概要
『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』に登場するマシンに得物等を仕込み、周囲のマシンに対し妨害、損傷、破壊等のラフプレーを行う目的で作られたミニ四駆のこと。
バトルマシンが参加できるレースは「バトルレース」と呼ばれており、銃刀所持が当たり前となっているアメリカでは、通常のレースに否定的で、バトルレースによる過激なミニ四駆の勝負が主流になってしまっており、バトルマシンを操るレーサー達の多くは、レースに1位を目指して勝つ事よりも自分以外のレーサーのマシンを破壊する事に喜びを見出しているという危険な面を見せる事が多い。
バトルマシンの多くは大神博士により開発されたものだが、彼以外にもバトルマシンを使用する者は存在する。劇中でも開発者や使用者により様々な意見の違いはあれど、「「相手のマシンを再起不能にして勝利する」」という理論に基づいている点では共通である。
なお、主人公側は(序盤の一文字烈矢以外)バトルマシンに手を出さないことが信条でもあるため、バトルマシンの殆どが主人公側に裁かれるのではなく自らの行いによる自滅という末路を辿っている。
例外として、プロトセイバーEVO.が土方レイからもらったシャークシステムによるシャークエフェクトの発動により一時的にバトルマシン化してしまったことがある。(途中でJがケガしながらも止め、そして幸運にも、シャークシステムの一部を応用しプロトセイバーEVO.が更に進化するきっかけになった。)
沖田カイの所有するビークスパイダーがGJC(グレート・ジャパン・カップ)のサマーレースで、マシンを逆走させて他のマシンを大量に破壊する光景を見せた結果、日本でも他の子供達までもがこぞって刃物系のパーツを買い集めて、自分のマシンをバトルマシンに改造しようとする事態となってしまうが、SGJC(スーパー・グレート・ジャパン・カップ)でバトルマシンを使用する大神軍団が全てリタイアした結果、バトルレースの流行は沈静化する事になった。
しかし、『MAX』の時期には、ボルゾイによって再びバトルレースが注目を浴びてしまう事態となったが、やはり最終的には真っ当な走りを貫いた一文字兄弟のマシンがレースを制し、バトルマシンは次々と脱落する事になっている。
バトルマシン一覧
マシン | 所有者 | バトルマシン要素 |
---|---|---|
ブラックセイバー(序盤) | 黒沢太(序盤) | 砂撒きタイヤ、ノコギリローラー、ウイングチェーンソーなど |
プロトセイバーJB | J | 空気砲、乱気流発生ウイング |
プロトセイバーR、w、p、g、y | レッド、ホワイト、ピンク、グリーン、イエロー | 空気砲とブロックを主体としたフォーメーション戦法 |
ビークスパイダー | 沖田カイ | 空気の刃 |
ブロッケンG | 近藤ゲン | ハンマーGクラッシュ(ブロッケンクラッシュ)、ブロッケンファング |
レイスティンガー | 土方レイ | ZMCの針 |
ドラゴンデルタ | R | 不明(劇中では得物を使う展開はない) |
ディオスパーダ | ロッソストラーダ | アディオ・ダンツァ、真のアディオ・ダンツァ |
シャドウブレイカーZ-3 | 一文字烈矢 | プラズマジェット、スーパーノヴァアタック |
ファイヤースティンガー→フェニックススティンガー | 大神マリナ | 火炎放射器、フレイムバード、フェニックスハープーン(フェニックス~から) |
ボルゾイラキエータ | 真嶋左京(序盤) | メテオバーニア |
ファントムブレード | 草薙漸 | 後部カウル |
バイスイントルーダー | 草薙陣 | ハンマーサドン・デス、トルーダーアタック、ツイントルーダー、ファイナルトルーダー |
ディオマース・ネロ | ネロ・ステラ・ボルゾイ | 原作:コブラクロー、バッテリー溶解/アニメ:マーズ・グラビティ |
ボルゾイアディーンなど、その他ボルゾイスクールのマシン | ||
ビークスティンガーG | クラッシャージロー | ビークスパイダー・レイスティンガー・ブロッケンGの技の他、ハンマーRクラッシュ |
ハル001 | 大神陽人 | 乱気流、コースの壁を切り裂くカッター、触手ローラー |
プロトセイバーTT | TT | 乱気流、エアカッター、 |
各々のバトルマシン推進派の思想
黒沢太(序盤)
