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概要

 渡辺道明原作の漫画。「月刊少年ガンガン」で1991年4月号から2001年2月号まで連載された。全37巻。

 また、続編『ハーメルンのバイオリン弾き~シェルクンチク~』が「ヤングガンガン」で2008年3号から2011年21号まで連載された。全7巻。

 ドラマCDは全三巻。

 現在、第1作の後日談にして『シェルクンチク』の前日談でもある、シリーズ最新作『続ハーメルンのバイオリン弾き~愛のボレロ~』がネット上で無料不定期連載中である。

原作漫画

 月刊少年ガンガンの黎明期から連載開始。実に10年もの間(ただし10周年直前で完結したが)連載し続けてきた月刊少年誌でも稀に見る一大巨編(もっと長く続く月刊連載漫画は幾らでもあるが、それでも本作は長い方であり、しかもストーリーの破綻も見られない)。

 元々は読み切り作品だったにもかかわらず、その人気ぶりから連載化して同誌の屋台骨を支え続け、少年ガンガンの伝説として語り継がれることになった。

上述のように単行本は全37巻だが、この冊数は同じ『月刊少年ガンガン』の歴代看板作品と比べても、『ソウルイーター』の25巻、『鋼の錬金術師』の27巻、『マテリアルパズル』シリーズの29巻に大差をつけた冊数で、2022年3月までは、ぶっちぎりの1位であった。(2022年3月に『ながされて藍蘭島』にタイ記録を許し追い付かれており、同年内あるいは翌年には抜かれる事が確定している。一方、その『藍蘭島』は2012年に『ハーメルン』の連載期間記録を抜いているが、その『藍蘭島』が『ハーメルン』の単行本記録を抜くのに、さらに10年近くを費やしている事こそが、本作の凄まじさの証とも言える)

 魔王を倒して世界を救う」という、冒険ファンタジー王道を行きながらも、キャラ崩壊がデフォという強烈なギャグパートをシリアスなシーンの途中であっても躊躇いなく随所に盛り込み、更にそのアクの強さを吹き飛ばすほどに複雑な人間ドラマが展開される。

 連載当初から「これはギャグ漫画なのかシリアス漫画なのか良くわからない」「コメディ(ギャグがストーリーの飾りのジャンル)というにはギャグのパートが長過ぎではないか」と言われ続けたが、正解はその両方である。分かりやすく言うと、塩と砂糖を大量にぶっこんで味付けしたような作風。

 たった一作で「ファンタジーギャグシリアス熱血友情恋愛」を見事に演出しており、辛い試練を乗り越えた先のハッピーエンドやテーマである人間賛歌と相まって少年漫画の総決算ともいうべき作品に仕上がった。

 また、実在のクラシック音楽を登場させ、登場人物地名アイテムの名前は楽器や楽譜記号などに由来し、さらに攻撃そのものも音楽(魔曲)。

 さらに楽曲ごとに作者や作曲にまつわるエピソードを紹介するなど、近年のクラシックブームの先駆けというべき漫画でもある。

劇場用アニメ

1996年4月20日にGWアニメフェスティバル'96として公開。同時上映は同原作掲載雑誌繋がりで魔法陣グルグルドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章

アンディファーナ国を舞台にハーメル一行とメデューサ隊の戦いを描く。

時系列に関してはハーメルに同行しているのがフルート、オーボウ、ライエル、サイザーの4人であることから、オカリナがオル・ゴール調査の旅に出た直後の話…のように思われがちだがハーメルとフルートがギクシャクしていない為、実質的にはパラレルである。ちなみにオル・ゴールはオープニング映像のほうに登場。

ストーリー

 パンドラという人間の女性がこの世のありとあらゆる厄災が封じられた「パンドラの箱」を開けてしまい、世界は箱から解放された魔族によって危機に晒され、いくつもの悲劇が起きていた。しかし、最後に箱の中に残されていたのは希望だった―――

 辺境の勇者ハーメルはお供の喋るカラスオーボウと共に、大魔王ケストラーを倒すべく、最北の地である北の都を目指して旅をしていた。

 途中、村娘のフルート、幼馴染兼親友で「愛の勇者」を自称するライエル、魔王軍に祖国を滅ぼされた少年王子トロン・ボーンハーメルの双子の妹で魔王軍の妖鳳王サイザーらが仲間に加わり、「五つの希望」と呼ばれ壮大な組曲を奏でていく。

