ANIMATION』ではこの楽曲が使用されたエピソードにあたる5話で挿入歌として使用され、この時にはマリー(CV:花澤香菜)が加わる。
「key plus words」(後期)
作詞 - Lotus Juice / 作曲・編曲 - 目黒将司 / 歌 - 平田志穂子 feat. 川村ゆみ
※続編『the Golden ANIMATION』8話でも使用。
「Burn My Dread」(15話)
作詞 - 小森成雄、小森祥弘 / 作曲・編曲 - 目黒将司 / 歌 - 川村ゆみ
※前作ゲーム『ペルソナ3』(以下P3)の主題歌。というのも、同作に登場する私立月光館学園に訪れる修学旅行の話に使われたため。アイキャッチにも使用。
このほかにも「Mass Destruction」、「深層心理」、「Brand New days-はじまり-」、「Calamity」、「ペルソナ」、「Joy」、「試験中…」、「やすらぎ」、「この不思議な感覚」などP3やP3Fで使用された楽曲が劇伴として使用された。
ちなみに、放送当時はまだ『P3』はアニメ化されておらず、本作の放送終了後に『P3M』が公開される事となる。
エンディングテーマ
「Beauty of Destiny」(前期)
作詞 - Lotus Juice / 作曲・編曲 - 目黒将司 / 歌 - 平田志穂子 feat. Lotus Juice
※映像はコミュニティ誕生ごとに、アルカナの絵柄が明らかになる仕掛けとなっている。
アルカナ完全版は、BD/DVD第10巻の映像特典として収録されている。
「恋する名探偵」(13話)
作詞 - meg rock / 作曲・編曲 - 目黒将司 / 歌 - ラブリーン(CV:堀江由衣)
「The Way of Memories -キズナノチカラ-」(後期)
作詞 - 小森成雄 / 作曲・編曲 - 目黒将司 / 歌 - 平田志穂子
「ほんとのきもち」(18話)
作詞 - 小森成雄 / 作曲・編曲 - 目黒将司 / 歌 - 平田志穂子
「Never More」 (25、26話)
作詞 - 小森成雄 / 作・編曲 - 目黒将司 / 歌 - 平田志穂子
ゲーム版ED。
関連リンク
Persona4 the ANIMATION ニコニコ大百科
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真下かなみ:本作でビジュアルが描かれたが、後年に登場したデザインとは全く異なる。