曖昧さ回避
- ドイツ語でボールペンを指す言葉。→クーゲルシュライバー
本ブキのイラストを探す際は「クーゲルシュライバー」で検索した方が出やすいが、普通のボールペンも多く出てくるので注意されたし。
また、『クーゲルシュライバー スプラトゥーン』『クーゲルシュライバー Splatoon』のような形で検索すると更に出やすくなる。
概要
ゲーム『スプラトゥーン』シリーズに登場するスピナータイプのブキ。『スプラトゥーン2』の後期アップデートにて追加された。
特殊な可変機構により、高火力の近距離射撃と精密な長距離射撃とを両立した上級者向けのスピナー。高ランクでないと解放されない分、その性能はスピナー上位に相応しい。
製造はキャンバス社で、同社にとって初となる長射程ブキ。同社スピナーでの後輩はイグザミナー。
デザインモチーフは多色ボールペン。ブキ名もそのままドイツ語でボールペンのことで、いわゆる「かっこよく聞こえるドイツ語の一般名詞」の代表例である。
プレイヤー間での通称は「クーゲル」「クゲ」など。
性能
このブキの最大の特徴は、何と言っても短射程モード・長射程モードの切り替えにある。
ペン先を突き出したりしまったりすることで長射程モードと短射程モードを切り替え、遠近両方の敵に対応することができるのだ。
- 撃ち初めは短射程モード。短射程シューター程度の射程しかないうえ弾がかなりバラけるが、全ブキ中最速の連射速度(スライド後のスパッタリーなどよりも速い)で弾幕を張れ、また移動速度がスプラスピナー並みとかなり速い。
- 撃ち続けるとカチッという音と共に自動で長射程モードに切り替わる。バレルスピナー以上の射程と極めて高い射撃精度を出せるが、射撃速度が若干落ち、移動速度が非常に遅くなる。
これだけなら使い勝手が悪そうだが、本ブキはノーチラス47のようなリチャージ機能も備えている。これにより「長射程に切り替わる前にリチャージを挟み、短射程モードで撃ち続ける」という運用も可能。
スピナー種への対処セオリー通り、長射程モード中に近付けば倒せそうに思えるかも知れないが、上手い使い手は一瞬イカ状態になって短射程モードに切り替えて反撃してくる。短射程モードのクーゲルはいわばハイドラントのキル速で殴ってくるプロモデラーであり、下手に近づけば返り討ちにされてしまうだろう。
射程の切り替え・維持の仕様やリチャージを多用することによる燃費問題に慣れるまでは扱いが難しい面もあるが、通常のスピナーでは精度の関係で手が届きにくい遠距離の敵に撃ち勝てたり、リチャージをこまめに挟んで近距離にも対応できるのは他のスピナーにはない強みである。
種類
これまで登場したのはオリジナル版の「クーゲルシュライバー」と、メーカー純正カスタム「クーゲルシュライバー・ヒュー」の2種。
Splatoon2
名前 | サブ | スペシャル | ランク |
---|---|---|---|
クーゲルシュライバー | ポイズンミスト | ジェットパック | 25 |
クーゲルシュライバー・ヒュー | ジャンプビーコン | アメフラシ | 28 |
ギアパワー「メイン性能アップ」の効果:与えるダメージが大きくなる
無印はポイズンミストで足止め・接近拒否してメインでキル、ジェットパックで超長射程ブキへの対抗や緊急回避、とサブスぺの役割が明確。
一方ヒューは味方支援に長けた構成で、スペシャル必要ポイントは重いもののアメフラシを浴びせれば確定数を減らせることがおいしい。
Splatoon3
名前 | サブ | スペシャル | ランク |
---|---|---|---|
クーゲルシュライバー | タンサンボム | ジェットパック | 30 |
クーゲルシュライバー・ヒュー | トラップ | キューインキ | 30 |
『2』の無印からジェットパックを受け継ぎつつ、タンサンボムにより射程負けする長射程組(ハイドラントやスプラチャージャー、リッター4Kなど)へのさらなる干渉手段を得た。
ヒューはシーズン5より登場。ビーコンの代わりに前線支援に長けたトラップを、アメフラシの代わりに防衛力に長けたキューインキを装備。
チャージ時などに近寄られた際にはトラップ→短射程モードで迎撃し、キューインキによる味方を含めた防御手段も得たことで、メインとサブスペで攻防を両立。無印と比較して近距離ブキ対策が施されたものといえる。
元々スピナーはガチヤグラ適性が高いがこのブキはその中でもトップクラスと言える。
基本的な立ち回り
短射程モードの塗り性能が優れることを活かし、短射程でガンガン塗り拡げながら前線を形成、前線が一度出来たら適時短射程と長射程を使い分けながら戦っていく。
メイン性能が優れており、どんな状況にも万能に対応できるために「サブスペを使うヒマが無い」というとても贅沢な悩みが聞かれることすらあったりする。
