そして、幻想(ゆめ)は終わる
作品解説
ジャンルは「タクティカル・エスピオナージ・オペレーション」。
今作のテーマはズバリ「平和(PEACE)」。
今作は、メタルギアシリーズの中でも新たな要素を多く取り入れた作品である。
本作最大の特徴である「CO-OPS」というシステムは、多人数プレイ時に味方に密着する事で「CO-OPSイン」状態となり、体力や弾薬、レーダー等を共有することができるというもの。レールガンは発電機を使用して電源供給をすることで最大の威力を出せるなど、協力時でなければ本来の性能を発揮できない装備も登場している。
見てわかる通り協力プレイを推奨しており、一人で潜入するのが常であったシリーズにおいて仲間を頼るという選択肢が生まれ、ゲームの選択肢が増した。またすぐに中断・再開が出来るようにストーリーをミッション制にするなど、携帯機の強みを最大限に生かしたタイトルといえる。装備やAI兵器の開発やアウターオプス、マザーベースの強化・増設などやりこみ要素も豊富に存在し、非常に完成度の高い作品になっている。
今作でも他企業とのコラボは豊富で、マウンテンデュー、PEPSI NEX、ドリトス、ボンカレー、AXEなどといった実名企業の商品が元になったアイテムがスネークの活躍を助ける。
それだけではない。ゲームメーカーの垣根を越えたコラボまであるのだ。
MGS4に続き『アサシンクリード』シリーズ(Ubisoft)とのコラボではアサシンクリード2の「アサシン・ストロー・ボックス」が登場する。
そして、なんと言っても『モンスターハンター』シリーズ(カプコン)とのコラボである。本作発売当時といえば、PSPのソフト販売数トップがMHP2Gだった頃。また、前月にMHP3の発表会もあった。
そんなPSP最強の怪物とのコラボということあり、かなり話題になっていた。
小島氏曰く、もともとMH2発売当時からモンハン開発チームとは交流があり、何かやりたかったらしい。
大型モンスターではリオレウスとティガレックスが登場する。一部のデータはカプコンから貰っていたが、
モーションは目コピだとか。…凄い完成度だ。
このコラボがきっかけで、「東京ゲームショウ2010」ではMHP3でのコラボも発表された。
MHP3ではスネークやビッグ・ボスのハンター用装備やダンボールなどを使ったオトモ装備が入手できるとか。
本作の完成披露発表会では、このコラボ紹介の前置きとしてティガレックスが登場している。
ところで、小型モンスターのほうはランポスとアイルーが登場しているが、先に述べた大型モンスターを含めてMH4の顔ぶれになってしまったのは偶然なのだろうか?
週刊ファミ通のレビューでPSPのゲームとしては史上初の40点満点を獲得し、PlayStation® Award 2010などの賞を受賞するなど、評価も非常に高い。
2010年4月29日にパッケージ版の発売と同時にダウンロード版も発売されている。
2011年2月24日にPSP the Bestが発売。
なお、現在はPSP版のネットワークサービスは全てが終了している。
2011年11月にXbox360/PS3版のHDエディション版が発売され、それに伴いダウンロード版の価格も下げられた。
ハードの変更やネットワークサービスの終了などによりHDエディションはいくつかの変更がされており、PSPとのデータの共用が可能なPS3版と違い、共用の出来ないXbox版ではスペシャルアイテムのパスワードの入力が出来ないなどのハードごとの違いもある。
MGSVGZのamazon限定プレミアムパッケージには野島一人著の小説が発売に先駆けて付属している。
装丁も異なっており、付属版はハードカバーとなっており、通常販売版は文庫版となっている。
ストーリー
ソ連に亡命した裏切り者「ザ・ボス」を殺害したネイキッド・スネークは、アメリカ合衆国からBIGBOSSの称号を与えられるが、直後にその姿を消してしまう。
それから10年後の1974年、南米コロンビアで国境なき軍隊(Militaires Sans Frontières。以下MSF)を率いていた彼のもとを、コスタリカ国連平和大学の大学教授を自称するラモン・ガルベス・メナが訪ねてくる。彼は最近コスタリカに出現した謎の武装勢力を一掃してほしいとMSFに依頼するためにやってきたのだった。
CIAが関与している事を知り協力を渋るスネークだったが、ガルベスは今回の依頼が政府からではなく、一人の少女からのものであることを打ち明ける。
そしてガルベスが提示したカセットテープには、死んだはずのザ・ボスの声が録音されていた・・・。
登場キャラクター
2度に渡って核戦争を阻止した伝説的英雄。アメリカを出奔し、コスタリカでMSFを率いていたが…?
