概要
『悪魔城ドラキュラ 暁月の円舞曲』で初登場した敵キャラクター。
悪魔城の城主、ドラキュラ伯爵に仕える悪魔のメイド。最近、新しい掃除機を貰ったらしい。
その姿は登場する作品毎に多少の差異はあるものの、基本的には悪魔城で働く使用人にして、
侵入者にはその鍛え抜かれた肉体と徒手空拳の武術で以って、手厚く歓迎してくれる武人(!?)。
優雅かつ上品な「おもてなし」の数々を存分に振舞うその姿は、正に悪魔城の守護神である。
女悪魔、メイド、格闘娘、お淑やかで上品(または活発的)と、属性盛り盛りな設定のおかげで、
悪魔城ドラキュラシリーズのザコ敵キャラクターの中では珍しく、抜群の知名度と人気を誇る。
実際、当時の公式サイトでも開発スタッフによる彼女のイラストが多数掲載されていた程であり、
現在でも沢山のイラストが投稿されている事から、かなり愛されたキャラクターだと断言できる。
・・・でも、歓迎ってそういう意味じゃねーから!!痛いのがご褒美なのは二次元だけだから!!!
元ネタ
元ネタはローマ神話に登場する春を齎す豊穣の女神【プロセルピナ(Prosperina)】。
「・・・一体何処をどう解釈したら、春の女神がメイド姿の女悪魔になっちまうんだよッ!!」と、
思うかもしれないが、元ネタを考察していくと意外にも納得できたりする。簡単に説明すると、
悪魔城ドラキュラシリーズに登場する『プロセルピナ』は、春の女神から派生した全くの別人。
『プロセルピナ』は元々、ギリシャ神話に登場する春の女神【ペルセポネ】がローマに伝わり、
その後、現地の豊穣(農業)神と結びついた事で新たに誕生した女神であり、その神話も全て同じ。
つまり冥府神【ハデス】の妻にして、冥府の女王である『ペルセポネ』の設定も共通なので、
『プロセルピナ』もまた冥界の神【プルートー】の妻にして、冥界の女王として扱われる事に。
そこから中世に入ってキリスト教に吸収されると、今度は悪霊達を統べる冥界の女王として、
悪魔学における女の大悪魔にまで貶められる事になったのだ。つまり元ネタはコチラの方である。
彼女からすれば「元々女神だったのに冥王に攫われて女王にされて果ては女悪魔の主扱い」と、
その転落ぶりには同情を禁じ得ないが、所変わればその解釈も変わる事は致し方ないのかも・・・
「・・・おい、メイド要素は何処からだよ?」と思ったそこの貴方。それはもう1つの元ネタから。
『悪魔城ドラキュラ(X68000版)』の最終ステージに出現するザコ敵、「傀儡のメイド」がそれ。
当時は『メイド』と言う名前しかなかったのだが、その見た目や攻撃方法は一部似通っており、
『プロセルピナ』はこの2つの要素をモチーフにして誕生した、復活キャラクターだと言えよう。
・・・なんで組み合わせたのかって?悪魔城は混沌の産物だから?(スタッフもいい仕事してますねぇ)。
尤も、モチーフ元なだけであって、中身は悪魔城ドラキュラオリジナルの敵キャラクターであり、
他の創作にも良くある名前だけ借りた別のキャラクターとして、気にせず愛せばいいのだが。
ちなみに海外版での名称は、元ネタを最初まで遡って「Persephone(ペルセポネ)」である。
暁月の円舞曲
HPは150。MPは96。弱点は刃(斬)属性、毒属性。耐性は無し。出現場所は『幻夢宮』のみ。
見た目は紫色のエプロンドレスに身を包んだ青髪ショートボブの女性。悪魔らしく耳が尖って、
肌の色が若干青白い事以外は、一見普通の人間にしか見えないのだが、問題は出会ったその後。
『幻夢宮』エリアに入って直ぐ、蒼真君に対して冒頭の挨拶と仕草で出迎えてくれたかと思うと、
何故かこのメイドさん、戦闘開始とばかりに見事なファイティングポースを決めているのだ・・・
しかしここで呆気に取られていてはいけない。何故なら、そのまま何もせずに眺めていると、
一気に距離を詰められて高威力のハイキック、またはキツイ飛び蹴りをお見舞いされる事になる。
