「夢ねぇ、そんなのすぐ絶望に変えてあげるんだね」
CV:甲斐田ゆき
人物
絶望の魔女・ディスピアに仕える『ディスダーク三銃士』の1人。ディスダーク三銃士の能力として、人々の夢を絶望に変え怪物ゼツボーグを生みだす。
言葉の節々に「~だね」と付ける。
その実力は、ディスダーク三銃士の中でナンバーワンと言われている。
ゼツボーグを召喚するときの口上は「ロック・ユア・ドリーム!」(Lock your dream!)
指を1度鳴らし胸についている南京錠が飛んでいく。青年姿では南京錠をサッカーボールのように蹴り飛ばしてゼツボーグを召喚する。
名前の由来は、「岩」を意味する英単語の"rock"ではなく、「施錠する」を意味する英単語の"lock"より。
ただ単純に「閉じる」を意味するクローズ(close)やシャット(shut)と異なり、「鍵をかける」という意味合いが強い。
最終形態がカエルとドラゴンが混じったような姿になるため、「frog(フロッグ)」とかけている可能性もある。
容姿
小柄な少年の姿をしており、小悪魔を思わせる衣装で身を包み、2本の角と目の装飾が施された大きなフードと長い前髪で素顔が見えない風貌が特徴。背中にはコウモリのような赤い翼がついている。
ロックミュージシャン(Rock musician)をモチーフとしたディスダーク三銃士だが、キャラクターデザインの中谷友紀子曰く、「エモーショナル・ロックのアーティストのイメージ」とのこと。2000年代のエモな感じを出したつもりと語っている。
同時に恐竜の着ぐるみ案もあった模様。
三銃士の中ではミュージシャン要素が一番薄く、HIPHOPのようなデザインとなっている。
フードについている目は表情に応じて変化することがある。
19話にてアップで発言しているカットは、そのほとんどが顔ではなくフードしか映っていないことなど、フードのほうが正体なのではないか?という説が出てきていた。
目付きのパーカーのデザインは中谷の案であり、シリーズディレクターの田中仁は
『このパーカーのデザインがその後の彼の運命を大きく左右することになった』と語っている。
彼が本編に登場する以前の時期は、ABC朝日放送のホームページにおける彼の紹介文章には“少年の姿をしているが…?”と意味深な一文が載っていた。本編登場後は詳細な内容が書き加えられたかわりにこの一文が削除されてしまっている。
このことから「何らかの隠された力や姿があるのではないか?」と初期から疑惑をもたれていた。
青年形態
そして第23話において、キュアスカーレットに受けた傷を癒すために“絶望の森”へと帰還したディスピアから傷を癒すために必要な絶望を集める事とディスダークの全権を任されたのを契機に遂に本来の力を解放し、少年の姿から青年の姿へと変貌した(その際、声も外見通り少し低い声へと変化している)。
そのため一部の視聴者が絶望の檻に閉ざされてしまった。→ロックショック
なお、青年姿ではフードと上着が一体化し、パーカーのようになっている。裏地はヒョウ柄であり、背中の翼が以前より大きくなっている。フードと前髪で素顔が隠されているのは変わらない。
最終形態
第30話において自身が奪った9つのドレスアップキーを取り戻され追い詰められたロックが
分身した青と緑をロック本体に戻し、ホープキングダムの城をゼツボーグ化させていた絶望のエナジーを全て自分の体内に吸収することで変身した姿。
トカゲとカエルを合成したかの様な黄色のドラゴンの姿をしており、フードがまるでロック本体を喰らい飲み込むような動作を見せた後に変貌する。大きな赤い瞳と鋭い牙が特徴。
口からは緑色の光線の様なブレスを吐き出し、体はそのふくよかな体型通りに弾力があり、物理攻撃を吸収してしまうため打撃が利かず、しっぽを使って後ろからの攻撃にも対処できるため攻守ともに隙が無く、加えてその巨体にそぐわぬ素早さまで持ち合せており、背中の翼で空を飛ぶことも出来る。
この状態のロックはプレートに溜め込んでいた絶望のエナジーをすべて吸収しているため規格外の強さをもっており、本人曰くかつて先代プリンセスプリキュアに敗れたディスピアよりも強くなったということ。
