曖昧さ回避
- 『ポケットモンスター』シリーズに登場するキャラクター(モンスター)の一種。本項で解説。
- ギリシャ神話におけるチャンスの神。長い前髪と禿げ上がった後頭部を持つ。⇒カイロス(ギリシャ神話)
- 『ロード・トゥ・ドラゴン』に登場するユニットの一人。⇒カイロス(ロードラ)
- 『マクロス』シリーズに登場する可変戦闘機。⇒VF-31
基礎データ
メガシンカ
カイロス → メガカイロス
概要
『ポケットモンスター赤・緑』(第1世代)から登場しているポケモン。
「くわがたポケモン」の名に恥じず立派な大顎(ハサミ)を持つ。一方で羽は持たず、どことなくアリジゴク感もある。ここら辺はアントラーをオマージュしているのかもしれないが。
特徴的な口を持ち、コアなファンのいるポケモン。当時のカードダスに寄れば白いキバは前面にも動かすことが出来る。
一度頭のハサミで掴んだものは千切れるまで放さないという、意外と怖い設定を持つ。それでも千切れない場合は振り回して投げ飛ばす戦法をとる。大木すらへし折るパワーなのだから、人間が挟まれたら最悪切断もありうる。
寒いのが苦手で夜になるとツノを使って土を掘り、穴の中に入って眠る。眠り方には個体差があるらしく、木の葉を被ったり木の根元や木の上で眠るとも。とは言え穴の中で眠るのがデフォルトであるようで、2021年発売のNewポケモンスナップでもしっかり地面に埋まって寝ている。当作品ではアリジゴクモチーフ説を反映してか、砂漠にも出現する。
上述の「寒いのが苦手」という設定が意識されてか、生息地は寒冷な土地でないことが多い(シンオウ地方除く)が、逆に言うと温暖な土地にいることも少ない。
サファリゾーン・しぜんこうえん・シェードジャングルなど樹木が生い茂っている所に出てきやすいことから、植物(あるいはそこに寄り付きやすい獲物)が豊富にあればそれでよく、気候は二の次なのかもしれない。
USUMではカイロスなのに「はっさむ!」という鳴き声を披露した。
互いにライバルという設定があるポケモンがいるだけではなく、何度か変更や追加を受けているのが特徴。
『赤・緑』では『緑』バージョンのみに出現し、対する『赤』ではストライクが登場していたが、『金・銀』でストライクがハッサムに進化するようになり、代わりにカブトムシモチーフのヘラクロスがライバルとして挙げられるようになった。
時を経た『サン・ムーン』の図解解説文によるとアローラ地方では同じくクワガタモチーフのクワガノンが最大のライバルとなっており、一方でヘラクロスとは「なぜか」結構仲が良いらしい。
ただしヘラクロスとのライバル設定もちゃんと生きているようで、Newポケモンスナップではとあるイベントを起こしてカイロスとヘラクロスを対決させることができる。
ゲームにおけるカイロス
本家におけるカイロス
種族値
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
65 | 125 | 100 | 55 | 70 | 85 | 500 |
初代より長らくむしタイプの技を覚えず、『金・銀』では対になっていたストライクが進化し、『ルビー・サファイア』でも扱いは特に変わらないなど高い能力の割には辛酸を舐め続けていた。
『ダイヤモンド・パール』においてついに念願のタイプ一致技「シザークロス」(威力80)と相手の特性を無視して攻撃できる特性「かたやぶり」のおかげで大幅にパワーアップ。
ただし、ライバルであるヘラクロスは依然としてより強力なむし技「メガホーン」(威力120)を保有し、ハッサムも特性「テクニシャン」が適用される「むしくい」(実質威力90)を得ている。
同タイプのライバルたちに比べると地味な印象が有るが、「ふゆう」を持つポケモンに「じしん」を当てられ、「がんじょう」な相手に「ハサミギロチン」を決めるなど独自の立ち回りが可能。
同じ「かたやぶり」持ちのポケモンにはラムパルドや『ブラック・ホワイト』から登場したオノノクスがいる。