かなり動き辛そうなロングスカートのメイド服に、ハイヒールまで着用しているにもかかわらず、
軽快な足技を披露しつつ機敏に攻めてくるため、気を抜くと連続してダメージを受けてしまう。
かといって、距離を取ろうとして離れると即座に構えを解除して足早に追いかけてくる始末・・・
悪魔城屈指の(血気盛んな)女の園と名高い『幻夢宮』で、武闘派な彼女は正にその筆頭だろう。
幸い『幻夢宮』の上層フロアには毒属性の剣系武器『フルンチング』が普通に落ちているし、
同じ部屋に出現する『ディスクアーマー』のソウルから得られる能力も刃(斬)属性で相性が良い。
「敵を切り刻む円盤」で遠距離から攻撃すれば、リーチの短い彼女の足技も怖くはないだろう。
しかし見た目や声はお淑やかで可愛らしいのに殺し合いとは・・・悪魔城の女性はやっぱり強い。
ドロップアイテムはアクセサリ『マフラー』とHP回復アイテム『いちご』。
暖かい『マフラー』はDEF(防御力)+2の性能を持ち、『荒城回廊』で普通に拾う事もできる。
固有のドロップアイテムでもない凡庸なアクセサリのため、中盤以降はお役御免になるだろう。
甘くて美味しい大粒苺の回復量は+300とコチラはなかなかに優秀。・・・彼女の好物なのかな?
そして彼女のソウルから得られる能力は「魔導器で敵のHPを吸収する」。継続消費MPは+15。
発動中は前方に頭蓋骨を模した悪趣味な魔導器(掃除機)を召喚して、敵にダメージを与えると、
蒼真君のHPを回復する事ができる。・・・ただし前方にしか攻撃判定がない上に、リーチも短く、
消費MPの燃費がイマイチなのに、その回復量は微量でしかないと、非常に安定性が欠けている。
一概に全く使えない能力とは言わないが、使用し続けるには彼女への愛が必要になるだろう。
ちなみに彼女の声は、ヒロインの『白馬弥那』や仲間の『ヨーコ・ヴェルナンデス』と同じ。
更には『リリス』や『サキュバス』などのザコ敵の声とも同じ。声優の方、本当にお疲れ様です。
蒼月の十字架
HPは140。MPは2。弱点は突属性、斬属性、聖(光)属性、毒属性。耐性は闇属性。
出現場所は『妖魔迎賓館』のみ。攻撃方法は片脚を高く突き上げてから放つ踵落としのみ(あれ?)。
距離がある程度離れていると飛び込みながら放ってくる事もある。他の足技はどうしたのよ・・・
また撃破するとその場に力なく座り込んで、花弁が舞い散る中、静かに消滅するようになった。
元ネタ的にもピッタリな演出だろう。尚、地味にハイヒールの色も赤色になった。・・・返り血?
ただし前作よりも血の気が引いたのか、その仕草や声の印象はお淑やかな部分が強調されており、
全体的に動きが低速化。距離を取ってもその構えを解除しないまま、摺り足で近づいてくる他、
冒頭の挨拶部分も非常にゆっくりで、近づいてからお辞儀を終えるまでは完全に無防備になる。
真面目に対応して敵に隙を晒すとは意外に天然なのか、それともこれが強者の余裕なのか・・・
この様に色々と弱体化しているため、前作よりは戦い易い。先手必勝で一気に倒してしまおう。
ドロップアイテムは体防具『シルクのローブ』とHP回復アイテム『いちご』。
『シルクのローブ』はDEF(防御力)+4、INT(魔法攻撃力)+2の性能を持つ魔法特化型の防具。
最初から店売りもされているローブ系の基本的な防具のため、固有のドロップアイテムではない。
『いちご』の回復量は+150と前作から半減。大体は前作と同じ扱いと言う事で良いだろう。
しかし2作品と続けて苺を落すとは、女悪魔でも女の子らしく甘い物が好きなのかもしれない。
ソウルの能力は前作と殆ど同じ仕様の「敵の体力を吸収する魔導掃除機」。継続消費MPは+5。
その使い勝手だがやはり微妙。相変わらず足元前方にしか攻撃判定は無いし、回復量もそこそこ。
しかしこの能力の真価はそこではない。彼女のソウルを9個入手して最大レベル『3』にすると・・・
なんと『プロセルピナ』本人を召喚して、彼女にお掃除させる事ができるようになるのだ!!
