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3分ポッキリの編集履歴

2023-10-14 15:39:01 バージョン

3分ポッキリ

さんぷんぽっきり

クレしん映画第13作。

2005年4月16日に公開された『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズ13作目。

正式名称は「映画クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ 3分ポッキリ大進撃」


あらすじ

ある夜、春日部に現れた謎の巨大怪獣野原家を跡形もなく潰していった…という夢を見たしんのすけ

しんのすけは二度寝でアクション仮面と共に怪人を倒し、「正義の心得」を教わる夢を見た。

翌朝、遅刻したしんのすけを自転車で送ったみさえはそのままうたた寝してしまった。

そこに掛け軸の裏から光を放ちながら宙を舞う謎の物体が現れ、カップラーメンを食べるために怪獣シリマルダシの人形に憑依するが、そこをみさえに見つかってしまい、自分が未来からやって来た時空調整員「ミライマン」である事を話す。

帰宅したしんのすけ、ひろしひまわりシロは掛け軸の裏側の世界で怪獣の存在を知り、現実でみさえとミライマンから未来崩壊の危機を知らされ、未来を守るために野原一家3分後の世界で正義のヒーローに変身し、怪獣と戦う事になる。

しかし、ひろしとみさえは次第に怪獣退治に優越感を感じていき、それに圧迫されるように日常生活が疎かになっていく…。


主題歌

OP曲

ユルユルでDE-O!

歌/野原しんのすけ

作詞/ムトウユージ

作曲/中村康就


ED曲

Crayon Beats

歌/AI

作詞/AI

作曲/AI、日野賢二、DJ YUTAKA


登場人物

ミライマン(CV:村井国夫)

時空の乱れから怪獣が現れる事で3分後の未来に訪れる危機を阻止すべくやって来た時空調整員。本体は、発光する小さな球体のような姿をしている。

野原家宅に迷い込んだ際にシリマルダシの人形に憑依する事で体を得るも、近くに置いてあったカップ麺の誘惑に負けて無我夢中で貪り食っているところをみさえに見られた結果、怪獣退治を野原一家に任せざるを得なくなった。野原一家がシリマルダシの人形を掲げると、それぞれのヒーローの姿に変身できる変身アイテムの役割をしている。

ポジションは某夢のヒーローに近いが、何気に人形で変身という本家筋の展開を先取りしたキャラクターでもある。


登場ヒーロー

しんのすけが変身するヒーロー

しんのすけマン

しんのすけが変身するヒーロー。

ウルトラマンのような見た目だが、怪獣波田陽区との戦闘では彼と同じ格好になった。

股間には金色の球体が付いており、ビームを放つ事ができる。尻の部分が露出しており、オナラで空を飛ぶ(ガス欠すると飛べなくなる)他、その他の攻撃方法も基本的にオナラを用いたものとなっている。


みさえが変身するヒーロー

彼女が変身するヒーローの共通点として、常にハート型の魔法の杖を持っている。

3分ポッキリ大進撃

プリティミサエス(CV:福圓美里)

みさえが変身するヒーローその1。

体が若返ったからか、この姿では担当声優が変わっているため、ひろしとしんのすけが気付かなかった程。

メガネをかけたツインテールの魔法少女で、服のパターンは2種類。

星型のプレートに乗って飛行する。

攻撃方法は魔法のステッキから放つ光線や、ステッキを変形させた巨大ハンマー。

余談だが、声を担当した福圓美里は本作の公開から七年後に本物の変身ヒロインを演じる事になる。

緑のツインテール少女という意味では彼女に似ているが、プリティミサエスの方が先である。


みさX

セクシーみさえX

みさえが変身するヒーローその2。

服装は妖艶な魔女のような姿とメイド服の2パターンがある。

メイド服の時は巨大な掃除機、魔女のような姿の時はカッターにもなる帽子を投げて戦う。


野原みさえ

マーメイドミサエリアス

みさえが変身するヒーローその3。

名前通り人魚の姿になり、水中戦を得意とする。乗り物で飛ぶ他の2形態とは違い普通に空を飛ぶ事ができる。他の形態同様、魔法の杖を武器とする。


ひろしが変身するヒーロー

野原ひろしマン

ひろしが変身するヒーロー。

服装は白の全身タイツに初心者マークのプレートが付いたもの、筋肉質で胸に「ひ」と書かれたスーパーマンのような姿のもの、青い競泳水着のような全身タイツの3パターンがある。

