🗼概要
高さ333m。昭和33年10月14日竣工、同年12月23日に完工式が開かれた。
東京都のシンボル・観光名所として知られる。目の前に増上寺があるため並べてみるとストゥーパのように見える。
正式名称は建築主に因み日本電波塔(にっぽんでんぱとう)である。
一部戦車(を鋳溶かした再生鋼材。出どころは米軍が廃棄したもの)で出来ている。ビートたけしの父親も一部ペンキを塗っていた。
航空障害灯が何箇所にも設置されており、最上部の障害灯の電球交換は年に1度、夜中に電波を止めてから古河電気工業の社員が行っていた。なお夜中に行っていたのは日中に最上部へ登ると地平線の彼方まで見えてしまって恐怖心から仕事にならなくなる恐れや、50kWと極めて強力な電波が発射されており、近づくと感電・やけどをする恐れがあったためである。
日本に建築された構築物の中で、現存するものとしては東京スカイツリーに次いで2番目に高い。竣工当時は日本一の高さだったが、1963年と1964年に硫黄島と南鳥島にそれぞれロランC用の送信アンテナ(411.5m)が、更に1975年には対馬にオメガ航法用の送信アンテナ(454.8m)が建てられていたため、実は日本一高い構築物だった時期は、1958~63年と1998~2010年の合計17年足らずと、意外と短い(ロランC、オメガ航法とも、GPS以前に使われていた、地上のアンテナから発した電波を用いた位置測定システムの名前である)。
色や形状が目立ち、なおかつサイズも333mと破壊された時のインパクトは申し分ないことからか、様々な映画やゲームで破壊されるシーンが存在する。
アンサイクロペディアによれば、
計58回倒壊・消滅しているらしい。
平成23年3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震の際、タワー先端部の地上アナログ放送用のスーパーターンスタイルアンテナが曲がる被害を受けた(強震により激しく振られた)。なお、平成24年7月損傷した上記先端アンテナの交換作業中にアンテナ支柱基底部分(高さ306m地点)より軟式野球ボールが発見され、謎の軟式球として大きな話題となった。現在は大展望台の2階にて展示されている。
アクセス
電車でのアクセスはお世辞にも良いとは言えず、あえて最も近いと言える日比谷線神谷町駅、都営三田線御成門駅、都営大江戸線赤羽橋駅を線で結んだ三角形からちょうど中点を取ったような位置で、どの駅からも数分、それもタワー自体が高台にあるため急な勾配を歩かされる不便な場所にある。とどめに最寄り駅が全てロータリーを持たない地下鉄で周辺の道もそこまで広くないため、東京タワー行きのバスの種類も案内も少ないという二重苦である。東京スカイツリーや都庁が駅直結なだけに差が激しい。
その知名度の割には数ある都内名所の中でも交通インフラは最低レベルであり、ほぼ車社会が主流な地方都市の名所と同格のアクセスの悪さと言っても良い。
電波塔として
昭和28年に東京でのテレビ放送が始まったが、東京タワー完成前に開局していたNHK・日本テレビ・TBSは東京の中心部に自前で鉄塔を持って電波を送り出していた。当然アンテナの数は増えるわけであり、それに対応するための「集約電波塔」としての役割を果たすために建てられたのが東京タワーである。
最初は日本テレビのみ乗らず、一方で完成翌年初頭に開局したフジテレビ・NETテレビ→テレビ朝日、数年後に開局した東京12チャンネル→テレビ東京もタワーに相乗り。一方でテレ東開局の頃となると日本テレビも遠方での受信が難しくなったことから1970年についに東京タワーからの送信に切りかえた。これと同時期にTOKYO FMが開局、その後も放送大学、J-WAVE、TOKYO MX、InterFMが開局し東京タワーから電波を送信していた。
アンテナの位置は上から下記のようになっていた。
- NHKアナログ(V1ch+V3ch、折れたアンテナ)
- テレビ朝日(V10ch)
- フジテレビ(V8ch)
- 日本テレビ、TBS(V4ch+V6ch、並んで設置)
- テレビ東京(V12ch)+張り出した位置から放送大学TV(U16ch)
