チブル星人
ちぶるせいじん
概要
人間態:植村謙二郎 操演:中島徹郎
『ウルトラセブン』の第9話「アンドロイド0指令」に登場。
・身長:2メートル
・体重:500キログラム
体がひょろい事を考えると、地球人の何倍も重い体重は、
脳に占められていると考えていいだろう。
知能指数はなんと10,000(50,000説もある)。
変身能力を備えているが、ウルトラセブンと戦える程の攻撃・防御能力は持っていない様子で、投げ飛ばされてエメリウム光線であっという間に倒されてしまった。
イカルス星人(闇のエージェント)曰く「あんまり強い方じゃない」。
このためか、大怪獣ラッシュや『ウルトラマンギンガS』に参戦した個体は「チブローダー」と呼ばれる一種のパワーローダーに搭乗している。
知能指数10,000の実力
セブン暗殺作戦
「強力なヒーローであるウルトラセブンを、人間状態のうちに倒してしまおう」と画策。
で、美人なアンドロイドゼロワンと握手させ、彼女の放電で殺してしまう作戦を立案。
単純かつ明解、最低限のコストで行える無駄の無い作戦だ。
…が、ゼロワンが握手・放電した相手は自分がダンだと偽ったフルハシ隊員。
また、フルハシ隊員が死ななかったことから、おそらくダン相手でも死ななかったはず。
せっかくの作戦も実行できなきゃ意味が無いという良い見本ですね。
地球侵略作戦
チブル星人の作戦は、「玩具に偽装した武器を、ワッペンで洗脳した子供に持たせ、その子供達を尖兵として侵略を行う」というもの。
子供相手なら、大人の軍隊は手出しが出来ないだろう、という企みである。
…ぶっちゃけ催涙ガスでも撒けば簡単に崩せる作戦だと思うが。
結論
以上の作戦を見るに、地球に来た個体は、あんまり頭が良くなかったようである。
また、作戦におもちゃや人形を使ったり、「大人は子供を撃てない」という前提で作戦を進めていた事から、地球に来たヤツは(老人に化けていたとはいえ)実はチブル星人の子供なのではないか、という考察もある。
とはいえ、小さなワッペンで人間を洗脳したり、人間と全く見分けがつかないアンドロイドを開発したり、小学生に扱える大きさ・重さで十分な殺傷能力のある銃器を量産したりと、チブル星全体の科学技術は高いレベルである事が伺える。
仮に、地球防衛軍やアメリカ軍の制服を生産している企業に、チブル星人が忍び込んだら…と考えると恐ろしい。
また、後の世ではこの作戦を実行できそうな技術が使われたり、似たような作戦を決行した人物が居たりする。
時代が時代だったら、案外この作戦で地球侵略も可能だったのかもしれない……時代を先取りしすぎだ。
児童誌でのチブル星人
『ウルトラマンタロウ』では中盤から過去の怪獣や宇宙人が登場するようになるが、これの裏で糸を引いていたのが「怪獣軍団」なる組織らしい。
リーダー格のメフィラス星人の元で、チブル星人は参謀本部の議長としてヤプール、ヒッポリト星人といった将軍たちと共にさまざまな作戦を立案するもすべて失敗に終わったとのこと。ちなみに参謀にはナックル星人やクール星人も雇用されていたらしい。
ちなみにゼットンは候補として真っ先に選ばれたが、ウルトラマンジャックに負けたため外されたらしい。おのれバット星人!!