元々普通に走らせても勝てるくらい高い改造技術の持ち主なので、後続から自分を抜こうとしているマシンに対するブロック・順位維持目的で得物を仕込んでいる。そのため攻撃範囲も横・後ろに集中している。アニメ版では一時期はビークスパイダーの破壊力を見て同じような思想(自らの改造技術の証明)に染まろうとしていたが改心後はその技術をバトルマシン対策やオフロード対策へと講じていくようになった。
大神博士
大方バトルマシン普及の元凶と言っても良い人物。
バトルマシンは他のレーサー同様「勝利を掴み取る」だけでなく、「自らの科学と『遅いマシンなどこの世に存在してはならない』という自らの思想の証明」のために得物を仕込んでいる。
これは自らの高い技術力からくるプライドの高さから来ており、同時に次々と部下が離れ土屋博士にばかり人望が集まる元凶にもなっている。この土屋へのコンプレックスこそバトルマシンの技術の過激化に拍車をかけているといっても過言ではない。
だがそのプライドやコンプレックスこそが「勝利」という本来の目的から逸脱させているのも事実であり、バトルマシン対策を施した相手に気を取られてる間に順位を落としてしまうなど本末転倒な結果を招いてしまっている。
そうかと思えば、自分らのマシンに一方的に都合いいようにレースのルールやコース変更を迫るなどもはやマシンの技術関係なしのインチキを使ってでも勝利に固執するなど行動に一貫性がなくその思想は破綻しているも同然な状態になってしまっている。
原作・アニメでは真逆の末路を辿っており、前者は自らの科学の敗北により発狂し廃人化、後者は体こそ歩行に杖が必要なほど弱ってしまったものの自分の道を見つけた娘の姿に刺激を受け改心している。
R
大神のバトルレースを「ぬるい」と判断するほどアメリカではバトルレースが主流らしく、そのルールに染まった結果。
大神研究所のレーサー出身ではあるが、バトルレースによる本物の弱肉強食社会をアメリカ留学を経て知った経験や、大神の勝ちのためならインチキにまで手を出し始めた姿勢から、大神の思想には次第に愛想を尽かしていった模様。
しかし劇中では特に目立ったラフプレーもしないまま、ブロックに徹していたブロッケンGと相打ちになる形で退場したため無益な破壊は避ける主義なのかもしれない。
ちなみに彼女は「バトルレースはアメリカが本場」だと発言している。後にWGP編で出てきたアメリカのチームNAアストロレンジャーズの面子はバトルこそしなかったが、作中でRと同じセリフを言った他、続編のアニメ版MAXに出てきたアメリカ人チームはバックブレーダーのカスタム機をバトルマシンとして使っていることからやはり事実のようだ。
ロッソストラーダ
黒沢とは逆に前方のマシンを影から強襲し上位に立つことを目的に得物を仕込んでいる。そのためGPマシンであるディオスパーダの攻撃範囲も前に集中している。これはメンバー全員がストリートチルドレン出身という経歴から勝利というものに関し貪欲であることに起因している(ただしメンバーの中には明らかに破壊を楽しんでいる面子もいる)。
だがカルロ・セレーニの場合、得物を外したままでレースに参加し決勝第2セクション後半戦でRS機能とマシンポテンシャルを武器に正攻法でレースで1位を掴み取る喜びを知ってしまったがゆえにファイナルセクションCでは錯乱状態に陥ってしまい、上位3組に食い込むほど検討していたところを悪あがきのラフプレーで大きく順位を落とし自滅してしまうという結末を迎えている。
プロフェッサー・ボルゾイ
MAXの時系列でバトルレースが広まった拠点であるボルゾイスクールから考えるに元凶は彼のはずだが、アニメ版の場合元々は宇宙開発や宇宙資本独占が彼の目的なのでそもそも何故ミニ四駆に行き着いたのかは明らかになっていない。
アニメ版のボルゾイ側には大神もついているが、図らずも大神軍団がチームプレイを乱すと注意するぐらいはしていた大神に対し、ボルゾイは本来味方同士と指定しているバトルレーサー同士の食い潰し合いさえもなんとも思っていない。そのためボルゾイスクールの思想に染まりきったレーサーの多くは一時的に戯れるだけの一匹狼と化している。
また、MGストーンのような外部から得た圧倒的に強い力はバトルレースに応用できれば取り込めるだけ取り込むべきという思想でもあるため、少なくとも外部からの発注除けば自身のマシンには絶対自らとその師匠の技術以外の力に依存しない大神以上に極悪非道とも言える。