攻撃判定は更に小さくなってしまうが、見た目に華を添えるこの効果の前では全て些細な事。
蒼真君が戦っている隣で一緒にザコ敵を掃除してくれるメイドさん・・・これ何のゲームだっけ?
ちなみに掃除機は吸引効果を持っているため、敵の放つ一部の飛び道具を吸い込む事もできる。
前作では微妙な能力でしかなかったが、本作では最後まで強化して使いたい能力だと言えよう。
プロセルピナ「これより城内の掃除を開始します」
ギャラリーオブラビリンス
「ようこそ♪(welcome♪)」「まいります!(Here I am!)」
HPは60。弱点は鞭属性、剣(斬)属性、聖(光)属性、毒属性、石化属性。耐性は闇属性。
出現場所は『服従の大階段』と『熱砂の墓所』のみ。尚、本作のみ声の担当が誰なのかは不明。
上記の2作品よりも時系列的には古い時代に登場しているためか、その印象も全く異なっている。
まず見た目がミニスカートな青いメイド服に変更されており、髪型も緑色のショートヘアに。
声もハキハキとした明るい感じであり、その露出度とも相まってかなり開放的になっている。
足技を使用する分にはその丈の方が都合が良いのだろうが、角度的にも確実に見えてしまうぞ!!
そして最大の追加点はやはり、あの悪趣味な魔導掃除機を彼女が戦闘で使用している事だろう。
彼女のHPが回復すると言った効果は無いが、吸われている間はコチラの動きが止められてしまう。
ただし掃除機は一度でも攻撃が成功するか、接近し過ぎると直ぐに手放して戦うようになるので、
流石に鈍器として使用する事はないようだ。また動きを止めている時間もそこまで長くはない。
尚、作中における1940年代には、既に一部の上流階級の家に掃除機が存在していたらしいので、
彼女が掃除機を使用していても全く問題はない。そもそも彼女の掃除機は正確には魔導器だし。
基本的な仕様は『蒼月の十字架』基準。近づかなければ戦闘にならないのは過去作と同じだが、
本作では最初から掃除機片手に床掃除をしながら広範囲を移動しているタイプも登場しており、
より戦闘が発生し易くなっている。また攻撃方法は踵落としの他に、掌底打ちが追加された。
ただし移動速度が控え目なのは変わっていないため、HPも低く一気に倒してしまえば問題はない。
掃除機で動きを止められたとしても、彼女自身もその間は動けないため落ち着いて対処しよう。
ちなみに『熱砂の墓所』に登場する個体は掃除機を使用するタイプである。・・・砂漠を掃除中?
ドロップアイテムは体防具『フリルのキャミソール』とHP回復アイテム『バケツプリン』。
『フリルのキャミソール』はシャーロットの専用防具にして、固有のドロップアイテムであり、
DEF(防御力)+9、MND(魔法防御力)+5の性能を持つ。入手時期的にも狙う価値は十分にある。
『バケツプリン』の回復量はなんと+200。態々、新品のバケツを使って作っただけあってか、
序盤でこの回復量は圧倒的な利点である。上記の防具を狙っていたら何個か入手しているはずだ。
しかしこれまでは彼女のイメージにもピッタリなドロップアイテムで統一されてきたはずなのに、
ここに来て好物の苺をかなぐり捨ててバケツプリンとは・・・新たな一面が発掘された瞬間である。
Harmony of Despair
ほぼ『ギャラリーオブラビリンス』基準で本作にも登場。尚、声の担当は元に戻った模様。
弱点は突属性、斬属性、毒属性、呪属性、石化属性。耐性は無し。・・・闇属性耐性はどこ行った?
