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気仙沼線

けせんぬません

JR東日本が運営する鉄道・BRT路線の一つ。本記事では主に鉄道について記載。
目次 [非表示]

路線データ編集

路線名気仙沼線
ラインカラー
  • 青紫(鉄道)
  • 赤(BRT)
路線区間
  • 前谷地〜柳津(鉄道正式区間)
  • 小牛田〜柳津(鉄道運転系統)
  • 前谷地〜気仙沼(BRT)
路線距離17.5km
軌間1,067mm
駅数
  • 6駅(正式区間)
  • 9駅(運行系統)
最高速度85km/h
非電化区間全線
単線区間全線
閉塞方式単線自動閉塞式
保安装置ATS-SN
運転指令所小牛田CTC
第一種鉄道事業者東日本旅客鉄道(JR東日本)

概要編集

前谷地駅(宮城県石巻市)と柳津駅(登米市)を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)鉄道路線で、地方交通線。列車の半数近くが石巻線小牛田駅(遠田郡美郷町)に乗り入れる為、運行系統上は小牛田駅〜柳津駅間の路線として扱われる。

かつては線名の通り気仙沼駅(気仙沼市)まで路線が伸びていたが、2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災大津波により沿線が壊滅的被害を受け、柳津駅〜気仙沼駅間は鉄道として復旧する事なくBRT(バス高速輸送システム)によるバス路線に転換している。


詳細は後述するが震災前は三陸縦貫線の南端部を構成していた。当初は前谷地駅~柳津駅間の柳津線と、気仙沼駅~本吉駅間の気仙沼線だったが、国鉄時代後期に日本鉄道建設公団によって本吉駅~柳津駅間が施工された。これ以降のローカル線は建設されることはなく、最後のローカル線であると言える。この区間は全体の中でも長く、比較的高規格であったため東日本大震災までは東北本線仙台駅〜気仙沼駅間の快速「南三陸」が当線経由で運行されていた。


沿革編集

開業〜全線開通まで編集

この区間の鉄道建設構想は1896年(明治29年)に生まれた。この年に明治三陸地震が発生し、その復興の為に鉄道が必要であるという理由で構想されたが、この当時は実現に至らなかった。その後1933年(昭和8年)に昭和三陸地震が発生した事で再び鉄道建設の機運が高まった。この時は着工まで至ったものの第二次世界大戦勃発により工事が中断。戦後しばらくして工事が再開され、1956年(昭和31年)4月11日にまず国鉄の大船渡線貨物支線として気仙沼駅〜(貨)気仙沼港駅が開業。翌1957年(昭和32年)2月11日に旅客線として気仙沼線(初代)気仙沼駅〜本吉駅間が開業。同時に大船渡線貨物支線を気仙沼線の貨物支線として編入した。

1968年(昭和43年)10月24日には柳津線として前谷地駅〜柳津駅間が開業した。


全線開通〜国鉄分割民営化まで編集

前述の通り鉄道建設公団により柳津駅〜本吉駅間が建設され、1977年(昭和52年)12月11日に全線開通した。同時に気仙沼線(初代)を柳津線に編入し、柳津線を気仙沼線(2代)に改称した。

但しこの時に南気仙沼駅〜本吉駅間の貨物営業が廃止されている。また2年後の1979年(昭和54年)11月1日には貨物支線が廃止され、気仙沼線の貨物営業が終了した。


国鉄民営化後〜東日本大震災まで編集

1987年(昭和62年)4月1日に国鉄が分割民営化されると、JR東日本が第一種鉄道事業者として継承した。1992年(平成4年)3月14日からはワンマン運転を開始。

その後は使用車両の変更等はあったものの大きな動きはなく、そのまま推移するものと思われていたが…。


東日本大震災以降編集

前述の通り東日本大震災の大津波で沿線自治体は壊滅的な被害を受けた。気仙沼線も例外ではなく、被害の少なかった前谷地駅〜柳津駅間は4月29日に運転を再開したものの、その先の区間は復旧の見通しが全く立たなかった。これは被災地の被害が甚大だった事に加え、赤字額が大きい為復旧しても結局赤字が解消される見込みが無い事もあった。

この為JR東日本と沿線自治体は柳津駅〜気仙沼駅間はBRTによる仮復旧とし、2012年(平成24年)8月20日に暫定運行、12月22日に本格運行を開始した。また2015年(平成27年)6月27日には運行区間が前谷地駅まで延伸された。一方で鉄道での全区間復旧を断念しBRTによる運行を本復旧と見なす事でJR東日本と沿線自治体が同意し、2020年(令和4年)4月1日に柳津駅〜気仙沼駅間は鉄道としては廃止された。


気仙沼線BRT編集

JR九州?