その自信に偽りはなく、フローラ達の合体技「プリキュア・トリニティエクスプロジオン」すら破ってみせた。
なお、第25話までのオープニング映像では、ロックの影がドラゴンのような怪物の形に見えるカットがあり、本性を現す伏線になっていた。
ゾンビ形態
第48話にてディスピアが「小賢しいだけの失敗作」と罵りつつも、使いようがあるとボロ雑巾のような残骸(亡骸?)から巨大モンスターとして復活。見た目もみすぼらしく最早、生前の知性を感じられないゾンビさながらの存在と化しいている。ディスピアの為に戦い絶望を求めるだけのただの操り人形のようだ。
性格
携帯ゲーム機をプレイしている根暗っぽい容姿だが、性格はどちらかというと飄々とした生意気な雰囲気を漂わせており、キュアフローラのことを最初は「地味」、「蕾のプリンセス」と称していた。
また、ディスダーク三銃士の中では最年少のメンバーであるが、前述の高い実力からほかのメンバーを軽視して見下す傾向にあり、同僚のクローズやシャットを「いらない」とまで豪語している。
ディスダークでの地位
ロックはクローズやシャットと同様に、ストーリーが進むにつれてポジションが変化していくキャラクターである。
トワイライトの従者期
第13話から登場したトワイライトにはディスピアの娘ということもあって、表向きには「忠実な家臣」として従っているものの、本心では彼女の心理などを見透かしたような仕草をしている。
第23話では、ディスピアの支配から解放されキュアスカーレットとなった彼女と対峙するが、その際に彼女のトワイライトだった頃のトラウマを抉る精神攻撃を仕掛けてきたりと狡猾な戦い方を見せていた。
その姿を見て、彼を思い出した視聴者も少なからずいただろう。
リーダー就任以降
第22話までは3幹部の中の一人というポジションに収まっていたが、第23話でディスピアからディスダークの指揮権を与えられた。
これはディスピアがキュアスカーレットとの戦闘で大きな傷を負い、それを癒すために「絶望の森」で長い眠りにつく事になったためだ。
そして、この第23話のラストシーンにて、本当の力を発揮するべく少年から青年の姿となり、まさにディスダークの首領代行に相応しい姿となる。
青年の姿になってからは、今までよりもさらに傲慢さと邪悪さが増し、何よりも人間に絶望を与えることに愉悦を感じる危険な兆候を見せるようになった。
一気に悪役度が増したことには視聴者だけではなく同胞のシャットすらも戸惑っており、「お前なんか雰囲気変わったぞ…」と呟いていた。
もっともこの時点ではクローズもトワイライトもいなくなっていたので、ディスダークはディスピア、ロックとシャットの3人しかいないという寂しい状態であり、首領代行といってもシャットをコキ使えるようになっただけという話ではあるのだが。
ディスピアはロックにディスダークの指揮権を譲渡する際に、鍵穴の付いた一枚のプレートを託している。
これは絶望の檻に閉じ込めた人間の絶望のエナジーを鍵穴から吸収することができるアイテムである。ゼツボーグを作り出して暴れさせるたびに鍵穴に絶望のエナジーが溜まっていくという仕組みだ。
この鍵穴が絶望のエナジーで完全に満たされれば、それを供することによってディスピアはより強力な力を得て眠りから目覚めることができるのだという。
ロックが統率するようになってからのディスダークは、プレートに絶望のエナジーを効率的に貯めることを重要視しており、部下になったシャットにはプリキュア討伐やドレスアップキーの探索よりも「絶望のエナジーを貯めること」を優先して指示している。
そして第29話で奪い取ったドレスアップキーを絶望の檻に閉じ込めることで、キーにこめられた絶大な夢のパワーをそのまま絶望のエナジーに反転させ、ついにプレートの鍵穴を絶望のエナジーで満たすことを達成する。
だが、それをディスピア復活のために供することはせずに、ディスダークの根城にしていたホープキングダム城をゼツボーグに変えるために使ってしまう。
真の目的