「かたやぶり」と一撃必殺技を両立できるポケモンとしてはオノノクスとドリュウズの存在も気がかりだが、タイプや先制技等である程度差別化はできている。
またもう一つの特性「かいりきバサミ」も、相手の「いかく」撒きに強く、隠れ特性「じしんかじょう」で強みの攻撃がさらに強化されていくなど、特性においては他のライバルにも負けないくらい優秀。
メガシンカ
そんなむしタイプのライバルたちの相次ぐ強化に比べて地味な立ち位置に甘んじていたカイロスであったが、ついに『X・Y』にて大いなる(文字通り)飛翔を遂げた。
羽が生え、ひこうタイプの追加と超強力特性「スカイスキン」など、詳しくは該当記事を参照して貰えれば良いが、積年の恨みを晴らすかのごとく強化のされっぷりに往年のファンは歓喜したとかしないとか。
ポケモンGOにおけるカイロス
「ポケモンGO」に於いてはネタ的な意味合いで取り上げられる事が多い。
レアリティは比較的低めのポケモンとなっており、付近を探し回ればそれなりに見かける事の可能なポケモンの内の1匹であるが、嘗てはこのカイロスもレアリティが高いポケモン(ミニリュウ、カビゴン、ラプラス等)が誕生する可能性のある10kmタマゴにて誕生するポケモンの1匹となっていた。
前述した通りレアリティが低いポケモン且つ、他の10kmタマゴにて強力かつレアリティの高いポケモンが誕生する事もあり、10kmタマゴからカイロスが誕生して落胆するトレーナーの報告も多く、一部ではそのネタからカルト的な人気にも繋がっている。
この事からカイロスをメインのネタにしているゆっくり実況者を始め、多くのポケモンGOプレイヤーの実況者のネタとして知名度を上げた。特に件の実況者とカイロスは互いに人気を支え合っている程でそのこともあって…(以下は「余談」の項参照)
一方で立ち位置としては即戦力性に富み、長く頼っていけるポケモン、と始めたてのプレイヤーにもお手頃な戦力のポケモンとして扱われる。
初期の頃こそわざの使い勝手がイマイチだったもののアップデートによる技の見直しにより強力なわざ(威力は低いが驚異的な連射性とゲージ蓄積率を誇る「むしくい」、かくとう技で最高クラスの威力を誇る「インファイト」)を手に入れ、更にCP調整により最大CPが一気に向上した事で金銀世代実装後はむしタイプの中では勿論、当時実装済みポケモンの中で見ても上位クラスのアタッカーの実力を得た。
レガシー技となっていた「れんぞくぎり」も再び通常習得が可能となり、連射性の高いわざ1でゲージを貯め強力なわざ2を連発でダメージを蓄積させる戦い方で現在でも優秀なアタッカーとして頼もしい存在となる。
これによりジム戦やレイドバトルでも大活躍が見込める。わざ2となるかくとう技のインファイトを活用すれば、カビゴンやハピナス、ケッキングやバンギラスといったジム防衛の常連となっている強敵を相手に互角以上に渡り合うことが可能。
もう一方のわざ2である「シザークロス」もレイドボスとしての出現があり得るナッシーやバンギラス、アブソル等を始め、ミュウツーと言った強豪どころにも打点を与えられる等高いポテンシャルを秘めている。
入手手段も豊富で、天候システムの導入に伴いむしタイプの出現率が上がる雨の日以外あまり見かけないポケモンとなったが幸いレアリティの低さは今も変わらずなので、根気強く雨の日に探せば野生入手も容易。高個体を狙う場合も5kmたまごからの孵化や★3のレイドバトル等を活用すればより強力な個体を入手しやすい。
育成も比較的手軽で、無進化ポケモンの為進化にポケモンのアメの大量収集が必要という事も無い。強化の為に必要なカイロスのアメとほしのすなさえあればよく、前述した通りレアリティが低い事からアメ集め自体も楽な部類に入る為、然程育成に負担が掛からないのも有難いところ。
纏めると入手難度・育成の負担の低さと豊富な入手手段、要所で活躍出来る実力がポケモンGOに於けるカイロスの売りとなっている。