今作では、スネークがいかにしてアウターヘブンの基礎を築いたかが明らかとなる。
ボスと呼ばれるのを快く思っていないらしく、度々スネークと呼ぶように訂正を求めるが、基本的にMSF内ではボスと呼ばれる事の方が多い。
相変わらずの愛煙家でニカラグア産の「ホヤ・デ・ニカラグア」を愛飲。
今回、スネークの相棒として活躍するMSF副司令官。
「SOLID」以前にソリッド・スネークの支援をする「マスター・ミラー」と同一人物。
日系2世でアメリカ軍人と日本人との間に生まれた。カズヒラは日本語読みで「和平」であり、平和への思いが込められている。
スネークとは2年前、戦場で戦ったのが初対面。その若さで指揮を執っていただけあって、彼自身も非常に有能な兵士であり、任務に赴くスネークの代わりにMSFの管理を実質的に任されている。
パスによると歌は下手らしい。
小節版ではキセルを愛用している。
MGSPWの発表に合わせて、彼の声優杉田智和氏がパーソナリティーを務めるネットラジオ「カズラジ。」が配信されている。中の人のフリーダムさは健在。
今作のヒロイン。ハイスクールに通う16歳でガルベスの教え子。
「パス」という言葉には「平和」という意味がある。コスタリカの自然に詳しい。
人差し指を鼻の下にあてる癖がある。
- ラモン・ガルベス・メナ CV:大塚芳忠
MSFに謎の武装勢力の排除を依頼してきた男。右手が義手になっている。
国連平和大学で教鞭をとっているらしい。コスタリカコーヒーが好物。
義手は筋電義手となっているため、自分の意志で本物の手のように自由に動かせる他、ライター等の機能も内蔵している。
かつてはヘビースモーカーだったが、現在は肺を患い禁煙中。
サンディニスタ民族解放戦線(FSLN)を率いソモサ政権の打倒と祖国ニカラグアの開放を目指す若き女革命戦士。戦死した父の後を継いで指導者となり、同志と共に祖国を取り戻すべく奮闘するも自らの力不足を痛感している。
仲間を率いてスネーク達に協力するが、仲間に司令官(コマンダンテ)ではなく、「アマンダ」と名前で呼ばれることを気にしている様子。
手巻き煙草を愛用する。
アマンダの弟でFNSLの一員の少年。12歳。
ゼロ少佐同様UMAに造詣が深く、怪物たちの生息するモンスター島(イスラ・デル・モンストルオ)への到達を夢見ている。
ゲリラ生活で長期間に渡って栄養が不足していたため、年齢の割に身長が低い。
子ども扱いされることを嫌っており、最高の戦士でありながら自分を一人の戦士として扱ってくれるスネークを慕うようになる。
MSFのマザーベースで過ごすようになってから、パスに恋心を抱く。
フランスからバードウォッチングにやって来ていた鳥類学者で、金髪のパリジェンヌ。
ケツァールの鳴き声を採取していた最中に偶然、ストレンジラブの実験中の様子を録音してしまい拘束されていた。そこから脱走してきた所をスネークに保護され、その後はマザーベースからスネークに現地の鳥類などについてアドバイスする。
美人で博識だが、酒癖が非常に悪いうえに良くも悪くも調子のいい性格をしているため、マザーベースではカズと二人で悪ふざけしたり大暴れしたりすることも。
中の人の怪演が光るブリーフィングテープは必聴。
好きなタバコはフランス製の両切りタバコ。
小説版では直接登場しない。
…ん?小島・神なんです…?
「SOLID」以降でソリッド・スネークの相棒として活躍するオタコンの父。
元NASA宇宙工学技術者で、現在はCIAの元で二足歩行兵器の研究をしており、AI兵器の基本動作を司るレプタイルポッドを含めた兵器本体部分の開発を担当している。
先天的な脊髄の異常により歩けず、移動は電動車椅子に頼っている。二足歩行技術にこだわっているのも、いずれその技術で自身が歩けるようになる事を望んでいるためでもある。
ヒューイはあだ名で映画サイレント・ランニングのドローンからの引用でストレンジラブにより命名され、本名は不明。
MGS3に登場したソ連の技術者であるグラーニンとは父子通して友人となり、文通仲間でもあった。
喫煙者だが、電子機器に対する影響を考えて自作の電子タバコを吸っている。
ストレンジラブに好意を持っている。
AI兵器のママルポッドの開発者。
元NASA宇宙工学技術者であり、DARPAに所属していた事もあった。
NASAではマーキュリー計画に関わっており、宇宙線被爆の危険からAIの開発をするようになる。
ストレンジラブは「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」から引用されたあだ名であり、本名は不明。
あだ名はマーキュリー計画に参加していたザ・ボスの写真をデスクに貼っていたことから命名されたが、本人は同性愛者の気もあって否定していない。
ヒューイの好意に気付いているが、消極的な性格を嫌っている。
嗅ぎ煙草を愛用。
- ホット・コールドマン CV:麦人
ピースウォーカー計画を立案・指揮するCIA中米支局長。
エリートだったがサンヒエロニモ半島事件の際にCIA長官が暗殺された為に中米へ左遷された。
『スネーク・イーター作戦』の立案者でもある。
スネークがプラヤ・デル・アルバの桟橋で出会った猫。
仕事を探しているうちにコスタリカまで来てしまった。
イスラ・デル・モンストルオにスネークたちを案内する。
ガルベスが持ち込んだテープに録音されていた声の持ち主で、スネークの師。
10年前にソ連で死んだはずだが……?
スペック
タイトル | メタルギアソリッド ピースウォーカー |
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機種 | プレイステーション・ポータブル |
ジャンル | タクティカル・エスピオナージ・オペレーション |
発売日 | 2010年4月29日(木) |
希望小売価格 | 税込5229円→廉価版2940円 |
販売元 | コナミデジタルエンタテインメント |
CERO | C(15歳以上対象) |
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関連タグ
ピースマーク:抑止による平和という内容の為か、B-52と組み合わせたものが使われている。