概要
その姿は各地の伝承によって、蛇(インドコブラ)そのものや、頭が7つある蛇や、下半身が蛇である人間であったり、中国や仏教では竜であるなど、様々に描かれる。
現代の創作物においては、これをモチーフとして生まれたキャラクターの多くが、その名を冠している。
曖昧さ回避
- インド神話に起源を持つ、蛇の神の一族。詳細後述。
- ライトノベル『スレイヤーズ』シリーズの登場人物。 → 白蛇のナーガ
- ゲーム『ファイアーエムブレム』シリーズの登場人物、および魔法の名称。 → ナーガ(FE)
- ゲーム『モンスターファーム』シリーズのモンスターの種族名。 → ナーガ(モンスターファーム)
- ゲーム『パズル&ドラゴンズ』のモンスター。 → ナーガ(パズドラ)
- ゲーム『Shantae』シリーズの敵キャラクター。 → Naga(Shantae)
- アニメ『クロスアンジュ天使と竜の輪舞』の登場人物。 → ナーガ(クロスアンジュ)
- TCG『デュエル・マスターズ』の種族の一つ。 → ナーガ(デュエル・マスターズ)
- 漫画『べるぜバブ』に登場する悪魔。 → 水竜王ナーガ
- 特撮作品『宇宙戦隊キュウレンジャー』の登場人物。 → ナーガ・レイ
- 小説『ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』に登場する機械竜。 → 機械龍ナーガ
ナーガ(インド神話)
概要
経典においては蛇(インドコブラ)を思わせる容姿とされている。
他にも各地の伝承によって、蛇そのものであったり、頭が7つある蛇や、下半身が蛇である人間であったりと様々に描かれる。
地下世界パーターラに独自の王国を築いて生活している。ナーガたちを治める諸王のことは「ナーガラージャ」と呼ばれる。
強力無比な毒を有し、敵対者を死に至らしめると同時に、信奉する者に対しては祝福を与えて毒の害から護る。その性質は人間同様多彩であり、神の随行者たるナーガ、人間と苦楽を共にするナーガ、万物に害を為す悪のナーガなど様々である。
神鳥ガルーダと敵対関係にある。
- 細かく言うと「ナーガ」は男性(雄)のみを指す呼称で、女性(雌)は「ナーギー」と呼ばれる。現代においては「ナーギニー」も女性のナーガを指す言葉として用いられるが、「ナーガを伴う女」といった意味となり、原語としては直接的に「ナーガの女性形」というかたちにはなっていない。
- ヴァルナの武器ナーガパーシャ(蛇の縄)や“ラーマーヤナ”のインドラジットが使う相手を縛る蛇(ナーガ)など、単純な名詞として用いられることもある。
仏教において
コブラのいない中国では、漢訳経典において「竜」と翻訳され、中国元来の龍信仰と習合し、日本にもその形式で伝わった。
仏教では竜神として取り入れられ、八部衆のひとつに挙げられる。
例としては、菩提樹の下で瞑想する釈迦を雨風から守った「ムチャリンダ」という名前のナーガがいる。また、ナーガは釈迦族のトーテムでもあり、釈迦が息子のラーフラを名付けた説の一つに、「ナーガの頭」になる者という意味を込めて名付けたというものもある。
仏教の世界観では衆生には四つの生まれ方があるとされるが、ナーガには卵生、胎生、湿生、化生いずれからも生まれるとされる。
それはナーガを捕食する金翅鳥(迦楼羅=ガルーダ)も同様。生まれにより、迦楼羅が捕食できる種類は限られている。
ラミアとの違い
現代の創作物においては、神話と離れた半人半蛇の女性キャラクター…いわゆるモンスター娘として描かれることもあり、似た容姿のラミアと混同されることもある。
双方のざっくりとした違いは以下の通り。
ナーガ | ラミア | |
---|---|---|
出典 | インド神話 | ギリシャ神話 |
素性 | 蛇神 | 怪物に変えられた女性 |
主な容姿 | 蛇 / 複数頭の蛇 / 半人半蛇の男女 / 竜 | 半人半蛇の女性 |
双方は全く別の存在ではあるのだが、ゲーム『聖剣伝説』シリーズにおいては、双方を掛けあわせた名の「ラミアンナーガ」なるキャラクターまで登場してしまっている。