実は、ロックはディスピア(やトワイライト)に対する忠誠心など最初から皆無で、いつの日か自分がディスピアに代わる新たな「絶望の王」となり、自分の思うがままに世界を絶望に染め上げるという野望を持ち続けていたのだ。
第29話の終盤でゼツボーグ化した城を率いて人間界への大規模な侵攻を開始し、第30話でプリンセスプリキュアに自分の野望を明かした。しかしその野望が達せられることはなかった。
また、トワイライトには「絶望のプリンセス」という筋書き、ロックは「絶望の王」になるという野望がある。
戦闘能力
ディスダーク三銃士の中ではトップクラスの実力をもち、キュアトゥインクルなどを足蹴りだけで遠くへと飛ばすほどの攻撃力がある。
また、首下にある南京錠の鍵穴からは強力な破壊光線も出せる。
真の力
第23話では、生み出したゼツボーグをさらに強化できる能力を発揮。ロックが強化したゼツボーグは彼のフードと同じような2本の角が生える。
このことは元トワイライトであるトワも知らなかったため、仲間にもその力の全容は明かしていなかったようである。
第28話では自分の影から色違いの分身(青と緑)を作り出している。分身の青はマーメイドと海の中で戦っていたことから水中戦が可能。また、ロックの影は本体から切り離して自在に動けることもこの話で判明した。ロックが影を操っているのか、影自身がロックとは別の意思をもって動けるのかは不明。
この第28話ではプリキュアたちの浄化技を直撃してロックが消滅したにも関わらず影だけは無事で、さらにロック本体がいつのまにか復活しているという謎の現象を起こしている。
ちなみに青と緑は声の高さやパーカーについている目の位置が異なり、分身は片足に付いている。
アクションショーではクローズを4人に分身させていたことから、自分以外の者を分身させることも可能である。
第30話では自ら作り出した強力な光線を自由自在に操り、プリキュアに変身できないはるか達を容赦なく攻撃する。
消滅・復活・そして…
第30話で上述した最終形態になり、プリキュアと決戦を行う。
最終的に、4本のプレミアムドレスアップキーによってドレスアッププレミアムに新たに覚醒したプリキュア達の新必殺技「プリキュア・エクラ・エスポワール」の直撃を受ける。そして青年の姿に戻った上で、そのまま学園敷地内の浜辺沿いの森の中に落下。その直後にフードが光となって消滅。絶望の力を噴出する青年の肉体だけが残された。
あとで判明するが、この青年はクロロという妖精がロックの力によって強制的に変化させられた姿に過ぎず、この時点でロックそのものは完全に消滅した…かに思われた。
ロックが「かつて先代プリンセスプリキュアに敗れたディスピアよりも強い」と豪語していたことから考えると、今回の戦いでプリキュア側が勝利できたのは先代の時代にはいなかった4人目であるキュアスカーレットの存在が大きいのかも知れない。
そして、プレミアムドレスアップキーの4本目であるサンキーを生み出したのが七瀬ゆいであることを考えると、ロックの最大の敗因はクローズのときと同じく「ゆいがイレギュラー要因だったため」と言えるだろう。
はるかはロックの最終形態を初めてみたときに「クローズのときと同じだ」と戦慄していたが、クローズが絶望に飲まれて「自分を含めたすべての消滅」を望んでいたのに対して、ロックはプリキュアを倒して王になるという野望を最後の最後まで持ち続けたので、二人の最終形態の在り方は大きく異なる。
プリキュアとロックの最終決戦の描写も、ロックの野望とプリキュアたちの夢のどちらが強いかが競われるような展開になっており、コミュニケーションそのものを否定していたクローズ戦のときとは趣が違う。
歪んではいるがロックは最後まで自分の夢を持ち続けた形となっており、それゆえに相容れない夢を持つプリキュアとぶつかり合うしかなかったと言えるのかもしれない。
クローズと比べればちゃんと夢をぶつけ合うことができた相手ともいえ、ロックを倒したときのフローラの「ごきげんよう」も、クローズのときのような悔いの表情を見せることはなかった。
前述の通り、第30話の時点でロックは光の塊となって消滅したかに見えた。しかし第48話で、パーカーの残骸の一部がディスピアによって回収されていた事が発覚する。