- 地デジ用アンテナ(紅白の円形(正30角形)カバーに囲まれている部分)
- TOKYO MX(U14ch+D20ch)
- (特別展望台)
- NHK東京FM、TOKYO FM、J-WAVE(共用、82.5MHz+80.0MHz+81.3MHz)
- 放送大学FM(200m程度、77.1MHz)
- InterFM(大展望台の少し上、76.1MHz)
その後東京スカイツリーが完成すると在京民放テレビ6局とNHK、J-WAVEはそちらに移転したため、現在、放送用電波塔としてここから電波を出しているのはTOKYO FM・InterFMのみである(しばらく残っていた放送大学は衛星放送に移行したためテレビ・FMラジオ共々廃止となった)。
ただし、この2局は空いたスペースにアンテナを移し、InterFMは周波数を89.7に変更した。また通信用電波塔としてはまだまだ多くのアンテナが使われている他、東京スカイツリーが使用できなくなった場合に備えてTOKYO MXを除く在京テレビ局各社はここを予備送信所として利用する契約を結んでいる。
東京タワーと創作作品
東京を題材にしている作品には必ずと言って良いほど登場している。
江國香織、リリー・フランキーが同名の小説を書いており、漫画家CLAMPが手掛ける作品には東京タワーが物語のキーパーソンとして登場している。
映画ゴジラでは東京タワーが幾度となく登場しておりモスラ(昭和版)の繭生成シーンが印象深い。ちなみに平成版では屋久島の巨大杉(屋久杉ではない)に繭を作り、自然のエネルギーを得ている。また自身に向け発射されたミサイルを回避、誘導した結果のため故意的な自力での破壊ではないものの、ギャオスの営巣シーンはバックの夕焼けもあり幻想的。ちなみに続編では修復されず、折れたままのタワーが映った。おそらく劇中で地上波やラジオは放送に相当な打撃を受けただろう。
ちなみにあの怪獣王は意外にも2003年公開の『東京SOS』まで東京タワーを破壊したことがなく。現在ゴジラシリーズで東京タワーをゴジラが破壊したのはこの一回(ゲスト出演した映画を含めれば二回)のみである。なお、この映画の世界観では上述の『モスラ』が歴史に組み込まれているため、ゴジラによって破壊された東京タワーは最低でも二代目である。
エッフェル塔とは違うのだよ!エッフェル塔とは!
他に東京タワーと関わりがある作品は
- ドラッグオンドラグーンの新宿ED
- デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱの東京タワーの魔女
- ウルトラQのケムール人
- 三丁目の夕日
- 東京マグニチュード8.0
- 機動武闘伝Gガンダムの新宿でのやり取り(完全にではないが「かつて電波塔だった」という約20年先を予見したかのようなセリフがある)
- 仮面ライダーカブト
- 少女☆歌劇レヴュースタァライト(劇中では約束タワーと呼ばれている)
- メタルマックス(電波塔名義で登場し、大破壊直後はここに登って他の生存者への通信を試みた過去がある)
等が上げられるが他にも東京タワーが登場する作品もある。
色
「赤と白」「朱色と白」と言われることも多いが、実際に使われる色は、「インターナショナルオレンジ」というものである。ちなみに、この正式名称を応えられるのは1割以下であり、非常に細かい描写や知識で説明されるあの「名探偵コナン」ですら「赤い塔」と間違えるほどである。
備考
工期がたった1年半しかなかったため、作業員は命綱無しでの作業、鉄骨の接合に必要な800℃の鉄ピンを直で放り投げて鉄の容器でキャッチするという異次元の職人による離れ業がまかり通っていた。
その一方で、これ程までに死の危険性が多い現場でありながら死者は一名のみ(死因は強風による転落死)という奇跡とも言える数字を残している。
現在の東京タワーがあるのは彼らの底力あってこそなのである。
関連イラスト
単体
東京タワーからの景色
東京タワーとキャラクター
関連タグ
外部リンク
pixivision
- 高さ333メートルのシンボル。東京タワーのイラスト特集 - pixivision(2022年10月25日)