攻撃方法にも変更は無し。第2章『傀儡の王』と第4章『暴虐のエスキース』に登場する。
ドロップアイテムはアクセサリ『わすれな草のネックレス』とアクセサリ『ハートのブローチ』。
『わすれな草のネックレス』はDEF(防御力)+1、INT(魔法攻撃力)+2と凡庸な性能でイマイチ。
『ハートのブローチ』は防御性能は無いが、大ハート(MP回復量+15)が出やすくなる効果を持つ。
ドチラも固有のドロップアイテムだが、やはり狙うならMP回復量が増える後者の方を狙いたい。
ソウルから得られる能力も『蒼月の十字架』と同じ。回復量はレベルに関わらず+1で固定だが、
敵の放った一部の飛び道具を防ぐ効果は、マルチプレイにおいても非常に役に立つ事だろう。
何より彼女を召喚できる仕様が健在なら、強化する価値は大いにある。後は下記のためにもね・・・
Grimoire of Souls
悪魔城の主に使える悪魔メイド。
家事全般を完璧にこなすが、
なかでも侵入者の「お掃除」が大得意。
2021年12月に追加された6冊目の魔導書「魔性の頭蓋」の3つ目「招かれざる客」のステージで初登場。掃除機持ちなので見た目は『ギャラリーオブラビリンス』準処。
大きさに掃除機も含めているので、マルファスなどと同様大型の敵として扱われている。
結論から言えば、滅茶苦茶強い。断トツで歴代最強といっても過言ではない。
総じて掃除機を使った攻撃が中心。むしろ掃除機を置いて格闘することがほとんど無い。
掃除機で前方の広範囲を吸引し、ダメージこそ無いが手前に強く引き寄せられる。
狙ったかのように吸われた先にアイアンメイデンがある場合もあるので組み合わさると危険。
また、掃除しながら突進してきたり、掃除機をブン回して鈍器のようにぶつけてきたり、掃除機を軸に回転キックしたりと、他のどの作品にも無い攻撃が多彩。
攻撃には受けるとDIZZY効果で動けなくなるものもあるので、周囲のモンスターと組み合わさると脅威。
本題
「キャッ!」「イヤーァ」
さて、実はここまでの紹介だけでは、彼女の魅力の全てをお伝えしきれていない。
彼女には他の女性型モンスターには存在しない特別優遇された仕様が存在するのだ。それは・・・
彼女を掃除機で吸うと、スカートがめくれないように押さえるモーションが入る事。
その詳しい経緯に関しては『まじょみならい』の記事も併せて参照して欲しいのだが、
『蒼月の十字架』以降の作品では、彼女自身の能力など吸引効果のある攻撃を利用する事で、
本当に『プロセルピナ』本人のスカートや『まじょみならい』のローブをめくる事ができるのだ。
一応、能力が無くとも『デビル』系のザコ敵を撃破した後の効果でも代用可能だったりする。
尚、『プロセルピナ』の場合は、悲鳴こそ上げるものの手でスカートを押さえ続けるのだが、
『まじょみならい』の場合は、両手で持っている箒を吸い込まれまいと踏ん張り続けるため、
ローブを気に掛ける事が出来ない中、見えそうで見えないと言う危険な光景を拝む事ができる。
ちなみにベルモンド家の奥儀『グランドクロス』もバッチリ適用される。やっぱり変態だった・・・
そして自分の能力が「スカートめくり」に利用された挙句、自分まで被害にあった所為なのか、
『ギャラリーオブラビリンス』では彼女自身が掃除機を使いだしたため、遂に全面戦争状態に。
そして勿論、被害に会って困るのは男性のジョナサンではなく、女性のシャーロットだろう。
普段は勝気な彼女もただでさえ短いスカートを思いっきり引っ張られて悲鳴を上げる事に・・・
尤も、その被害者のシャーロットも風魔法『テンペスト』や闇魔法『ダークネスホール』で、
めくり返せるので仁義なき女の戦いが勃発する事に・・・多分、一番喜ぶのはジョナサンだろうが。
「ヤルナァ」「サスガダナ」「ヤルジャン!」「ヨクヤッタナ」「ヤルナ!」
シャーロット「あんたら殺すわ!」
そして『Harmony of Despair』では操作キャラクター全員にこの仕様が適用される事に。
特に女性キャラクター達(シャノアを除く)には適用時の専用ボイスまであると言う豪華仕様。
シャーロットの場合:「きゃあん!」
『ギャラリーオブラビリンス』の時とは異なるボイスが新録されている。コッチもなかなか・・・
ヨーコさんの場合:「こらぁ」
スカートの前を押さえながらも余り動じていないとは、流石は大人の女性。余裕の対応である。
マリアちゃんの場合:「きゃあ!」
怪物だって平気なマリアでもコレにはビックリしたようだ。反応が子供らしくて実に可愛らしい。
関連タグ
悪魔城ドラキュラ 暁月の円舞曲 蒼月の十字架 ギャラリーオブラビリンス Harmony of Despair