世界観

基底はゴリゴリのダークファンタジーであり、人類の天敵「魔族」は人間よりはるかに強大、作中現代においては彼らを統べる「大魔王ケストラー」が封印状態にあり魔族全体の力が抑制されているため、辛うじて人類は勢力圏を保てている、といった状況である。

それでもなお魔族の最高幹部「魔界軍王」の力は強大であり、彼らが前線に出てくれば中小の国々はひとたまりもなく、人類圏で最大規模の強国ですら、総力戦で迎え撃って大被害を出しつつようやく撃退できる、というほどの戦力差がある。

総じてディストピアと呼ぶに相応しい陰鬱とした世界観……であるが。

一方で本作は、ダーク&シリアスと破天荒ギャグを高速で反復横跳びして両立させきった怪作でもあるため、この「メインとなるダーク世界観」以外の部分は非常にファジーにできているのも特徴である。

具体的には、本作の世界にはメインの舞台となる現世以外に「天界」「魔界」「冥界」などがあることが語られているが、シリアスパートでこれらの実情が描写されることは皆無であり、描写が出てくるのはギャグパートに限定されている。

結果どうなるかといえば、特に頻出する「死後の世界(冥界、地獄)」など、中世ヨーロッパ風世界観であるにもかかわらず三途の川やエンマ大王などの和風なアレコレが脈絡なく登場し、その一方ですでに死亡した登場人物が天使の羽と輪を生やしているなど、統一感などというものはハナから投げ捨てた混沌が展開される。

つまるところ、背景的な世界観については「深く考えたら負け」ともいえる。

登場人物

 (※CVはドラマCD、劇場版・TVアニメ版の順に記載。単独で記載されている場合は、注釈が無い限りはTVアニメ版。)

アニメオリジナルキャラクター

ヴォカリーズ(CV:松山鷹志

アダージョ(CV:真山恵衣

ホロ(CV:丸山詠二

ブリキ(CV:みうらうらら

ダンス(CV:中山依里子

レシク(CV:麦人

バーディ(CV:山門久美

ザンパーノ(CV:梁田清之

劇場版主題歌

オープニングテーマ

「前を向いて歩こう」

作詞 - 森由里子 / 作曲 - 田中公平 / 編曲 - 山本健司 / 歌 - KUKO

エンディングテーマ

「雨のちハレルヤ~太陽に投げkiss~」

作詞 - 森由里子 / 作曲 - 田中公平 / 編曲 - 山本健司 / 歌 - 横山ホットシスターズ

アニメ版主題歌

オープニングテーマ

「MAGICAL:LABYRINTH//」 (第2話 - 第12話)

作詞・作曲 - 高見沢俊彦 / 編曲 - 上野圭一 / 歌 - Skirt

「未完成協奏曲」(第13話 - 第24話)

作詞 - 冬杜花代子 / 作曲・編曲 - 田中公平 / 歌 - 錦織健

エンディングテーマ

「傷だらけのツバサ」(第2話 - 第12話)

作詞 - 池谷ひろ氏 / 作曲・編曲 - 藤尾領 / 歌 - IKEBUKURO

「太陽と月に背いて」(第13話 - 第24話)

作詞・作曲 - 山口由子 / 編曲 - 中村修司 / 歌 - 山口由子

ゲーム版

1995年9月29日にエニックスから発売されたアクションゲーム。ハードはスーパーファミコン

原作1~4巻の内容が元となっている。特徴的なのはヒロインであるフルートを投げて武器として活用するギャル投ゲーシステム。一応は魔曲による攻撃も可能だが、こちらのほうがメインウエポンとなる。道中で入手する着ぐるみによってフルートによる攻撃が強化される。

なおスーファミ末期の製品であるにもかかわらずゲームセーブ、パスワードといった機能が存在しないため、クリアするとなると大体4~5時間以上かかる。

クラシックをアレンジしたBGMが採用されているのも特徴。

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