初心者マークバージョンでは胸元のマークが巨大化して盾になったり、エアーバッグを展開できる。スーパーマンバージョンでは主に肉弾戦メインで、怪力で敵を殴り飛ばしたり凄まじい風を起こす程の息を吹ける。青タイツバージョンは最終決戦で一度登場。

残念ながらひろしSUNには変身しない。


ひまわりが変身するヒーロー

ひまわり

ひまわりが変身するヒーロー。特に決まった名前はない。

おまる型の乗り物に乗って空を飛ぶ。

泣き声をメガホンで拡張し、電撃を放つ事ができる。


シロが変身するヒーロー

シロ

シロが変身するヒーロー。特に決まった名前はない。見た目は身体が大型犬程度の大きさになっただけ。

作中ではポチタマタロミケと一瞬対峙しただけで、特別な力があったのかは不明だが、少なくとも飛行能力がある事は確認できる。

なお、本編公開から約14年後、二度目のヒーローになる事になった。


登場する怪獣

クリラ

  • 身長:72.6m
  • 体重:5208t

最初に登場する正統派デザインの怪獣。プリティミサエスと交戦。

口からマイナスイオンカテキンが配合された青い炎を吐く。

ストーリー終盤ではしんのすけの正義の想いに応え、アクション仮面の姿でゴロドロ退治に加勢する。

名前の由来は、ゴジラの名前の由来になったクジラゴリラのアナグラム。


ラドンおんせん

  • 身長:89.9m(尻尾も含む)
  • 体重:3803t

巨大な翼竜のような姿をした怪獣。プリティミサエスと野原ひろしマンが交戦。

口から緑色の怪光線を吐き出す。この怪光線はラベンダーの香りがするらしい。

元ネタは空の大怪獣ラドン。名前の由来はラドン温泉


ギュー・ドン

  • 身長:78.2m
  • 体重:4802t

頭は、身体は人間のミノタウロスのような姿をした怪獣。野原ひろしマンと交戦。

怪力と突進攻撃が武器。牛らしく、赤いものを見るとまっすぐ突っ込んでくる。

名前の由来は牛丼。身を解体すると9万2000人前の量になるらしい。


2960

  • 身長:29.6m
  • 体重:2960t

人面のフクロウのような怪獣。ひまわりと交戦。

マッハ6の速度で飛行する。

名前やステータスはフクロウの語呂合わせ。

デザイン元は恐らく漫画版イナズマン(しばしばフクロウが正体とされる蛾人間モスマンはたぶん関係ない)。


カマデ

  • 身長(全長):127.25m
  • 体重:2880t

細長いムカデのような体にのような頭を持つ怪獣。セクシーみさえX(メイドバージョン)と交戦。

両腕の鋭い鎌で攻撃する。

ちなみに下記のゴロドロを除けば、本作最大級の怪獣である。


ババンバ・バン

  • 身長:70m
  • 体重:9809t

頭と鼻先に角が生えた正統派怪獣。野原ひろしマンとしんのすけマンが交戦。

首からエリマキ状の電撃を放ち、攻撃を防ぐ。途中参戦したしんのすけマンが投げ付けたひろしの靴下を受け、あまりの悪臭に悶絶して敗北した。

ストーリー終盤では、カンタムロボの姿でゴロドロ退治に加勢する。

元ネタは恐らくネロンガ…というより彼の流用元であるバラゴンを流用した怪獣の要素が多い(エリマキ云々の元ネタはガボラ辺りか)。

名前の由来は楽曲「いい湯だな」のワンフレーズから。


サバシオ

