『ドン! フアアアンド!!』
ドンファンという ポケモンに
似ているような気が するが
体の大きさや 背中の形など
生物的に 全く 異なる。
なんと 偉大な牙で あろうか。
基礎データ
他言語版の名称
英語 | Great Tusk |
---|---|
イタリア語 | Grandizanne |
スペイン語 | Colmilargo |
フランス語 | Fort-Ivoire |
ドイツ語 | Riesenzahn |
韓国語 | 위대한엄니 |
中国語 | 簡:雄伟牙 繁:雄偉牙 |
概要
ポケモンSVの「スカーレットブック」に記されし怪物で、ドンファンが進化しあらゆる点がパワーアップしたかのような姿のポケモン。
バイオレット版にのみ登場するテツノワダチとは対になる。
その正体は遥か太古の時代のドンファンと推察されるパラドックスポケモンで、本記事上部の鳴き声も「Donphaned」(過去形のドンファン)から来ている。
ドンファンの倍にもなる巨大な体躯と曲がりくねった長い牙、四肢に生えた赤い体毛、黒い背中にウロコと赤い棘が並んだ鱗板骨に長い尻尾、ギザ歯状の口と、マンモスやナウマンゾウにワニや恐竜の要素が合わさったような怪獣じみた外見の持ち主。
名前の由来もまんま「偉大な牙」から。スカーレットブックの記述からそのまま名付けられた為、ある意味では仮称に近い。
そしてその攻撃力が高い肉体を使って、周囲の者に容赦なく襲いかかる凶暴性を持ち、遭遇した探検隊の中には致命傷を負わされた者もいたと記されている。
最近ではパルデアの乾燥地帯で目撃例があり、太古から生き続ける恐竜の生き残りではないかとも言われていた。
なお、牙の形状や大きさの弊害か、ドンファンやテツノワダチのような丸まって転がる動作は行わない。逆に言えば、牙を最適化して高い走行能力を得た結果が現在のドンファンであると考えられる。
ゲーム上の特徴
スカーレットブックにて絵や写真として描かれた姿を見せて貰える。その後レジェンドルートにて、ロースト砂漠のヌシポケモン『土震(どしん)のヌシ』として巨大な個体が登場し、悠然と砂漠地帯を闊歩している。
推奨レベルは45。
高い攻撃力から放たれるタイプ一致技の「じだんだ」、「かわらわり」は強力であり、耐久の低いポケモンなら一撃で落とされかねない。かといって一致技を両方無効化出来るフワライドを連れて行こうものなら道具持ちにダメージが増加する「はたきおとす」で命すらも落とされてしまうので要注意。
出現場所の割に推奨レベルがかなり高く、ハイダイに忘れ物を届けるついでに立ち寄って初見殺しを受けたプレイヤーも多いだろう。
2戦目ではペパーのスコヴィランが「こわいかお」などの変化技でサポートしてくれるので攻略がかなり楽になる。
正直言って明確な対処法のあるテツノワダチより遥かに手強いのでキチンとレベル上げとパーティ構成をしっかりしていないと大苦戦を強いられる。
有利に戦えるポケモンを挙げるならばイダイナキバの一致技である地面技を無効、格闘技を半減で受けられ、特性いかくで相手の攻撃力を落とせる上に水技で弱点まで突けるギャラドス、同じくいかく持ちとしてムックル系統、飛行持ちとしてルチャブル、そしてカラミンゴ。
テツノワダチと同じくヌシ討伐後、ロースト砂漠のヌシ戦の場にシンボルが出現するので、これを捕獲すれば証持ちの個体を入手できる。(三つのルートクリア前にゲット出来る。)
エンディング前でパラドックスポケモンを捕まえられる唯一のタイミングなので、ゲットして旅パに入れるのも面白い。
通常の個体はエンディング後のパルデアの大穴に出現する。
性能
名前 | HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
イダイナキバ | 115 | 131 | 131 | 53 | 53 | 87 | 570 |
ドンファン | 90 | 120 | 120 | 60 | 60 | 50 | 500 |
テツノワダチ | 90 | 112 | 120 | 72 | 70 | 106 | 570 |
種族値の増加に伴い、低下した特攻と特防以外は上昇している。
また、かくとうタイプが追加されたことで初のじめん・かくとうタイプとなった。
種族値のバランスは見事なまでにどこかで見た事があるバランス。何気に同じかくとうタイプである。
そのポケモンと違い特殊技も少しは覚え、きあいだまを始めとした特殊格闘技こそおぼえないものの、地面技や「ラスターカノン」、そして「サイコショック」を習得する。「しねんのずつき」も覚えるが何故ゴリゴリの物理ポケモンがこの技を…当然ドンファンやテツノワダチはサイコショックを覚えられない。
物理火力・物理耐久に関してはかくとうタイプ全体から見ても高水準を誇る。
サブウェポンも両タイプの定番であるストーンエッジだけで何とかなる為、技のスペースにも困らない。またもろはのずつきも覚えるため、エッジ予測で耐久振りをしている相手を不意に崩せることも。