BRTの項も参照。


当初は路線バスへの振替輸送を行い、2012年8月20日より一部区間をバス専用道として復旧した上で代行バスを運行。同年12月22日からはバス専用道区間を伸ばし、BRTとしての運行を本格的に開始した。

現在は前谷地駅〜気仙沼駅間の気仙沼線全線をカバーする路線の他、区間便も存在する。なお前谷地駅〜柳津駅間は鉄道駅が存在するが、BRTはノンストップで運行する。

なお、JR東日本ではBRTのバス停を「」として案内しているが、法律上の「駅」では無く鉄道の代替路線として案内しているに過ぎない。


BRT区間ではJR東日本が用意した車両(日野自動車ブルーリボンシティハイブリッド)を用いて地元のバス会社・ミヤコーバス(宮城交通の子会社で名古屋鉄道グループの一員)へ運行を委託している。

交通系ICカードは専用のOdecaが発行されているが、全国共通の交通系ICカードも利用できる。また、いすゞ車を改造した充電式電気式バスを実験を兼ねて運行しており、かつてはBRT開業時に導入した中古車(元川崎市交通局)を観光用に改造した観光型BRTも運行していた。


運行形態編集

現在の運行形態編集

鉄道は1日9往復で、ワンマン運転の普通列車のみ運行されている。下り3本、上り4本は小牛田駅発着。概ね2〜3時間に1本程度の運行間隔で、列車がない時間帯はBRTが補完している。但し一部列車は特定日に運休する為間隔が更に開く時間帯が存在する。

なお鉄道とBRTの接続は考慮されていない。


過去の運行形態(震災前)編集

  • 快速「南三陸」

仙台駅〜気仙沼駅間で2往復運行されており、指定席が設定されていた。また年末年始には臨時列車として「南三陸81・82号」が運行された。

2001年(平成13年)11月30日までは1往復が大船渡線盛駅発着で運行されていた。

東日本大震災による不通区間発生の為運行不能となり、正式に廃止のアナウンスは為されていないものの事実上消滅した。


  • 臨時快速「リアス・シーライナー」

仙台駅〜八戸駅間を東北本線・石巻線・気仙沼線・大船渡線・三陸鉄道南リアス線※・山田線※・三陸鉄道北リアス線※・八戸線経由で結んでいた列車。毎年夏季に運行された。基本的に三陸鉄道の気動車が使用されていたが、一部はJR東日本のキハ58系エーデルワイス」「kenji」が使用された。

「南三陸」同様に東日本大震災による不通区間発生に伴い消滅した。


※現在の三陸鉄道リアス線区間


  • 普通

基本的には小牛田駅〜気仙沼駅間の運行で、一部前谷地駅・本吉駅を始発・終着とする列車が存在した。

なおBRT転換区間は鉄道時代よりも本数が増えている。


駅一覧編集

現存区間編集

駅名乗換路線備考
小牛田
上涌谷
涌谷
前谷地当駅発着あり
和渕
のの岳
陸前豊里
御岳堂
柳津気仙沼線BRT気仙沼方面

廃止区間編集

本線(2020年4月1日廃止)編集

BRT転換後の停留所は省略

●:停車 ○:1・4号のみ停車

▲:4号のみ停車 △:1号は通過 レ:通過

駅名快速乗換路線備考
柳津
陸前横山
陸前戸倉
志津川
清水浜
歌津
陸前港
蔵内
陸前小泉
本吉当駅発着あり
小金沢
大谷海岸
陸前階上
最知
松岩
南気仙沼
不動の沢
気仙沼大船渡線(ドラゴンレール大船渡線)

貨物支線(1979年11月1日廃止)編集

駅名接続路線
南気仙沼気仙沼線(本線)
(貨)気仙沼港

使用車両編集

所属の記載のないものは小牛田運輸区→仙台車両センター小牛田派出所所属。

現在の使用車両編集

全定期列車で使用されている気動車で、石巻線との共通運用。

100番台は震災前から快速「南三陸」で運用されていたが、150番台は震災後に盛岡車両センターから転属した。


秋田総合車両センター南秋田センター所属の検測車。不定期に入線する。


過去の使用車両編集

自社車両

震災前の主力車両。快速「南三陸」や普通列車で使用された。


快速「南三陸」で使用された急行型気動車。


  • キハ58系「エーデルワイス」「kenji」

盛岡車両センター所属のジョイフルトレイン。臨時快速「リアス・シーライナー」で運用された。


  • キハ59・キハ29系「こがね」

ジョイフルトレイン。臨時快速「こがねふかひれ」で使用された。


  • キハ110系0・200番台

どちらも快速「南三陸」で運用された。

0番台はリクライニングシートを設置した指定席車両としての運用で、気仙沼線を単独で運行した事は無かった。

200番台は陸羽東線・陸羽西線用車両で、100番台の代走で自由席車両として運用された。


三陸鉄道所属

北リアス線・南リアス線用車両。「リアス・シーライナー」として乗り入れていた。


関連タグ編集

JR東日本 石巻線 大船渡線 BRT 東日本大震災


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