『2』
無印サブのポイズンミストは結局現環境に至るまで評価が伸び悩んでいる一方、デス時に使え、味方の復帰支援にもなるビーコンを積んでいるヒューの方がサブのシナジー評価が高い傾向にある。
また、スペシャルに関しても無印のジェットパックも悪くないものの、投げておくだけで効果を発揮してくれる上にインクリロードとしても使えるヒューのアメフラシがやはりシナジーを高く評価されがちであった。
『3』
ジェットパック搭載ブキの中でも、塗り性能に優れるため回転率が高いことが評価されている。
2023年春シーズンのアップデートでジェットパックの近爆風範囲が強化され、「タンサンボムの近爆風+ジェットパックの近爆風」というコンボが成立する確率が上がったため、特にガチエリアでリッター4Kに次ぐ後衛ポジションとしてめきめきと評価を上げている。またこれに対しサブ影響軽減を積む、スクリュースロッシャーやジムワイパーがジェットパックの撃墜要員としてクーゲルを役割対象に入れるようになる、という形でメタが回っていた。
ただ若干暴れすぎたようで、2023年夏シーズンのアップデートでスペシャル必要ポイントがナーフされてしまった(190→200)。同じくジェットパック搭載のラピッドブラスターデコもナーフされているが、ブキの性能自体に手は入っていないため致命的とは言えない。また、2023冬シーズン途中のアップデートで、長射程モードでの射撃ブレが増加するナーフを受けた。今後の変遷にも注目したい。
一方、ヒューはトラップを上手く生かした持久力に優れる。
短射程モード+トラップならば近距離自衛と瞬間火力を両立し、キューインキ+トラップならばより強固に前方からの進軍を阻止できる。長射程モード+トラップで、射撃中の隙をカバーしつつその場でイカになることで即座に短射程に切替可能。あえてトラップを遠くに置いておき、引っかかってマーキングされた相手を長射程モードで狙い撃つこともできる。
ただし無印が圧倒的汎用性を誇るのと、ランク30で同時に解放されるためか、それに比べると採用率はやや控えめなのが現状。
しかしガチヤグラに関してはブラスターやリッターに強いキューインキのあるヒューの方が使い勝手は遥かに良い。
おすすめギアパワー
- インク効率アップ(メイン)
半チャージで戦うときには必須といっていいほど重宝するギアパワー。
- インク効率アップ(サブ)
長射程をさらに生かしたい人におすすめ。ポイズンミストやトラップを使いやすくするのに有効。
- アクション強化
長射程モードでジャンプ撃ちする場合におすすめ。といってもほぼ精度は落ちないため、わざわざ枠を割くかは個人の好みになるだろう。
サーモンランでの立ち回り
サーモンランにおけるスピナー系のブキは取り回しが悪いハイドラントを除いて実力が高めに評価される傾向がある(もちろんハイドラも慣れれば非常に強い)が、本ブキは慣れていない人には射撃モードの切り替えが使いこなせず、咄嗟に必要なモードを出せないという点が痛い。
ただし使いこなせるようになると、短射程モードの圧倒的破壊力と塗りで周りのザコシャケをなぎ倒し、バクダンやタワーと言った遠距離から狙い撃ちたい敵に対しては長射程モードで刺す、というまるでボールドマーカーとジェットスイーパーを合わせたような万能な立ち回りが可能となる。
一方で、リチャージをバリバリに使って戦っていこうとするとインクが慢性的に減りっぱなしになり、カタパッドやモグラ等ボムを使わないと倒せないオオモノの処理には困りがち。
この点を知っていてフォローしてくれる味方がいればよいが、そうそう都合よく助けてもらえるとは限らないので結構頭の痛い問題である。もっとも、スピナー系列のブキはボムを使わなければならない状況が総じて苦手ではある。
いずれにせよ使いこなせれば非常に強く、明らかにオーバースペックな強さを持つため、でんせつクラスのバイターからはスパッタリーやジムワイパーと並び最強バイトブキの一角と評される。
余談
- 「クーゲルシュライバー」がドイツ語でボールペンを指すことは先に述べたが、そのドイツ語版での名称はというと"Kuli-Splatling"で、"Kugelschreiber"の省略形である"Kuli"と"Splatling"(スピナーの海外名、Splatとgatlingのかばん語)を合わせたもの。
- ちなみに、一見関係のないロシア語版では日本語と同じ"Кугельшрайбер"(クーゲリシュライベル)となっている。
- 『2』においてはアップデートによって弱体化された回数が最も多かったブキで、その内容も「攻撃力ダウン+メイン性能アップによる擬似3確がまず不可能になる」「長射程モードの空中精度が悪くなる」「射程が少し短くなる」などかなり大きかった。逆を返せばそこまで弱体化される程強かったわけである。