ディスピアにとっては、シャットやかつてのトワイライト同様、もはや価値の無い「失敗作」でしかないロックだったが、それでも何らかの役には立つだろうとパーカーの残骸を触媒にしてロックを再生させ、その運用をクローズに託する。
しかし、その扱いは道具以下であった。クローズはロックに、ノーブル学園の生徒や教職員から集めた絶望のエネルギーを注ぎ込み、擬似ゼツボーグとしてプリキュアに当たらせた。その姿はかつてのような魔獣形態ではなく、本体であるフードそのものが巨大化したものであった(依り代を持たないので中身は空っぽ)。自我もほとんど失われており、「ボクガ…ディスピアサマヲ…マモルンダネ…」と感情のない声で呟くだけだった。
再生ロックの姿に、フローラは違和感を感じた。ロックはディスピアに代わってこの世界を絶望に染めるのが野望だったはずだ。それは悪しきものだが彼の譲れない夢でもあった。そんなロックが、今更ディスピアを守るために体を張るなんて考えられない。この時点で、フローラはロックがかつてのトワイライトのようにディスピアの操り人形と化していると気づく。
そしてもう一人、フローラと同じ結論に達した者がいた。シャットである。ロックは同僚を同僚とも思わない不遜な性格の筈だ。それがディスピアの駒を演じているなど、「らしくない」を通り越して「あり得ない」。かつての戦友の無残な姿に激したシャットは、再生ロックを操るクローズに拳を叩き込み、まるで介錯を依頼するかのように、プリキュアにグラン・プランタン発動を要請する。ゆい等の呼びかけで生徒達が絶望の檻を次々と破ったことで弱体化したロックは再び浄化され、フード状態で沈黙した。
しかし、まだロックは終わっていなかった。
究極形態となったディスピアの攻勢でプリキュアが変身を解除され窮地に陥るや、不倶戴天の敵であったはずのクロロと合体したのだ。
この時はクロロの意識は奪っていないため、人型に変化した肉体はクロロの意識で動かしている。その表現のためか、この状態の時は目が前髪に隠れていない。
なお、フード部分にはロックの意識がそのまま残っていてクロロとは別にセリフも喋る。「(プリキュアやホープキングダムに)手をかすのは今だけだね!」」とうそぶいてはいるものの、それが創造主たるディスピアへの反逆であるのは明白だった。
30話でプリンセスプリキュアに討たれるまでのロックは極悪人でしかなかったが、48話でまさかの復活を遂げた際には、トワイライト=トワとは違う理由ながらディスピアに抗っていた過去の日々と死して尚もディスピアに利用される様の落差をクロロに憐れみられ、シャットがディスダークと決別するきっかけにもなっている。決して改心したとは言えないキャラなのだが、心の底から自分の野心に殉じたロックのあり方は、邪悪であっても夢の力にはなりうることは認めざるを得ないのかも知れない。
本体構造
ロックは実体を事実上持たない存在である。厳密に言えば、パーカーなどの服装部分、あるいは最終形態たるカエルの化身が「ロックそのもの」である。
身体の部分は、前述の通りホープキングダムの妖精「クロロ」に憑依して得た姿である。
第40話では、ディスピアがホープキングダムに侵攻した時に、ロックが実体を得るため、適当に選んだクロロを乗っ取ったという真相が明かされている。
この40話では、依り代を持たない状態でも、対象を絶望の檻に閉じ込める能力は使用可能なことが示唆されている。
クロロはロックに憑衣されていた間の記憶を持っていない。このことから、ロックは依り代に対しては絶望の檻とほぼ同じ効果を持っていると考えられる。
ロックが最終形態に変身するの際の描写は、「ロックの本体はフードそのものである」説を裏付けるかのようなものであったが、フードの消滅からクロロへの復元という流れと、第31話でのミス・シャムールの「フードがロックの本体で、クロロは体を乗っ取られて操られていた」という見解は、「フード本体説」をほぼ確定づけたと言えよう。
(なお、『アニメージュ』Vol.448(2015年10月号)の記事にも「実はパーカーが本体」と明記されている)。
