概要
かつて人類を未曽有の恐怖に陥れたが、ある日突如現れた謎の光エネルギーに包まれた後、絶命した怪獣。
最全長380m、全高155m(※片足あげて倒れた状態)、推定身長165~194m(※参考までに、生前の姿勢次第でかなり幅がある)と「日本の邦画(怪獣映画)史上最大級」の巨体を誇る。(特撮映画でもっとデカい怪獣がいたのは秘密)
(※生前の想像図)
デザインは「昔の図鑑に描かれてた恐竜」をモチーフにしており、旧復元のティラノサウルスのような外見に鼻の上に2本の小さな角、尻尾にはステゴサウルスのような2対のトゲが生え、下顎が大きく発達し鋭い牙が並んでいるなどいかにも怪獣を絵に描いたような姿であるが、最大の特徴はなぜかキノコ(ベニテングタケ)のような形状をしている背びれである(なぜキノコなのかは映画を見れば分かる模様…)。
死体は全体的に生前の形態を大きく保っており、頑強かつ強固な皮膚は人類の攻撃もかすり傷程度にしか効かなかったが、右側の胸から腹部にかけて死因となったと思われる大きな傷が刻まれている。
出生地は不明(作中、隣国である某国が「自国の大陸棚から発生した」と主張しているが下記の理由から単に所有権を欲してるだけと思われ、根拠はない)。
「希望」という生物らしくもなく、他作品の怪獣のような印象深さもなく、ましてやかつて日本各地で暴れまわっていた存在とは正反対なこの名前の由来は、怪獣の死後、政府の有識者会議の取りまとめをもとに「人類の生物学史上に残る貴重な環境資源であり今後の「希望」に繋がる」という意味が込められて決定されたものであり(だからってこれでいいのだろうか…?)、政府内では怪獣の死体公開による来訪外国人の増加によりインバウンド需要は12兆円もある"観光資源"としての期待が高まっている。
しかし、次第に死体は腐敗による発酵で体温が上昇。体の複数箇所に細菌による分解で生じたウンコかゲロのような猛烈な臭さの腐敗ガス(政府の公式見解は間をとって(?)銀杏の匂い)や腐液(腐敗物)が筋膜に溜まって隆起した「腐敗隆起」が各所に発生。内圧500キロパスカルに上昇すると隆起がクジラのそれとは比較にならないほどの爆発を起こし、死体から北西20km圏内が腐敗臭に覆われるばかりか、更なるガス爆発の危機が迫っている(しかもこの腐敗ガスや廃液はただ臭すぎるだけではなく、もろに浴びると人体に"ある症状"が起きてしまうとか…)。
当然ながらこんな死体は早くに処分すべきなのだが、政府は上記の理由から資産価値を落としたくないあまりなるべくそのままの形で残すことにこだわり、国防大臣と国防軍はかつてミサイル攻撃で民間の建物を消失させた汚名返上のために死体処理を任命された特務隊に横から手を出すなど、政府の方針が揺れるなか、猶予もない状況にもかかわらず各々の目的のまま暗躍するものも現れ一向に対処が進まない始末。
そう、この映画の本筋はまさに、このとんでもない粗大ゴミを巡った思惑まみれの"あとしまつ"合戦なのである。
余談
「希望」の象徴である恐竜のような姿や片足を空高くつきあげて死んだ特徴的なポーズは三木監督がこだわって取り入れたものであり、ポーズは「死んでいるのに足を高くつきあげているのが馬鹿馬鹿しくて面白く見えるのではないか」という遊び心によるもの(他にも空につきだした足が上を向くかどうかを確認をとるため恐竜と近縁にあたる鳥のデスポーズも参考にした)。
また、希望のデザイン・造形を手掛けた若狭新一氏は過去に多くの特撮作品の怪獣デザインや造形を手がけてきており、背びれなど細部の形状がある有名な大怪獣に似ないように心がけた模様。
「邦画史上最大級クラス」の巨体となったのは、インタビューによると「(ずるい言い方ですけど)死んでいるから動かなくてもいいため、多少大きくてもVFXの合成上の不具合はないからいいだろう」という所からはじまり、途中から映像の力感を意識し出して脚を100m以上にするなら牛久大仏ぐらいの高さがないといけないということになり、さらに「希望」が倒れている川の大きさに合わせてサイズを細かく決め込んでいったという。
なお、主に撮影に使われたのはCGではなく全長6mもある造形物であり、怪獣の傷や細部のディテールも細かく作り込まれている。
希望の死因となった光エネルギーと腹部の大きな傷との因果関係は不明(劇中では一種の放電現象によって大きなエネルギーを与えられて死んだのではと解釈されている)とされているが、裏設定によるとヒーローの放った光線か何かによってやられた傷らしい。ただし、この映画とシン・ウルトラマンやシン・ゴジラとの関連は一切不明である。
「松竹×東映怪獣まつり」としてギララやメタリノーム、そして希望の危険性の象徴とされる謎のキノコと一緒にガシャポンフィギュアになっている他、ブルマァクから生前の姿をモチーフにしたソフビ人形(生前のイラスト付き)も発売される。
名前の候補の中には「ジラ」というものがあったらしいが、監督がゴジラファイナルウォーズを見ていなかった為同名の怪獣がいる事を知らず没となった。
関連タグ
シルドバン:ウルトラマンネオスに登場する昆虫型怪獣。こちらも撃破後に死体が腐敗して周辺に被害が及ぶとのことで地中の奥深くに埋葬されるという対処がされた(ウルトラシリーズは仕方ないとはいえ怪獣が当たり前のように出現する世界なので単純に資源としてはあまり見られなかった様子)。なお、この怪獣もキノコと浅からぬ因縁がある。
シン・ゴジラ:全長333mと体格が近い。
ギガエンドラ、ギガキマイラ、ベリュドラ:特撮映画でこの怪獣よりも明確に巨大だった怪獣。とはいえウルトラ怪獣は映画だけでなくテレビでも身長200mを優に超えている超巨大な怪獣たちがあまりにも多いため、あまり比較に持ち出すべきではないかもしれない。
バラバ、ジャンボキング、タイラント、シーリザー、リザリアス:死してなお脅威となった怪獣つながり。
ギエロン星獣、サラマンドラ、ノスフェル:いつまでも死体の処理にもたついていると、大変なことになってしまう良い例。
植物怪獣:(厳密にはキノコは「植物」ではないが)キノコを体の一部とするなら当てはまるかもしれいない。
ゴジラ・アース:300m級の圧倒的巨体、恐竜型のシルエット、「植物」的な要素など、意外と共通点が多い(なお、アースの300mの数値は「体高」であり、希望の約2倍)。