  • 身長:68.75m
  • 体重:3840t

金色の体を持つ魚型の怪獣。マーメイドミサエリアスと交戦。

海でイケメン達が乗ったボートを襲っていた。理由はイケメンが嫌いだかららしい。

名前の由来は塩サバ

かつて本作が地上波放送された際、唯一出番を丸々カットされた不遇な怪獣である。


ファ・イヤーン

  • 身長:79.3m
  • 体重:728t

全身が白い炎に包まれた怪獣。4万8028℃の熱球を放つ。野原ひろしマンと交戦。

正体はガリガリのトカゲのような見た目の怪獣で、恥ずかしがり屋。

元ネタは恐らくウー


ピースくん

  • 身長:93.2m
  • 体重:5202t

巨大な青いのような怪獣。両腕の鋏で攻撃する。セクシーみさえX(魔女バージョン)と交戦。

7万8000人分の蟹味噌を含んでおり、味は美味らしい。みさえは「アレ倒したら持って帰れないかしら?」と言っていたが、当然ミライマンには却下された。

名前の由来は、両腕の鋏をピースサインに見立てたからだろう。

元ネタは恐らくエビラガニメ


怪獣・波田陽区(CV:波田陽区)

  • 身長:不明
  • 体重:不明

「ギター侍」ことお笑い芸人の波田陽区氏がまさかの怪獣役としてゲスト出演。演者曰く、本物よりも憎たらしい顔になっているらしい。しんのすけマンと交戦。

持ちネタの「斬り!」で、瞬時に周りのビル(と野原家宅)を真っ二つに切断した。

最後はしんのすけマンの真剣白刃取りならぬ尻刃取りでギターを破壊され、「拙者のお尻には、オデキできてますから…切腹ゥゥゥ!!」と叫びながら敗北した。


ラビビーン関根

  • 身長:72.3m(耳も含む)
  • 体重:1010t

巨大なのような怪獣。野原ひろしマンと交戦。

耳から8200万ボルトの電撃を放つ。ちなみに柳田理科雄氏の考察によると、この電撃は16m40cmまでしか届かない(人間の大人が40cm先しか攻撃できないのと同じ)との事らしい。

ストーリー終盤では、紙に書いたぶりぶりざえもんの姿でゴロドロ退治に加勢する。

名前の由来はラビット関根


カトリーヌ三世

  • 身長:82.4m
  • 体重:1294t

鳥のような顔と虫のような触角を持つ怪獣。伸縮する腕で敵を掴む。京都タワー前でプリティミサエスと交戦。

バルタン星人キュラソ星人を合体させたかのような姿をしているが、元ネタは不明。


タナ・シ

  • 身長:75.6m
  • 体重:923t

風船のような体を持つ、ヒヨコの合成怪獣。しんのすけマンと交戦。

体を膨らませて放出する強力な風圧で敵を吹き飛ばす。

名前の由来は田無市(現:西東京市)。戦闘シーンではスカイタワー西東京(田無タワー)と旧シンエイ動画本社が描かれている。


キリキリマイ

  • 身長:52.3m
  • 体重:3203t

派手な縞模様の殻と、大きな口を持ったカタツムリのような見た目の怪獣。ひまわりと交戦。

名前の由来はきりきり舞い。元ネタは恐らくゴーガ


ポチタマタロミケ

  • 身長:92.6m
  • 体重:2200t

赤いの頭と緑色の猫の頭を2つずつ、計4つの頭と、体から翼を生やした姿の怪獣。それぞれの頭は独立して脳があり、行きたい場所が4つとも異なるため仲が悪いらしい。シロと交戦。