つまり、ロックのフードがクロロではなく他の妖精を乗っ取っていれば別の姿だった可能性がある。
なお、本作の妖精たちは人間態への変身が可能という設定があるため、妖精が人間の姿になれること自体は不思議ではない(変身術を学ばない限り、自己の意思で自由に変身出来ない点はアロマ・パフ兄妹と同じ)。
各話ネタ
■第6話
- ディスダーク三銃士の最後の1人として(ロックだけに)6話で本編初登場。
- 最年少だが三銃士の中で1番の実力の持ち主であり、「クローズ、シャット、ボクがいればオマエたちなんていらなくなっちゃうからね」と他のメンバーを軽視して見下す。
- 挨拶代りとしてプリンセスプリキュアを誘き寄せる為、野球部員の夢を絶望の檻に閉ざす。大戦中にもキュアフローラに「花のプリンセスってわりにはキミなんか地味だね」と見下すがゼツボーグを浄化され少し見直した様子。「またね、蕾のプリンセス」と言い去っていく。
■第8話
- ノーブル学園の校舎の天井でゲームをしていたところ、料理部員の夢の匂いを嗅ぎつけて戯れにゼツボーグ化。
- この回ははるかがドレス作りでヘコたれながらも必死で頑張る回だったが、ロックはそういう熱血ドラマはしらけるらしく、呆れた様子でフローラを集中攻撃。だが、フローラの思いを守ろうとするきらら(トゥインクル)に思わぬ邪魔をされてしまう。
■第12話
- クローズ殉職の報に際し、「あんなやつでもいなくなれば調子が狂うな」と口が悪くも寂しさを示したシャットに対し、ロックは「あんたもいなくなればもっと静かになるんだろうね」と全く気にしてない様子。しかも携帯ゲームをプレイしたままシャットの顔も見ずに言い放っていた。
■第13話
- 絶望のプリンセス・トワイライトの初登場回。プリキュアとトワイライトの初の手合わせで実力は認めたらしく、「こりゃうかうかしてられないんだね」と面白そうにつぶやく
- ただ、トワイライトの美しさに本気で惚れ込んだシャットに対しては、ロックは心底呆れた様子だった。
■第15話
- トワイライトが人間界へ出撃するさい、シャットをからかうように、間に割って入ってレッドカーペットを敷いてトワイライトをエスコート。トワイライトに気に入られる。
- ロックは表情が隠れているので、ブラックキーによって強化でもシャットのようにアヘ顔を晒さなかったが、実はフードがアヘ顔していた。
■第16話
- トワイライトの付き添いとして今回はシャットと一緖に出撃。協力すればいいものをわざわざシャットを煽る。トワイライトの忠臣を気取るシャットは負けてられないと挑発にのる。
- 結局、この話ではそれぞれによって二体もゼツボーグを作り出したのにチームワークが生かされず、敗北につながってしまった。だが、ロックは楽しく遊べたことでわりと満足な様子。一番割を食ったのは指揮官役のトワイライトだったかもしれない。
■第20話
- ホープキングダムにやってきたキュアトゥインクルを単独で迎え撃つ。ロックと同レベルに生意気でマイペースなきららの態度に、同族嫌悪でかなりイラつくロック。「おまえ……生意気なんだね」
- この会話シーンではロックがほとんどがフードしか表示されなかったが、口調がかなりドスがきいていたので、ロックにしては珍しく怒りの感情をみせていたと思われる。
■第21話
- トワイライトが浄化されトワ王女の姿に戻ったのを目の当たりにするロックとシャット。ショックを受けるシャットに反して、ロックは「あ〜あ、なんかしらけちゃったんだね」とつまらなそうに頭を掻くだけであった。
■第23話
- ディスピアがキュアスカーレットにより傷つけられたダメージを癒すために絶望の森でしばらく眠ることになり、その間の指揮権がロックに譲渡される。そしてロックには鍵穴が付いたプレートが渡された。
- 絶望を生んでくれそうな人間を探しに人間界へ。そこで望月ゆめと同伴していたトワを発見。望月先生を絶望の檻に閉じ込めゼツボーグに。
- トワと関わったために望月先生が酷い目にあったと動揺を促したり、「さすがは絶望のプリンセス」と煽ったり、徹底的な精神攻撃を行う(→精神攻撃は基本)。さらにツノ付きの錠前トークンを取り出し、ゼツボーグにとりつけてパワーアップもさせていた。