特に純粋なむしポケモンのアタッカーとして見る場合、カイロス以上の攻撃性能を持つむしタイプはいずれも入手が難しいか、育成の手間が大きく掛かるという理由もあり上記のメリットを持つカイロスは貴重な存在。
無進化ポケモンは伊達では無いと言う所か、入手のしやすさとジム戦やレイドバトルでの実力面を考えれば抜群の即戦力性を持つに至った。戦力面が整っていないプレイヤーは勿論、戦力が整った後も要所で活躍する為中々に便利。
2019年11月から2020年7月までは、GOロケット団の幹部の一人であるクリフの手持ちの先鋒にも抜擢された。クリフを撃破した場合はシャドウポケモンとなったカイロスを捕獲出来るが、高い火力を備え更にわざの組み合わせによってはスペシャルアタックの発動も速い為非常に厄介な難敵となった。
2020年12月のイベント期間ではシャドウポケモンとして再登場。扱うトレーナーはまさかのコジロウ。
アニポケにおけるカイロス
- アニメでは無印で登場したサムライ少年の手持ちとしての姿が印象的。また、サン&ムーン編のモブトレーナーのカイロスも話題となる。13話ではパンケーキを持ったポケモンをカートで運ぶパンケーキレースが開催されたが、カイロスのトレーナーはカイロスを乗せたカートが重くて運べず、レース後にしょんぼりするカイロスを慰めていた。
- 新無印ではゴウのポケモンとして登場。カントー地方でゲットし、他のポケモン達とサクラギパークで暮らしている。見た目とは裏腹に花を摘んでいたり、ポケモン同士の喧嘩を止めようとしたりと可愛らしい一面を見せている。更にオスのヘラクロスを見て目をハートにするシーンが存在するのでおそらくメスだろう。
余談
本家に於ける余談
- カイロスの図鑑説明文には、普段は自分の重さの2倍、メガシンカすれば10倍までの重さの相手を持ち上げられるとあるが、一方でヘラクロスは通常時で自分の重さの100倍、メガシンカ時で500倍の重さの相手を持ち上げられると記されている。ここまで差が大きいとむしろ生き残ってきたカイロスの方を褒めたくなってしまう。
- 剣盾発売当初はあえなくリストラされてしまったが、後に公式より歴代ポケモン数種類が登場するという「エキスパンションパス」が発表。そこで登場して欲しいポケモンとして、なんとボーマンダやゲッコウガを差し置いて1位に輝いた。そしてその甲斐あり、追加DLC「鎧の孤島」にて見事念願の第八世代に実装と相成った。この際には再びヘラクロスと対の関係となる。シールドVer.のプレイヤーは野生での捕獲は出来ない為、交換で譲って貰うか過去作から連れてくる事になる。
ポケモンGOに於ける余談
- ネットで時折、カイロスが絡んだ話題で「カイロスだ!」「カイロスじゃねーか!」というコメントが投下されることがあるが、これはゆっくり実況者レイえもん氏の動画から広がったネタである。
- ポケモンGOにより(主にネタ的な意味合いで)知名度が上がったカイロスだが、何と2020年6月28日に予定されていたハズのカイロスのレイドバトル・デイが公式の告知により中止となってしまうと言う悲劇を受けてしまった。中止の理由は公式の告知ではされず詳細な原因は不明とされるものの、嘗ての「伝説レイドアワー」に於けるネットワークエラーの頻発(特に直近ではゼクロムのレイドアワーでの不具合の頻発があった)からユーザー間ではその事象と関連しているのでは、と囁かれた。ポケモンGOではレアリティ自体は低いものの、上記のネタを知るポケモンGOの古参勢や元々カイロスを気に入っていたトレーナーからは特に落胆の声が挙がる事に。ちなみにこの告知を扱ったとある記事では「カイロスの口元がキモい以外にどんな非が」とさりげなく辛辣なコメントを受けている。
主な使用トレーナー
- ツクシ / ジムリーダー(ジョウト)
- グズマ / スカル団ボス
- サムライ / アニメ版無印ゲスト
- ヘルゴンザ / スナッチ団ボス(ポケモンコロシアム)
- エックス / ポケットモンスター☆SPECIAL
- ダツラ/ポケモンマスターズ
- クリフ / GOロケット団幹部
- ゴウ / アニメ版新無印