カニアペラシオン
かにあぺらしおん
CV:河上明日香
アニメ「ウマ娘プリティーダービー season2」に登場する架空のキャラクター。モチーフとなった競走馬は「カミノクレッセ」と思われる。
名前は実況で呼ばれているものの、エンディングのキャスト表記では「ウマ娘A」。正式な表記は長らく不明で、しばらく「カミヤクラシオン」「カニアテラシオン」などと空耳されていたが、その後発売されたBlu-ray「ウマ箱2」付属の小冊子でようやく正確なものが確認された。
※第3話におけるAmazon Prime Videoの日本語字幕では、セリフ行頭の人物名ではデバインキョウジャク、実況の台詞ではカニアクラシオンとなっている。
第3話「出会い」のGⅡ「阪神大賞典」で初登場。5番ゼッケンをつけて出走し、道中はメジロマックイーンをマークして食らいついていくが、マックイーンのロングスパートで突き放されて「無理~」となり、2着に終わった。なお、彼女に台詞があるのはこの第3話のみ。
第5話「TM対決」では緑色の勝負服を纏い、GⅠ「天皇賞(春)」に出走。最後の直線で力強く追い込み、トウカイテイオーを交わしてマックイーンに次ぐ2着でゴール。
第6話「なんのために」ではGⅠ「宝塚記念」に出走、ダイタクヘリオスを交わして追い込むものの、メジロパーマーに逃げ切られて2着に終わっている。
「カニアペラシオン」の名前はモチーフ馬の「クレッセ」から、フランスの「クレッセ村」(※)→名産が白ワイン→フランスのワイン・チーズ・バターなどの農業製品の原産地呼称制度「アペラシオン」という連想と思われる。
ちなみにクレッセと近隣のヴィレ、モンベレ、レゼの4つの村で生産される白ワインのアペラシオンは「ヴィレ・クレッセ」という。
※厳密に言えばフランスの地方自治体は全て「コミューン」と呼称され、市町村の区別はない。
クレッセはブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏ソーヌ=エ=ロワール県マコネー地方にある。いわゆるブルゴーニュワインの一種マコネーワインで有名。
なお、ブロワ(ブロワイエ)村は同県北部にあり、人口も800人前後のため同程度の規模。ただしブロワの方が面積は倍以上広い。
「カニアクラシオン」については、スペイン語の「クラシオン」(癒やし)からであろうか。意味としては繋がらず不自然である。
「デバインキョウジャク」については、「カミノ」(神の)→「デバイン」(神聖的な)+「クレッセ」→「クレッシェンド」(だんだん強く)→「キョウジャク」(強弱)であろう。
おそらくは10文字になったため没となったのが脚本上に残ったままだったものと思われる。
競走馬『カミノクレッセ』
1987年5月30日生まれ
父アンバーシャダイ(父父ノーザンテースト) 母ショウワロマン(母父コインシルバー)。
馬名は馬主の姓に由来する冠名「カミノ」と音楽記号「クレッシェンド」から。
最初はダートでコツコツと
メジロライアンやメジロマックイーンらの同期だが脚元が弱く、デビューは3歳の1990年2月。初戦は芝を走ったものの、その後は脚への負担を考慮してダートを走り、4戦目で初勝利。その後もダートをメインに走って5歳2月にオープン入りし、続く3月の芝のGⅢ「中日新聞杯」で重賞初挑戦、4着に終わる。
その後降級するも、南井克巳騎手とコンビを組み始めた同年6月のダートオープン「エルムステークス」で勝利し、ここから本格化の兆しを見せ始める。次走のGⅢ「札幌記念」でメジロパーマーの2着と好走し、続けてダートオープンを連勝すると、交流競走「第3回ブリーダーズゴールドカップ」(札幌競馬場 ダート2400m)で2着に大差をつける圧勝で重賞初制覇。
芝レース転向
勢いに乗って、陣営はクレッセを初のGⅠ挑戦となる「天皇賞(秋)」へと出走させる。しかしスタート直後、メジロマックイーンの斜行によるトラブルに巻き込まれて脚を故障。レース自体は3着(入線は4着、マックイーン降着で繰り上がり)に入ったが、元々持っていた脚部不安が悪化し、予定していたジャパンカップと有馬記念への出走を回避して休養に入った。
6歳になった92年、復帰戦のGⅡ「日経新春杯」で芝重賞初制覇。ここからGⅡ「阪神大賞典」(芝3000m)をステップに春の全古馬GⅠ「天皇賞(春)」(芝3200m)、「安田記念」(芝1600m)、「宝塚記念」(芝2200m)に立て続けに出走するが、阪神大賞典と天皇賞はメジロマックイーン、安田記念はヤマニンゼファー、宝塚記念はメジロパーマーと、4戦連続で2着という結果に終わった。“春古馬GⅠ皆勤で全て2着”という記録はグレード制導入後唯一無二であり、クレッセは「シルバーコレクター」と呼ばれるようになる。
その後は脚が思うようにならず長期休養。93年1月から始動したものの脚は悪化する一方で、11月のGⅡ「アルゼンチン共和国杯」を最後に現役を引退した。
芝とダート、マイルから長距離まで幅広い適性を持ち、脚が完全な状態であればGⅠをとれただろうし、メジロマックイーンとも互角に戦えただろうとも評価される。それだけに不運な事故以降、持てる力を発揮出来なくなってしまったことが悔やまれる。
生涯成績:31戦9勝 2着7回 3着4回
生涯獲得賞金:3億9286万円
引退後は種牡馬となったものの、産駒は1勝馬が1頭のみと走らず、1999年に種牡馬引退。故郷の昭和牧場(北海道浦河町)で功労馬として繋養され、2014年7月8日に老衰で天国へと旅立った。27歳だった。
強調はカミノクレッセが先着したレース。
〈※〉はアニメオリジナルウマ娘。アニメ2期に登場。
・ダイサンゲン(※ダイユウサク)……92年天皇賞(春)、安田記念、宝塚記念
- 90世代(同期)
・メジロパーマー……91年札幌記念、92年天皇賞(春)、宝塚記念
・メジロマックイーン……91年天皇賞(秋)(☆)、92年阪神大賞典、天皇賞(春)
・ヴァイスストーン(※ホワイトストーン)……91年天皇賞(秋)、92年安田記念
93年天皇賞(秋)、アルゼンチン共和国杯
☆ メジロマックイーンが1着入線の後、斜行により18着降着。
・ヤマニンゼファー……92年安田記念、93年安田記念、天皇賞(秋)
・スウィートパルフェ(※マチカネヒオドシ)……92年日経新春杯
・ブレスオウンダンス(※イブキマイカグラ)……92年天皇賞(春)、安田記念
・ケーツースイサン(※フジヤマケンザン)……93年天皇賞(秋)
・シダーブレード(※シャコーグレイド)……93年アルゼンチン共和国杯
・シュプールムーバー(※エルカーサリバー)……93年日経新春杯
・デュオプリュウェン(※セキテイリュウオー)……93年天皇賞(秋)
・アベックドリーム(※ウィッシュドリーム)……93年天皇賞(秋)
・スペインジェラード(※ダイワジェームス)……93年アルゼンチン共和国杯
・シンプトンダッシュ(※アイルトンシンボリ)……93年アルゼンチン共和国杯