一方特殊耐久はHPが高いとはいえ不安で、かつドンファンが持っていた「がんじょう」もない為一撃で沈められやすい。得手不得手がはっきりしていると言える。
また、BとDダウンのデメリットを持つ「ぶちかまし」や「インファイト」を採用すると、折角の高い物理耐久も捨てがちになってしまうのも困りもの。
物理耐久はこまめにビルドアップで直すなり、いっそこだわりスカーフやこだわりハチマキによる撃ち逃げ型にしてしまうなどの使い方をしよう。
素早さもフォルムチェンジしたロトムより1高く、サーフゴーやロトムを上から叩き易いうえ、実は攻撃・防御に努力値を振らずに最速にすると素早さの数値が攻撃・防御を僅かに1上回るという、絶妙な数値になっている。
これによってこだいかっせいの対象を素早さにする事も可能。
火力や物理耐久は「ビルドアップ」で補強できる為一考の価値はある。
こだいかっせい抜きでもこうそくスピンを習得することから、環境に多いカイリューやガブリアスに対しては、きあいのタスキやマルチスケイルを潰してスピンの起点にすることが可能という天敵に近い性能を持っている。
特殊耐久も特化で考えればドリュウズより少し劣る程度にとどまる。ドリュウズも「とつげきチョッキ」型として一定数使われてきたため、チョッキやテラスタルを駆使することでイダイナキバにも可能性はあるだろう。
テラスタルするタイプは一致技を補強できる地面、もしテラスタイプを変えるのであれば晴れ下で発動するこだいかっせいを最大限に活かせてやけど対策もでき、なおかつ氷に耐性を持てる炎、元々苦手なみず技に耐性を持てる上に弱点を大幅に減らし、麻痺対策もできるでんき辺りが無難で良いだろうか。
シリーズ2で解禁された当初は「とつげきチョッキ」で低い特殊耐久を補う型や「ブーストエナジー」で高い攻撃をさらに強化する型が最初期で流行していた。
が、シーズン3の中盤から前述の攻撃・防御無振り最速だと素早さがブーストされる点に着目され、こちらの型も一気に数を増やしている。
一見火力は低めに見えるが元々十分な技威力を持ち、更に本来「こうそくスピン」を入れる枠に「アイアンヘッド」を採用する事によってフェアリー対策をしながら不利対面も強引に押し切る事ができるのも評価点。
同じパラドックスポケモンであるハバタクカミははがねタイプに弱いが、イダイナキバはそれを補完するアタッカー枠という面もある。
シーズン4終盤にはAS極振りの「こだわりスカーフ」型が上位層で増加。
とにかく特攻を伸ばすような奇形以外であればだいたいトレーナーのニーズに応えてくれるのがこのポケモンである。
しかし四災が解禁されたシリーズ3になると、じめん枠としての需要をディンルーに吸われ、苦境に立たされることとなった。
それでも四災に強いかくとうも持っていることもあり、シーズン5終盤には一周回っていじっぱりAS振りの「とつげきチョッキ」型が上位層で使われるように。
シーズン6にはメインウエポンが通りにくいカイリューへの打点となる「がむしゃら」を持ったAS「きあいのタスキ」型が流行。このシーズンの最終3位にはそれに加えて「みがわり」を搭載した型が残った。対カイリュー性能を高めたものとしてはフェアリーテラスタル型も存在しているが、これはカイリュー側にしてみても「げきりん」ぐらいでなければイダイナキバに打点を持つのは難しいため。
シーズン10になると使用率が伸び悩む中で、ランク最上位帯で攻撃ブースト「こうそくスピン」ASいじっぱり型が開発された。
テラスタイプはかくとうの持つ弱点を消せるはがねや一致タイプが主に使われる。
ダブルバトルではトップメタにじめん技の通りが良いことなどを活かし「きあいのタスキ」型や「とつげきチョッキ」型が台頭。
また、おいかぜ要員、特にファイアローとの並びが注目され、シーズン3では最終1位の構築の軸として採用されるまでに至った。
PJCS2023第1回オンライン予選期には、最速イダイナキバ抜きが素早さ調整指標となるほどの要注意ポケモンとなった。
余談
- パルデア地方のモチーフであるスペインの南西部でも、かつて実際にナウマンゾウの仲間が生息していた痕跡があり、アンティクウスゾウの足跡が化石として発掘されている。
- 「月刊オーカルチャー」の中では恐竜の生き残りとする説が提唱されているが、このことからポケモンの世界にも化石ポケモンとはまた別に生物としての恐竜が実際に存在していた可能性が浮上している。尤も、ピカチュウがあの世界に鼠が存在しないにもかかわらず「ねずみポケモン」と呼ばれているように、あくまで分類として恐竜という名称が存在するだけかもしれない。
- ドンファンはイダイナキバと比較して牙が退化しているか、現実のゾウ科でも時代が下るにつれ牙が短くなる傾向にあり、特に近年のアフリカゾウでは密猟の影響でそもそも牙を持たない個体が増えているという事例もある。
関連イラスト
関連タグ
0983.ドドゲザン→0984.イダイナキバ→0985.サケブシッポ