元ネタは言うまでもなくキングギドラ

ちなみに、かの宇宙化猫より生まれは先である。


ゴロドロ

  • 身長:測定不能
  • 体重:測定不能

最後から2番目に現れた怪獣。全身がピンク色のスライム粘土のような不定形な体を持つ超巨大怪獣

あらゆる攻撃を無効化する上に、無数に伸ばせる触手や複数ある目から放つ光線など、脅威の強さで野原一家を苦戦させたが、唯一悪臭が弱点(悪臭を受けると緑色に変色する)。

最後は、怪獣達が姿を変えたアクション仮面とカンタムロボの協力を得たしんのすけマンの渾身のオナラ攻撃の前に敗北した。


にせしんのすけマン

  • 身長:不明(画面上での身長はしんのすけマンと大体同じ)
  • 体重:不明

最後に現れた怪獣。東京タワー上空にあった怪獣の繭がそのまま変貌する。

この世界で最も強い存在=しんのすけマンの姿をそっくりコピーしているが、カラーリングは暗い赤とグレーの反転になっており、股間の金玉も真っ黒。口調はしんのすけと同じものとなっている。

自分が最強の存在となるべくしんのすけマンに襲いかかるが、ひろしの靴下とカンタムのカンタムパンチによる連係プレーで東京タワーに激突、そのまま地面に落下しかけたところをしんのすけマンに救出される。

「強い人は弱い人を助けるけど、強い人も弱い人も関係なく、助けられたらそれで良い」というしんのすけの言葉に改心の兆しを見せるが、最後はみさえのグリグリ攻撃によって敗北、「最強の上には最強がいたゾー!」と断末魔の叫びを上げながら光の粒子となって消滅した。

元ネタは言わずもがなにせウルトラマン。繭の元ネタは恐らくモスラの繭


作品の解説

本作の最大のテーマは「真のヒーローとは何か?」、そして、「本当の強さ」

大きく分けて、この二つがメインとなるテーマとして、全編を通して扱われている。

ヒーローになって怪獣と戦うという夢が叶ったら…本作ではそんな願い事が現実になったらという内容が描かれている。


基本的にヒーローとは、全人類の憧れであり、煌びやかで輝かしい夢の存在として描かれる。

しかし、怪獣はヒーローの都合に合わせて出現しない上、ヒーローが負ければ世界の終わりが待っている。

そのため、手のかかる料理や時間のかかる家事をしなくなり、子供すらも放ってヒーロー活動にのめり込む。ヒーローに変身すると、理想の自分になれる上に活躍するとチヤホヤされるためネトゲのようにのめり込んでいく。などのシーンが描かれる事で、野原家を通してヒーローになって悪と戦うという妄想の甘さを打ち砕いていく。

そして何より、強くなっていくのはヒーローだけでなく、悪の側もそうであり、ただチヤホヤされるためだけには戦えないという現実と、悪との戦いは生易しいものではなく、ヒーローも痛みを伴うものであり、それでも最後まで戦わなければいけないという現実が映画の終盤で描き出されている。


傷付き気力のなくした両親を守るためしんのすけが立ち向かうシーンと、そのしんのすけに勇気付けられ親としての責務を果たすため怪獣と戦うひろしとみさえの戦いは、まさしく「ヒーローは何故戦うのか?」「ヒーローは何のために戦うのか?」という、ある種のヒーローとしての普遍的な問いに対するアンサーであり、そしてラストシーンのしんのすけの台詞である「強い人は弱い人を助けるけど、強い人も弱い人も関係なく、助けられたらそれで良い」は、真のヒーローのあり方と、本当の強さに対する、クレしん式のアンサーである。

まさに、『クレヨンしんちゃん』流ヒーロー映画としての傑作と言える作品となっている。


怪獣との戦闘シーンは、変身するヒーローのバリエーションが多彩であり、作品の見所の一つ。一方で、シーンとしては長い、さらに怪獣を倒して終わりというお決まりのパターンのため、同じ事の繰り返しと言われる事も。


関連タグ

クレしん映画

SHIN-MEN アクション仮面 カンタムロボ ぶりぶりざえもん 東京タワー


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