- フローラの激励によって戦意を取り戻したスカーレットに結局倒されるが、ロックはプレートに一定の絶望を集められたので、満足して撤退。
- 城に戻るとディスピアの玉座に我が者顔で座り、「それじゃあボクもそろそろ本気を出しちゃうんだね」と不敵に笑ったかと思えば、なんと大人に変身(→ロックショック)。なお、この時の変身シーンが筋肉が強化されていくような演出だったので、2年前の彼のようになるかと一瞬心配した視聴者も多かったようだ。
■第24話
- 成長した姿に驚愕するシャットに「まあ成長期ってやつなんだね」とかなり適当にごまかす。シャットは「なんという成長速度…」とあっさり受け入れる。
- この話では大人の姿で初出撃し、はるかたちが困惑する様子も描かれた。
■第25話
- 玉座に座ったままシャットにプレートを投げ渡し、絶望を集めてくるように命令。すっかりニューリーダー気取りである。
■第26話
- オープニングの映像が刷新され、今までクローズがアップで写っていたシーンがロックのアップに変化する。ただトゥインクルと対峙するシーンでは子供形態のまま。
■第28話
- 絶望のエナジーをもっと効率良く溜める方法を考えている途中にプリンセスプリキュアの変身アイテム、ドレスアップキーを奪うことを思いつく。
- 七瀬ゆいの夢を絶望の檻に閉ざそうとするが、強い心で抵抗され「ただの人間にしてはやるんだね」と感心した様子。少々手間取ったがゼツボーグを召喚させる。
- ゼツボーグをスカーレットと戦闘させている間に自分の影から色違いの分身を2人作り出し3対3でフローラ、マーメイド、トゥインクルと戦闘。
- 3人のロックはそれぞれの浄化技を受けて消滅したかと思われたが、ロックの「影」がプリキュアたちの体をすり抜けるかのように高速移動すると突然変身が解除される。そして上空から「ゲーム終了だね」という声が。なんとそこには消滅したはずのロックが無事な姿で浮かんでいた。
- 玉座では分身のロックまでもが無事に戻っていた。その手にはフローラ、マーメイド、トゥインクルのドレスアップキーが……。
■第29話
- 自分の分身達やフローラ達から奪ったキーに驚くシャットのことなど意にも介さず、9つのキーを絶望の檻に閉じ込める。
- キーに宿る夢の力を利用することで、絶望のエナジーを一気に100%まで溜めることに成功。しかしディスピアへ送るどころか、集めたエナジーを使ってホープキングダムの城を丸ごとゼツボーグへと変貌させ、次元の壁を突き破って人間界へと侵攻した。
―しかし、その様子を監視するかのように、一羽の黒い鳥が不気味に見つめていたのはロックでさえ知らなかった。
■第30話
- ゼツボーグ化したホープキングダム城を率いて人間界へと侵攻し、はるか達を攻撃するが、スカーレットとアロマに分身やゼツボーグを足止めされ、はるか達の城内への侵入を許してしまう。
- 自分のもとへ辿り着いたはるか達に本体が自分の野望を明かし、変身できない三人を容赦なく攻撃する。しかし、パフとはるかにより、自分が彼女たちから奪ったドレスアップキーを全て奪還されてしまう。
- キーを奪い返されて追い詰められたロックは、城に残っていた全ての絶望の力を吸収し、巨大な醜いドラゴンのような最終形態に変身。かつてのディスピア以上と豪語する力でプリキュアを圧倒するも、スカーレットの合流で形成が逆転。最後はプリキュアの新たなる合体技「プリキュア・エクラ・エスポワール」の前に敗れる。最後まで王になる野望を口にしていた。
- ロックは光に包まれてクローズのように消えていった…と、はるか達は思っていたようだが、ノーブル学園の海岸近くの森の中へ落下し、しばらくの間は意識を失ったまま青年態を維持していた。やがて、トレードマークであり本体だったフードが光と化して消え、後には依り代であった妖精・クロロ(ロック消滅後もはるか達に発見されるまで人間態だった)だけが残された。そしてクロロの体内に残存していた“絶望の力”は、謎のカラスがプレートに蓄え直して強奪。そのまま空の彼方へと飛び去ってしまった。