「グレイト!ゲームを始めよう‼」
CV/江口拓也
『ウルトラマンギンガ』の第二期に当たる『ウルトラマンギンガS』にて登場。
グランドマスターと崇める何者かの手によりスパークドールズから実体化したチブル星人の別個体である。
CV:石野竜三
第18話「明日なき世界」に登場。
宇宙人へ向けたテレビ放送局「NPTV」のプロデューサーとして登場し、部下であるメフィラス星人とザラブ星人に問題点を指摘しつつも番組を続ける案を練る事を丸投げしている。
劇中ではホログラムで登場しており、実際に現れなかった。
NPTVの宇宙人のキャラクターは、業界歴の長い監督の神谷誠が実際に目にした人物を元にしている。初期案では3体ともザラブ星人だった。
大怪獣ラッシュのチブル星人
大怪獣ラッシュにて星人ハンターの一体として登場。
本作ではプラズマギャラクシー最高の頭脳と呼ばれており、自身の低い戦闘力を補うためにチブローダーというパワーローダーに搭乗している。
KADOKAWA版にて2017年10月度にラインナップ。デザインは赤城あさひと。
余談
名前の由来は沖縄方言で頭を意味する「ちぶる」から。沖縄を舞台にしたアニメ『はいたい七葉』でテンペラー星人が登場した回では登場人物の一人が「ちぶるやみぃー(頭痛い)」と言っているシーンの後ろで描かれている。
前述の『ギンガ』を始めとした二次創作では知能最強、腕力最低という設定から、陰険な参謀や黒幕として登場することが多い。
『ウルトラ銀河伝説』ではベリュドラの胴体を構成する怪獣の一体として登場した。
一峰大二の漫画版ではツメをミサイルのように発射するという技を披露している。巨大化し、ウルトラセブンと格闘戦を繰り広げるが最後はザンパ星人共々アイスラッガーで倒された。
内山まもるの漫画「決戦ウルトラ兄弟対11大怪獣」では、ニセウルトラセブンを使ってウルトラマンジャックを倒そうとするも失敗。ゼットンを始めとした11大怪獣を率いて日本に攻め込むが、駆けつけたゾフィー、ウルトラマン、セブンに阻止された。
「小学三年生」1980年8月号掲載の制野秀一の漫画「ウルトラマン80」ロボット軍団の巻ではメガギラス、クレージーゴン、キングジョー、ガメロット、ユートム、ビルガモ、恐竜戦車、アイアンロックスのロボット軍団を率いて、ウルトラマン80と戦った。
「ウルトラマンSTORY0」ではダダ共々ザラブ星人配下としてアイアンロックスに搭乗していた。
「ウルトラ忍法帖」では朧党の怪獣忍者「血風流」として第1話に登場した。少女漫画のように変化させた目で相手を犬にして操る忍法「犬傀儡」を使うが、原典の知的な面は一切ない。料理の皿に一服盛られた将軍を医者に変装して暗殺しようとするが、頭でっかちの異様な風貌をマンに突っ込まれ、胴斬りにされた上半身から正体を現した(家老は騙されていた)。しかし頭の重さで逆さまになってしまい、錘で身体を固定するも今度は身動きが取れない所をマンにボコボコに殴られる。苦し紛れの犬傀儡でマンを操り将軍を噛み殺させようとするが、セブンのドッグフードに気を取られたマンはエメリウム光線で正気に戻ってしまう。手下のケムールもアイスラッガーで一掃され、最期は忍法(笑)ガムテープで目を塞がれた所を八つ裂き光輪で真っ二つにされて倒された。将軍も解毒剤で助かったが、マンに掛けた犬傀儡は完全に解けてはいなかった…
小説「変身障害」ではセブン本編で倒されたチブル星人本人が登場。高度な科学力でセブンから受けたダメージから無事回復しており、地球に密かに潜伏していた。
既に侵略の意思はなく本人は不格好で気持ち悪いと評しつつも人間に化けて地球でひっそり暮らそうとしていたが、突如本来の姿に戻れなくなる「変身障害」が発生し他の宇宙人たちと共に原因解明に乗り出した。
『セブン』第9話は、本編班(人間ドラマを撮影する班)のみで撮影され、特撮班は参加していない。過密スケジュールに追われる特撮班の負担軽減のために取られた措置で、脚本も最初からそれを前提として作られた。チブル星人の作戦が地味なことや、都市破壊やウルトラホークの空中戦、セブンの巨大化戦がないのはそのためである。
人間態を演じた植村謙二郎は、4年後の『帰ってきたウルトラマン』にてメイツ星人の人間態・金山を演じている。