■第31話
- ホープキングダムで途方に暮れていたシャットの前に現れたクローズは、ロックを「つまらねえ裏切り者」と切り捨てていた。その手にはロックが遺したプレートが…。
■第40話
- クロロの回想で、目の前で友達を絶望の檻に閉じ込められ動揺するクロロを襲い、乗っ取る場面が描かれている。
■第46話
- 自暴自棄となったシャットがトワに憎悪の感情をぶつけている際に、シャット自身の回想に登場する。扱き使っていたことを根に持たれている模様。
■第48話
- ロックの本体であったパーカーの残骸がディスピアに回収されていたらしく、再生怪人の素材としてクローズに与えられる。
- ノーブル学園の校舎を乗っ取ったディスピアの元へ向かうプリキュアたちへの決戦兵器として投入される。
- 最初はプリキュア達に押されていたが、クローズがノーブル学園の生徒・教職員を絶望の檻に閉じ込め生体燃料にする事でパワーアップを果たし、プリキュアを追いつめ、クリスタルプリンセスロッドとスカーレットバイオリンを破壊する。
- しかし、ゆいが絶望から抗ったのをきっかけに生徒達が次々と絶望に打ち勝ち、エネルギーを断たれたロックは一気に弱体化。絶望を求めるだけのこの光景を哀れんだクロロは「あいつ、助けられないロロ?」と呟く。
- 生徒達に感化されたシャットの檄に自我を取り戻す。シャットの「変わるぞ、私達も!ディスピアの呪縛から脱け出すのみ!」というセリフに対し、返事をするかのように「……だね」と小さな声で呟く。
- 最後は介錯を求めるかのようなクローズの依頼で放たれたグランプランタンにより浄化。残されたボロボロの本体はクロロに拾われるが、何の反応もなくクロロも心配そうな表情。
■第49話
- プリキュアの力になりたいというクロロの言葉に反応したかのように目を覚ます。
- ノーブル学園の生徒達の夢の力で作り出されたグランプリンセスの扉への道を駆けるプリキュア。それを阻止しようとストップとフリーズの成れの果てである茨が攻撃するが、その攻撃が遮断される。攻撃を遮断したのはシャットと、クロロと合体し再び実体を得たロックだった。
- 以前と異なってクロロと共闘するという形になり、胸が熱くなった視聴者も多かっただろう。なお、「手を貸すのは今だけだね」と言うロックの台詞に対し「フン! 口が減らんな」とシャットが返しており、トワイライト統治時代のいつもの受け答えに思わずトワも微笑んでいた。口の減らない口調も相変わらずである。
■最終話
- 最終決戦後、力の源と云える絶望の力は消失したものの生き長らえていたが、ホープキングダムへ戻る事も出来ず、マフラー状になってシャットと人間界に留まっていた。
余談
プリキュアと少年幹部
※この項では、憑依対象であったクロロが男であることから、ロックを「少年」として扱うが、厳密に言えばロックには固有の性別は存在せず、実体を持った後の性別は依り代に依存する。
プリキュアの敵組織の少年幹部としては『ふたりはプリキュア』のキリヤ、『ドキドキ!プリキュア』のイーラに次いで3人目となる(『MH』の洋館の少年や『ハピプリ』の相楽誠司もカウントすれば5人目)。
そのうち、キリヤとイーラは特定のプリキュアと接近するエピソードが存在しており、ロックにもプリンセスプリキュアの誰かとの同様の展開があるかも知れない、と期待する声もあった。
カップリングのお相手については、オープニングで対峙していたことからキュアトゥインクル/天ノ川きらら(ロクきら)の支持が高かった。
19話では1対1の直接対決になり、互いに生意気と言い合うなど短時間ながらファンの期待に沿った展開となった。
キュアフローラ/春野はるかとのカップリング(ロクはる)については放映当初こそ弱かったが、ロック初登場回の「フローラは蕾のプリンセス」発言が聞き方によっては「成長次第で花のプリンセスになれるかもしれない」とも受け取れ、カナタ王子以外の男子キャラでは真っ先にフローラ/はるかの夢を(少しは)肯定したことになる。
キュアマーメイド/海藤みなみとのカップリング(ロクみな)については、キリヤとイーラに接近したプリキュアがいずれもブルーチーム出身であることからロクきらと並ぶ二大有力説だった。
キュアスカーレット/紅城トワとのカップリング(ロクトワ)については、トワイライト(トワ)とロック(クロロ)の元ディスダークペアである。
また、『HUNTER×HUNTER』1999年版において甲斐田がクラピカ役を演じているが、2011年版において同役を演じたのはトワイライト/紅城トワ/キュアスカーレット役の沢城みゆきである。→ディスダークラピカ
ある可能性
このロック君、本編に登場する前からオープニングで1カットだけ登場していたのだが、その時点では彼を女の子と思ってしまった視聴者がそれなりにいたようだ。
朝日放送のホームページにおける紹介文章に“少年の姿をしているが…?”と意味深な一文が当時掲載されていたため「少年ではなく少女なのでは?」と疑う視聴者も少なくなかった。
また、登場人物唯一の赤髪キャラだったため、視聴者から4人目のプリキュア候補の1人として一時期挙がっていた。
実際、ロックはパッと見では女の子に見えるところがある。バルーンパンツにオーバーニーソックスという衣裳がそれに拍車をかけている。
ただ、本編中ではロックは誰しもが男の子として扱っており、公式サイトでは“少年の姿をしているが…?”の文章が訂正され、明確に「少年」と記載されるようになったので本編登場後はそのような誤解はなくなった。
しかし、ロックは本当に女の子で、それを隠しているという仮説を立てるものも根強く存在していた。素顔が隠れているし、体型が見えにくい服なので、確かに性別詐称はいくらでも可能ではあるのだが・・・
事実、同僚のシャットはトワイライトの美しさに魅了されているが、ロックはそうでもない態度をとっており、このことがロックの女の子説に拍車をかけている要因の一つになっていた。最も女性同士でも美しさに惚れるパターンも多々あり、たまたまロックの好みじゃない可能性もあるので、裏づけとしては弱いほうであった。
なお中の人は女性であり、男性か女性かはっきり分からないことで有名なキャラの初代の声優であったりもする。
ロックの声が高めなことも女の子と疑われる要因の一つでもあった。
結局第23話のラストシーンにて青年の姿になったため、女の子説は完全に消えた。
ABC朝日放送のホームページにおける紹介文章の“少年の姿をしているが…?”という一文は「実は女の子」という意味ではなく「青年の姿にもなれる」という意味だったことが明らかになった。
中の人について
担当声優の甲斐田ゆきはロックとクロロ以外に第8話で登場するノーブル学園の女性英語教師役も演じる。
また、過去シリーズの『ふたりはプリキュアSplash☆Star』では星野健太の母親・星野静江を演じていた。
関連イラスト
関連タグ
Go!プリンセスプリキュア ディスダーク ディスダーク三銃士
関連キャラ
シリーズ第6作劇中で携帯ゲーム機を悪用した敵キャラクター。
敵幹部からプリキュアになったキャラクターに対して、過去のトラウマを抉る精神攻撃を仕掛けたという点も共通している。
シリーズ第8作に出てくる敵キャラクター。
三人組で一番小柄、一人称が「僕」、トップの意向で同僚二人を差し置いて首領代理となるという点がロックと共通している。→ファルセットショック
シリーズ前々作に出てくる敵キャラクター。
一時期まで敵組織のNo2まで上り詰めたり、狡猾な性格や下克上を企んで失敗するなど、共通点は多い。
少年幹部
シリーズ第1作に出てきた、最初の少年幹部。敵組織ドツクゾーンに属するダークファイブのメンバー。
シリーズ第2作に出てきたドツクゾーンの少年幹部。
象徴的な扱いだが、当時のドツクゾーンの「ナンバー2にして首領代理」というべき地位にあった。
シリーズ前作に登場した敵組織幻影帝国の少年幹部。登場時は一応ナンバー2だった。
妖精出身者
妖精の姿は猫であり、敵から味方になったキャラクター。
シリーズ第9作に出てきた敵キャラクター。
元はメルヘンランドの妖精だった。
シリーズ前作に登場する敵キャラクター。
元はキュアミラージュのパートナー妖精だったプリキュアハンター。